東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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血の病⑳

 

 

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こんばんは。齋藤です。

 
 
 
 
朝晩は涼しくなりましたが、日中はまだ蒸し暑い感じは続いています。
 
 
 
 
寒暖差で風邪を引かないよう、お気を付けください。
 
 
 
 
前回の続きです。
 
 
 
 
前回の話はコチラ
 
 
 
 
今回は、血の代表的な弁証、血虚証について書いていこうと思います。
 
 
 
 
血虚証とは、体内の血不足によって、肢体臓腑百脈が濡養を失って、出現する全身性の虚弱症候の総称になります。
 
 
 
 
何度も書いてきましたが、血の働きとして、各臓腑や経絡などを栄養する働きがあります。
 
 
 
 
その血が何かしらの原因で不足し栄養することができなくなる、または、栄養が足らなくなる状況を指します。
 
 
 
 
これは、血の生成が低下することでも起きますし、出血などによって血が大量に損失することによっても引き起こされることが考えられます。
 
 
 
 
主な症状として、顔色が白く艶がない(もしくは萎黄)、眼瞼および口唇が蒼白、爪の色が淡泊、頭暈目眩、動悸、物忘れ、不眠、多夢、手足の痺れ、毛髪に膏沢がなく脱毛しやすい、女性では月経周期延長、稀発月経、月経の量が少ない、流産、早産、産後のめまいなどなどが挙げられます。
 
 
 
 
このような場合、ただ血を補うのではなく、何が原因で血が減少していっているのか、という原因を探ることが重要になってきます。
 
 
 
 
なので、問診や症状の経過、脈や舌の所見などが非常に重要になってくると思います。
 
 
 

参考文献

『中医病因病機学』 主編:宋 鷺冰 訳:柴﨑 瑛子 (東洋学術出版社)

『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』 著:小金井信宏(東洋学術出版)

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論編』 監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人 北辰会 学術部 (緑書房)

『基礎中医学』編著:神戸中医学研究会 (燎原)

『鍼灸・漢方の名医になるための気血弁証論治学』 編著;神野英明 (たにぐち書店)

 
 
 
 

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こんばんは☆

 

 

 

吉澤です!

 

 

 

 

先週に引き続き、『心神に関わる問診:睡眠、生活環境と情の乱れ方と主訴との関連度合』に関して、書いていきたいと思います。

 

 

 

D.問診の要点

 

 

 

睡眠の状況、寝付き寝起き、熟睡感、日中の状態(日中の眠気、食後の眠気等)が重要になってきます。

 

 

 

1) 嗜眠:嗜睡・嗜臥 somnolence

 

 

疲労倦怠感に伴って、昼であれ夜であれ関係なく眠くなります。知らぬ間に寝入ってしまいます。

 

 

 

湿困脾土、脾気虚(脾気湿困)

 

 

 

2) 失眠:不寐:不得眠 inability to sleep

 

 

 

睡眠または異常な不眠のことを指します。

 

 

 

睡眠の状態による病的現象で、常に睡眠が不足することを意味します。

 

 

 

一時的な精神緊張、悩み事、住居環境の変化、異常な暑さや寒さなどにより起こる不眠は含まれません。

 

 

また発熱や疼痛、咳嗽、喘息などにより二次的に起こる不眠は、それぞれの原因に対して処置します。

 

 

 

西洋医学の不眠症とは、入眠や睡眠の安定した持続を妨げられることを悩んだり、それが原因となって心神の不調が生じている状態とし、単なる不眠とは区別しています。

 

 

 

不眠の病因として、七情の乱れ、飲食不節、思慮過度、労倦過度、暴受恐驚恐、凛賦不足、房事過多、久病、年老が挙げられます。

 

 

 

3)病機は、虚実両面が存在します。

 

 

 

①  実証:実火(肝火、痰火、心火)により心神上擾

 

 

 

②  虚証:陰虚火旺により 心神上擾  、血虚により心神失養、気虚あるいは脾胃の弱りにより心神不安

 
 
 
 
 
次週に続きます。

 

 

 

【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

 

 

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