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「象形薬理」という考え方

2010.12.19

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「象形薬理(しょうけいやくり)」

 


という、何やらマニアックな香りのする言葉・・・。

 


皆さん聞き慣れないことと思います。

 



これ実は、昔から存在する考え方だそうであります。

 


どんな考え方かというと、近代になって栄養素や分子構造などを知る考え方や、各種の分析機器や手法のなかった時代に、植物の形態的特徴や、その生育環境から、

 

その植物(生薬)の薬効を考察するというもので、時には人体の悪い部分と”カタチ”の似通ったものを自然界に探したりして、それを食べてみることで、

 

病気を治そうと考えた、試みた、というものです。

 



・・・これの比較的ポピュラーなものとして、

「クルミは脳にイイ!」

なんて話、何となく聞いたことがあるんじゃないでしょうか?

 


クルミというのは、硬い殻におおわれ、その中には二つに分かれた、いかにも”脳”っぽいカタチの実が入ってますよね?

 


これが、外側が人間の頭蓋骨で、中身が脳に形が似ている、ということで、食べると脳にイイ、「健脳食」なんて言われたりするような発想です。

 


漢方薬の世界でもクルミは「胡桃仁(ことうにん)」と言われ、ある種の腎の臓や肺の臓の病や、便秘などに応用されます。

 


僕も小さい頃、祖母から「クルミは脳にいいから」とか言われ、さんざん食わされました。

 

(意外と好きでしたが)

 


まあしかしこれが、意外とバカにならない考え方で、現代の栄養学に照らし合わせてみても、クルミは栄養素の7割がリノール酸(オメガ6)、リノレン酸(オメガ3)という、

 

脳神経を作ると言われる、良質の多価不飽和脂肪酸なんだそうで、その他にもタンパク質、鉄分、ミネラル、食物繊維、ビタミンB1、ビタミンEなどをバランスよく含み、

 

非常に体(特に脳)に良い食物と言えるんだそうです。

 

 

東洋医学的に見ても、腎や肺に作用するということは、脳髄海にも作用すると考えても全然おかしくない。

 



・・・他にも、動物の足を食べて足の病気を治すとか、例を挙げればいくらでもあります。

 


今綴っている
「腎」って何ですか?(その4)でも述べたように、豆が腎の臓にイイ!というのも、もともとはこういう発想が背景にあったのかもしれません。

 


まあコレ、着想として非常に面白いということと同時に、そういう着想で実際に試してみて、数千年経っても淘汰されない、確かなものが残っている訳ですから、

 

現代栄養学と照らし合わせるまでもなく、東洋医学の言うことというのは、そうそう簡単に無視できないんじゃないかと思います。

 

 

まあ詳しく述べていくとキリがないので、「象形薬理」、興味のある人は、色々調べてみて下さい。

 

 

因みに、(一社)日本東洋医学会の創立メンバーの中心であった龍野一雄先生「我國に於ける象形薬理論に就て」と題して、昭和18年(1943年)の『醫事公論』で4回に分けて連載したのち、

 

続きを『漢方と漢薬』第10巻9号、11号、12号に、3回に渡ってお書きになっています。

 

 

 

この全7回の論考も、なかなか力が入っていて、実に面白いですよ~☆

 

『醫事公論』を入手するの、苦労した~~( ;∀;))

 

 

 


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