東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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第43回 順天堂東医研で喋ってきました。

2022.08.04

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7.28(木)の夜は、第43回の順天堂東医研で喋ってきました!!

 

 

今般の感染拡大を受けて、今回から、再びzoom講義となりました。。。苦笑

 

(この二年半の間、大体二回ハイブリッドをやると、またオンラインに戻る、というパターンを、3回繰り返しています。苦笑)

 

 

・・・まあしかしもう、慣れたもんです。

 

 

zoomならzoomで、それに最適化した内容を粛々とやるのみです。

 

 

まだまだ、教えていないこと、語っていないことは山ほどある。

 

 

今回も北海道から沖縄まで、多くの学生さんから参加申込があり、嬉しい限り。

 

 

怪我の功名で、こうやって全国の学生さんと繋がることが出来たのも、オンライン講義の普及の御蔭です。

 

 

今回は

 

「東洋医学的診察法⑩ 弁証問診その2(飲食・二便・発汗)」

 

「東洋医学的診察法⑪ 弁証問診その3(その他の排出物、五官、睡眠状況など)」

 

という2本立て。

 

 

極めて重要な、「東洋医学的問診」シリーズであります。

 

 

的確な漢方処方、的確な鍼灸配穴を得る上で、「的確な弁証問診」が必要なのは言うまでもありません。

 

 

えーそんなん、身体を診りゃわかるじゃん、と思った先生もいるかもしれませんが、それだけでは、病の細かいストーリーやメカニズム、その患者さんの置かれている環境、背景まできっちり押さえることは出来ませんので、

 

そういう「検査すりゃ分かるんだから問診なんて不要」みたいな乱暴な考えは、東洋医学では持ちません。

 

 

これはまあよく言われる、「病気を見て人を見てない」ってやつに陥りがちな考え方であって、東洋医学ではミステイクだと考えています。

 

(by『黄帝内経素問』徴四失論(78)参照)

 

 

・・・かつて、西洋医学は、

 

「3時間待ちの3分診療」

 

とか、

 

「PCばっかり見ていて患者の顔を見ていない、冷たい医療」

 

なんて揶揄されたこともありますが、近年では、

 

「医療面接」

 

「NBM(Narrative Based Medicine:物語と対話による医療)」

 

として、非常に問診が重要視されるようになってきているようで、上記のような声を聞くことは減ったように思います。

 

 

しかし、問診が重要というところでは一致していても、患者さんから聴取した情報を、どう分析し、治療に繋げていくか、というところが、そもそもの人体観が異なる、西洋医学と東洋医学では異なります。

 

 

今回やった、飲食の情報や二便の情報、睡眠の情報等々から、東洋医学では、その患者さんの全身の機能バランスが、「どこがどう」崩れているのかを考えていきます。

 

 

つまり「八綱弁証」「臓腑経絡弁証」「気血津液弁証」「病邪弁証」「病因病機」等々、大きい物差しや小さい物差しを駆使して、その患者さんの体質も含めた病態、メカニズム、ストーリーを全機的、総合的に把握せんが為になされる、東洋医学独特の、重要な診察行為です。

 

 

これが理解できない人は、いつまで経っても東洋医学的な思考で治療を進めることは出来るようにはならないでしょう。

 

 

また、この弁証問診の学理というのは、体表観察と違って、一定の理論を学べば、みんなでその症例に関してディスカッションできるという利点もあります。

 

 

この弁証問診シリーズはまだ少し続くので、これを機に一からキチッとやって、最終的には公開臨床で、その一部始終をお見せしようと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

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(一社)北辰会、第5回古典ライブを視聴しました!!

2021.09.17

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9.15(水)の夜は、(一社)北辰会会員限定企画である古典ライブ講義を視聴してきました!!

 

 

水曜日は毎週、東洋鍼灸専門学校での講義なので、21:10まで講義なんですが、学校を出て、21:15くらいからスマホで講義を聴きながら、

 

チャリこいで家に帰り、家で片付けと明日の準備をしながら、講義を聴けるという素晴らしさ。

 

 

もう、オンライン講義なしでは生きていけない。。。笑

 

 

しかも、分かりにくかったところを翌日にOD配信で確認できるというお得さ。。。

 

 

北辰会会員に限らず、対面実技指導が受けられないコロナ禍のうちに、しっかりと学術のレベル、特に「学」のレベルは、最高まで高めましょう。

 

 

臨床家にとって、学と術は両輪の輪です。

 

 

今回の第5回古典ライブのテーマも

 

「古典に学ぶ病因病機 ~万病回春病因指南を題材として~」

 

であり、今回は

 

「内傷(脾胃)」

 

にフォーカスした内容でした!

