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2011.05.24
かなり前に、「気とはなにか?」という根本的な問題について簡単に書きました。
「気」ってなんですか? 参照
今日はその続きをちょっと書きます。
◆「気」は物質!?
私の所属する(一社)北辰会では、医学理論のベースに「中医学(ちゅういがく)」というものを置いています。
東洋医学と中医学 参照
その、中医学の教科書を紐解きますと、
「”気”とは、万物を構成する最も精微な”物質”である。」
と、出てきます。
この表現を十数年前、初めて読んだとき、僕は正直、違和感を感じました。
「”気”が物質!? なんかちょっと・・・、それってどうなん??」
と思ってしまったのです。
何となくだけど、僕が思っている”気”というものとイメージが違う感じがしたのです。
この定義でいくと、物理学なんかがいう”素粒子”とか”原子”とかと、東洋医学、東洋哲学の言う「気」が、”=(イコール)”ってことになりゃあしないですかね??
これを人間のカラダで考えたら、「細胞=気」みたいな感じになっていって、人間の体は60兆の「気」で出来ている、みたいな、おかしな話になっていかないですかね??
・・・しかも、だとすると、人体を流れる「気」っていうのも、西洋医学の言う「血液」や「リンパ液」というものと同じとか、しまいには気の流れと神経伝達、跳躍伝導は同義、
とかっていう感じになってきて、西洋医学の方がよっぽど、そういうもの(体内の流動物)の動きや変化について緻密に、細かく説明されていて、
甚だ優れているものである、という結論になっていかないでしょうか。
「”気”は”物質”である。」・・・。
サラッと書いてあるこの一文、果たしてそうなのかナー??、という疑問がわかないでしょうか。
・・・長くなりそうなんで次回に続く。
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2011.02.25
今日はちょっとカタイお話。(苦笑)
・・・今日、東洋学術出版社から、とある勉強会の案内がメールで届きました。
なんでも、
中医学(ちゅういがく)の教育がそれほど整っていない学校の学生さんや、あるいは整っていなかった学校を卒業したOBの方など
を主な対象とした勉強会をやるそうで、講義名は
「中医弁証(ちゅういべんしょう)トレーニング」
と題して、全4回のシリーズ講義だそうです。
講師は、清明院のスタッフは僕も含めて全員お世話になったことがある、東京衛生学園の兵頭明(ひょうどうあきら)先生だそうです。
兵頭明先生は日本の中医学教育の草分け的存在の一人であり、東洋学術出版社という出版社も、
我々の勉強にとって欠かせない、数多くの貴重な良書を出版して下さっております。
最近ではインターネットを使って、有料で講義そのものを試聴できるサービスまで始めています。
・・・まあ現状、世界レベルで東洋医学を考えた場合に、共通の用語、共通の考え方に基づいて、
世界中の東洋医学者が討論できうる東洋医学の理論ツールと言ったら、「中医学」をベースに置く以外にないだろうと思います。
簡単に言うと、現在、世界中で最も広まりつつある(メジャーになりつつある)東洋医学なんじゃないかと思います。
「中医学」というのは、以前書いたように、新中国が国家主導でまとめ上げた、大変論理性の高い医学です。
東洋医学と中医学 参照
(・・・まあ、色々と問題はあるにせよ・・・です。)
(社)北辰会も理論のベースにはこの「中医学」を置いています。
兵頭先生が教鞭をとっておられる、大森にある東京衛生学園専門学校も、国内でも特に積極的に中医学教育を実践している学校の一つです。
僕自身、学生時代にこの「中医学」の教科書と出会えたから、東洋医学に夢中になれた面が多分にあります。
この中医学教育が、残念なことに日本ではなかなか浸透していません。
現在、鍼灸学生が授業で使用している『東洋医学概論』という教科書がありますが、これも中医学をベースにしているとは言えません。
(というか、ベースがハッキリしないように思います・・・。)
その分、よく分からず、東洋医学というもの自体に混乱、曲解してしまう学生が多いのが現状です。
中には、「中医学」がどういうものかもよく分からずに、勉強したこともないのに、変に批判する学校教員や学生までいる始末です。
批判するにしたって、批判する対象をよく勉強してもいないのに批判できる神経が、僕には意味不明であります。
単なる近所迷惑です。(苦笑)
僕個人的には、東洋医学という膨大な学問を一生をかけてキチッと理解していく上で、
最初の段階で「軸」に据えるのに最もいいのが現状では中医学だと思っています。
基礎基本としての中医学教育が、もっと活発化することを望みます。
コレを読んで下さっている学生諸氏や、中医学に興味はあるけど疎い駆け出し鍼灸師の方は、ぜひ参加してみたらいいと思います。
「百聞は一見にしかず」
です。
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2011.01.10
1月8日の土曜日の夜から、群馬県、草津温泉にて行われた、(社)北辰会関東支部主催、
に参加してきました!!!
