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2018.05.28

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一般的に、鍼灸治療というと、スポーツ障害とか、運動器疾患、慢性の肩こり腰痛、というイメージがあるようだ。
因みに、上記のような主訴の患者さんは、清明院では、いないことはないが、少ない。(苦笑)
・・・でも、やらないことはない。
愁訴と関係のないところに一穴、それでよくなる運動器疾患は多い。
こないだも、スポーツ選手のシンスプリントや、ギックリ腰をスパッと治したばかり。
でもなぜ、そういう患者さんが少なくなるのか。
こういう症状を持つ多くの患者さんが、根本治療を期待していないからではないだろうか。
(根本治療を諦めているというか。)
この症状が出た理由は、ああでこうで・・、と説明し、同じような悪化条件にさらされても、肩こり腰痛を発症しないような体になろう、という気がない人が多い気がする。
多くは、単に気になる肩こりを気持ちよい強さでもんで欲しい、同じように腰痛をもんで叩いてほしい、電気をかけて刺激してほしい、そこにズーンと響く鍼を打って欲しい、
というのがニーズではなかろうか。
だから、清明院のような治療よりも、そういう治療をやっている施設へ行くのだろう。
僕もかつてそういう治療院や整骨院で働いていたから、非常によく分かるが、ここは諦めてしまわず、根本的体質改善、弁証論治をお勧めしたい。
十年後、二十年後が全然変わってくるはず。
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2016.11.30

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前回のお話
◆「察証弁治」と「方証相対」
「弁証論治」と言えば、「証を弁えて、論理的に治療する」一連の過程を言い、それは、現代中医学の基本になっています。
その現代中医学は、今や世界の東洋医学教育のスタンダードになってきました。
(というか、なっています。)
1840年のアヘン戦争以降、1955年くらいまで、約百年かけて、それまでの長ーい歴史をよく踏まえつつ、「弁証論治」という考え方が中国国内で形成されていくときに、
日本の医学の影響はなかったかと言うと、僕は少なからず「あったのではないか」と思っています。
◆参考
中国では戦乱の度に重要な医学書が散逸するのに対し、日本には重要な医学文献がいい保存状態で多く残っており、幕末の日本の医学者たちの文献学が世界最高峰であったのは、
森立之しかり、渋江抽斎しかり、このブログで紹介した通りです。
もともと、「弁証論治」と似たような考え方で、日本にあったのが曲直瀬道三(1507-1594)の「察証弁治」という考え方です。
でもまあ、曲直瀬道三の師匠である田代三喜(1465-1544)の、そのさらに師匠は中国人と言われています。
(諸説あるようですが。。)
ツムラメディカルトゥデイ「漢方医人列伝 田代三喜」遠藤次郎 参照
要は、日本と中国は昔から、お互いに影響を与え合いながら、日本の医者も、中国の医者も、臨床現場、医学教育現場において、よりよいものを作ろうと工夫してきた歴史があります。
ところが、曲直瀬道三の「察証弁治」は、難解であったのか、あまり日本の医家には定着せず、その後登場する医学界の革命児、吉益東洞(1702-1773)あたりから始まる、
「古方派」という学派の「方証相対」という考え方の方が、一般的には定着していったような歴史があります。
漢方家でない私が語るのは僭越なんですが、この「方証相対」という考え方は、要するに
「〇〇湯で〇〇という症状が治せる」
あるいは
「〇〇という症状が揃えば〇〇湯が効く」
という考え方だそうで、悪く言えば短絡的であり、今日よく批判の対象として問題になる
「症状漢方、病名漢方、症状配穴、病名配穴」
の根本的な原因である、という批判もある考え方ですが、一方で、分かりやすい、現場で運用しやすい、ピタッとハマれば特大ホームラン!