 

 

奥村学術部長の圧倒的知識量と、新風代表のサクッとしたまとめ、というコンビネーションで語られるこの講義ですが、回を重ねるごとに分かり易さが増している感じがあります。

 

 

今回は、今の晩夏~初秋の時期にタイムリーな「内傷」で、主に金元の4大医家の一人である李東垣(1180-1251)の説を引きながら、

 

内傷のほとんどは中気(中焦の気≒脾胃の働き)が関係している、従って脾胃に着眼した治療は重要、という内容でした。

 

(なかなかの極論ではありますが。。。)

 

 

食欲の秋であり、また、夏の間にした暴飲暴食の影響が悪い面で出てきやすい時期でもありますので、このことについて知っておく、意識するのはとても重要です。

 

 

今回は、なぜか僕だけ(苦笑)画面がフリーズしましたが、どうにかリカバリーできました。(^^;

 

 

まあこういう不具合とか操作上の問題なんかも、今後の5Gの時代ではどんどん改善されてくるのでしょう。

 

 

こうやって何回もやっていくうちに、講師の方も、視聴者の方も、オンライン講義に慣れて、コロナもまだまだ長引きますから、今後は座学はこれが間違いなく主流になることと思います。

 

 

こんな便利なことに慣れたら、もはや以前に戻れるわけないですな。(*‘∀‘)

 

 

今回、印象的だったのは、「補中益気湯の中に柴胡と升麻が入っていることの重要性」というお話。

 

 

金元の4大医家の中でも、特に脾胃の働きを重視し、”補土派”と言われる李東垣(1180-1251)が創方した薬として有名で、現代の臨床でも非常によく使われる「補中益気湯」という薬(補気剤)があります。

 

 

これの中身(構成生薬)は、各古典によって多少の違いはありましょうが、基本的には

 

人参・白朮・黄耆・当帰・柴胡・陳皮・炙甘草・升麻(by『中医臨床のための方剤学』)

 

なのですが、この薬の中に入っている柴胡と升麻は、表証の薬(辛凉解表薬)でありながら、補気剤に配合すると升陽作用を発揮します。

 

 

これを鍼で表現しようとすれば、脾胃を補う配穴に、臨泣などの木気を巡らせる配穴を足すと、補中益気湯のそういう側面が表現できたりします。

 

 

臨床上、上實下虚や上熱下寒、いわゆる冷えのぼせや、人体の上下のアンバランスが起こった状態の患者さんに接する機会は多いですが、

 

意外と中焦脾胃に注目して「補気昇提」という考え方で治療するとうまくいくケースがあります。

 

 

何でも清熱や降気を考えりゃいいってもんじゃない。

 

 

中焦を補気し、清陽を押し上げることで、かえって邪気が降りる、足が温もる。

 

 

ここもなかなか、東洋医学の臨床家の腕の見せ所でしょう。

 

 

改めて、よくよく考えておくべきだと思いましたね。

 

 

また、以前から奥村先生が深く研究されている腹診論に関して、先天易と後天易と境界と、木土の五行の相生相剋の話、また、味岡三伯門下で岡本一抱(1655-1716)の同期で、

 

弟子の中の四傑といわれる浅井周伯(1643-1705)の子孫が記したと言われる「五蔵決用圖」の話など、今回もなかなか含蓄のあるお話を頂きました。

 

 

まあ簡単にいうと、江戸期の医家は腹部に宇宙を見て、治療をやっていた、ということですね。

 

 

これを壮大で、スケールが違う!美しい!!と取るか、Primitiveととるか、非科学的でとるに足らない、思弁的であり、観念論では病気は治らない、と斬るか。

 

 

・・・とまあこのように、2000円では安すぎる、非常に学びのあるこの講座、会員の先生方限定の講座ですが、これを機に入会の方はぜひ☆

 

 

 

「なんちゃって」じゃない、本気の東洋医学の素晴らしい世界が、待っていますよ☆

 

 

 

 

 

 

 

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(一社)北辰会、第四回古典ライブを視聴しました!!