これまで、この研修会は基本的に関東支部の会員のみを対象とした研修会であり、あまり宣伝されてこなかったんですが、今回からは、定例会、
北辰会HP等で大々的に宣伝し、事前に一般の先生や鍼灸学生にも参加を募ったところ、例年よりも多くの参加者がはるばる草津温泉まで訪れ、
いつになく盛り上がったように思います。
また今回は、神戸中医学研究会から、医師の先生も参加され、両会の今後のよき交流に繋がることを予感出来る雰囲気もありました。
僕は8日の深夜に到着したので、1日目の宴会とナイトセミナーには残念ながら参加できなかったんですが、2日目(9日)は朝から蓮風先生の講義、
午後は島内先生による講義と、2コマともに普段は聞けない特別な内容で、お二人ともサスガの濃密な内容、ハンパじゃなかったです。
そして夜は大宴会・・・。
「関東支部にはこんなに芸達者な先生がいたのか!」
と思うほど、色んな先生方の
「新春かくし芸的な芸」
を見せていただき、大いに盛り上がりました。(笑)
そしてそのあとは、島内先生による特別ナイトセミナー・・・。
基本を外さず、超絶技巧の数々、秘儀秘伝の数々を伝授しておられました。(笑)
いや~、なんていうか、今回の順雪会は、”濃かった”です・・・。(笑)
来年はもっともっと盛り上がるでしょうね~♪
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2010.12.06
昨日、12月5日の日曜日は、大阪、上本町で行われた、(社)北辰会本部臨床コースに参加してきました。
今回は、午前中は愛媛の水本淳先生による大人気シリーズ講義、
「傷寒雑病論(しょうかんざつびょうろん)」
でした。
今回は水本先生自身の貴重な症例を中心に話が展開され、いつもながら非常に勉強になりました。
水本先生の治療院の待合室で、突然失神してしまった患者さんへの迅速な「鍼での」対応等、まあ、出来れば出くわしたくはない状況だけど、
僕も開業している以上、あり得ない話ではないので、とても参考になりました。
そして午後は、この日の目玉企画である、代表理事、藤本蓮風先生と、以前清明院にもお見えになった、神野英明先生、橋本浩一先生による、
「陰陽論シンポジウム」
でした!
