東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「四逆散」というお薬

2015.06.08

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こないだ、

和田東郭という人物

という記事を書きました。

 

そこに出てきた、有名なお薬である「四逆散」

 


今日はこの薬について、まとめておきます。

 


四逆散が歴史上に初めて登場したのは『傷寒論』です。

『傷寒論(しょうかんろん)』という本 参照

 

ここに、柴胡、芍薬、枳実、甘草という4種類の生薬を配合した漢方薬として登場します。

 

『傷寒雑病論』【弁少陰病脉証并治 328条】
 
少陰病.四逆.其人或欬.或悸.或小便不利.或腹中痛.或泄利下重者.四逆散主之.

 

効能は上記にある通りなんですが(笑)、まあ簡単にいうと、カゼをこじらせたやつで、手足がキンキンに冷えて、咳したり、動悸がしたり、小便が出にくかったり、

 

腹痛があったり、下痢したり、渋り腹(しきりに便意を催すのに排便が ごく少量で、すぐまた行きたくなる症状のこと。)だったりする者は、

 

四逆散を飲むとバッチリ治るよ、と書いてあります。

 


四逆散の”四逆”というのは”四肢逆冷”の略といわれ、手足が非常に冷える症状のことを言っています。

 


ここで重要なのは、病的な冷えには大きく分けると2種類あって、


1.温める力自体がないもの(陽虚、気虚など)

2.温める力はあっても、何らかの阻害要因があり、それが万遍なく全身に及ばないもの(陰邪を中心とした邪気実によるものや気滞など)


が考えられる、ということです。

 


四逆散の場合の手足の冷えは、2.の場合なんです。

 


これについて、和田東郭先生は、

「四逆散というのは、大柴胡湯の応用バージョンです。

腹はみぞおちとか肋骨の下の部分が張って、その凝りが胸にも及ぶ位のもので、両わき腹も強く張るもの。

でも熱実じゃないから大黄、黄芩は使わず、ただみぞおちとか、両肋骨下を緩めることを主とする薬だよ。

全体の腹形、みぞおち、肋骨下の状態をよく診て、それらに悪い反応があって、なおかつ手足がキンキンに冷えるものは、

この薬にて治すといいよー。

本当に温める力が無くなった、重篤な四肢の冷えとは、脈も腹なども、全然違うよーん。」  

(『蕉窓方意解』より抜粋意訳 by竹下)

 


と、述べておられ、また症例として、

 

「ある女性が、産後、意識もうろうとする症状が出た。

色々あん摩や薬などを試したけど治らない。

診るとみぞおちから肋骨の下から脇腹まで、キツク張って、強くこれを押しても弾力が無く、動悸もなにもなく、吐きそうになる感じという。

その人に、四逆散に生地黄、紅花を加えて飲ませてみたら著効したよん。

この紅花、生地黄は、瘀血に対して使ったのではなく、甘味の四逆散に組み合わせて、肝火の上逆を潤し緩める狙いで使ったよーん。」


『蕉窓雑話』より抜粋意訳 by竹下 

 

とも述べて、四逆散の応用的な使い方も示してくれています。

 


「四逆散」というお薬 2  に続く。

 

 

 

 

 

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患者さんの声(70代女性 原因不明のまぶたの脹れ)

2015.05.07

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「患者さんの声」をいただきましたので紹介します。

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「体調が悪いので治療を休みます。」という電話

2015.04.28

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もうずいぶん少なくなったが、今でも、たまーーーに、予約キャンセルの電話の時に言われる、このセリフ。(苦笑)

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爆釣!!

2015.03.30

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昨日も行ってきましたよ~

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形のあるような無いような世界 3

2015.01.19

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これまでのお話

形のあるような無いような世界
形のあるような無いような世界 2   参照

 


では続きいきます。

 

東洋医学は、気の医学。

 


あの手この手を使って、最終的には「気」というものを如何に正しく動かすか、というところに主眼が置かれる。

 


 

とはいえ、東洋医学にも、「形」という概念は存在する。

 


これまで、このブログ上の様々な記事(五臓六腑などに関するもの)に書いてきた通りだ。

 

しかし、どこをみても、西洋医学による「形」に対する分析のような「写実的精緻さ」はない。

 


これはなぜなら、東洋医学(東洋哲学)は、形よりも気(機能)、言い変えれば、人体と大自然との調和も含めた有機的な連関性と調和の具合、つまり

「人体内、および人体内外の全体的なバランス」

を最優先し、そこにこそ、最も注目するからだ。

 

(・・・と、僕は考えています。)

 

この観点からすれば、局所の詳細な分析や描写は、相対的に”些末な問題”となる。

 

東洋医学(東洋哲学)では、西洋医学のような手法で、「形」を精緻に分析していったところで、それを組み合わせてできるものは、所詮”ミックスジュース”に過ぎず、

 

この大自然、大宇宙の中における、小宇宙である人体、生命の動き、ダイナミズムを表現するには不十分、と考えていたのだろう。

 

このような観点から、生命、自然を「よりリアルに」表現し、理解するためには、物理的な臓器や各器官の写実的な描写や分類よりも、それらの間隙、及び全身、果ては全宇宙に存在し、

 

それらを繋ぎ合わせ、1個体を1個体たらしめる、一体不可分な「気」の動的なバランスにこそ、括目したのだろう。

 



 

ところで、東洋医学の病理産物に、「痰」と呼ばれるものが存在する。


「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について
「怪病多痰(かいびょうたたん)」という言葉 参照

 