2021.08.20

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8.18(水)の夜は、(一社)北辰会会員限定企画である古典ライブ講義を視聴してきました!!

 

 

日々感染者が過去最高と大騒ぎになり、医療も逼迫どころか部分的に崩壊しているという報道がなされる中、歩みを止めない北辰会。

 

 

毎月の最新のeラーニング講義配信に加え、随時配信の基礎~応用講座の数々。

 

 

さらに毎月1回のライブ配信に加えて、この古典ライブです。

 

(正直、有り得ないボリュームだと思います。向学心の高い人にとっては、超お得なメニューでしょう。笑)

 

 

しかもOD配信で何度でも視れるというお得さ。。。

 

 

対面実技指導が受けられないコロナ禍のうちに、しっかりと学術のレベル、特に「学」のレベルを最高まで高めましょう。

 

 

臨床家にとって、学と術は両輪の輪です。

 

 

今回の第四回古典ライブのテーマも

 

「古典に学ぶ病因病機 ~万病回春病因指南を題材として~」

 

であり、今回は

 

「火証」

 

にフォーカスした内容でした!

 

 

 

奥村学術部長の圧倒的知識量と、新風代表のサクッとしたまとめ、というコンビネーションで語られるこの講義ですが、回を重ねるごとに分かり易さが増している感じがあります。

 

 

今回は灼熱の夏に「火証」で、タイムリーな内容の筈だったんだけど、最近雨が続き、妙に気温が下がってますね。。。苦笑

 

(まあ昨日今日あたりは上がっていますが。)

 

 

まだまだ残暑で、9月末くらいまでは暑い日が続きますので、「火証」について知っておくのは良いことです。

 

 

今回も、途中でマイクのトラブルもありましたが、すかさずリカバリーできていました。(^^)

 

 

こうやって、やっていくうちに講師の方もオンライン講義に慣れて、コロナもまだまだ長引きますから、今後は座学はこれが間違いなく主流になることと思います。

 

 

・・・もう、昔には戻れませんね。

 

 

切ない気もしますが、仕方ないことです。

 

 

過去にもこうやって、馬での移動から人力車、自動車、飛行機へと変容してきたのが、ここ数百年の人類の歴史です。

 

 

今回もそうなるでしょう。

 

 

今回の講義にしたって、診療が終わって、スマホで聴きながらチャリをこいで家に帰り、洗濯物やら片付けやらなんやらをしながらワイヤレスイヤホンで聴いていました。笑

 

 

こんなこと言うと、

 

「それじゃ集中力が・・・」

 

とかいう批判が聞こえてきそうですが、他のことに気をとられてて聞き逃がしたところとか、不明瞭な印象の部分については、後日オンデマンド配信でじっくり聞き直せば再び頭に入るので、まったく問題ないです。

 

 

こんな便利なことに慣れたら、もはや戻れるわけないですな。(*‘∀‘)

 

 

今回、印象的だったのは、「正治と反治(逆治と従治)」というお話。

 

 

 

「火証」といえば激しい熱証な訳ですから、治療は当然清熱法という、熱をとる、冷ますやり方を行うのが常道なんですが、それをあえて温める治療を行うことで回復させるという方法について。

 

 

これについては、私も臨床上やることはあるのですが、「どういう場合に」行うか、というシャープな判断については、ピタッといかないこともあります。

 

 

ここもなかなか、東洋医学の臨床家の腕の見せ所でしょう。

 

 

また、熱証があるということは陰分の不足がある、陰分の根源は腎の臓なんだから腎に着眼することが重要、というのも、よく言われることですがやはり重要です。

 

 

そこで、腎をどういじるの??という問題に直面しますからね。

 

 

どちらも改めて、よくよく考えておくべきだと思いましたね。

 

 

また、以前から奥村先生が深く研究されている「相火論」「膜」に関して、岡本一抱の行燈の説や、有名な沢庵和尚の『五臓註』の図を引き合いに、

 

なかなか含蓄のあるお話を頂きました。

 

 

 

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(一社)北辰会、第三回古典ライブを視聴しました!!

2021.07.23

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7.21 (月)の夜は、(一社)北辰会会員限定企画である古典ライブ講義を視聴してきました!!