・・・まあ、言わずと知れた、北辰会が誇る3人のベテラン臨床家であり、ブックメーカーでもあります。
そして今回は、神戸中医学研究会という団体の先生方も多く参加されていて、質問コーナーでも、そこの先生方が盛んに質問しておられ、大変活気のあるイベントとなりました。
神戸中医学研究会とは、医師を中心とした、歴史ある中国医学の専門家集団であり、その著作も多く、しかもそのどれもが大変な良著ばかりであります。
僕も、ここが出している本には非常にお世話になりましたし、今でもなっております。
こういうところの先生方が多く参加された、ということは、北辰会が注目されているということの証拠であることはもちろん、徐々に団体間の”壁”のようなものが崩れて来つつある、ということを示唆していると思います。
この流れは非常にイイと思うし、今後どうなっていくかに大いに期待したいです。
団体間で交流がまったくないとか、あってもケンカとか、そんなの発展性がない感じがして、個人的には好きじゃありませんのでね。
・・・まあ内容の方も非常に充実しておりまして、ちょっと時間が短すぎたように思います。
司会の堀内先生から、来年2月に第2弾を開催するという宣言がありましたので、それを楽しみにしようと思います。
そして終了後の忘年会は、いつになく異常な盛り上がりを見せていましたネ・・・(笑)
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2010.11.30

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今日、僕の教員養成科時代の恩師であります、東京衛生学園の兵頭明先生のもとで働く同級生から、とあるメールがあり、ちょっとビックリ。
鍼灸が、アメリカのドキュメンタリー映画で大々的に紹介されたそうです。
<概要>
40歳、元ボディビルダーチャンピオンで、幸せの絶頂期にあったケンタッキー州の男性、デビン・ダース(Devin Dearth)さんを突然襲った脳血管障害。
右半身の機能を失い、ICUでの集中治療、リハビリセンターに移管されるも、アメリカの独特の保険システムに翻弄されてしまいます。
彼の兄弟であるドグさんの勧めで、藁をも掴む思いで中国・天津に渡り、天津中医学院・石学敏(せきがくびん)先生らの、
醒脳開竅法(せいのうかいきょうほう)治療を受けるというドキュメンタリー映画です。
・・・とのことです。
この映画に登場する石学敏先生という方は、かなり前から東京衛生学園と関わりの深い先生で、脳血管障害に対する「醒脳開竅法」という治療法を、
世界中に広めるべく、活動、活躍されている先生です。
・・・まあ最近は、僕が所属する(社)北辰会も、広州中医薬大学という中国の有名医大と学術交流協定を結んだりと、各方面で、どんどん鍼灸医学の国際交流が盛んになってきているように思います。
これはとてもいいことだと思います。
この動きが加速すれば当然、患者さんからの注目度も高まるだろうし、今回のようにメディアで取り上げられる機会も増えてくることでしょう。
我々がみんなでもっともっと頑張って、東洋医学の素晴らしさを全世界に広めるべきだと思います。
今回の映画も、そういう動きの一つのきっかけになればイイナー、と思っています。
この映画のダイジェスト版のyoutubeへのリンク、貼っておきます。
(全て英語ですが・・・。)
〇
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2010.07.25

これまでのお話・・・
・・・東洋医学的な鍼灸治療において、初診の時にその患者さんが、
・なにで困っているのか
・どうしてそうなったのか
・そうなってから他に変化したことはないか
・普段の生活状況(仕事、家庭環境)はどうか
・それは今後どう変化していくのか
・もともとの体質的な特徴はなにか
・実際に観察してみてどうなっているか
・・・などなどを、つぶさに、丁寧に診察し、それを「東洋医学の考え方に則って」分析し、治療する訳です。
そしてその患者さんが今後どうなっていくのかを、これまた、
「東洋医学の考え方に則って」
予測し、それを説明させていただいた上で、養生法や治療頻度などについても、ご提案させていただく、という訳です。
当然、「病気」というのは、難しいものになればなるほど、1,2回の治療で効果が期待できるようなものは少ないです。
これはどんな名人だろうが仙人だろうが、そうなんです。
病治しの世界は甘くはないんです。
・・・残念ながら。苦笑
しかも、治療していく日々の中で、その患者さん自身が、こちらが期待している通りの生活をしてくれるとは限りません。
患者さんの体の状態や、置かれている状況というのは常に変化、流転する訳です。
悪い方向にも、です。
つまり、たとえ初診の段階で、
「これで完璧だ!」
と思えるような東洋医学的な診断、治療を施したとしても、そこから一直線に何もかもが治癒、快方に一直線に進む、などということはなかなかない、
というのが厳しい現実なんです。
