東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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補瀉 50

2016.04.23

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これまでのお話・・・

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉

補瀉 32     日本における補瀉の受容

補瀉 33    『針道秘訣集』における補瀉

補瀉 34    『杉山真伝流』における補瀉 1

補瀉 35  『杉山真伝流』における補瀉 2

補瀉 36     永田徳本(1513?-1630?)『鍼灸極秘伝』『徳本多賀流針穴秘伝』の補瀉

補瀉 37   『杉山流三部書』における補瀉 

補瀉 38     岩田利斉『鍼灸要法』における補瀉

補瀉 39    岡本一抱『鍼灸抜萃大成』における補瀉 

補瀉 40    本郷正豊『鍼灸重宝記』における補瀉 

補瀉 41  菅沼周桂(1706-1764)『鍼灸則』における補瀉 

補瀉 42  石坂宗哲(1770-1841)『鍼灸茗話』における補瀉 

補瀉 43  坂井豊作(1815-1878)『鍼術秘要』における補瀉 

補瀉 44   澤田流における補瀉 

補瀉 45  柳谷素霊先生、経絡治療学会における補瀉 

補瀉 46 北辰会における補瀉

補瀉 47 北辰会における補瀉 2

補瀉 48 北辰会における補瀉 3

補瀉 49 北辰会における補瀉 4           参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

いやー、何気に、清明院ブログの最長シリーズとなりました。

 

(まあでも、それに相応しいテーマだったと思います。)

 

 

ここまで長かったですが、書いている方としては、メチャクチャ楽しかったんで、体感時間としては一瞬でした。(笑)

 

(一般の読者の方々には難しくてしんどかったでしょうけども。。。(苦笑))

 

 

このシリーズを書く中で、色々知らなかったことを知りました。

 

 

鍼を打つときの考えが少し変わりました。

 

 

それがたいへん大きな収穫でした。

 

 

ちょうど50回で終わるというのも、キリが良過ぎてコワい。(笑)

 

 

 

 

まあ何度も言うように、僕にとって、治療において、鍼というのは「気」を動かすのにたいへん有利な道具です。

 

 

もう少しかみ砕いて言えば、経穴に正気を集めたり、邪気を散らしたりして、結果的に経絡の流れを正常化し、結果的に五臓六腑の機能を賦活化し、

 

結果的に患者さんの「治る力」を最大化する、つまり正気の働きを高める、便利な道具です。

 

 

で、それをする時の実際の手法が「補瀉」なのであります。

 

 

つまり、歴代の多くの医家が言うように、「補瀉」を突き詰めて考えることは、鍼灸という道具を使いこなす、技術論の究極を考えることです。

 

 

そして、「補瀉」するにあたっての条件となる「虚実」を突き詰めて考えることは、鍼灸の病理論の究極を考えることでもあります。

 

 

こうやって突き詰めて突き詰めて、鍼するにあたっての自分自身の考え(根本思想)をキッチリ作って、鍛えて鍛えて、

 

十分に鍛えて、あとはそれに基づいて、ひたすら毎日工夫しながら、臨床実践をやっていくだけです。

 

 

死ぬまで、ネ。

 

 

◆「補瀉」総まとめ

 

 

私は北辰会の講師をさせていただいておりますし、清明院での治療方式は、かなり忠実な北辰会方式(のつもり)ですので、

 

「補瀉」に関しても、当然北辰会の考え方でやっております。

 

 

ただ、今回補瀉に関して、日本と中国の歴代重要文献をツラーッと通覧させていただいて、思うこと(というか気付いたこと)がいくつかあります。

 

 

一つは、「迎隨」という言葉に対する理解についてです。

 

 

「迎随の補瀉」というと、経絡の流注に逆らって刺すのが”迎”であり瀉法、経絡の流注に沿って刺すのが”随”であり補法、

 

という『難経』72難の、解釈本に出てくる考え方が、現代の日本では非常に多いのですが、その解釈はあまりにも形式的で、

 

僕はそうではないように思います。

 

 

「迎随の補瀉」は、あくまでも患者さんの気の動きをしっかりと感じながら、その正気と邪気の動きを、変に力ずくで押さえ込まないように、

 

補瀉を成功させるのを「迎隨」というのだと思います。

 

補瀉 3 参照

 補瀉 14 参照

 

 

そしてこれは、鍼灸治療であれ手技療法であれ、問診であれ体表観察であれ、人間関係であれ、すべてに共通する

 

「”気の動かし方”の究極的な話し」

 

だと思うし、それが”迎隨”の、本来の意味なのだと思います。

 

 

つまり、”迎隨”の感覚が分からない、あるいは下手な人は、どんな治療であれ下手、ということです。

 

 

残念ながら。

 

 

鍼の聖典『黄帝内経霊枢』の筆頭である九鍼十二原(1)に、

 

「迎而奪之、悪得無虚。追而済之、悪得無実。迎之随之、以意和之、鍼道畢矣。」

 

(補瀉迎隨が意のままに分かれば、鍼の道は終わるよ~~!)

 

ザックリ意訳 by 竹下

 

 

と書いてあることの意味は、極めて深いと思います。

 

 

もう一つは、「気の内外の移動」についてです。

 

 

補法と言うと、”補う”と書くため、人体の外から何か術者のパワーを入れ込むようなイメージを持つ場合がありますが、

 

そうではなく、あくまでも「人体の中における気の移動、正気の集中」というイメージでもって、正気を集めることが重要だと思います。

 

 

瀉法もしかりで、人体から邪気を引きずり出すのではなく、あくまで人体の”中で”散っていってもらう、そういう意識が重要だと思います。

 

 

しかしその一方で、人間は自然界に充満する「気」が凝集した存在である、という理解に立つと、人体の浅い部分から深い部分に気を誘導すると、

 

気が集まりやすくなり(補法)、反対に深い部分から浅い部分に気を誘導すると、気が散りやすくなる(瀉法)という側面も、あると思います。

 

補瀉 18 参照

 

 

提挿の補瀉や、杉山流の雀啄術などは、この現象を利用して、結果的に周囲の気を集めたり散らしたりしているのだと思います。

 

 

ただ、ここ(内外の気の移動)を変にカン違いして、

 

「俺の正気を患者に分け与えよう!(患者の体に入れ込む、注入する)」

 

とか、

 

「この患者から邪気を吸い取ってあげよう!(術者が吸収する)」

 

とか、そういう考えでやると、大体治療者が病気になります。(笑)

 

 

毎日毎日、重い病気の患者さんばっかり来るのに、そんなことやってたら、命がいくつあっても足りません。(笑)

 

 

ここは北辰会でも、非常に厳しく戒めているところです。

 

 

まあしかし、実はそういう考え方もないではないのです。

 

 

それについても、機会があったら書きましょう。

 

(怪しいヤツね。(゜レ゜))

 

 

そうやって変に作為的にやるのではなく、鍼灸という道具を「上手に」使って、「無理なく」気を操作し、結果的に「治る力」「無駄なく」活かしきる、

 

これが本来の鍼灸治療だと思っています。

 

(まあこの考え方が、「治る力を活かす」という、清明院のキャッチコピーになる訳です。(笑))

 

 

今回、認識を深めたのは上記の二点。

 

(細かいこと言えばまだまだあるけど、ちょっと複雑なんで省きます☆)

 


あとはこれを、徹底的に臨床で追試していくのみです。

 

 

さーて、補瀉シリーズは以上です。

 

 

いかがでしたでしょうか。(笑)

 

 

あまりにも長くなったし、しかも専門的になってしまったので、あとで目次と参考文献を載せておきます。

 

 

 

続く

 

 

 

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