東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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補瀉 36

2016.04.03

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これまでのお話・・・

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉

補瀉 32     日本における補瀉の受容

補瀉 33    『針道秘訣集』における補瀉

補瀉 34    『杉山真伝流』における補瀉 1

補瀉 35  『杉山真伝流』における補瀉 2        参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆永田徳本(1513?-1630?)『鍼灸極秘伝』『徳本多賀流針穴秘伝』の補瀉

 

 

御園夢分斎と同じ時代にいたのではないかと言われる有名な医家に、永田徳本がいます。

 

 

この人物も、以前紹介しました。

 

永田徳本という人物 参照

 

”永田徳本”を含む記事 参照

 

 

実はこの人物は、多賀法印という人物に師事したと言われているのですが、実は夢分流の創始者と言われる夢分斎も、同じ多賀法印に師事していたのではないかという研究がありましたが、

 

最近の研究で、それが間違っていたことが分かっているようです。

 

 

こうやって、歴史研究というのは新事実が発覚したりして、発展していくものなのです。

 

 

この辺の、江戸期の日本古流派の登場人物の関係性については、非常に熱心に調べていらっしゃる先生方がたくさんおられますので、そのうちもっともっと色々なことが明らかになって、

 

それがまとまった教科書でも出してくださると、我々としては頭をスッキリと整理するのに非常に役立ちますので、応援したいです。

 

 

・・・まあともかく、永田徳本『鍼灸極秘伝』の中では特定の経穴に対する鍼の刺し方を述べ、『徳本多賀流針穴秘伝』の中では、

 

補瀉の重要性を述べ、「先補後瀉」の原則や、補瀉するにあたって、痛くなく打つことの重要性などを述べています。

 

 

ここでは深入りしませんが、この「刺針時の痛み」をどう考えるかというのも、一つのテーマかと思いますね。

 

 

まあ、永田徳本自体は、補瀉に関して、さほど目新しいことは言っていません。 (‘Д’)

 

 

 

続く

 

 

 

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補瀉 35

2016.04.02

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これまでのお話・・・

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉

補瀉 32     日本における補瀉の受容

補瀉 33    『針道秘訣集』における補瀉

補瀉 34    『杉山真伝流』における補瀉 1        参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆『杉山真伝流』における補瀉 2

 

 

前回に引き続き、『杉山真伝流』における補瀉です。

 

 

今日は、杉山流の刺鍼手技の基本となる「十八術」を紹介します。

 

 

十八種類それぞれについて細かく、分かりやすく解説してあるのは、前回も紹介した『杉山真伝流 臨床指南』に詳しく記載されていますので、

 

専門家の先生方はそちらを見ていただくとして、ここに提示された十八種類の手技は、実に様々な刺し方で、気を集めたり散らしたりできるように、

 

工夫がなされています。

 

 

杉山流はこの十八種類の手技を縦横無尽に組み合わせて、無数のパターンを作り出している、とも言えます。

 

 

そしてこの十八術の筆頭に紹介されているのが、有名な”雀啄術”です。

 

 

これは、中国では”提挿の補瀉”と言われるものと類似した手技と言っていいでしょう。

 

 

刺した鍼を、雀が啄むように出し入れする手技です。

 

 

この際の、鍼を入れるスピード、抜くスピード、どの程度大きく鍼を動かすか、こういう微妙な動きによって気の去来を操作します。

 

 

ただこの際に前提となるのは、今果たして鍼の先に正気が集まったのか、邪気が散っていっているのか、噛み分ける能力です。

 

 

これなしで、見よう見まねで鍼のいじり方だけマネしても、効果は薄いでしょう。

 

 

杉山流では、それまでの中国、日本で行われていた補瀉についてももちろん勉強しつつ、新たに”管鍼法”を編み出し、

 

手技についてはさらに工夫して、あらゆる気の操作方法を提示した、というのが功績の大きな一つだと思います。

 

 

夢分流、杉山流、両流とも、『黄帝内経』『難経』、それ以降の医書を、おそらく十二分に研究したうえで、補瀉について

 

