東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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柳谷素霊著『鍼灸の科学 実技編』

2019.08.19

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『鍼灸の科学』という本がある。

 

 

昭和34年に第一刷。

 

 

出版社は医歯薬出版。

 

 

この本は「理論編」「実技編」の二冊セットである。

 

 

「理論編」の方を書いたのは当時の東京教育大学(現:筑波大学)の講師、芹沢勝助先生

 

(この先生も、そのうち紹介しましょう。)

 

 

戦後、GHQによる鍼灸廃止の流れに抗う形で、先日紹介した京大の石川日出鶴丸先生や、この芹沢勝助先生たちが構築した、現代科学理論でもって再構築し、

 

衛生面や安全性に配慮した鍼灸治療理論と実践の流れが、令和の現在でも随所に続き、業界内で、たいへん大きな影響力を持っています。

 

石川日出鶴丸先生の言葉

石川日出鶴丸先生の言葉 2    参照

 

 

もちろん、以前にも少し紹介しましたが、「鍼灸の西洋医学化」の流れは明治の時代からすでにあります。

 

墓マイラー 32 奥村三策先生   

奥村三策という人物

今日は盲学校へ       参照

 

 

この辺についても、このブログ上で、冷静に再検討したいですね。

 

 

令和だしね。

 

 

 

 

そして、この本の「実技編」を書いたのは柳谷素霊先生

 

柳谷素霊という人物

墓マイラー 15      参照

 

 

この本が出版された昭和34年(1959年)は、柳谷先生が亡くなられた年です。

 

 

亡くなったのがこの年の2.20、出版されたのが3.5ですから、まあ、遺言みたいな本でしょうか。

 

 

序文の日付が3.3と、なんと死後の日付になっています。。。

 

 

序文を読むと、なんというか、全てわかった上で、妙に低姿勢というか、経験だけでは科学でないと素直に認め、最後の行ですべての業界人に敬意と謝意を表し、

 

ささやかながらもポジティブさを感じる内容になっている。

 

 

なんて言うか、遺言としてカッコいいと思いました。(`・ω・´)ゞ

 

(苦笑・・・まあ、『理論編』の序文も同じ内容だから、芹沢先生の文章化かもしれないけど。。)

 

 

内容は刺鍼法や手技に関してであり、さほど珍しいことは書いていないが、第一章「はりの実技」、第二章「きゅうの実技」ともに、ラストに「補瀉」について書かれている。

 

(ここに、個人的に含みを感じます。)

 

補瀉 目次    参照

 

 

とりわけ、鍼の補瀉の方には、朝鮮の鍼灸書である『臓珍要編』における”補瀉の程度の問題”と、日本、江戸期の『鍼灸広狭神倶集』”宗気と補瀉”の考えを引いており、

 

しかも、これはどこから持ってきた考えなのか定かでないが、補法をするにも瀉法をするにも、ある呪文を唱えながらするものである、ということを紹介している。

 

 

この呪文の部分に関して詳細は述べませんが、これは江戸期、岡本一抱『鍼灸抜萃大成』からの引用であり、男女で補瀉の手法が逆になる、

 

と述べられています。

 

岡本一抱という人物     参照

 

 

鍼灸師養成施設の教材としても使用されることになっていたこの本に、あえてこの内容を入れ込むところに、少し柳谷先生の本音が垣間見えているような気がします。(゚∀゚)

 

 

柳谷先生は、昭和13年から、戦時中の約5年の休刊期を挟んで、死の約2年前の昭和31年まで、今でも刊行されている業界誌『医道の日本』の巻頭言の執筆をしています。

 

 

特に戦後になってから、GHQのクソ強引な要請を受けて、法律上、教育制度上「現代化」という名の「西洋医学化」を強いられてのことですが、

 

「鍼灸の科学化」というテーマで、柳谷先生は何度も巻頭言を書いているが、これを読んでみると、いわゆる当時の「科学派」と言われる人達を、

 

暗に揶揄したような雰囲気の内容が多く、柳谷先生にしてはやや歯切れが悪いようにも読めます。

 

 

戦前、大いに鍼灸医道の理想を語っていた時と比べると、戦後の古典的鍼灸への心無い批判に対する、忸怩たる思いがあったんでしょうかね。。。

 

 

柳谷先生は、このテーマで最後に書いた昭和29年5月の「鍼灸の科学は臨床の場から」という記事において、

 

「臨床を離れて、鍼灸の本質的な科学の形成は考えられないと思う。」

 