という側面もあるようで、現場の医師に好まれた歴史があるのでしょう。
この「弁証論治派」と「方証相対派」の対立は、中国でも日本でも、未だに”一部では”続いていると言ってもいいと思います。
・・・うーん。
どうなんだろう。
仲良くやった方がいんじゃないすかね。。。(苦笑)
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2016.11.26

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明日、「弁証論治」について話します。
「弁証論治」というのは、「整体観(念)」と並んで、中医学の基本です。
「整体観」って何ですか? 参照
この「弁証」という言葉ですが、中医学ではなく、哲学用語としての「弁証」という言葉をネットなんか調べていくと、実に果てしない、難解な学問が待っています。(笑)
まあかつて、このブログ上で、哲学者であるヘーゲルやマルクスについて書きました。
マルクスの弁証法 5 参照
東洋医学で「弁証」という言葉を使う時は、
「証を弁(わきま)えること」
というほどの意味です。
「証」とは、その時点における、病態の本質、メインとなる病理状態のことです。
つまり「弁証論治」とは、
「証を弁(わきま)えて、論理的に治療すること」
です。
これが今では、「整体観」と並んで、巨大な「中医学」という学問の基本となっています。
ところで、この考え方が生まれる全然前、日本の江戸時代に、「察証弁治(さっしょうべんち)」という考え方がありました。
この考え方を唱えたのは、以前このブログでも紹介した曲直瀬道三(1507-1594)です。
長くなったので続く
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2015.09.05
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この一週間、やることが多すぎて、若干、何が何だか分かんなくなりかけました☆
2015.07.25
2011.08.23
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こないだ、関西に行った時、大阪は鶴橋にあります、(社)北辰会本部の講師である堀内齋毉龍(さいりゅう)先生の天晴堂鍼灸院にお邪魔してきました。
堀内先生には以前から、陰に陽に、何かとお世話になっております。
僕は実はその時に、この本を、直接著者本人から、発売日前にゲットしておりました。(笑)
2010.02.28
今日は、中医学の基本としてよく語られる「弁証論治」とは何か、について書きたいと思います。
僕もコレ、二十歳の頃、最初に本で読んだ時は、何やら難しそうな熟語だな~・・ワケ分かんなそうだな~・・と思いました。
そいで、辞書で「弁証」と調べてみたら・・・
「弁証法とは、哲学用語であり、世界の事物の変化や発展の過程を本質的に理解するための方法、法則であり・・・」
な~んて出てきて、ますます難しそ~・・!タスケテ~!もう無理~!!ってなっちゃいました。(苦笑)
・・・でも、あとからよくよく冷静に考えたら、実は「弁証論治」という言葉を理解すること自体は、意外と簡単なことでした。
まず、上に挙げたような、いわゆる哲学用語の「弁証」という言葉と、中医学の言う「弁証」という言葉は、意味が違います。
全く無関係でもない、という話もあるんだけど、まずは別物、と考えた方が圧倒的に理解しやすいと思います。
東洋医学では、「治療する、その時点における病理状態(病態)そのものや、病態の本質」のことを「証(しょう)」と言います。
まずこの「証」を判断してから、それに基づき、「論理的に」治療を進めることを「弁証論治」と言います。
まさに、
「証を弁(べん)じて治を論ずる」
訳ですネ。
東洋医学、中医学の言う「弁証論治」というのは、そういう意味であります。
ちょっと難しく(というか詳しく)言えば、
「様々な東洋医学独特の診察法(四診法)のような、具体的な分析方法に基づき、様々な東洋医学独特の手法(鍼灸、漢方薬など)によって、
性質の異なる病変を、論理的に解決する方法、過程」
のことです。
〇
大事なことなので、ここでさらに説明を加えます。
患者さんは、鍼灸院に訪れた時に、その時その場で突然、「今まさに」症状を発症した訳ではありません。