 

 

第三回のテーマも

 

「古典に学ぶ病因病機 ~万病回春病因指南を題材として~」

 

であり、今回は

 

「中暑」「中湿」

 

にフォーカスした内容でした!

 

 

 

 

奥村学術部長の圧倒的知識量と、新風代表のサクッとしたまとめ、というコンビネーションで語られるこの講義ですが、今回はタイムリーな内容であったこともあり、

 

臨床的な話が随所に入っていたのが素晴らしかったです。

 

 

(一社)北辰会はもちろん鍼灸学術研究団体ですが、研究者や学者の集まりではなく、あくまでも「実践から理論へ」を旨とする、鍼灸臨床家集団です。

 

 

今回、途中でカメラのトラブルもありましたが、回を重ねるごとに、スライドの見やすさ、段取りのスムーズさがパワーアップしていますね。(^^)

 

 

 

今回、暑邪に侵襲される「中暑」、湿邪に侵される「中湿」を中心に解説して下さいましたが、印象的だったのは、湿邪にも深さがある、というお話。

 

 

また、脈診所見において、弦と緩が混在するパターンの話もあり、これもなかなか注意すべき話だと思いました。

 

 

臨床をやってて思うことの一つとして、「湿邪=脾の臓にこたえる」という短絡的発想は、非常にマズいということです。

 

 

肺なのか腎なのか、あるいは肝なのか、日本ではほぼ1年中問題になる、「湿邪」というものを、どれだけ多面的に評価し、対応できるかどうか、

 

という問題は、東洋医学の臨床家の腕の見せ所でしょう。

 

 

改めて、よくよく肝に銘じるべきだと思いましたね。

 

 

 

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(一社)北辰会、第二回古典ライブを視聴しました!!

2021.07.01

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6月最終日の昨日、(一社)北辰会会員限定企画である古典ライブ講義に参加してきました!!

 

 

第二回のテーマは

 

「古典に学ぶ病因病機 ~万病回春病因指南を題材として~」

 

です!

 

 

今回の講義の題材である『万病回春病因指南』というのは、江戸時代の著名な医家であり、北辰会(というよりも近現代日本の東洋医学業界全体)が尊崇してきた岡本一抱(1655-1716)が著した、

 

中国明代、龔廷賢(きょうていけん 1522-1619)の『万病回春』の解説書です。

 

参考論文『『万病回春病因指南』の成立過程と構成』渡部栄輝

 

(万病回春については名古屋大学医学部史料室内サイト参照)

 

 

奥村学術部長の圧倒的知識量と、新風代表のサクッとしたまとめ、というコンビネーションで語られるこの講義ですが、今回は後半の奥村先生の考証学的な解説が恐ろしかったです。( ;∀;)

 

 

奥村先生のことは20年前から存じ上げていますが、先生はそのもっともっと前、1980年代から中医学研究、古典研究を日々続けてこられ、今回の講義や最近の発言をうかがっていると、

 

それらの積み重ねがいよいよ縦横斜めに繋がってきており、集大成されてきている雰囲気を感じました。

 

 

今回、寒邪に侵襲される「中寒」を中心に解説して下さいましたが、印象的だったのは、外邪に侵襲されて脈が堅いものは順、外邪に侵襲されているのに脈が緩んでいるものは逆、

 

それ以外にも、病態と脈が反するものは危ない、というお話。

 

 

また、順逆にも幅があり、逆だからイコール死病、ということではなく、難治なものと死病の弁別も重要ですね。

 

 

臨床をやってて思うことの一つとして、この、病態と脈が一致しないものというのは、しばしばドキッとするんです・・・。

 

 

改めて、よくよく肝に銘じるべきだと思いました。

 

 

 

 

 

 

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補中益気湯について

2019.03.08

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ここまでのお話し

 

四君子湯と六君子湯

平胃散について 

安中散について

大建中湯について

小建中湯について  

小建中湯について 2   参照

 

 

別にシリーズ化する気もなかったんだけど、書き始めたら何となく、

 

「あれも書いとこ、これも書いとこ。」

 

ってなって、徐々に続いてしまった、この「脾胃モノ有名漢方薬」シリーズ。(笑)

 

 

特に脈絡もなく、患者さんを診ていて、よく使われているものを書いています。

 

(こんなん書いてたら、キリがないね。。。)

 

 