と述べ、

 

「鍼灸術は元来、天然所応、自然律の必然的所産であり、臨床から産声をあげたものである。」

 

と述べ、最後の行では

 

「屡々臨床の場において遭遇する、非科学的な現実の究明もまた必要事であるばかりでなく、ここに鍼灸の本質的なものがあるように考えられるのである。」

 

と言い切っている。

 

 

・・・まあ要するに、どいつもこいつも科学科学というが、その対象をどうするか、という問題がまずあるし、また、今の科学で分からなかったら非科学、

 

という立場は、かえって科学的じゃなくね? 鍼灸は、臨床は、そんなもんじゃなくね?? というアツい主張に聞こえます。

 

 

・・・しかし、この問題に関しては、批判したり、嘆いたり、見出しを語るに留まり、ではどうするか、鍼灸の臨床の本質を科学化するには具体的にどうしたらいいか、

 

その方法論は?というところについては、残念ながら語れなかった、提示できなかった、というところではないでしょうか。

 

 

この問題に関する巻頭言を拾い読みすると、鍼灸による生体実験の問題や、統計の導入の問題、科学化の背景にあるべき哲学の問題などに関して、

 

今でも語られるような諸問題点の根本的な部分をほとんど網羅して、実に鋭く指摘している。

 

 

これを最後に、「鍼灸の科学化」に関してはほぼ語ることなく、最期を迎えたかと思いきや、人生最後の本のタイトルが『鍼灸の科学』だったとは。。。

 

 

そして、柳谷先生の死後、1960年代に入って、北朝鮮のボンハン学説が話題になり、1970年代に入って、日中国交正常化、鍼麻酔、漢方ブームから、

 

1980年代の中医学導入期、1990年代の国際化、国内での各流派間の論争期、2000年代の規制緩和からの鍼灸学校の乱立激増、大学化、そして現代・・・と、

 

社会における鍼灸の位置づけは常に変化しています。

 

 

変化していますけど、どうなんでしょうね。

 

 

鍼灸臨床の本質は、結局は数千年前と変わっていないような。。。(^^;)

 

 

語り出すとキリがないけど、この本は、日本近代鍼灸史の貴重な資料でもありますので、芹沢勝助先生の『理論編』と合わせて、おススメです!!

 

 

 

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『新しい鍼灸診療 第2版 』出版!!

2019.07.20

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清明院では現在、院内診療、訪問診療ともに多忙のため、求人募集しております!

 

 

募集内容の詳細はこちら!!

 

 

 

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少し告知が遅くなりましたが、こないだ、6.28に医歯薬出版から新しい鍼灸診療 第2版という書籍が出版されました!!

 

(タイトルクリックamazonページへ)

 

 

因みに、今日FBの方では告知しましたが、FBやってない人のために、ブログでも書いておきます!

 

竹下FB   参照

 

 

同名の書籍は15年前に出版されており、今回、改訂第二版として、(一社)北辰会代表、藤本新風先生が北辰会方式の紹介を書いてくださっております。

 

 

非常に簡潔に、北辰会方式のエッセンスを述べて下さっていますので、日本、世界に無数にある鍼灸治療の方式の中で、北辰会方式がいかなるものか、

 

これを読んでいただければ、他の方式との比較とともに、よく分かるのではないかと思います。

 

 

おススメです!!!

 

 

 

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「脾不統血」か「血熱妄行」か。

2019.04.14

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清明院には毎日のように、いわゆる「出血病変」の患者さんが見えます。

 

 

女性生殖器からの不正出血はもちろん、血尿、血便、痔からの出血、歯ぐきからの出血、内出血傾向などなど・・・。

 

 

これは東洋医学的には「血脈」の破綻の結果と考える。

 

「血脈」を含む記事 参照

 

 

血脈が破綻するメカニズムには、大きく言うと「脾不統血」「血熱妄行」がある。

 

「脾」って何ですか?(その9)    参照

 

 

(あ、「血熱」に関して、詳しく説明していなかった。。。これはあとで書いとこ。)

 

 

ただしこれはあくまでも「大きく分けて」の話であって、実際は「気不摂血」だったり、局所的な「瘀血」「瘀熱」、さらにはそれらの成因にいたるまでの関与があったりと、

 

細かく弁じ分けないと、なかなか思うように効果は出ませんし、治療後の変化に対して分析も出来ません。

 

 

北辰会の言う「正邪弁証」の大事ですね。

 

(これも書いて無かったねえ。。。(苦笑))