鍼灸院にかかるまでの間には、まず、これこれこういう体質を持って生まれ、これこれこういう条件がそこに加わったことがきっかけとなって、今回の症状を発症してから、
次にこうなって、次にこうなって、そして最後にこうなったから、今の状態に至った、だから診てもらいたいのだ~!という、言わば「病の歴史」というものがあります。
これを「病歴(既往歴・現病歴)」と言います。
この「病の歴史(病歴)」を、発症以前のそもそもの体質も含めて、まずは細かくお伺いし、それがなぜそうなったのか、「東洋医学的に」分析し、
その結果として、今、この瞬間が、「東洋医学的に」どのような状態なのか、それを表わすのが「証」です。
例えるなら、治療するその時点での「病気の断面図」のことが「証」です。
「証」を明らかにすることを「弁証(べんしょう)」と言います。
そして、「論治」ということは、それを「論理的に治療する」訳ですから、先ほど言った「病の歴史」がキッチリと東洋医学の理論でもって、ピシッと分析出来てなければなりません。
なのでよく、中医学の成書では
「弁証は論治の根拠であり、論治は弁証の目的である」
なんて言われます。
まあ、それがより正確に、的確に、シャープに出来るようになるために、わざわざ日曜日の度に勉強会に行ったり、飽きもせずに何冊も本を読んだりしてるんです。
僕らは毎日毎日、こういうことをやっている訳です。
決して超能力者なんかじゃないし、鍼が効くということは、何にも不思議現象、超常現象ではないんです。(笑)
もちろん、この医学の大前提としての「気」や「陰陽」という、東洋の偉大な自然哲学を「あるものと考えて」こそ、の話ですけどネ。(苦笑)
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2025.12.05

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2025年11月も、日々の臨床の傍ら、色々やっておりました!笑
今年で早14年目になる東洋鍼灸専門学校での後期授業も、半分まで来ました。
なかなか意欲的な学生さんが多くて、嬉しいです。
世の中を見れば、ネガティブなニュースや不安なニュースも多く、この先、世界は、日本はどうなっていくのか、一庶民には分かりませんが、まあどうあれ、僕は毎日、新宿の路地裏で鍼灸治療を、やれるとこまでやるだけです。笑
11.2(日)は大阪で行われた日本プライマリケア連合学会秋季セミナーにて、今年も実技ワークショップを行ってきました!!
このセミナーには、何年か前から毎年実技講演させて頂いておりますが、今回も多くの医師の先生方に参加していただき、鍼灸の良さを御理解いただけたのではないかと思います。
デカいホールで数百人の前でやるのもいいけど、こういう草の根運動も、僕は好きです。笑

11.6(木)は順天堂東医研に参加してきました!!
今回の講師はいつもお世話になっている長瀬眞彦先生、講義テーマは
「秋の夜長の症例検討―弁証論治界隈―」
というお話。
症例を通じて、重要な方剤や考え方について解説して下さいました。
順天堂東医研では、約7年間、今や東洋医学教育のグローバルスタンダードである「中医学」を基礎において講義を進めてきました。
その講義数は80回を超えており、同じ講義はほとんどないです。
この膨大な知識を基に、日本漢方や鍼灸などなど、東洋医学の様々な分野と分け隔てなく関わり、血肉にしていって欲しいと思っています。
11.10(月)は日本東方医学会の分科会であるDAPA(医鍼薬地域連携研究会)カンファレンス。
今回は清明院スタッフである松田信晴先生による「前立腺肥大症による頻尿に対する鍼治療の1症例」の症例検討会。
前立腺肥大症と言えば、鍼灸臨床でも今でもたまに遭遇する疾患であり、なかなか苦戦するものも多い訳ですが、今回は松田が見事に効果を挙げた症例で、大変高名な泌尿器科専門医のベテランの医師の先生二名からもコメントをいただき、参加者からしても、非常にためになる内容だったと思います。
また今回も時間が足りないほど、非常に活発な意見交換が出来て、素晴らしかったです。
「医師と鍼灸師で、鍼灸師の症例を検討する」この活動も、今後まだまだ磨きをかけて、伸びて欲しい活動の一つですね。
因みにこの勉強会は、毎月オンラインで開催しております。
どなたでも参加でき、次回は来年1.19(月)の20時~90分です!!
