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こんばんは。齋藤です。
前回の続きです。
前回のお話はコチラ。
素問の「五臓生成篇」には、以下のような記載もあります。
「是故多食鹹。則脉凝泣而変色。多食苦、則皮槁而毛抜。多食辛。則筋急而爪枯。多食酸。則肉胝䐢而脣掲。多食甘。則骨痛而髪落。此五味之所傷也。故心欲苦。肺欲辛。肝欲酸。脾欲甘。腎欲鹹。此五味之所合也。」
以下、訳になります。
鹹味を過食すると、血脈は凝滞して、色沢に変化が生じるようになる。
苦味を過食すると、皮膚が乾燥して、産毛が抜ける。
辛味を過食すると、筋脈がひきつって、爪が割れる。
酸味を過食すると、肌肉が厚くなり皺ができ、唇がめくれあがる。
甘味を過食すると、関節が痛み、頭髪が抜ける。
これらは、五味を偏って食べたことによって受けるようになる傷害である。
心臓は苦みを好み、肺臓は辛味を好み、肝臓は酸味を好み、脾臓は甘味を好み、腎臓は鹹味を好む。
これらは五臓との間にぴったり合う、相性の良い関係があるからである。
例えば、肝の五味である、酸味を過食する事により、肝の臓の機能亢進が起きてします。
その事により、肝と相克関係にある脾の機能低下が発生し、木乗土の状態を引き起こしてしまい、脾の五主や五華である、肌肉が厚くなり皺ができ、唇がめくれあがってしまうと説明しています。
五味の各々が、特定の臓に対して親和性を持っており、この関係性において、飲食物の精微がそれぞれの臓の精気を作り出します。
その為、もしある一味だけを食べ続けるような事になると、臓気の偏勝を引き起こし、相克の関係が崩れ、疾病を生じる様になります。
人間、知らず知らずのうちに、甘い物を食べ過ぎていたり、酸味の物を過食する様になっていたりすることがあります。
そういった事が原因で、体に変化が起きることが十分ありますので、注意が必要ですね。
続く。
参考文献
『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』 小金井 信宏 (東洋学術出版)
現代語訳 黄帝内経素問 上巻 南京中医学院編 石田秀実監訳 (東洋学術出版)
意釈黄帝内經素問 小曽戸丈夫+浜田善利共著 (築地出版)
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こんばんは。齋藤です。
9月に入り、少しだけ?涼しくなってきた気がするような、しないような。
ただ、日中の陽射しの強さは、8月と全く変わっていない気がしますので、くれぐれもご注意ください。
それでは、前回の続きです。
前回の話はコチラ。
前回は霊枢の「五味編」を紹介させて頂きました。
今回は、素問の「五臓生成篇」に書かれている、五味に関する記載について、簡単ではありますが書いてこうと思います。
五臓生成篇には、五臓と体表に現れる形体との間の関連について記載されており、その中で、五味の五臓に対する相性の良し悪しに関しても記載されています。
少し五味とは話が逸れてしまいますが、五臓生成篇の初めに以下の様に記載されています。
「心之合脈也、其栄色也。其主腎也。肺之合皮也。其栄毛也。其主心也。肝之合筋也。其栄爪也。其主肺也。脾之合肉也。其栄唇也。其主肝也。腎之合骨也。其栄髪也。其主脾也。」
訳は以下の通りです。
心臓は脈に配合し、栄華は顔面部の色沢として現れます。心臓の働きを制約しているのは腎です。
肺臓は皮に配合し、栄華は豪毛に現れます。肺臓の働きを制約しているのは、心です。
肝臓は筋に配合し、栄華は爪甲に現れます。肝臓の働きを制約するのは、肺です。
脾臓は肉に配合し、栄華は口唇に現れます。脾臓の働きを制約するのは、肝です。
腎臓は骨に配合し、栄華は髪に現れます。腎臓の働きを制約するのは、脾です。
五臓と、五主、五華の関係性と、五行の相生、相克の理論を応用して、五臓が相互に養いあったり、制約しあったりする、関連性を説明しています。
この関係性があることで、体表の変化から内なる臓の病変を知ることができ、内なる臓の変化もまた、体表に現れる現象に影響をするはずだと考える様になったといわれています。
この考え方は、中医学の臨床における「内より外を知り、外より内を知る」という理論の根拠になっています。
こういった考え方ができたというのは、本当に感嘆しちゃいますよね。
続く。
参考文献
『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』 小金井 信宏 (東洋学術出版)
現代語訳 黄帝内経素問 上巻 南京中医学院編 石田秀実監訳 (東洋学術出版)
意釈黄帝内經素問 小曽戸丈夫+浜田善利共著 (築地出版)
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