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「血(けつ)」の病変-血閉-

2012.11.07

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昨日、「血痺(けっぴ)」について書きました。


「血(けつ)」の病変-血痺- 参照

 


ついでなんで、今日は「血閉(けっぺい、けつへい)」について書いておこうと思います。

 


ところで漢方薬というものは、いくつかの生薬から構成されていますが、その一つ一つの生薬にもちろん東洋医学的な「薬効」があり、

この分野は、古くから研究されまくっております。

 



一つ一つの生薬の薬効を考えて、それを患者さん一人一人に合わせて、相乗効果や相殺効果を考えながら、上手に組み合わせることで、

患者さん一人一人の病気の状態に合わせた漢方薬を作り、速やかに、理想的な効果を得よう、というのが漢方薬の医学です。

 

 

生薬の中には、相乗効果を示すものもあれば、相殺効果が出てしまうものもあります。



スタッフブログ 
十八反と十九畏 参照

 


その、生薬一つ一つの薬効を示した有名な古典の一つに、『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』という書物があります。

 



ここに、「血閉」という言葉が出てきます。

 



詳しくは難しくなるのであえて書きませんが、桃仁、大黄、䗪蟲のところです。

䗪蟲についてはスタッフブログ 
黒いアイツ・・・ 参照

 


桃仁、大黄についても、興味がある方は調べてみて下さい。

 


中医学では、「血閉」という言い方はあまり出て来ず、「閉血(へいけつ)」という言い方で、いわゆる「月経の停止した状態」を指します。

 



これは、更年期を迎え、生理的に月経が停止した状態というよりも、若いのに、何らかの病因で、病的に月経が停止してしまった状態を主に指します。

 


神農本草経の言う「血閉」というのも、おそらくは同じ意味でしょう。

 


下腹部において、「血」が滞り、病的に月経が来なくなってしまった状態を指し、昨日紹介した「血痺」から、この状態に進んでしまうこともあるようです。

 



これはたいへんな問題です。

 



妊娠、出産という、女性生理がうまく働かないことになりますし、それだけでなく、女性生理と関わる多くの臓腑経絡の異常に繋がります。

 



この場合は、滞った血、すなわち「瘀血」をガンガン下していく治療が必要になります。

 


まあ実は他にも、血の病変は山ほどあって、中医学には滞血・留血・蓄血・宿血・乾血・老血・死血・敗血・悪血・賊血とか、実に様々な名称が出てきます。

 


そのそれぞれにおいて、治療法は微妙に異なってきますが、基本中の基本はまず、

「血が滞ったのか、足りないのか、あるいはその両方か。」

です。

 



ここをまず、キチッと見極めないといけません。

 



・・・という話でした。(笑)

 




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この記事に関するコメント

“「血(けつ)」の病変-血閉-” への2件のフィードバック

  1. 店長 より:

    血痺のついでに血閉についても少し・・・
    芍薬は血痺には抜群の効果を示すが、血閉にまで進んでしまうとシャープには効かない。
    太陰病で大実痛の場合には桂枝加芍薬大黄湯を使うが、なぜ大黄を大実痛に使うのか?
    大概の場合、大黄は瀉下剤として考えられることが多いが、大黄は長く煎じることで瀉下作用がなくなり、駆瘀血作用が主となる。
    太陰病での大実痛は、現代医学的な表現を借りると、小腸大腸の腸間膜の静脈循環の中で、流れが瘀血などによって遮断された結果、静脈血の欝滞がおこり、その欝滞からその周辺組織の筋肉けいれんなどが生じたりして、痛みを引き起こすと愚考しています。
    腸間膜の静脈循環が遮断された場合には、芍薬だけでは役不足であり、血閉を通じさせる働きのある大黄を用いて、血液循環を元に戻していくのである。
    さらに頑固な瘀を取り除く場合には、大黄をそのまま煎じるだけでも役不足であり、その場合には酒で真っ黒になるまで炒った大黄を使うとよいと師匠は言う。
    黒い=深いところまで入り込む力が出てくるということであり、酒炙大黄を使うと頑固なシミにかなりの効果を示すこともあるほど。
    漢方医学は実に奥深い。

  2. いんちょう より:

    店長さん
    おお!またしても丁寧なコメント、ありがとうございます!!
    > 芍薬は血痺には抜群の効果を示すが、血閉にまで進んでしまうとシャープには効かない。
    はいはい、葉天士ですね?
    > 太陰病で大実痛の場合には桂枝加芍薬大黄湯を使うが、なぜ大黄を大実痛に使うのか?
    太陰病に大黄、という時点で、そこそこ勉強してても、意外に感じる人が多いと思います。
    > 大概の場合、大黄は瀉下剤として考えられることが多いが、大黄は長く煎じることで瀉下作用がなくなり、駆瘀血作用が主となる。
    これが非常に大事ですね。「修治」の重要性については、清明院が懇意にさせていただいている漢方の先生も、よくおっしゃっておりました。
    > 太陰病での大実痛は、現代医学的な表現を借りると、小腸大腸の腸間膜の静脈循環の中で、流れが瘀血などによって遮断された結果、静脈血の欝滞がおこり、その欝滞からその周辺組織の筋肉けいれんなどが生じたりして、痛みを引き起こすと愚考しています。
    なるほど、面白いというかイメージしやすいです。
    > 腸間膜の静脈循環が遮断された場合には、芍薬だけでは役不足であり、血閉を通じさせる働きのある大黄を用いて、血液循環を元に戻していくのである。
    この場合の大黄のキモは、血分における「通」なんですね。
    > 黒い=深いところまで入り込む力が出てくるということであり、酒炙大黄を使うと頑固なシミにかなりの効果を示すこともあるほど。
    なるほど、コレまた修治の大事ですね。エキス剤では生薬の修治って、どの程度勘案されているんですか??まったくされてないのであれば、エキス剤だけでは厳しい局面が出てくるでしょうね。いつも勉強になります。

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