「補は瀉なり、瀉は補なり。」

 

とブッタ切った夢分流と、補瀉を複雑に技術で細分化分類化したこの杉山流は、双方ともに、いい意味で個性が光っています。

 

 

 

続く

 

 

 

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補瀉 34

2016.03.31

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補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉

補瀉 32     日本における補瀉の受容

補瀉 33    『針道秘訣集』における補瀉         参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆『杉山真伝流』における補瀉 1

 

 

『針道秘訣集』(1685)が世に出たころ、杉山和一(1610-1694)という人物がおりました。

 

 

この人物については、実は以前墓参したことがあります。

 

墓マイラー2 参照

 

 

日本鍼灸史を語る上でも、超重要人物ですので、そのうち紹介しましょう。

 

 

この先生は、実は清明院ではほとんど用いませんが、「管鍼法」というたいへん有名な鍼術を発明した先生です。

 

 

刺入する前に、鍼を、鍼自体よりも少し短い管に通して、出た鍼の頭の部分をトントン叩いて刺入する、日本独特の鍼術です。

 

 

今では世界中の鍼医師が使います。

 

 

前回紹介した「打鍼術」や、今回紹介する「管鍼法」あたりが、単なる中国の模倣ではない、日本独特の鍼の術式、

 

と言っていいんじゃないでしょうか。

 

 

まあともかく、杉山和一の鍼術を指して「杉山流」と呼び、その流儀が書いてある、いくつかの書籍は、現代の鍼灸師である我々も、非常に重要視しているわけですが、

 

その中のとくに有名な一つである『杉山真伝流』(江戸中期)には、刺鍼の際に使うあらゆる手技が、実に96種も記載されております。

 

(多すぎます。。。(@_@))

 

 

その中に、「鍼管」そのものを用いた手技も記録されており、それは「十四管術」と呼ばれています。

 

(これは完全に独自の世界ですね。中国には鍼管自体がないワケだから。)

 

 

これには、鍼を刺した後に、その周りの皮膚を鍼管で軽くポンポンと叩いたり、鍼自体を鍼管で叩いたり、実に様々なバリエーションがあります。

 

 

この辺の解説については、僕が毎週学校でお会いする、尊敬する大先輩である大浦慈観先生が書かれた『杉山真伝流臨床指南』に詳しく、

 

しかも超分かりやすく書かれていますので、専門家の先生方は是非ご参照いただきたいところです。

 

 

これを読みますと、まあ非常に複雑な手技を色々とやることで、どうにか治療効果を最大化しようとしていた様子が伝わってきます。

 

 

杉山流は重要なので、もう一回書きます。

 

 

 

続く

 

 

 

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補瀉 33

2016.03.25

_20201108_210811

 

 

 

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補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

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補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

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補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉

補瀉 32     日本における補瀉の受容          参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

いよいよ日本における補瀉の変遷、いきましょう!

 

 

◆『針道秘訣集』における補瀉

 

 

曲直瀬道三(1507-1594)の少し後の時代、御薗意斎(1557-1616)の門人である奥田意伯(17世紀)という人物が、『針道秘訣集』(1685)という本を出版しました。

 

 

これは我々北辰会とも、非常に関係の深い本です。

 

 

我々が主に使い、今では全国的に他の流派の先生方も多く使うようになった”夢分流打針術”のことが書かれた本です。

 

 

弱冠30代前半の時に蓮風先生が書いた、この『針道秘訣集』の解説書である『弁釈針道秘訣集』は、その後の鍼灸界に非常に大きな影響を与えた、

 

不朽の名著と言っていいでしょう。

 

 

現代日本で、腹部打鍼術を行う鍼灸臨床家で、これを読んでいない人はいないでしょう。

 

 

 

この本に、「補瀉の大事」という項があります。

 

 

ここには、

 

「『素問』『難経』『針灸聚英』等の本に、補瀉迎随の事が色々書かれてるけど、うちの流派では”補は瀉なり、瀉は補なり”と考えてるんですよ~~。」

 

と、書いてあります。

 

 