 

 

 

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親不知を抜くことの是非

2018.06.29

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「親不知を抜く」という行為。

 

 

だいぶ前にここに書きましたが、僕もかつて一本だけ、やったことがあります。

 

 

 

患者さんから、

 

「歯医者さんからそう勧められたけど、どうなんでしょう?」

 

と聞かれることがあります。

 

 

これについては、親不知が斜めに生えていて隣の歯を圧迫して痛みが出ていたり、隣の歯との間に微妙な隙間が出来て、そこによく食べカスが詰まり、

 

何度も虫歯になっているとか、そういう明らかな物理的不具合があれば、やむを得ない場合はあると思いますが、普通に真っ直ぐ生えていて、

 

虫歯でもないのに、

 

「どうせ虫歯になるし、いらない歯だから抜こう」

 

と勧めるのは、おかしくないか?と、昔から思っています。

 

(どうなんすか?歯医者さん達。)

 

 

また、歯列矯正をするのにスペースが作りたいから、という理由も正直あまり、好きではありません。

 

 

現状、何もないなら、虫歯にならないように、磨き方を指導するのが普通じゃないか?と思いますね。

 

 

矯正するにしても、親不知を活かしてやればいいのに、と。

 

 

こういう患者さんがいたら、僕はすぐに知り合いの最強の歯医者さんに紹介します。(笑)

 

 

・・・手術を含む、外科的な行為は、東洋医学的には怪我と似ています。

 

(もちろん麻酔下でやるから痛くない訳だけども。)

 

 

悪いところを取るために、良いところを切ります。

 

 

切られたところは、切り傷がつくわけです。

 

(もちろん綺麗に縫うけど、それでも、です。)

 

 

そして、そこがそのまま「古傷」になります。

 

 

東洋医学的にはそこに慢性的な気滞が起こり、瘀血が生じることがあります。

 

 

そして、そこには有形無形の様々な邪気が集まりやすくなります。

 

 

やらんでいい外科的行為は、極力やらん方がいいと思いますね。

 

 

誤解されたくないので付言しておきますが、僕はもちろん、外科的な処置のすべてを否定するものでは全くありません。

 

 

むしろ適切な外科手術については、大リスペクトしています。

 

 

 

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ピップエレ〇バン貼っていいですか?

2018.06.24

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昨日、という記事を書きました。

 

 

・・・で、今日はこれ。

 

 

患者さんから問われる。

 

「ピップエレ〇バン貼っていいですか?」

 

と。

 

 

僕は大体、

 

「あれは貼る場所によっては良くないこともあるから、鍼治療である程度よくなるまでは止めといて。」

 

ということが多いです。

 

 

製造メーカには申し訳ないが、実際に本気でこう思って、こう答えています。

 

 

どうしても貼りたいのであれば、鍼治療を中止して、それで自分で治すように勧めます。

 

 

僕は基本的に、指輪やピアスなど、歯の被せ物も含めて、

 

「同じ部位を長時間、金属で刺激し続ける(それもピンポイントで)」

 

のは反対です。

 

 

昔は、正直そんな微弱な刺激、人体にとって大して関係ない、と思っていました。

 

 

しかし、自分で鍼を実践する中で、

 

「こんなに僅かな刺激で、こんなにも全身に大きな変化が出てしまうのか。。。」

 

という感覚を、自分で毎日毎日実感するにつれて、上記のような考え方に変わっていきました。

 

 

・・・そもそも、刺激されていることを意識できないぐらい微弱な刺激こそが、一番強力な刺激なのかもしれません。

 

 

しかもピンポイント、経穴にあたってしまっていた場合、全身への大きな変化が、知らず知らず惹き起こされることも考えられる。

 

 

だから、しないのが無難、というわけです。

 

 

 

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暈厥(一過性の意識障害)と東洋医学 3

2018.02.16

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前回のお話

 

暈厥(一過性の意識障害)と東洋医学

暈厥(一過性の意識障害)と東洋医学 2   参照

 

 

では続きいきましょう。

 

 

◆暈厥の弁証

 

 

暈厥には、どんな証が考えられるかというと、以下の通り。

 

1.気虚

2.血虚

3.血気上逆

4.肝陽上亢

5.痰濁上擾

6.暑熱

 

『症状による中医診断と治療』には、以上の6つが挙げられています。

 

(成書によっては、多少多かったり、少なかったりする場合があります。)

 

 

1.2.は虚証、3.4.は肝の病変、5.6.は実証です。

 

