東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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季節性アレルギー性鼻炎と鍼灸②

 

 

 

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こんばんは 謝敷です^^

 

 

 

前回は日本におけるアレルギー性鼻炎(花粉症)についての概要をご紹介しました。

 

 

アレルギー性鼻炎への鍼灸治療については、

「UpToDate」という

医療者向けにエビデンスに基づく臨床情報を発信している情報源の記事をご紹介致します。

 

 

 

 

米国では人口の20%以上が、喘息やアレルギー性鼻炎・皮膚炎などの症状を有しており、

鍼灸を含めた代替医療の受診率も増え、2018年にアレルギー専門医を対象とした調査では、

81%が代替医療(漢方・鍼灸含む)を使用している患者がいると回答し、

これはビタミンサプリメントの使用を上回ることが報告されています。

 

 

 

 

アレルギー性鼻炎に対する鍼治療の効果を検討した論文116の論文のうち、

検討の基準を満たした12の論文では、

 

 

 

季節性アレルギー性鼻炎と通年性アレルギー性鼻炎では、鍼治療の効果は異なり、

季節性の症状には効果がないが、通年性ではある程度効果が認められたとの報告がありました。

(いずれも減薬には至らない程度の効果)。

 

 

 

またオーストラリアで行われた、鍼治療・偽鍼・無治療で、

アレルギー性鼻炎の効果を比較検討した研究では、

鍼治療と偽鍼治療群で、鼻症状の重症度スコアが有意に改善したことが報告されています。

→概要はこちら

 

 

 

 

しかし、イネ科の季節性アレルギー性鼻炎患者422名を対象とした研究では、

抗ヒスタミン服薬群・偽鍼群・鍼灸治療を行った群での比較を行い、

鍼治療は効果があることが示されました。

 

 

 

しかし同時に、

鍼治療は高価であること、

また鍼治療群では、鍼治療に高い期待を持っていた患者の割合が高かったことなどの課題が示されています

 

 

 

これらの報告の結果、

アメリカのアレルギー性鼻炎臨床診療ガイドライン(2015年改訂版)では、

鍼灸を治療選択とするためのエビデンスは「低い信頼度」と評価されており、

 

 

薬剤の使用を最小限に抑えたり、

ある程度の治療費を許容でき、比較的軽度の患者にとっては

合理的な選択肢となる可能性があると報告されています。

 

 

 

鍼灸治療において、一定の効果はみられるものの、

費用とのバランスにおいて、推奨!!とまではいかないのですね。

 

 

 

しかし、私は今年、かなり花粉症の症状が緩和されています!

ガイドラインや論文結果は様々ですが、

自身で体感できるということは、とても嬉しいですね!

 

 

参考文献

UpToDate Complementary and alternative therapies for allergic rhinitis and conjunctivitis
https://www.uptodate.com/contents/complementary-and-alternative-therapies-for-allergic-rhinitis-and-conjunctivitis

 

 

 

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こんばんは。齋藤です。

 

 

 

前回の続きです。

 

 

 

前回の話はコチラ

 

 

 

前回は、肺気上逆に関して、書きました。

 

 

 

今回は、胃気上逆に関して書いていこうと思います。

 

 

 

まずは、胃の働きから、復習を兼ねて書いていこうと思います。

 

 

 

胃の主な働きは、「受納と腐熟」と「降濁」になります。

 

 

 

「受納と腐熟」という作用に関して、まずは書いていこうと思います。

 

 

 

西洋医学で胃というと、食べ物を消化吸収する場所というイメージがあると思いますが、東洋医学でも同様な働きをしていると考えてもらっていいと思います。

 

 

 

「受納」とは読んで字の如く、口から入った飲食物を一旦、胃で蓄えることを受納と言い、そこから消化することを、「腐熟」と言います。

 

 

 

胃は脾と協力して、食べ物の消化吸収を行う訳ですが、脾は食べ物から生成した、水穀の精微を昇清し、肺に運びます。

 

 

 

ここからが、もう1つの「降濁」の説明になります。

 

 

 

脾胃で消化吸収して発生した、水穀の精微にならない、食物残差物を胃の「降濁」により、小腸へ運びます。

 

 

 

小腸でそこでさらに分別され、大腸へ運んだものを大便として、膀胱に運んだものを小便として、排泄します。

 

 

 

単純に、食べて栄養素にならないものを、大便や小便として排泄するために、小腸へ運ぶこと、下に降ろすことが、「降濁」になります。

 

 

 

脾と胃は、表裏関係にありますが、作用として、脾は上に運び、胃は下に運びます。

 

 

 

脾胃が健全に働き、昇清と降濁がバランス良く働くことで、精気や濁気は正常に輸送されます。

 

 

 

身体を大きく見たときに、脾胃は身体の中心にあり、気の昇降運動の中心的役割を担っています。

 

 

 

その為、脾胃がバランスよく働き昇降がうまく働くことにより、全身の気の流れにも大きく影響していきます。

 

 

 

参考文献

『中医病因病機学』 主編:宋 鷺冰 訳:柴﨑 瑛子 (東洋学術出版社)

『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』 著:小金井信宏(東洋学術出版)

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論編』 監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人 北辰会 学術部 (緑書房)

『基礎中医学』編著:神戸中医学研究会 (燎原)

『鍼灸・漢方の名医になるための気血弁証論治学』 編著;神野英明 (たにぐち書店)

 
 

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