この本を書いたのは奥田意伯ですが、彼は、この本は夢分流の創始者である夢分斎の伝書として、発刊しています。

 

 

夢分斎という人は、京都の大徳寺の禅僧で、僧医です。

 

 

ですのでここの文章は、サスガ禅僧、って感じの言い方ですね。(笑)

 

 

これについて、蓮風先生は、最近でも2010.7.24のブログで、

 

「・・・腹部体表の状況を手掌で感知し邪気と正気をかみ分け、刻々と変化する腹壁に対応して鍼を施すのだ。

 

真に感性そのものの対応だ。これも「補瀉」の一つのありようなのである。」

 

と、述べておられます。

 

第43回 鍼の「補瀉」法にみる中国と日本 ―試みの論― 参照

 

 

まあ要は、正気と邪気を噛み分けて、自在に鍼を施し、結果的に臓腑経絡の虚実を調えて、全身の陰陽のバランスを整えて、生体の”治る力”を最大化する、

 

これが達成できれば、必ずしも形式的な手技にこだわる必要はなく、感性そのもので対応してもOK、ということです。

 

 

ただここで、個人的に危険だと思うのは、こういう考え方を盾に、全く意味不明な、破綻した論理に基づいて治療したり、

 

”意念”だの”愛”だの、そればかり主張して、全然医学理論を勉強しない輩が現れる可能性があることです。

 

 

夢分斎が、どれほどの勉強の上にこれを主張しているか。

 

 

蓮風先生が、どれほどの勉強の上にこれを主張しているか。

 

 

まずそれをきちんと踏まえるべきだと、僕は思います。

 

 

 

続く

 

 

 

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補瀉 32

2016.03.24

_20201108_210640

 

 

 

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補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

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補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉         参照

 

 

 

では続きいきます!!

 

 

いよいよ日本における補瀉の変遷、いきましょう!

 

 

◆日本における補瀉の受容

 

 

中国では、医学の歴史といったら2500年前の『黄帝内経』から、歴史的変遷を考えていくんですが、日本では、医学といったら、

 

約1500年前、朝鮮半島や中国大陸から伝わった、ということになっています。

 

(by『日本書紀』

 

 

そして、以前このブログでも紹介した丹波康頼(912-995)による『医心方』が、内容を確認できる最古の医学書、ということになっています。

 

(因みに『大同類聚方』(808年)も、一応確認できます。)

 

「丹波康頼」を含む記事 参照

 

 

いずれにせよ、日本での医学の歴史となると、文献的には約1000年前から、となり、中国よりもかなり歴史は浅いようですが、

 

まあ、中国医学が伝来する以前から、おそらく土着の医療行為は行われていたわけで、それと、大陸から伝わった学術が合わさって、

 

独自の医学、医術が形成されていった側面がある訳です。

 

(日本は宗教にせよ何にせよ、それが面白い。)

 

 

約1000年前から、これらの書籍が登場する中で、刺鍼の際の技術が詳細に記載されているもので、日本最古のもの、となると、

 

その約500年後、このブログにも何度か登場している曲直瀬道三(1507-1594)の『鍼灸集要』なんだそうです。

 

曲直瀬道三を含む記事 参照

 

 

彼は『鍼灸聚英』『鍼灸大全』など、それまでの中国の鍼灸の専門書を十分に勉強して、その上で自分の意見を加えてまとめたのが『鍼灸集要』なんだそうです。

 

 

それまでの医学書の中にも、刺鍼に関してはチラホラ記載があるものの、『黄帝内経』から明の時代に至るまでの、

 

刺鍼技術をまるっと紹介したのは、彼が初なんだそうで。

 

 

偉大ですねー、曲直瀬道三。

 

 

そりゃあNHKで特集組まれるわー。(笑)

 

 

 

続く

 

 

 

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補瀉 31

2016.03.21

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これまでのお話・・・

 

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉    参照

 

 

 

では続きいきます!!