もちろんながら、漢方薬というのは、鍼灸と同じように、芯となる流儀や考え方に基づいて、論理的整合性、一貫性をもって処方されるべきもので、

 

決して症状のみ、病名のみから場当たり的に処方されるものではないと理解しています。

 

 

だから僕は、全くの素人さんが、エキス剤とはいえ、ドラッグストアで簡単に漢方薬を購入できる現状、ネット通販で自分の症状から調べて入手しては、

 

サプリメント感覚で次から次に試しまくる現状にも、正直反対です。

 

 

もちろん、自分で鍼や温灸を買って適当に試すことにも、厳しいようですが反対です。

 

 

僕は鍼灸臨床家であり、畑は違いますが、今後も優れた漢方家の先生方と協調しながら、真面目に東洋医学をやっていきたいですね。(^^)

 

 

前置きが長くなりましたが、今日は「補中益気湯」です。

 

(これで一応いったん締めとしましょう。)

 

 

実は2013年の記事に、チラッと登場しました。

 

金元の4大医家 李東垣(りとうえん)   参照

 

 

この方剤の出典はあの中国金元の4大医家の一人、李東垣(1180-1251)先生『脾胃論』であり、『中医臨床のための方剤学』によれば、構成生薬は

 

人参9g、白朮9g、黄耆15~30g、当帰9g、柴胡3g、陳皮6g、炙甘草6g、升麻3g

 

となっています。

 

金元の4大医家 朱震亨(しゅしんこう)

金元の4大医家 張従正(ちょうじゅうせい)

金元の4大医家 劉完素(りゅうかんそ)       参照

 

 

効能は補中益氣、昇陽挙陥、甘温除大熱であり、主治は気虚下陥、気虚発熱とあります。

 

 

まあ要は、”黄耆”という生薬を主薬とし、結果的には中焦の気(脾気)を補って、気を昇らせ、脱肛や子宮脱などの”中気下陥”の症状を改善させ、

 

場合によっては気虚発熱を改善するという目論見の薬です。

 

 

李東垣は『内外傷弁惑論(1247)』の中で、発熱には外邪が入って邪正闘争の結果発熱するものと、脾胃が弱ったことにって発熱するものがあり、

 

脾胃が弱った場合については甘温剤で脾胃をフォローすることによって清熱することが出来ると主張しました。

 

 

ここで重要なのは、熱証モノは脾胃を補えばいい、という理解ではもちろんなく、その熱証症状、所見が、”何によるものなのか”を鑑別診断できる物差しを身に付けることですね。

 

 

この物差しになるのが脈診、腹診をはじめとした”多面的観察”であります!!

 

 

患者さんが、

 

「先生風邪ひいたー。。熱が出たー。。。」

 

と、言っていたからといって、それがどういう病因病機によるものなのかに対する理解ですね。

 

 

意外と臨床上、脾胃を補うことによって熱証症状が取れていくことはあります。

 

 

アトピー性皮膚炎なんかでも、たまに経験しますね。

 

 

実際に漢方家の先生の中には、補中益気湯を使ってアトピーに効果を挙げておられる先生も少なからずおられるようです。

 

 

刮目すべき理論です。

 

 

 

 

 

 

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「肺胃不和」という証 7

2018.08.27

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これまでのお話

 

「肺胃不和」という証 

「肺胃不和」という証 2 

「肺胃不和」という証 3

「肺胃不和」という証 4  参照

 

 

 

◆「不和」には五種類ある。

 

 

ここまで、僕が臨床上けっこう目にする「肺胃不和」について語ってきました。

 

 

ま、「肺胃不和」という熟語は、『中医弁証学』という本なんかでは「病証」としては紹介されていないのですが、清明院の臨床では「肺胃不和」と証を立てて治療し、

 

うまくいくことは全然普通にあります。

 

(以前チョロッと紹介したね。)

 

最近の症例 ⑤ 慢性扁桃炎、咳   参照

 

 

まあしかし、仮に「肺胃不和」という証が立ったとしても、それで安心はできません。

 

 

今日は最後にまとめとして、それを喋って終わります。

 

 

「〇〇不和」という証は、他にも有名な「肝脾不和」「肝肺不和」「脾胃不和」「肝胃不和」なんかがありますし、似た言い方では「心腎不交」「脾虚胃実」「肝火犯肺」などなど、

 

