東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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痰飲病機④

 

 

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こんばんは。齋藤です。

 

 

 

前回の続きです。

 

 

 

前回の話はコチラ

 

 

 

前回は、脾の運化について書きました。

 

 

 

今回は肺について書いていこうと思います。

 

 

 

津液の運搬に関する、肺の関与は以下の通りになります。

 

 

 

・肺の働き

宣発の働きを通して、津液を体の表面に運びます。

粛降の働きを通して、津液を腎や膀胱へ運びます。

 

 

 

ということで、今回は肺の宣発に関して、簡単ではありますが、書いていこうと思います。

 

 

 

まずは、宣発から。

 

 

 

肺には、「気を主る」「呼吸を主る」とあるように、呼吸運動は全身の気を動かす原動力になっていると考えられています。

 

 

 

呼吸という動作ですが「吸う→吐く」で1セットですが、吐く動作に伴い、気の動きが連動して発生する働きを、「宣発」と呼んでいます。

 

 

 

宣発とは、外向き上向きに巡らせることです。

 

 

 

その為、体内の濁気を、皮膚や口から外へ排出させたり、飲食物で得られた水穀の精微を、体の表面である皮毛へと行き渡らせたり、体の防衛作用のある、衛気を体表面に巡らせたり、清気を上部にある様々な器官へと送ります。

 

 

 

まとめると、脾胃(胃腸)で生成された津液を、脾の運化作用で肺に運び、肺の宣発で全身や体表面に巡らせるという流れになります。

 

 

 

何気なく、日常的に行われている呼吸ですが、東洋医学的には、この様な働きがあると考えられています。

 

 

 

宣発の働きが弱くなると、水穀の精微や衛気を体表部へ送れなくなることになります。

 

 

 

これは、簡単にいうと体の防御力が低下することを意味しますので、風邪を引きやすくなったり、汗が多く出るようになったり、皮膚がカサカサになったり、体表部が冷えたり、寒気がしたりなどなどの症状がでます。

 

 

 

  

参考文献

『中医病因病機学』 主編:宋 鷺冰 訳:柴﨑 瑛子 (東洋学術出版社)

『鍼灸・漢方の名医になるための 気血弁証論治学』 編者:神野英明

『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』 著:小金井信宏(東洋学術出版)

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論編』 監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人 北辰会 学術部 (緑書房)

『基礎中医学』編著:神戸中医学研究会 (燎原)

 

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「四肢腫脹」についてお話していきたいと思います。
 
 
 
前回のお話はこちら
 
 
 
本日は、「寒湿凝滞と気虚血瘀の四肢腫脹」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
いずれも陰証で、病邪による経脈の阻滞という病理機序は同じですが、寒湿の実証と気虚血瘀の虚実挟雑の違いがあります。
 
 
 
寒湿凝滞の四肢腫脹は、寒湿邪が経脈中に停滞することで生じます。
 
 
 
特徴は、四肢の重だるさ、関節が重く痛む症状がみられ、舌質淡、脈濡緩であることです。
 
 
 
気虚血瘀の四肢腫脹は、四肢あるいは両下肢に浮腫があり、押圧すると陥凹して戻りにくく、夜間に増悪することがあります。
 
 
 
それに加えて、手足の冷え、痺れ、運動無力、皮膚に紫色の斑紋がみられます。
 
 
 
舌質は淡白あるいは瘀斑があり、脈弦渋を呈する特徴を持ちます。
 
 
 
四肢腫脹には、寒熱、虚実の鑑別があり、病因は風寒湿邪に関連するものが多いですが、体質の違いによって偏熱、偏寒の傾向があります。
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店

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