 

 

 

ここまで、実に長々と、 鍼灸医学の超重要ポイントである「補瀉」について、2500年前の『黄帝内経』から、中国での歴史的変遷を語ってきました。

 

 

気が付けば、過去のシリーズで最大の長さになっていますが、まあいいです。

 

 

この後、今度は日本における「補瀉」、現時点での僕的な「補瀉」についても書いていきます。

 

(笑・・・ですのでまだまだ、終わりが見えてません。。。)

 

 

患者さんには、このシリーズ、意味不明、難しいとよく言われるのですが、気分的に、書きたいんだから、仕方ないです。。。<m(__)m>

 

 

さて、明代清代を経て、いよいよ今日は現代です。

 

 

「中医学における補瀉」はどういうことになっているのでしょうか。

 

 

◆現代中医学における補瀉

 

 

・・・まあこれは、一口に言って、先生によって諸説紛々、というのが、一番的を得た言い方のようです。(爆)

 

 

2500年前、『黄帝内経』で定義され、『難経』でさらに具体的に示され、元代の『針経指南』あたりから複雑な手技が登場し、

 

明の時代に至って『鍼灸大成』で集大成されたものの、同時代の『鍼灸聚英』などの一部の本から、やや複雑化し過ぎて形式的、

 

観念的に偏り過ぎたともとれる補瀉法には批判もありつつ、清の時代ではさほど目新しい動きはなく、諸説紛々のまま、

 

鍼灸臨床をやっている各人の解釈で、現代に至っているようです。

 

(因みに清代には、アヘン戦争という一大事があったので、なかなか新しい動きが生まれにくかったんでしょう。。。)

 

 

中国に実在する名医の先生方の、鮮やかな手技は、一定の参考にするべきだと思います。

 

 

・・・補瀉法には、実に無数の手技があり、これについては、一つ一つ取り上げて紹介するよりも、東洋学術出版社から出ている、

 

『針灸手技学』という本が非常に参考になります。

 

 

興味のある方は、そちらを見ていただければ、と思います。

 

 

まあ何しろ、

 

「正気を集めるのが補法、邪気を散らすのが瀉法」

 

その目的は、

 

「人体の陰陽の調和を図り、気血の流れを正常化すること」

 

これが補瀉の原則です。

 

 

で、それを”手法”に落とし込もうとすると、無数のパターンが想定できる、ということです。

 

 

 

続く

 

 

 

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2015年度、後期授業終了!!

2016.03.10

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3.9の水曜日で、東洋鍼灸専門学校、2015年度の後期授業が終了しました!!

 

 

・・・いやー、長かったー!!(@_@)

今回は「体表観察学」を昼夜3クラスに、「臓腑経絡学」を昼1クラスに、各クラス約20コマずつ、合計80コマの講義を終了しました!!

この、1日4コマ講義の話を受けたとき、どんなことが起こるか、楽しみとか言っていましたが、結果的には、「僕が」けっこう疲れました。

 

(苦笑・・・すなわち、まさかの”僕が疲れる”という結果が得られました。。。)

 

 

まあでも、ここに、カリキュラム内容を公開し、記念碑にしようと思います。

 

 

【昼専科、夜本科専科】

1.ガイダンス~北辰会方式概論
2.中医学概論 実技デモ
3.28脈状診 実技
4.胃の気の脈診 実技

5.舌診 実技
6.腹診 実技
7.背候診 実技
8.原穴診・八脈交会八穴診 実技
9.顔面気色診・眼診 実技

10.臓腑経絡学概論 実技
11.弁証問診①総論 実技
12
.弁証問診②各論 実技
13.弁証問診③女性カルテ 実技
14.弁証問診④男性カルテ 実技
15.刺鍼術・施灸術 実技
16
.難病症例解説 実技
17
.公開臨床①(問診)
18.公開臨床②(体表観察~治療~養生指導)

19.空間診 実技

20.爪甲診・井穴診 実技

 


【昼本科】

 