ただしかし、そうであっても、患者さんの変化に迅速についていき、時には先回りして、いち早く、治癒に導いてあげたい、笑顔が見たい、というのが、治療者側の普通の考え方です。
ここで大いにモノを言うのが「再分析力」です。
それも瞬時の。
〇
「標」と「本」という言葉の意味については前回お話しした通りです。
ここで、
「病を治そうと思ったら、根本を治す”本治”だけやり続けるのが一番いいんじゃないの?」
と思う方もいらっしゃるかも知れません。
これは中医学の成書では「治病求本」と言われ、非常に重要な考え方なんですが、いつも必ずそうとは限りません。
しかし、時には”病の枝葉”ともいえる「標」を先にやっつけた方がいい場合もあるのです。
どんな時かというと、急性症状や激しい症状で、まずは症状を治めてしまわないといけないような場合です。
これも「急則治標」という、重要な考え方です。
反対に、症状があるけれども、ある程度安定している状況の時は「緩則治本」といって、本質的な病理を治療するのです。
また、時々刻々と流転する日々の中で、患者さんの病の「標」と「本」の主従が逆転することもあるんです。
その、
「今この瞬間は、標を相手にするか、本を相手にするか、あるいはその両方を相手にするか(標本主従の明確化)」
という判断の正確さ、的確さの下支えになるのが、
「病因病理把握力」+「体表観察力」
なのであります。
前者は基礎理論~応用理論の把握がしっかりしてないと正確性を失うし、後者は感覚の鋭さ、的確さがないとこれまた正確性を失います。
「理論」と「感覚」・・・これ両輪の輪です。
この両者を「バランスよく」鍛え、臨床の精度をより高めようと思ったら、結局は一生懸命勉強して、毎日患者さんに「本気で」向き合い続けるしかないんです。
漫然とやってたら、十年やってもダメです。
常に「本気」でやることです。
ただ、引かれない程度にね。(笑)
とどのつまり・・・、患者さんこそが我々の「先生」なのだ、ということです。
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2010.06.24

毎日毎日患者さんを診ていますと、たまに面白いことをおっしゃる患者さんがいます。
初診の時、
「私は肝腎陰虚証(かんじんいんきょしょう)なので、お願いします!」
・・・とか、
「病院で、昔”貧血”と言われたことがあって、東洋医学的には”血虚”だと思ったので、三陰交にお灸をしてますので、据えて下さい。」
・・・とか、
「私は独学で中医学を学んでいまして、自分で漢方を服用して大体の症状は治せるのですが、先生の場合だとどういう診立てになるのか興味があってまいりました。」
・・・とかです。orz
大概そういう方に、
「ほー、それで結局、現在はどうなっていますか?」
と聞くと、なんだかんだいって結局は治ってない、ということが多いように思います。
・・・これ、何でですかねえ?
おかしいですねえ??
いっぱい「独学」したのにねえ???
あのー・・・ですねえ、コレねえ、正直ですね、そしたら、鍼を売ってあげますから、ご自分で「独学で調べて」「知人の方にでも」やっていただいたら如何でしょうか?と、
申し上げたくなります。
(苦笑・・・もちろん言いませんよ。険悪ムードはやだしね。まあやんわりとお勧めはしますがネ。)
コレは別に僕らの職業に限らず、現代は様々な分野の専門家の方々が、皆さん頭を抱えていらっしゃるところなんじゃないかと思います。
現代はかつてない情報化社会、知りたいことが瞬時に、インターネットを通じて知れる世の中です。
例えば自分の症状や、病院で告げられた病名をPCに打ち込んで検索すれば、その状態の人によく使われる漢方薬やツボの名前が即座に分かり、
それらをやってみようと思えば簡単に出来ます。
・・・で、その漢方薬を飲むなり、そのツボを刺激するなりして、もし治れば、治ってしまえば、その人はあたかも自分が専門家になったかのような錯覚に、
徐々に徐々に陥ることがあります。
(錯覚ですよね)
まあ、陥ったまま、幸せに暮らしていただければ何も問題はないのですが、僕らのように、いやしくも「専門家」を標榜して生計を立てている人間の前に来て、
冒頭のような態度を最初からとりにくるのはいかがなもんでしょうか。
普通に考えてこれは、”失礼”、”無礼”ではないでしょうか。
よく言われることですが、医療者と患者さんというのは、治療効果を最大限に高めるためにも、なるべく親しくなって、「信頼関係」を築かなくてはなりません。
その方がいいに決まってます。
というかそうしないと「病治し」というのはなかなか上手くいきません。
僕の経験からも、それは明らかです。
ですから、こちらもなるべく患者さんの悩みを詳しく聞くし、それに対してそれぞれの専門の見地から、最大限のご提案をさせていただこうと思っている訳です。
いつもブログに書いているように、僕の場合であれば”東洋医学”という、独特の人体のとらえ方をする医学の見地から、西洋医学の場合であれば、
最新の見解や研究データをもとに、”最善”を尽くそうとする訳です。
なのにいきなり初対面から、
「俺が(私が)こう思うからこうやれ。」
と来られても、信頼関係も、プロの技術も、へったくれもないですよ?
