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ストレスという言葉からみる問診力

こんばんは、森岡です(^_^)

前回、問診についてのお話をちょこっとしました。

問診と聞き方の工夫  参照

今回も問診に関連することです。

僕たちは問診においてよく「ストレスの有無」について聞くことがあります。

この「ストレスの有無」は簡単に言えば、

”肝の臓”の異常を証明するために重要な要素となってきます。

院長ブログ 「肝」って何ですか?(その1~10)  参照

ストレスが加わった時に体の不調が増悪すれば、”肝の臓”の異常を疑う一つの要素となりうるわけです。

ですが、このストレスの有無を患者さんから聞き出すには、それなりのテクニックが必要となります。

臨床の場で時々耳にするにのが

治療者  「現在、ストレスはありますか?」

患者さん 「ないです。」

このやりとりのみでストレス無しとしてしまうのです。

でもこの聞き方じゃ、欲しい情報なんて出てきませんよね(苦笑)

「ストレス」という言葉には人により様々な解釈があり、それぞれが持っている定義が違います。

イライラをストレスとしたり、不安がストレスとなっている人もいます。

ですから「ストレスがありますか?」では「無し」という答えでも、

「イライラすることはありますか?」

「不安に思うことはありますか?」

「気を揉むことがありますか?」

「ショックでふさぐことがありますか?」

など色々な表現で聞くと、「そー言えば最近・・・」と思わぬ答えが返ってきたりします。

また、ストレスを東洋医学的用語でなんとか置き換えるなら、

”七情の失調”です。

”七情の失調”とは、

怒・喜・思・憂・悲・恐・驚という感情が過剰になったり不足したりする状態です。

院長ブログ カテゴリ「七情(感情)」  参照

つまり、これだけの感情が複雑に絡み合っているのです。

ですから「ストレスの有無」と言っても、聞き方次第では、その患者さんの

”ストレスの定義”と合致しなければ「無し」ということになりがちです。

この問診の聞きかたによって、診断・治療する際の重要な情報が引き出せるか引き出せないかが大きく左右されます。

となると、

問診がうまい先生と問診がうまくない先生の治療効果にも大きな差が出る

ということですね。

これは西洋医学においても同じなんじゃないかなと思います。

うまい先生ってさりげなく色んな角度から問診してくるため、いつの間にか沢山のことを話してたという経験ありません?

そして、この「問診」は一般社会で考えると

”質問”

と置き換えることができますと思います。

この”質問力”についての文献や図書は多種多様です。

問診がうまくなるということは、そのまま

社会におけるコミュニケーション能力を養う

ということに直結していくんですね。

「問診力」、重要です。

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こんばんは 謝敷です。
 
 
 
 
 
秋!秋ですね!  暑さ寒さも彼岸まで。
昔の人の観察眼は、気候変動の叫ばれる現代でも変わりませんね。
同じ30℃でも、秋の空気は軽く、つい山に行きたい気持ちになります。
そろそろこの風に乗ってくる香りに、金木犀を見つける頃になるでしょうか。
 
 
 
 
 
 
 
さて、「プラセボ効果」についての論文を読んでいました!
プラセボ効果とは、結局「物質や手技」そのものがもたらすものなのか…
そうだとしたら、説明できないことが沢山ありますね、というところまで見ていきました。
 
 
 
 
 
 
 
今日は、「患者さん(被験者)の信念への操作」なのではないか、という点について、見ていきます。
 
 
 
 
 
 
 
物質が存在しない試験や実験においては、
こうした「操作」によるプラセボ効果が検討されます。
 
 
 
 
例えば
・書面による指示
 症状に関して、現在わかっている情報をパンフレットで配布する。
 
 
 
・口頭での指示
 この治療が、症状に対して効果があるかもしれないと伝え、期待を高める。
 
 
 
 
 
・暗示的メッセージ
 広く知られている薬の名前を伝えて、これを投与すると伝える。
 
 
 
 
 
・非言語的なメッセージ
 本当は薬効のある薬を投与するが、無効の薬と説明し、
 処方する医師も患者も効果がないと思うことで、実際、効果を発揮しない等
 
 
 
 
 
 
これらの操作については、現在は、共通する要素や統一原理は存在しないと解釈されています。
実際、「プラセボ操作」とは、
様々な経路を通じて患者さん(被験者)に何らかの形で情報を伝達すること、とされているため、
患者さんの信念に影響を与えるものであれば、なんでもあり得るため、無数の可能性があります。
そのため、プラセボ操作は、変動が大きく、一貫性がありません。
 
 
 
 
 
 
 
 

しかし、そもそも、現在の定義では「誰がその情報を伝えるか」という点が欠如しています。

実際、これまでの研究では、情報源(医師や臨床家の態度や関係性)が、
効果に影響を与えることが示唆されています。
 
 
 
 
 
 
 
同時に患者さん(被験者)についても検討しています。
つまり、「どんな人が誰が反応するのか・しないのか」という点です。
これについては、予測が難しく、
例え予測できたとしても、同じ人が常に反応するとは限らないことが指摘されています。
 
 
 
 
 
 
 
つまり、プラセボの反応性は、
その人(患者さんや被験者)の内的な特徴や状況によっても左右されるということです。
 
 
 
 
 
 
 
このプラセボ効果が起きやすい人の特徴として、過去の研究者たちは、以下のような考察をしています。
 
 
 
 
 
 
 
・ストレスが重度な状況ほど、プラセボ効果が起こりやすい
・患者の不安や苦痛が強いほど、プラセボ効果が起こりやすい
・性格特性(外向性や神経症傾向)等からは予測因子は同定できないが、
 外的統制(外部に頼る傾向)のある人では、プラセボ効果が起こりやすい
 
 
 
 
 
 
 
いずれにせよ、プラセボ効果は、モノや手技そのものではなく、「心に作用するもの」であり、
・情報の内容(どんな情報が)
・情報発信元(誰によって)
・関係性(どんな関係上においてどのように)
・情報受信者(誰に伝えられたか)、が本質であり、
これらを正確に特定しない限り、説明として不十分である、としています。
 
 
 
 
 
 
 
 
確かに、ぼんやりとプラセボ効果ってこんなもの…と思っていましたが、
プラセボ効果が成す構成要素をそれぞれ明確にすることで、
プラセボ効果とは何なのか、どのようにして起きるのか等の検討が可能になっていきますね。
 
 
 
 
 
そしてこれらの条件を明確にすれば、
ある意味プラセボ効果(有効成分等に頼らず効果をもたらす)を
発揮することができるかもしれない??!のでしょうか。
そんな単純ではなさそうですが笑
 
 
 
 
 
 
 
 
ということで、次回からは、プラセボ効果のメカニズムについての記載を見ていきます!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
<参考文献>
Bierman SF, Weil A, Dahmer S. Placebo and the law of identification. Front Psychiatry. 2024 Dec 6;15:1474558. doi: 10.3389/fpsyt.2024.1474558. PMID: 39713767; PMCID: PMC11659211.
 
 
 
 
 
 
 
 

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