1.ガイダンス 実技

2.臓腑経絡学総論 実技

3.臓腑経絡学 肺 実技

4.臓腑経絡学 大腸 実技

5.臓腑経絡学 胃 実技

6.臓腑経絡学 脾 実技

7.臓腑経絡学 心 実技

8.臓腑経絡学 小腸 実技

9.臓腑経絡学 膀胱 実技

10.臓腑経絡学 腎 実技

11.臓腑経絡学 心包 実技

12.臓腑経絡学 三焦 実技

13.臓腑経絡学 胆 実技

14.臓腑経絡学 肝 実技

15.奇恒之腑 実技

16.奇経八脈① 実技

17.奇経八脈② 実技

18.気と陰陽論基礎 実技

19.神主学説基礎 実技

 

(昼本科については前期に体表観察学の一通りの講義が終わっているため、座学講義の後半は実技で体表観察の練習をしました。)

 

 

・・・専門家の皆さん、なかなかのラインナップでしょ??(笑)

上記講義、どのコマも、一切の手抜きナシです。

やるからにはマジです。

でもちょっと疲れたので(苦笑)、2016年度はコマ数を半分に減らして、臨んでみようと思います。

 

 

やっぱ僕の居場所は、患者前だ。

 

 

それをよく理解する上で、大変大きな半年でした。

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奇恒之腑について 4

2016.02.01

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これまでのお話

 

奇恒之腑について 1

奇恒之腑について 2

奇恒之腑について 3 参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆東洋医学における「脈」とは。

 

 

本日は「脈」というものについて解説します。

 

 

奇恒之腑における「脈」というのは、西洋医学で言う”血管”と似ているものであります。

 

(厳密に考えていくと違うので、混同しないでほしいですが、血が通る道、管腔状の組織、という意味では同じです。)

 

 

まあ要は、臓腑の定義から言えば、「脈」は管腔状でありますが、便や尿や汗と違って、血は体外にどんどん漏らして捨てていくわけではなく、

 

キッチリ一定量を体内に蔵しつつ、全身を循環してくれないといけないので、「脈」は腑の様でありつつ、血を蔵する臓でもある、というところから、

 

奇恒之腑に数えられているんだと思います。

 

 

東洋医学の言う「血」というものについては以前書きました。

 

「血」って何ですか?(その10) 参照

 

 

因みに、ちょっと話はずれますが、東洋医学ではこの「脈」のことを「脉」と書く場合があります。

 

 

これ(漢字)の意味の違いについても、以前書いています。

 

「脈」か「脉」か。 参照

 

 

この「脈」についても、『黄帝内経』に当然記載があります。

 

 

『黄帝内経霊枢』決気篇(30)には、

 

「営気が漏れないようにしてるのが脈でっせ~。」

 

とあり、また『黄帝内経素問』脈要精微論(17)には、

 

「脈の別名は、血之府(けつのふ)と言いまっせ~。」

 

とあり、『黄帝内経素問』痿論(44)には、

 

「心の臓は全身の血脈を統括してまっせ~」

 

とあり、『黄帝内経霊枢』九鍼論(78)には、

 

「人の生命が成立するのは血脈があるからでっせ~」

 

とあり、『黄帝内経霊枢』論疾診尺(74)には、

 

「血脈を診ると、赤が多ければ熱、青が多ければ痛みあり、黒が多ければ痺れとなるよーん。」

 

とあります。(意訳by竹下)

 

 

歴代医家や、現代中医学も、基本的にこの理解に沿っているようです。

 

 

ここから分かるのは、

 

「血脈は、血による濡養を全身に行うために必要不可欠であり、心の臓を肺の臓がフォローしながら、全身に血を律動的に推動している道である!!」

 

「全身を循環する”気”を、軽清な衛気と、相対的に重濁な営気とに分けた時、営気が正常に循環するためには血脈の状態がよくないといけない。」

 

「血脈の状態がよくないと、心の臓に負担がかかり、また、心の臓の状態がよくないと、血脈に負担がかかる。」

 

と、いうことであります。

 

「心」って何ですか?(その7)

「肺」って何ですか?(その12)

「衛気」って何ですか? その9

 

 

 

続く

 

 

 

 

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『近代中国の伝統医学ーなぜ中国で伝統医学が生き残ったのかー』

2016.01.08

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久々に、本を紹介します!!