二つの臓腑にまたがる病(臓腑兼証)、というのはよくあります。

 

 

それどころか、3臓腑、4臓腑にまたがった病というのもあります。

 

 

この時に考えなくてはならないのは、どっちの臓腑がどれくらい悪いか、先に処置するべきはどっちか、という「ウエイト」「優先順位」の問題です。

 

 

肺の臓胃の腑が同時に病んでいて、「肺胃不和」という状況であれば、当然ながら、肺と胃、どっちがどの程度病んでいるか、という考え方は必須です。

 

 

で、これ、大きく分けると5パターンあります。

 

 

つまり不等号を入れて比較すれば「肺>胃」「肺≧胃」「肺≒胃」「肺≦胃」「肺<胃」の5つです。

 

 

この考え方を頭の中で行うことにより、「主従」が明確になり、これにさらに「標本」を考えてタクティカルに治療を進めていくことが出来ます。

 

「標本」を含む記事

「主従」を含む記事    参照

 

 

しかもこのウエイトは固定的でなく、治療効果や患者の養生の状況によって、経過の中で変動してきます。

 

 

それに上手に合わせることが出来ると、治療がスッスッスッといきます。(^^)

 

 

・・・でもこれ、まさに「家庭内不和」と同じで、理論的には簡単でも、実際はなかなか難しかったりします。(笑)

 

 

それを冷静に冷静に、根気よく根気よく、調整するのが我々の仕事だと思います。

 

 

言わば別れそうになっているカップル、夫婦の「仲直らせ屋」みたいなもんですな。(゚∀゚)

 

 

 

おわり

 

 

 

◆参考文献

 

『中医弁証学』東洋学術出版社

『中医病因病機学』同上

『基礎中医学』燎原

『全訳中医基礎理論』たにぐち書店

『基礎中医学』谷口書店

『蔵象学説の理論と運用』創医会

 

 

 

 

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「肺胃不和」という証 3

2018.08.22

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前回のお話

 

「肺胃不和」という証 

「肺胃不和」という証 2    参照

 

 

 

◆「肺胃不和」は証ではなく病理?

 

 

FBの方で、専門家の先生方から質問がチラホラ出ているこのシリーズ。。。(笑)

 

 

おもしろいから、もうチョイ引っ張りましょう。(゚∀゚)

 

 

ただ、ちょっと今日の話は専門的になっちゃうので、患者さんや一般の方はつまんないかもしれません。。。

 

 

そもそも、「肺胃不和」という熟語は、『中医病因病機学』という本の中に、「肺胃の”病理”を示す言葉」として出てきます。

 

 

そこだけ見ると、「肺胃不和」という言葉は、「証」ではなくって「病理」じゃないか!と思う人もいるかもしれません。

 

 

・・・そこで、『中医弁証学』という本に目をやると、肺と胃が同時に病む病証としては「肺胃陰虚」という証のみが紹介されています。

 

 

つまり、『中医病因病理学』『中医弁証学』では、細かく言うと「肺胃陰虚」という病証が形成される病理過程のことを「肺胃不和」と呼んでいる、

 

という理解になるのでしょうが、僕は個人的に、治療時点では必ずしも陰虚だけではない気がしています。

 

 

どういうことかと言うと、治療時点では「肺胃気滞」「肺胃気逆」あるいは「肺胃熱結」「肺胃気分熱盛」とでも呼びたくなるような病証が、

 

臨床的にはあるんじゃないか、と思っています。

 

 

このように、TCMの成書については、もちろん参考にはするけれども、「TCMの成書が100ゼロで正しい」とするような、教条主義的な取り扱い方はしない、

 

というのが北辰会のスタンスです。

 

 

「実践から理論へ」ですね。

 

(ただもちろん、今回の話は私の私見であり、北辰会の公式見解とかではないと断っておきます。)

 

 

前回書いたように、肺の臓胃の腑の力の源の中心は「陰液(津液)」です。

 

 

十二臓腑というのはこのように、それぞれの特徴に従って、活動の源泉とする精微物質に若干の違いがあります。

 

 

例えば肝の臓心の臓であれば、その活力の源は「津液」よりもどっちかと言うと「血」腎の臓であれば「精」、ということになるわけです。

 

 

このように、TCMの言う、人体を構成する「気・血・津・液・精」それぞれの精微物質が、もちろん全体としては混然一体となりつつも、

 

