東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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牙疳(がかん)とは②

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きとして「青腿と走馬牙疳」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
まずは青腿牙疳についてです。
 
 
 
地域、生活、飲食を病因として発生します。
 
 
 
寒冷で湿気の多い環境に住むことで、経脈に寒湿邪が停滞しており、さらに新鮮な野菜や果物の摂取が少なく、肉食傾向にあると、胃腸に鬱滞して化熱して熱邪が口腔内に上炎して発生します。
 
 
 
この場合、発症が緩慢で、歯齦のびらんに加えて、下肢の疼痛、青黒色の雲状の腫瘤、筋肉のこわばり、運動障害がみられることが特徴です。
 
 
 
治法は、散寒化痰、清熱解毒を用います。
 
 
 
次に走馬牙疳についてです。
 
 
 
麻疹、水痘、チフス、猩紅熱、赤痢やその他の熱性疾患によって、熱邪が盛んであることで歯齦を損傷して発生します。
 
 
 
この種の牙疳は小児によくみられるとされています。
 
 
 
発症から症状の進行が非常に素早い為、「走馬」と呼ばれており、重篤な口腔疾患の一つです。
 
 
 
発症後は急速に歯齦にびらんを生じ、数日で頬部のフィスティルや口唇のびらんがみられ、歯が脱落します。
 
 
 
ただ、びらん部には疼痛や掻痒はみられないことが特徴であり、重篤な場合は悪寒、発熱がみられて予後不良とされています。
 
 
 
治法は、清熱解毒を用います。
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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血の病㉒

 

 

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こんばんは。齋藤です。

 

 

とうとう今年も残り2か月。

 

 

張り切っていきましょう。

 

 

前回の続きです。

 

 

前回の話はコチラ

 

 

前回は、血と心神の関係に関して書きました。

 

 

今回は、血と肝に関して書いていこうと思います。

 

 

東洋医学における「肝」には、色々と働きがあります。

 

 

その中で血に関する働きとして、血を貯蔵し、血流量を調整する「蔵血作用」があります。

 

 

血が何かしらの原因で虚して不足すると、様々な症状が出てきます。

 

 

まずは、肝血不足について書いていきます。

 

 

血液の流量の調整する働きが失われ、全身の各処に血液が充分に行き渡らず、様々な機能低下を招きます。

 

 

肝は眼や筋肉、関節、爪などと非常に深い関りがあります。

 

 

眼や爪、筋肉、関節などに問題が発生したり、肝は血海とも言われ、血海が不足すると月経の量が少なくなったり、閉経してしまったりします。

 

 

この他にも、肝に蔵される血が不足することで、肝の働きが低下し、疏泄の低下などを引き起こす可能性もあります。

 

 

こういった部分に関しては、意図的に問診をして、明らかにする必要はあると思います。

 
 
 
その他にも、血は気の乗り物なので、血が何かしらの原因で減少すると、気は乗り物がなくなり、気虚を招いてしまう場合もあります。
 
 
 
その流れで、例えば血虚から気虚を引き起こし、その中で脾の気虚を招き、統血作用が低下することで、出血傾向になる可能性もありますし、気虚から固摂機能が低下することで、出血を引き起こしやすくなる可能性もあります。
 
 
 
その他にも、血と精は同源なので、血虚を招くと、精も減少する可能性もあります。
 
 
 
出血1つとっても色々なメカニズムが考えられるので、しっかりと頭に入れておく必要があります。
 
 
 
また、気と血、血と精、気と精とこれらは同源であることから、1つと減ると他も減少してしまう可能性があります。
 
 
 
そういったことも含め、基礎的な部分ではありますが、しっかりと把握しておく必要があると思います。
 
 
 
 
 
参考文献

『中医病因病機学』 主編:宋 鷺冰 訳:柴﨑 瑛子 (東洋学術出版社)

『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』 著:小金井信宏(東洋学術出版)

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論編』 監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人 北辰会 学術部 (緑書房)

『基礎中医学』編著:神戸中医学研究会 (燎原)

『鍼灸・漢方の名医になるための気血弁証論治学』 編著;神野英明 (たにぐち書店)

 
 
 
 

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