 

 

 

こないだ、北辰会の奥村学術部長からご紹介いただいた、とある本。

 

 

 

なかなか稀有な本ですので、皆様にご紹介します。

 

 

(と言っても、内容はかなり硬派なんで、専門家か、かなり読書に慣れた人じゃないときついかも、という本ですが。。。)

 

 

近代中国の伝統医学―なぜ中国で伝統医学が生き残ったのか
ラルフ・C. クロイツァー 
http://www.amazon.co.jp/dp/442241044X

 

 

 

この本は、我々が理論と用語の基本とする「現代中医学」が、現中国において成立するまでの過程で起こった様々な歴史的事実が、

 

 

 

イギリス人の中国研究家のクロイツァーによって、実に詳細に描かれています。

 

 

 

おそらく、ここまで細かく描写、研究した本はないんじゃないでしょうか。。。

 

 

 

これだけ細かいことを一つ一つ調べて書いたクロイツァー先生にも頭が下がりますけど、これを十数年かけて、三人がかりで翻訳なさった日本人の先生方にも、

 

 

 

全く頭が下がります。<m(__)m><m(__)m>

 

 

 

僕の超速読書でも、読むのに丸二日もかかりました。

 

 

 

著者はヘンに自分の意見を入れておらず、事実を淡々と羅列し、実に客観的で素晴らしいと思います。

 

 

 

アヘン戦争以降、西洋の列強の圧倒的な軍事力、物質的な豊かさを見せつけられ、すごい勢いで西洋文化、現代物理化学の波が押し寄せる中、

 

 

 

自国の伝統医学を守ろうとする医師達と、そんなもの不要だと唱える勢力と、どっちも大事だから融合させようとか、

 

 

 

棲み分けようとする勢力と、喧々囂々と議論し、ののしり合い、どうにかこうにか今の形にこぎつけている様子が分
かる本です。

 

 

 

自分たちが基本に置いている医学の底流には、こういった先輩たちのアツいやり取りがあったんだ、ということが分かる本です。

 

 

 

東洋医学をあっさりと捨て去った日本(明治政府)と対比して考えてみるのも面白いです。

 

 

 

おそらく絶版本であり、アマゾンでも残り2冊です。

 

 

 

探せなくなる前に、入手しておくべきだと思います。

 

 

 

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『東洋医学概論』新教科書 3

2015.12.23

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これまでのお話

 

新教科書

新教科書 2   参照

 

 

では、続きいきまーす!!

 

 

ついに新教科書、読まさせていただきました!

 

 

総じて、これまでの教科書よりも、全然いいと思います!!

 

 

かなり中医学に準拠する形でまとめ上げられた教科書である、という印象を受けました。

 

 

でも全く中医学の内容かと言うとそうでもなく、日本的な東洋医学、鍼灸医学の特徴も随所に散りばめられておりました。

 

 

また随所に、ここはモメたんじゃないかなー、と思わされるような記載があり(苦笑)、まとめた先生方のご苦労が察せられる内容でした。

 

 

こういう仕事を請け負った先生方には、頭が下がります。<m(__)m>

 

 

今、遺伝子治療や高度な外科手術、再生医療など、世界中で西洋医学の先進的な研究や臨床が進んでいく一方で、それとは全く違った人体観に基づいて治療を行う東洋医学への注目度が高まってきており、

 

この医学の国際化、一般化、標準化が、WHO(世界保健機構)の介入のもと、日中韓を中心に進められております。

 

 

そうした動きの中で、全世界から

 

「日本における東洋医学の標準は何なんだ?」

 

と問われた時の一つの答え(あるいはそう見なされるもの)が、この教科書になると思います。

 

 

ですので非常に興味深く拝読させていただきました。

 

(・・・まあ、300ページほどの内容、約半日で読んじゃいましたけどネ・・・。(爆))

 

 

僕なりの意見はザックリとまとめましたので、あとはこれをもう少し練って、提出しようと思います。

 

 

なかなかいい機会をいただき、感謝します。

 

 

 

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