各臓腑に適度にバランスよく割り振られて、十二臓腑の生理活性や動的平衡が保たれているのです。

 

 

その中で、何らかの原因で「陰液が不足する」という病証があるならば、ある時点では気の停滞や邪熱がメインになる病証だってある筈でしょう。

 

 

個人的には、TCMの考え方は、現場ではそうやって融通無碍、臨機応変に運用しないと、単なる言葉遊びや暗記大会や牽強付会になってしまって、

 

結果的に成果があがらず、行き詰まってしまうように思っています。

 

 

 

続く

 

 

 

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「肺胃不和」という証

2018.08.16

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さて連休明け、さっそくガンガンやっております!!

 

 

清明院には、1年中、「咳」を訴えて来院される患者さんが見えます。

 

「咳」を含む記事 参照

 

 

春先はのぼせて咳が出る、夏はクーラーで咳が出る、秋は乾燥で咳が出る、冬は風邪ひいて咳が出る。

 

 

・・・ってな感じ。

 

 

咳と言えば当然、東洋医学的にも最終的には

 

「肺の臓」

 

の病変なのですが、

 

「なぜ、肺の臓の病変が起こっているのか」

 

という「病因」と、そのメカニズム(機序)である「病理(病機)」を明確にしないと、上手に治療できません。

 

「病因病機」を含む記事

「病因病理」を含む記事 参照

 

(まあこういうこと言うと、アタマ固い人からあいつは疾医だ!対症療法ヤローだ!!って言って突っ込まれたらヤなんですが。。。)

 

 

患者は咳を止めてくれって言ってきてんだから、普通に考えて、まずは咳を止めることを全力でやるべきでしょ。

 

(もちろん体質と病因病理を踏まえてね。)

 

 

でもそこで、肺の臓に関する経穴ばっかり触っててもダメ、ということです。

 

 

・・・まあともかく、肺の臓の病変と言っても、色々あります。

 

 

「肝の臓」からくるもの、「腎の臓」からくるもの、「心の臓」からくるものなどなど。。。

 

 

その中で、意外と多いのが「胃の腑」の異常と関係しているものです。

 

 

かつてこのブログで述べたように、東洋医学の言う「胃の腑」というのは、「五藏六府」の中の「六腑」の一つであり、人体の中央(中焦)のど真ん中にあり、

 

「脾の臓」と一体化したような形で、飲食物(水穀の精微)の消化吸収とともに、気血の上下の昇降を調節しているという重要な働きを持ちます。

 

 

久々に言うけど、「肺の臓」はLungじゃないし、「胃の腑」はStomachではないことに大大大大前提として注意を払ってもらいたいです。

 

 

肺の臓と胃の腑は、気の生成に深く関わりますが、気の昇降運動のうちの「降」に大きく関わります。

 

 

その働きのことを、肺では粛降(しゅくこう)、胃では和降(わこう)なんて言われます。

 

 

この二つの臓腑の協調性が悪くなったものを「肺胃不和」なんて言います。

 

(夫婦関係の不和の”不和”です。)

 

 

この、気の昇降出入のうちの「降」に異常をきたした、というのが、「咳」という病変に対する、一つの東洋医学的な考え方です。

 

 

 

続く。

 

 

 

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「年ですかねー」

2017.11.05

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患者さんからたまに聞かれる。

 

「先生、私のこの症状、年なんですかねー・・・?」

 

と。

 

 

これ、普通に考えて、違う。

 

 

その年齢になったら、誰でもが全員そうなるならまだしも、同じ年でも、同じような環境でも、元気溌剌な人がいる以上、なぜそうなったかには、

 

個別具体的な原因と病因病理(病因病機)がある。

 

「病因病機」を含む記事

「病因病理」を含む記事 参照

 

 

それを東洋医学の立場から明確にして治療を進めるのが清明院の弁証論治の世界。

 

 

でも、この問いには、

 

「そんなことないですよ、〇〇さんのの症状の原因は△△で◇◇で・・・、」

 

という回答が正解であることは少ないようにも思う。

 

 

この発言をした背後にある患者さんの心理を酌むべきでしょう。

 

 

最近は、

 

「そんなことないですよ、でも今日は、特別に若返りの鍼しときますね。(*‘∀‘)」

 

と、答えています。(笑)

 

 

 

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