一般的な認識からしたら、カゼひいたときなどにノドに絡む、白や黄色のネバネバした液状の物質を想像するであろう。

 


しかし、東洋医学では、それのみではなく、「痰」は全身各所に瀰漫し、気の正常な運行を阻害するもの、と考えている。

 


その分類として、「有形の痰」とか、「無形の痰」という言い方がある。

 

有形はともかく、この、”無形の痰”というのは何だろうか。

 

これはまさに、


”形として凝集してはいないが、今後、痰になる、前駆的な無形の気の停滞状態”

のことを言っているのだ。

 


このように、東洋医学では「気」を重視するがゆえに、無形から有形、有形から無形の連続性を細かく表現することが出来、それに応じた治療方法を考えることが出来る、ということ。

有形の邪気として凝聚する前に、叩くことが出来る。

 


あるいは凝聚した有形の邪気を霧散させることが出来たならば、それが再度凝聚しないように、散らし続けることが出来る。

 

つまり積極的、選択的に病を予防できるのだ。

 

これを「治未病」というのであって、西洋医学的な「予防」とは趣を異にする。

 

極めてタクティカルなのだ。

 

続く

 

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自分の体調を考慮に入れた鍼

2014.10.29

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最近、カゼひきさんが多いですねー。

(さらに…)

大暑!!

2014.07.27

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23日から、24節気では「大暑」であります。

大暑とは・・・、

「一年中で最も暑さが厳しい時期」

という事になっています。

確かにそうですね。(笑)

いやー毎日毎日、暑い暑い!!

しかし、僕は暑いの大好きです。

僕の地元は、日本一暑い地域、群馬県前橋市。

都内の暑さも、どうってことない。

むしろテンション上がります。(笑)

・・・まあ、暑い暑いと文句や不平不満ばかり言っている人は、もし涼しいところに住んでも、今度は違うことで不平不満を言うんではないでしょうかねえ。(苦笑)


こういう暑い時期に流行る病気というのは、大体決まってますね。

今週も関東を中心に”ヘルパンギーナ”なんていう病気が流行っているというニュースがありました。

まあいわゆる「夏カゼ」ってやつですね。

他にも、熱中症もそう、クーラー病もそう、下痢など、消化器症状もそう。

「熱中症」について(その6) 参照

どうなるか分かってれば、前もってどうすれば予防できるか、考える事が出来ます。

もし発症しても軽く済むし、粛々と治療に移ることができます。


イヤー鍼はホントによく効く。

毎日実感します。

 

世界中全員やるべきだ。

 

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患者さんに電話報告してもらう重要性

2014.06.08

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こないだ、学校での講義中に、

「急性疾患を見た場合、必ずその日か、次の日に電話してもらって、患者さんの容体を確認します。」


と言ったところ、声にこそ出さないものの、学生さんの表情から、


「ええ~!?そこまでするの~??」


みたいなリアクションがあった。


・・・いやいや、正直、こんなん当たり前です。

 

僕が知っている鍼の先生は、全員やっているんじゃないでしょうか。

清明院では、今朝からまさに体調が崩れたとか、昨日から体調が崩れたとか、カゼやギックリ腰などの軽いものも含め、

急性疾患の患者さんが毎日のように見えます。

だからほぼ毎日、2、3人の患者さんから「症状報告電話」があります。

たとえ、治療直後の状態がよかったとしても、それで安心はできません。

また、治療直後に症状の変化がなくても、脈や舌、その他の所見が良性の変化を示していれば、それで帰ってもらいます。

そうした場合、その後どうなったか、キチッと確認し、把握しておかなかったら、無責任だと考えます。

ですので、清明院では電話報告を重要視しています。

 


もう一度言うけど、正直、こんなん当たり前です。

 

 

普通のことです。

 

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5月(一社)北辰会エキスパートコース大阪会場

2014.05.20

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18日の日曜日は、大阪で行われた(一社)北辰会エキスパートコース大阪会場に参加してきました!!

そして昨日、19日の月曜日は藤本漢祥院研修により、外来は休診いただきました。

初診予約のお電話いただいた患者様各位、ご迷惑おかけしました。

18日の午前中は、刺鍼実技訓練。

講師候補以上の先生方同士で、実際に体表観察して、鍼を打ってみるという訓練です。

それにしても、先生方、一人一人違う。

(笑・・・もちろん基本は共有できてますが。)

同じ鍼を使って、同じような刺し方ですが、こうも違うか、という、それぞれの刺鍼術。

スピード、繊細さ、豪快さ、基本に忠実な丁寧さ。

一人一人が、絶え間ない実践の中で培ってきた感覚なんでしょう。

基本は北辰会方式独特の刺鍼術を踏襲しているんですが、それぞれに刺し方が微妙に違う。

でもまあ、これが鍼灸のよさなんでしょう。

要は痛くなく刺せて、各々の診たて、目的通りの気の動きが、その鍼によって得られればいいのです。

そして午後は関東支部支部長、尾崎真哉先生による症例報告。

高齢の御婦人の、カゼから意識混濁、失禁にまで陥った難しい症例を、見事に回復させた、素晴らしい症例でした。

咄嗟の時に、的確な判断が出来ないと、なかなかああいう治療はできません。

そして最後は体表観察実技。

今回私は「まさに大阪」って感じのパワフルな先生とペアでしたが、凄かったです。。。(苦笑)

そして終わった後は酒。

翌日は漢祥院研修と酒。。。

・・・さて、ここで得た財産を、治療に還元します!

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カテゴリー追加!!

2014.04.02

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このブログの記事数も増えてきました。

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