(症例は「緑内障」の予定!!)
是非、こちらのページからお申し込み下さい。
(お申し込み下さった方には、アーカイブ配信もあります!!)
11.17(月)は日本東方医学会主催「新・中医臨床カンファレンス」です。
こちらも月に一回のオンライン開催で、ここでは、医師による中医学的な臨床の最前線が、ありありと分かると思います。
この勉強会は、第一線の臨床家の先生のリアルな症例報告が聴けて、さらにそれを多くの医師や鍼灸師が、それぞれの立場から意見出しをする、非常に貴重な機会です。
今回も「慢性鼻炎」の症例で、なかなか手強い症状でありますが、第一線の医師の先生方の対応や御見解が、非常に勉強になるカンファレンスでした。
次回は1.26(月)20時〜 (60分程度)となります。
お申込みはこちらから!!
11.20(木)は保土谷にある聖隷横浜病院の救急外来にて見学研修してきました!!

↑↑とってもきれいな病院でした☆
この病院には、現在の医療界で、熊本赤十字病院の加島雅之先生とともに「救急漢方」を推進されている入江康仁先生がおられ、学会で名刺交換した御縁から、今回お忙しいところお邪魔してきまして、大変よくしていただきました!!
「救急で漢方?何に使うの??」と思う方もおられるかもしれませんが、救急の場面で、実は漢方は非常に使えるのです。
・・・というか、鍼灸と漢方というのは、むしろ救急の場面でこそ、その真価を発揮する、というのは、私の師である藤本蓮風先生も以前からよく仰ることです。
この令和の時代に、その考え方を高度に理解し、実践する救急専門医の若い先生が出てこられたことが、非常に嬉しいです。

↑↑帰りがけに入江先生と。
僕も何とか今後、救急の現場で鍼灸を活かす方法、仕組み作りを考えてみたいと思います。
そしてなんと11月は、1年前から大変楽しみにしていた(一社)日本中医薬学会の上海大会が、日中関係の緊張により、延期となってしまいました!!!
幸い、東方航空のフライトチケット代はキャンセル料がかからなかったので、泣く泣くキャンセルし、休診する予定だった土曜と火曜に、いつも通り診療をやります、と告知したのが金曜日。苦笑
正直、いつも通院されている患者さんにはすでに休みだと告知しているので、誰も来ないか、来ても1人2人じゃないかと思っていたんですが、予想外に数十人の患者さんが見えて、感動しました。笑
清明院の患者さんはアツい!!
思いがけず、僕ら臨床家というのは、患者さんあっての存在であるということを再認識しました。
11.29(土)-30(日)は第43回日本東方医学会学術大会。
今回の会頭は順天堂大学の客員准教授で、鍼灸師でもある友岡清秀先生。
今回の大会テーマは「順天應人」。
以前にも書いたように思うけど、現存する日本最古の蘭学塾ともいえる順天堂大学の命名の由来は、『易経』の言葉であります。
今回、過去最高の申し込み人数だったそうで、日本東方医学会の益々の発展を感じましたね。
今回、出色だったのは医学部の学生さんによる企画「東方医学をバズらせろ!!」。
全国から7校が参加し、凄い盛り上がりを見せていました。
ああいう、真っ直ぐな若いエネルギーに触れると、何かと暗い話題が多かったり、足の引っ張り合いみたいなことの目立つこの業界の中にあって、未来に希望が持てる感じがして、ホントに嬉しいです。
・・・とまあ、11月もこんな感じで、毎週末、なんじゃかんじゃとやっていました。
ここから年末に向けて、ラストスパートいきますよー!!!