「あのー・・、なにか勘違いしていませんか?」
・・ってなるだけです。
偉そうに言う訳ではもちろんなく、我々の業界に限らず、素人と専門家は明らかに違います!
僕もこれまで、医療関係はもちろん、車やバイク、建築、スポーツなどなど、あらゆる、その道の専門家と接する機会を持ってきましたが、
その知識の深さから経験値から、素人とはまっっっったく「別モノ」です。
我々専門家というのは、国が定める教育課程を修了し、国家資格を取得し、なおかつ数年から十数年にわたる実地臨床の経験を経て、自信がついた段階で、
ようやく開業している訳です。
(借金コンクリートでガチガチになってまで・・です。(笑))
そこに至る努力や苦労なんて理解できない、というようなら、わざわざそういうところに相談に行く必要なんてないと思います。
時間とお金と労力の無駄です。
清明院は、大切な人を大切にします。
患者さんが人間であるように、僕らも人間なんですから。
「感情」というものがあるんです。
・・・なんか今日は愚痴ブログみたいになっちゃったけど、コレって大事なことだと思います。
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2010.06.03
今日は、こないだお伝えした、大森にある東京衛生学園から、「治療体験実習」の学生さんがお見えになりました!
一体どんな学生さんが来るのかな~・・と思っていましたが、大変礼儀正しく、勉強熱心な方がやってきまして、一安心。
・・・やっぱ学生さんはいいですね~♪
(笑・・・そういう、ね。)
「目」がキラッキラしとる!
治療が終わってからも、なんやかんやと、業界のこと、北辰会について、中医学について、僕自身の学生時代についてなどなど、色々と話しているうちに、
6時に来たのが、あっという間に9時になってしまいました。(笑)
まあ僕個人的には、学生のうちは、興味あることを片っ端からやってみる、興味ある治療法を片っ端から受けてみる、友達を台にして実験してみる、
それの繰り返ししかない、と思います。
それを一生懸命やってるうちに、方向性なんておのずと決まってくるもんです。
時間は容赦なく経っていき、いつかは決断を迫られる訳ですから。
迷ってるヒマがあったら、とにかく走ってみるしかない、と思います。
(僕自身もそうでした。)
・・・結局、これは鍼灸に限らずですが、何が絶対に正しいなんてないし、何が一番いい、というのも、究極的にはない、と思います。
「いや、そんなことないぜ竹下!俺がやってることこそが一番正しいのだ!」
・・・という声が聞こえてきそうですが、それに対して僕は即答で、
「それは”あなたにとって、相対的に”でしょ?」
と言いたいです。(笑)
自分が見ている「世界」というのは、あくまでも「自分ビュー」でしかないんです。
(まずそこを自覚しないことには話になりませんが・・。)
ということは、その中で得た、その人なりの”正解らしきもの”というのは、必ずしも万人の正解ではないよ、ということです。
「陰陽論」というのは森羅万象の法則性をとても美しく説明する哲学です。
(・・・と、僕は思っています。)
それを行ずる存在である鍼灸師が、ある考え方や論のみを絶対視する、ということは、そもそもおかしな話です。
強力な説得力の裏には、強力な勘違いや思い込み、よく言えば”強力な仮説”が必ずある、ということです。
しかしそれで実際にものごと、現象が変化する、要はそこに美しさを感じ、信じるに足るものだと思うか、胡散臭さを感じるか、それはその人それぞれの「感性」の問題です。
鍼灸学生さんにおかれましては、自分が前者の立場をとれるものと巡り合ったならば、あとはそれを徹底的に追求したらいいんじゃないでしょうか。
(別に無理にそうしなくてもいいけど・・・です。(笑))
次回はどんな学生さんが来るのか、あるいはもう来ないのか、なかなか楽しみな感じです。(笑)
明日もガンバろっと。