 

臓腑では「肝の臓」の異常が中心であり、病態に虚実あり、ということですね。

 

 

だから、一口に暈厥とっても、治療法は、倒れたメカニズムによってそれぞれです。

 

 

もし失敗すれば悪化して、深刻な状態になることも考えられます。

 

 

ですので、やはり「的確な診断」が重要です。

 

 

・・・で、こないだの先輩のケースはどれに該当するかな~・・・、と考えていく訳ですが、ここ(成書)に挙げられているのはあくまでもひな形的なパターンの羅列であって、

 

これらが時には複合的に、あるいはここに書かれていないパターンでも、暈厥は起こってきます。

 

 

ですので、あまり上記の弁証分類に縛られ過ぎて、無理やり当てはめて考えるのも、失敗のもとだったりします。

 

(教条主義を排す、ってやつね。)

 

 

また北辰会方式としては、どういった機序(病因病理)で、上記の証による暈厥に至ったのか、の把握が重要でしょう。

 

(これは、予後にも関わるからです。)

 

 

まあ、あくまでも実際の体表所見、当日の患者像を参考に、何が起こったのかを考えるべきだと思います。

 

 

そういったことを十分に鑑みつつ、慎重に考えると、あの日、その先輩は倒れる直前に、ホテルの豪華な食事を、普段よりも多くとり、普段ほとんど飲まない酒(ビール)も多く飲んでいました。

 

(瓶ビール二本ほどかな?)

 

 

この時点で、脾胃に常ならぬ負担を強いていたことは十分に考えられます。

 

(飲食不節→湿困脾土、湿熱中阻、脾失健運、胃失和降などの”病因→病理”が考えられます。)

 

 

しかも朝から早起きし、熱海への移動疲れもあったことと思いますし、研修会ですから、精神的緊張もあったことと思います。

 

(睡眠不足→気虚や血虚、新幹線での長時間同一姿勢、精神的緊張→肝鬱気滞、気滞血瘀などが考えられますね。)

 

 

しかも倒れる直前に、露天風呂にて長湯をしている。

 

 

長風呂では、肉体的緊張は緩み(理気活血疏肝)つつも、あまりに長ければ、疲労(気虚や血虚)は助長される面があります。

 

 

また、冬場の露天風呂ですから、そこで風寒邪を感受した可能性もある。

 

(その場合は気が急激に上逆傾向になります。)

 

 

ただ、横で見ていましたが、湯舟には肩まで浸かっておりましたし、一緒に入っていて、そこまで風も強くなく、冷たい風を受けていた感じはしませんでしたね。

 

(そして、風呂から上がった瞬間、一瞬”左に”フラッとよろめいたのが少し気にはなりました。)

 

 

風呂場での会話にも特に参加しておらず、そこで何か七情が乱れるようなことはなかったのではないかと思います。

 

(これは推測ですが。)

 

 

その後、脱衣所で急に後ろにバターンと倒れた時、すぐさま駆けつけて脈を診ていた先生が、

 

「沈んで細くて堅いけど、力はあります。重按がやや弱いです。」

 

と仰っていました。

 

 

この脈は、その後すぐに意識がついた時、その瞬間に、緩みながら浮いてきたそうです。

 

 

ここで、気虚や血虚の暈厥では、顔面蒼白、脈無力が特徴で、肝の病変や暑熱では顔面紅潮が特徴ですが、顔色としては、土気色、という感じで、蒼白でも紅潮でもなかったですね。

 

 

 

また、血虚で倒れると、目が落ちくぼんで輝きがない、というのが特徴のようですが、倒れた瞬間、目は一点を見つめ、妙にギラっとしていました。

 

 

血気上逆では歯を食いしばるのが特徴ですが、口は開いて、歯は食いしばっていなかったです。

 

 

倒れた時に上腹部を触った先生は、極端に冷えていたと仰っています。

 

 

また、ご本人が意識がついてから、

 

「倒れる寸前に悪心がして、気付いたら倒れていた。」

 

と仰っています。

 

 

舌診は、意識がついてすぐの舌は舌背が紫暗、舌腹は淡白傾向、特に舌下静脈が淡白気味だったようです。

 

(血虚と瘀血の所見が両方出ていますが、血虚が本と診てとれますね)

 

 

これらの情報を総合すると、成書の分類からいけば、5.の痰濁上擾が中心でありつつも、背後に若干、2.の血虚があるのでは??となります。

 

 