〇
2023.08.18

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7.20(木)は、第54回、順天堂東医研で喋ってきました!!
今回の講師は私です。
講義テーマは「東洋医学的診断法① 弁証論治総論~八綱弁証」ということで、ついに新シリーズ突入です!!
順天堂東医研では、鍼灸担当の私も湯液担当の長瀬先生も、東洋医学の学理の基本を「中医学」に置いています。
(もちろん、だからと言って他の考え方に対して排他的であったり、やたらに批判的であることはないと付言しておきますし、そこは学生にもいつも注意しています。)
世界中でも、いまや東洋医学教育といえばほとんど「中医学」が採用されています。
これは、1949年に建国された現代の中国(中華人民共和国)が、1950年代以降、現在に至るまで、東洋医学専門の医師免許である「中医師」育成に採用し、世界中に一生懸命広めまくった結果であり、
それが実際に教育に使いやすく、それを学んだ医師が、医療現場で活躍出来るだけの内容を持っているから、でしょう。
その中医学の基本が「整体観」と「弁証論治」であります。
この辺の話に関しては、過去に何度も書いています。
1950年代に「弁証論治」という考え方を発表なさったのは、北京中医学院(日本で言えば東大医学部みたいなもん)の教授である任応秋先生(1914-1984)であり、
1970年代の日中国交正常化以降、この任応秋先生をいち早く日本に招いて、講演を企画したのが、当時の医師東洋医学研究会(現、日本東方医学会)の谷美智士先生だったりします。
何やら、深い御縁を感じます。
ところで私が、清明院開業前に、職場の後輩や内輪の仲間相手に、夜な夜な、基礎中医学を一から講義していたなんてのは、実に20年以上前の話です。苦笑
でも20年経って、様々な経験を経て、私も喋り手として、臨床家として、かなりパワーアップしていると思います。
・・・さあこれから、中医学の基本中の基本となる各弁証法に関して、全てマルっと講義しようと思います。
基本というのは、何十年経っても変わりません。
永久保存版でいきます!
〇
2023.03.06

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2.18(土)~19(日)の二日間、宇都宮で行われた第26回、日本病院総合診療医学会にて登壇させて頂きました!
今回の大会テーマは「DIAGNOSTIC EXCELLENCE 総合診療、これからの診断学」ということで、大会長の志水太郎先生が、日経メディカルのインタビューに
「診断学の未来を創る、歴史的2日間にしたい」
とまで仰っている本大会の末席に加えて頂いたことを、大変嬉しく思います。
時間枠は19日の最後、シンポジウム「東洋医学、とても役立つもう一つの診断学」というテーマで、いつもお世話になっている長崎の寺澤佳洋先生を座長に、
清明院初代研修医、三井記念病院の増田卓也先生との三人でやりました。
いわゆる日本漢方の中心的な考え方である「方証相対」と、中医学の基本的な考え方である「弁証論治」を、西洋医学の診断学における「System 1」「System 2」「Pivot and Cluster Strategy:PCS」と対比させながら説明する、という試みでした。
巷では、脈も舌も腹も診ずに、また「東洋医学的な問診」もかけずに、西洋医学的な病名や症状のみから、安易に漢方を処方したり、西洋医学的な治療が行き詰まっているからと言って、
「まあ漢方でも・・」
とか、
「漢方ぐらいしか・・」
と、いわゆる「病名漢方」「症状漢方」「でもしか漢方」みたいな出され方が横行し、挙句の果てにはその考え方で濫用されたエキス製剤が枯渇するとか、有害事象が発生するという事態に陥り、
生薬資源の無駄遣いが囁かれる現代日本において、こういうシンポジウムがなされたことは、大変喜ばしいことだと思います。
当初は、同時刻に別の会場でやっている講義も非常に強力であることから、100人くらい入る教室で、5人とかしか来なかったらどうしようか・・・、とか言っていたんですが、
意外と、数十人もの先生方に熱心に聴きに来ていただき、質問も活発に出て、講演後は多くの先生方と名刺交換し、学会後にメールのやりとりで繋がることが出来て、