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2010.05.27

・・・さて今日から「心(しん)」という臓について、考えていきましょう。
これを読んでいく時に注意してほしいのは、やっぱり西洋医学のいう「心臓=heart」と、東洋医学のいう「心の臓」というものとは、全く別のものであると考えたほうがいい、ということです。
東洋医学と西洋医学は、まったく違う角度、まったく違う哲学をもって、「人体」という小宇宙をみています。
だからここを初めから混同してしまうと、後々、ワケが分からなくなるのがオチなんです。
(僕自身がそうでした)
しかし、みている角度、哲学が違う、とは言っても、その対象は「人間」な訳ですから、その解釈が
”部分的には”
オーバーラップしてくることも当然あります。
これから述べる、「心の臓」の働きの中にも、そういう部分はあります。
でも、そこだけを強調して採り上げて、両医学の融合が出来るか、と考えると、それは限りなく不可能に近い、というか無理、少なくとも現段階では無理にそうしない方がいい、と僕は考えています。
まあ、コレ言いだすとまた前置きが長くなりそうなんで、さっさといきます・・・。苦笑
☆心は君主
東洋医学では、体を一つの国に例え、五藏六府をそれぞれ官職に例える考え方があるのですが、心というのは君主(国王、王様)と言われます。
(『黄帝内経素問』霊蘭秘典論(8)です)
国王がしっかりしていれば、国、国民は安定しますよね。
反対に、国王が不安定だと、国民も不安定になります。
このように、心がしっかりと機能していれば、体は安定し、滅びることはなく、心に異常があると、体は不安定で、滅びる方向に向かいます。
つまり病になる、ということです。
なぜ、心が君主、国王なのかというと、大まかに言うと、以下の二つの機能を「心の臓」が持っているためであります。
1.五臓六腑、全身に気血を巡らせるポンプ作用
(書籍によっては主血作用、と記載があります。谷口書店『基礎中医学』P71)
これは西洋医学の考え方ともオーバーラップしています。
しかし、東洋医学的な「心の臓」が巡らせるのはあくまでも「血液」ではなく「気血」なのであり、巡る対象は「五臓六腑のある、東洋医学の生命観に則った」全身なのです。
生まれた時から亡くなる時まで、ドックンドックンと、心は気血を全身に送り出し続けます。
「心の臓」のこの働きがなかったら、人間は生きていられません。
2.心は神(しん)を蔵するため
ここは、東洋医学独特です。
後ほど詳しく説明しますが、ここでいう「神(しん)」というのは、精神的な働きの中核をなすもの、と考えればいいと思います。
以前、「七情」についてで述べたように、人間は常に、実に色々な精神刺激にさらされていますが、それに対して、正常に反応できるのは、
この心が蔵する「神」という、「形のないもの」が正常に働いていれば、の話なんです。
この「神」に異常が起こると、ものごとの判断が正常に出来なくなったり、精神面、肉体面において、あらゆる異常が起こってきます。
つまり、心は
・全身に気血を休まず供給するポンプ(カラダの働きのかなめ)
・精神的な働きの中枢(ココロの働きのかなめ)
という2点から、「生命」というものを主宰する、”君主”である、と、東洋医学では位置付けられています。
この認識が、東洋医学の言う、「心の臓」というものを理解する出発点になります。
(次回に続く)
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2010.04.29

これまでのお話・・・
・・・「肝」というのは、五臓六腑の中の一つです。
東洋医学の言う、五臓と六腑には、それぞれに独特の働きがあり、それらがうまく協調しあうことによって、正常な人間の機能が保たれます。
これは、西洋医学の言う「内臓=organ」とは違う!ということは、何度も何度も、繰り返し繰り返し、述べている通りです。
(笑・・・しつこい?)