さて、これを治療して、今後同じ状況にさらされても、暈厥を起こさない体にするにはどうしたらいいでしょうか。

 

 

 

続く

 

 

 

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肩痛の次はうつ病

2018.01.06

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去年の年末に見えた、中年の男性患者さん。

 

 

小学校の頃から、ずーっと、肩が痛い。

 

 

どこに行っても治らない。

 

 

それが清明院の鍼で劇的に変化した。

 

 

で、他に何か困っていることはないかと問う。

 

 

うつ病も治したいと仰る。

 

 

こうやって、徐々に主訴は変わっていく。

 

 

高いハードルになっていく。

 

 

それでいい。

 

 

昔、先輩によく言われた。

 

「慢性の肩こり腰痛も楽に出来ねえような奴に、癌だの難病の相談なんか来ねえよ。」

 

と。

 

 

ごもっともな指摘。

 

 

ただ、鍼灸と言えば肩腰膝の慢性疾患に対する慰安的療法の一つ、という世間一般の認識は、正直歯がゆい。

 

 

 

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バカにされた経験

2017.12.11

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20代前半の頃、東洋医学の医者になりたいと意気込んで、毎晩、目を爛々とさせながら、夜中まで勉強して、日曜日は勉強会に行って、

 

空いた時間は先輩や、気になる治療院に治療を受けに行き、分からないことは先輩に聞きながら、必死になって東洋医学を身に付けようとしていた。

 

 

・・・でも、現実は厳しくて、患者さんは誰も、僕の出来損ないの東洋医学なんて受けようとしてくれなかった。

 

 

毎回、分からないなりに脈を診て、舌を診て、腹診をして、

 

「肝臓がどうのこうの」

 

とか、

 

「腎臓がどうのこうの」

 

とか、

 

「東洋医学ではどうのこうの」

 

とか、よく意味の分からない説明をしては、手先や足先など、症状と全然関係ない場所に鍼治療するのだが、ある日、ご高齢の男性患者さんから言われた。

 

「あのさー、そんなんどうでもいいから、早く肩もめよ。」

 

と。

 

僕が、

 

「いや、でも内臓の不調も考えて、根本的な治療をしないと・・・、」

 

と食い下がると、

 

「腎臓だの肝臓だのは、病院のそれ専門の先生に診てもらうから、別にアンタに診てもらわんでもいいよ。」

 

と言われた。

 

 

僕は歯を食いしばって、

 

「そうですか、分かりました。」

 

と頭を下げて、悔しさで震える手で、その患者さんの肩をもんだ。

 

 

一人で群馬から東京に出てきて、友達もいない中、そんな惨めな日々だった。

 

 

 

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患者さんの声(50代女性 口腔扁平苔癬、肩こり、疲労倦怠感など)

2017.03.31

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「患者さんの声」をいただきましたので紹介します。

50代女性 会社員

【症状】 

 

口腔扁平苔癬 肩こり、疲労倦怠感など

 

 

 

一昨年から、歯磨きが出来ないほどの口内の痛みが続いたかと思うと治まる、といった日々の繰り返しでした。

 

口の中が熱いというか、モノが当たると痛いんです。

 

それでも何日かすると治まるので、あまり深く考えていませんでした。

 

その痛みが治まっている間に歯医者へ行ったところ、

 

「あっ、おそらく口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)です。大きな病院で調べてもらってください。」

 

とのこと。

 

その頃、下の歯茎に白いレース状のものができていました。

 

大きな病院の口腔科で生検した結果、「前がん状態」とのことでした。

 

しかも

 

「治療法は特にありません」

 

と大きな病院の先生は仰います。

 

「えっ?では私はどうすればいいんでしょう」

 

「定期的に経過観察をしていきます。もしガンになったらその部分を切除します。ならないように気をつけてください」

 

「切除したら顔変わります?」

 

「…変わります」

 

む、難しいですよね、ガンにならないように気をつけるなんて……。

 

わたくし、顔が変わるのはイヤだ、との思いから、なんとか治療法を探ろうとネット検索致しました。

 

で、

 

“鍼で扁平苔癬が治った!”

