東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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問診に関して㊻(正邪の度合いを図るための問診①)

 

 

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こんばんは☆

 

 

 

吉澤です!

 

今週からは、北辰会十問診の中の一つ、「⑦ 正邪の度合いを図るための問診(肉体負荷試験・大便小便後や発汗後の状況変化)」に関して、書いていきたいと思います。

 

 

 

 

1 .正邪弁証

 

 

 

八綱陰陽により、虚実は明らかに出来ますが、実際の臨床上では、虚実錯雑であることもよくあります。

 

 

 

虚実挟雑の場合は、正気の弱りが主なのか、邪気実が主なのか、あるいは正気の弱りと邪気実がほぼ同程度なのか、正気と邪気の陰陽消長関係における標本主従を明確にして治療方針を確定する(扶正・結邪どちらを優先すべきかを明らかにする)上で必要不可欠となります。

 

 

 

北辰会では、虚実の度合いを見極めるための弁証として「正邪弁証(正気の弱りと邪気( 虚実)) 」を設けています。

 

 

 

2.虚実

 

 

 

「正気が充実しており、邪気が虚している」のは健康な体といえます。

 

 

「虚実」という言葉の意味することは次の通りです。

 

 

虚 = 正気の虚であり、邪気の虚ではない

 

実 = 邪気の実であり、正気の実ではない

 

 

a.正気の虚

 

 

正気の虚とは、気・血・津液・精が虚すことをいい、気虚、 血虚、津液不足、精虚などがあります。

 

 

そのうち、虚であり、かつ冷えの症候が顕著であれば「陽虚」、熱の症候が顕著であれば「陰虚」といいます。

 

 

また、気血両虚や気陰両虚、陰陽両虚など、正気の弱りの種類の組合せによって、様々な虚の病態の表現法があります。

 

 

さらには、これらがどこの臓腑で起こっているかで、肺気虚や心気虚、腎精不足、腎陰虚、肝腎陰虚、牌腎両虚…など、様々に表現します。

 

 

b.邪気の実

 

 

六淫の邪気に加え、気滞や疹血、湿痰邪などがあり、もともとは正気であっても、 その機能が発揮できないような状態になったものを「邪気」といいます。

 

 

本来、風や湿なども自然界にはなくてはならないものです。

 

しかし、風は風でも、暴風・強風・竜巻などになった場合、それが害を及ぼすことがあります。

 

あるいは、そよ風であっても、それを受ける身体の状態によっては強烈すぎる場合もでてきます。

 

各々の身体にとって害になっている場合、「邪」という概念に変わります。

 

 

気や血、津液も同じことがいえます。

 

 

滞りなく、スムーズに全身満遍なく流れていれば問題なしですが、どこかで停滞すると、澱みができて、気血津液が流れなくなり、邪気となります。

 

 

ひどい場合には有形の邪気 (瘀血や湿痰)を形成するに至ります。

 
 
 
 
 
次週に続きます。

 

 

 

【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

 

 

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問診に関して㊺(心神の問診③)

 

 

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こんばんは☆

 

 

 

吉澤です!

 

 

 

 

先週に引き続き、『心神に関わる問診:睡眠、生活環境と情の乱れ方と主訴との関連度合』に関して、書いていきたいと思います。

 

 

 

D.問診の要点

 

 

 

睡眠の状況、寝付き寝起き、熟睡感、日中の状態(日中の眠気、食後の眠気等)が重要になってきます。

 

 

 

1) 嗜眠:嗜睡・嗜臥 somnolence

 

 

疲労倦怠感に伴って、昼であれ夜であれ関係なく眠くなります。知らぬ間に寝入ってしまいます。

 

 

 

湿困脾土、脾気虚(脾気湿困)

 

 

 

2) 失眠:不寐:不得眠 inability to sleep

 

 

 

睡眠または異常な不眠のことを指します。

 

 

 

睡眠の状態による病的現象で、常に睡眠が不足することを意味します。

 

 

 

一時的な精神緊張、悩み事、住居環境の変化、異常な暑さや寒さなどにより起こる不眠は含まれません。

 

 

また発熱や疼痛、咳嗽、喘息などにより二次的に起こる不眠は、それぞれの原因に対して処置します。

 

 

 

西洋医学の不眠症とは、入眠や睡眠の安定した持続を妨げられることを悩んだり、それが原因となって心神の不調が生じている状態とし、単なる不眠とは区別しています。

 

 

 

不眠の病因として、七情の乱れ、飲食不節、思慮過度、労倦過度、暴受恐驚恐、凛賦不足、房事過多、久病、年老が挙げられます。

 

 

 

3)病機は、虚実両面が存在します。

 

 

 

①  実証:実火(肝火、痰火、心火)により心神上擾

 

 

 

②  虚証:陰虚火旺により 心神上擾  、血虚により心神失養、気虚あるいは脾胃の弱りにより心神不安

 
 
 
 
 
次週に続きます。

 

 

 

【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

 

 

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