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こんばんは。齋藤です。
気温も徐々に高くなってきており、だいぶ過ごしやすくなってきました。
まだ、昼夜の気温差が激しいので、上着を事前に用意しておくなど、対策をしておきましょう。
それでは、前回の続きです。
前回の話はコチラ。
引き続き、六淫の外邪である、風邪に関して記載していきます。
④百病の長である
風邪は単体で病変を引き起こすことが少なく、他邪を兼ねやすく、寒邪・湿邪・燥邪・熱邪と共に、人体を侵襲します。
タンポポの種が、風に運ばれるように、寒邪や湿邪などの邪気が、風に乗ってきて一緒に襲ってくるイメージでしょうか。
先日も書いたように、風邪の開泄の力を得て、病変を引き起こします。
身体には、外邪が侵入しない様に、防衛してくれている衛気があります。
その衛気を風邪が巻き上げることにより、衛気が虚ろになり腠理も開き、防衛能力が低下します。
その隙に、風邪が他の外邪と一緒になって侵入してくるといったイメージです。
また、風邪は六淫の外邪だけではなく、痰と合わさり風痰となり、病変を引き起こす原因にもなりますので、注意が必要です。
⑤肝と相応する
五臓の肝は、風木の臓と呼ばれています。
風邪と同気相求めるため、風邪の病変は肝気偏盛を引き起こしやすく、逆に肝の病変は動風を生じやすいです。
一番最初にも書きましたが、風は春の主気です。
春の風は肝木を盛んにして、気分を高揚させます。
肝病がある人はかえって昇発しすぎて症状が悪化する傾向にあります。
単純に春というと、桜が咲く頃をイメージすると思いますが、2月の立春から春です。
立春から徐々に肝気が旺盛になると、風邪の症状や肝の症状が悪化しやすいですので、注意が必要です。
参考文献
『中医学ってなんだろう』著:小金井信弘 (東洋学術出版)
『基礎中医学』 編著:神戸中医学研究会 (燎原)
『鍼灸 臨床能力 北辰会方式 理論編』 監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人 北辰会 学術部 (緑書房)
『内経気象学入門』 著:橋本浩一 (緑書房)
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こんばんは!樫部です。
本日は前回の続きで、心悸の弁証分類について、お話ししていきます。
前回のお話はこちら!
5.心胆気虚
主に突然驚いたり、恐怖する刺激により生じます。
特徴としては、些細なことにも驚いたり恐怖して動悸し、眠りが浅く、多夢となります。
6.心血瘀阻
心気虚、心血虚によって心の運血機能が低下すると瘀血が形成され、心脈を阻塞することによって生じます。
この場合、心悸に加えて、刺すような心痛、胸悶感を伴います。
また、顔面や口唇は青紫色、四肢の冷え、舌質暗紫や瘀斑がみられます。
7.痰火擾心
肝鬱化火、六淫の内鬱化火、辛辣物の過食、温補薬の過服などにより、痰火が発生し、心を阻塞するために生じます。
この場合の動悸は、イライラしたり焦ると出やすく、
その他にも、胸悶、煩燥、不眠、口苦、口渇、喀痰といった症状がみられます。
8.水気凌心
この場合は2つのパターンがありまして、
パターンその1は、心陽虚に脾肺気虚が合わさって飲邪を生じることで引き起こされます。
この場合、心悸は動くと増悪する特徴があり、
その他に全身倦怠感、息切れ、頭のふらつき、眩暈、咳嗽、食欲低下、二便の異常、希薄な痰がみられます。
パターンその2は、心陽虚に腎陽虚が合わさり、下焦の寒湿が上泛して、心悸が引き起こされます。
心悸に加えて、全身の倦怠感、尿量減少、足腰の冷えと酸痛、浮腫がみられます。
9.心脾両虚
思慮過度、飲食不節などによって、心気虚、脾の運化不足により、気を心に運べず心気不足が起こり、引き起こされます。
この場合、運動により増悪しやすく、
健忘、食欲低下、倦怠無力感、自汗といった症状もみられます。
心悸についてのお話は以上です。
次回は「息切れ」について、お話ししていきたいと思います。
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
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