やはりリアル開催の学会は良いなと、再認識しました。
今回は他にも、増田卓也先生は一般発表(Best of Best Abstracts)でも「東洋医学の臨床推論―診断学を駆使した弁証論治を目指して―」というタイトルで発表なさり、
清明院二代目研修医、丸山晃央先生はポスター発表で「東洋医学的なアプローチが奏功した9歳女性の起立調節障害の一例」を私と連名で発表なさり、
(一社)北辰会の小児科医である、和歌山の児玉和彦先生は初日の最後に「小児・青年期の診断」というテーマで御講演なさいました。
皆さん爆裂してて、最高でした。
私もこの業界に入って23年になりますが、医師の学会に朝からフルで参加したのは初めてのことで、何から何まで、大変刺激的でした。
やはり、本当に患者さんのことを考えるなら、東洋医学と西洋医学は積極的に組むべきですね。
多くの臨床医の、学会での姿に触れることが出来たのは、私にとって大変貴重な経験になりました。
この学会に登壇するのは去年の夏以来2回目なんですが、今年は他にも、西洋医学の学会で登壇することがありそうです。
まあこうやって、少しづつでも理解者を増やし、患者さんのために、組める人と組んでいきます。
〇
2012.07.08
2016.05.09
2016.04.12
2016.04.28
2015.06.04
2012.12.23
2014.02.17
2014.04.26
2025.12.12
患者さんの声(睡眠障害、その他不定愁訴)2025.12.05
2025年11月の活動記録2025.12.01
2025年 12月の診療日時2025.11.22
患者さんの声(15年以上メンテナンスで継続通院)2025.11.20
11.22(土)、25(火)、通常通り診療やります!!2025.11.19
2025年10月の活動記録2025.10.29
2025年 11月の診療日時2025.10.15
2025年9月の活動記録2025.10.10
清明院16周年!!!2025.10.01
2025年 10月の診療日時2025.09.20
2025年8月の活動記録2025.09.01
2025年 9月の診療日時2025.08.15
2025年7月の活動記録2025.08.01
2025年 8月の診療日時2025.07.04
2025年6月の活動記録2025.07.01
2025年 7月の診療日時2025.06.26
2025年5月の活動記録2025.06.01
2025年 6月の診療日時2025.05.10
2025年4月の活動記録2025.05.01
2025年 5月の診療日時2025.04.04
2025年3月の活動記録2025.04.01
2025年 4月の診療日時2025.03.13
2025年2月の活動記録2025.03.01
2025年 3月の診療日時2025.02.06
2025年1月の活動記録2025.02.01
2025年 2月の診療日時2025.01.21
順天堂東医研、第6回公開シンポジウム「総合診療と東洋医学」2025.01.10
2024年12月の活動記録2025.01.02
2025年 1月の診療日時2025.01.01
謹賀鍼年!!2024.12.28
年内診療終了!!2024.12.14
2024年11月の活動記録2024.12.01
2024年 12月の診療日時2024.11.07
2024年10月の活動記録2024.11.01
2024年 11月の診療日時2024.10.10
清明院15周年!!!2024.10.09
2024年9月の活動記録2024.10.01
2024年 10月の診療日時2024.09.19
2024年8月の活動記録2024.09.01
2024年 9月の診療日時2024.08.03
2024年7月の活動記録2024.08.01
2024年 8月の診療日時2024.07.10
患者さんの声(70代女性 目の痛み、不安感)2024.07.05
2024年6月の活動記録2024.07.01
2024年 7月の診療日時2024.06.05
2024年5月の活動記録2024.06.01
2024年 6月の診療日時2024.05.10
2024年4月の活動記録2024.05.01
2024年 5月の診療日時2024.04.13
(一社)北辰会、組織再編。