東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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牙齦萎縮(がぎんいしゅく)とは③

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きで「気血両虚の牙齦萎縮」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
長患いや先天不足など虚弱体質により、気血が不足した場合に、歯齦が栄養されず、かつ虚に乗じて邪が歯間に停滞して発生します。
 
 
 
この場合、歯齦が淡白色になって萎縮し、歯の動揺、歯齦出血がみられることが特徴です。
 
 
 
また、頭のふらつき、目のかすみ、不眠、多夢、舌質淡、舌苔薄白、脈沈細などの気血不足の症候がみられます。
 
 
 
治法は、補気養血を用います。
 
 
 
弁証分類については、以上です。
 
 
 
牙齦萎縮は、口腔内の衛生状況が大いに関係がある身体症状です。
 
 
 
治療以前に、口腔内が衛生的でない状況であったり、辛いもの、甘いもの、脂っこいものを好んで食べていると、食物による刺激だけでなく、食物残渣が歯の間に溜まって腐敗することで、歯齦を腐食して、びらんを起こしたり、萎縮させたりしてしまいます。
 
 
 
その為、鍼灸治療に加えて、口腔内を衛生的に保つことや、刺激物となりうる食物を控えていただくように養生指導をしていくことが大切となります。
 
 
 
歯齦萎縮の症状がある場合、骨余である歯は腎が主る身体部位である為、腎気の消耗を引き起こす房事過多や労倦、睡眠不足避けていただくことも重要となります。
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 

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牙歯焦黒(がししょうこく)とは②

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きで「下焦熱盛、腎熱胃劫、風冷客経の牙歯焦黒」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
まずは下焦熱盛、腎熱胃劫の牙歯焦黒について、お話していきたいと思います。
 
 
 
どちらも熱邪により津液が消耗したものであり、温熱病の後期にみられることが多いです。
 
 
 
下焦熱盛の牙歯焦黒は、特に重症であり、熱邪が下焦に深く入り、高熱が続いて津液が枯渇してしまい、歯が津液による滋潤を受けられなくなって生じます。
 
 
 
この場合、歯が乾燥しているが、黒ずんだ歯垢がみられないことが特徴であり、手の引き攣りなどの痙攣の徴候があり、口乾、舌の乾燥、脈が沈数を呈します。
 
 
 
治法は、鹹寒甘潤を用います。
 
 
 
腎熱胃劫の牙歯焦黒は、熱邪による気陰の消耗により生じ、比較的軽症とされています。
 
 
 
この場合、歯が乾燥して、黒ずんだ歯垢が付着しており、乾燥、不眠、咽の乾燥、便秘、腹部膨満感、舌質絳、脈数を伴うことが特徴です。
 
 
 
治法は、清胃滋腎を用います。
 
 
 
次に風冷客経の牙歯焦黒について、お話していきたいと思います。
 
 
 
内は髄、血が虚して、外からは風冷が経脈に侵入して生じます。
 
 
 
『諸病源候論』には、「風冷その経脈に乗じ、すなわち髄骨血損じ、牙歯を栄潤することあたわず、ゆえに歯牙をして暗黒せしむ、これ歴蠧という」と記載があり、前述の分類に相当します。
 
 
 
この場合、歯が黄黒、あるいは黒ずんで乾燥して動揺することに加えて、腰膝酸軟、脱毛などの腎精不足の徴候を伴うことが特徴です。
 
 
 
脈は沈弱、舌質淡暗、舌苔薄白を呈することが多いとされています。
 
 
 
治法は、填精祛風を用います。
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

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