 

という患者さんの声に辿り着き、こちらの清明院にすぐさま予約を入れた次第です。

 

そこからは真面目に通いました。

 

竹下先生の技術は素晴らしいのひと言。

 

通い始めてからは一度も痛みの症状は出ませんでした。

 

先日、3か月後の定期検診で大きな病院へ行ったところ

 

「扁平苔癬が消えてる! なぜ? 奇跡!?」

 

と、先生が驚く驚く。

 

ドヤ顔で、清明院の鍼治療を話したところ、他の患者さんにも教えてあげていいか?と逆に聞かれました。

 

口腔扁平苔癬で悩んでいる方々にお伝えします。

 

その痛みは改善する可能性があります。

 

どうぞ、竹下先生の鍼治療を受けてみてください。

 

泣きたいくらいの毎日から解放され、新しい自分になれるかもしれません。

 

私は現在50代半ばですが、60代も明るく楽しく生活できそうな気がしております。

 

 

 

【清明院からのコメント】 

 

 

 

感動が伝わってくる文章をいただき、こちらも嬉しいです。(^^) 

 

最近、チョイチョイ診ます、口腔扁平苔癬

 

以前にも、他の患者さんの声を紹介致しました。

 

患者さんの声(50代女性 口腔扁平苔癬 イボ、ホクロの急激な増加、疲労倦怠感など) 参照

 

まあ、たとえ西洋医学の病名が付いていても、それで東洋医学的な診察診断に大きな影響が出るというものでもないのですが、

 

臨床的には肝が悪かったり、脾が悪かったり、正気の虚が関与したりと、色々な病理があるようです。

 

(もちろん西洋医学の診断名や予後予測も参考にはしますが。)

 

この方の場合は初診時「脾虚肝乗」と証を立て、治療を進めると、3診目には明らかな変化を実感されたようです。

 

そのまま治療を継続し、約3か月後、最近の検査にて、専門病院にて、奇跡的に苔癬が消失している、という結果を得ました。

 

その間、治療回数は15回です。

 

僕も以前、禁煙後の口内炎に苦しんだ経験があるので、口腔内の痛みという症状の不快さはよく分かります。(苦笑)

 

タバコと東洋医学(その6) 参照

 

この患者さんのように、大きな病院から

 

「前癌病変です。現時点ではやりようがないです。」

 

なんて言われたら、その先の人生、暗くなっちゃいます。

 

でも、鍼灸ではちゃんとやりようがアリアリです。

 

 

お困りの方は、清明院に相談してみてはいかがでしょうか?

 

 

 

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「伝統」とは何か。 4

2017.03.24

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これまでのお話

 

「伝統」とは何か。

「伝統」とは何か。 2 

「伝統」とは何か。 3  参照

 

 

では続きいきます。

 

 

◆「易」の三義

 

 

「気」とともに、我々の医学のもとになっている「陰陽」という哲学。

 

 

これが一体どういうものなのか、ということについては、『黄帝内経』の中には詳述されていません。

 

 

『黄帝内経』は、陰陽についてある程度理解していることを前提に書かれているような雰囲気があります。

 

 

その「陰陽」について詳しく書かれている大古典が『易経(えききょう)』という書物です。

 

 

北辰会も以前からそうですし、近年では他の様々な流派の先生方も、この『易経』を非常に重視するようになってきました。

 

 

鍼灸師が、『易経』に関する内容を書いた本も、いくつか出て来はじめました。

 

 

いいことです。

 

 

でもこれ、なかなか難しいんです。

 

 

あんまり東洋医学の基本的なことが分かっていないうちに、興味本位で噛り付くと、普通に歯が折れます。(゚∀゚)

 

 

また、ある程度基本が分かった段階で、『易経』に関する色々な説明を受けても、

 

「うんうん、なるほど分かった。・・・で?それをどうやって臨床に使ったらいいの??」

 

と、なりやすく、そこで脱落しやすいお勉強の一つでもあります。(苦笑)

 

 

こういった、「根本哲学」なんてモノは、結局、実際には役に立たない!とか言っちゃう人がいるのも分からないではないくらい、

 

なかなか取っ付きにくい学問だと思います。

 

 

僕もこれまで、『易経』、「易学」、「医易学」については、このブログ上でもあまり触れてきませんでした。

 

(易に関してはエキスパートを何人か知っているので、理解が曖昧な状態で何か書くのが、怒られそうで怖くてね。。。)

 

 

でも「補瀉」とか「三陰三陽」の時みたいに、そのうち、気が向いたらバーッと書こうと思っていますので、少々お待ちを。(笑)

 

 

・・・前置きが長くなったけど、「易」には三義と呼ばれるものがあります。

 

 

これは、「易」という言葉が持つ、三つの意味、というほどの意味です。

 

 

長くなりそうなんで、続く。(*‘∀‘)

 

 

 

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