では東洋医学の言う「肝」というのは、どういうもので、何をしているところなんでしょうか?
まず、中医学の教科書的には、肝には、「疏泄(そせつ)」という重要な働きがあります。
(”疏泄”という単語の歴史的経緯、変遷についてはまた色々とあるんですが、ここでは省きます。)
これは要するに、
全身を流れる「気(き)」や「血(けつ)」という、流動物を、足らないところには補い、渋滞があったら取り除く(通じさせる)、
という、肝の臓の重要な働きのことです。
これがあるから、少々の滞りや過不足であれば、「肝の疏泄機能」によって体が勝手に改善してくれる、という訳です。
次に重要なのが「蔵血(ぞうけつ)」という働きです。
これは読んで字のごとくです。
「血(けつ)を蔵する」訳ですから、体の正常な状態を維持するのに欠かせない「血」を、不足したところに補うためには、常にどこかに蓄えていないといけません。
「肝の臓」は、それ自体に”血を蓄える”という、重要な働きを担っております。
上記の2つは、東洋医学的「肝の臓」の機能の中でも最も重要な2つの働きです。
ちゃんと「疏泄」するためには、必ず十分に「蔵血」してないといけないし、たとえ「蔵血」だけしてても、「疏泄」しなかったら意味がありません。
この2つの働きは、「肝」という臓の、内向き(蔵血)と外向き(疏泄)の2つの機能として、「肝の臓」という臓の働きを考える上で、とても重要な「陰陽バランス」なのです。
ではそれ以外の働きはというと・・・それは次回。
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2012.07.08
2016.05.09
2016.04.12
2016.04.28
2015.06.04
2012.12.23
2014.02.17
2014.04.26
2025.12.12
患者さんの声(睡眠障害、その他不定愁訴)2025.12.05
2025年11月の活動記録2025.12.01
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患者さんの声(15年以上メンテナンスで継続通院)2025.11.20
11.22(土)、25(火)、通常通り診療やります!!2025.11.19
2025年10月の活動記録2025.10.29
2025年 11月の診療日時2025.10.15
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清明院16周年!!!2025.10.01
2025年 10月の診療日時2025.09.20
2025年8月の活動記録2025.09.01
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2025年6月の活動記録2025.07.01
2025年 7月の診療日時2025.06.26
2025年5月の活動記録2025.06.01
2025年 6月の診療日時2025.05.10
2025年4月の活動記録2025.05.01
2025年 5月の診療日時2025.04.04
2025年3月の活動記録2025.04.01
2025年 4月の診療日時2025.03.13
2025年2月の活動記録2025.03.01
2025年 3月の診療日時2025.02.06
2025年1月の活動記録2025.02.01
2025年 2月の診療日時2025.01.21
順天堂東医研、第6回公開シンポジウム「総合診療と東洋医学」2025.01.10
2024年12月の活動記録2025.01.02
2025年 1月の診療日時2025.01.01
謹賀鍼年!!2024.12.28
年内診療終了!!2024.12.14
2024年11月の活動記録2024.12.01
2024年 12月の診療日時2024.11.07
2024年10月の活動記録2024.11.01
2024年 11月の診療日時2024.10.10
清明院15周年!!!2024.10.09
2024年9月の活動記録2024.10.01
2024年 10月の診療日時2024.09.19
2024年8月の活動記録2024.09.01
2024年 9月の診療日時2024.08.03
2024年7月の活動記録2024.08.01
2024年 8月の診療日時2024.07.10
患者さんの声(70代女性 目の痛み、不安感)2024.07.05
2024年6月の活動記録2024.07.01
2024年 7月の診療日時2024.06.05
2024年5月の活動記録2024.06.01
2024年 6月の診療日時2024.05.10
2024年4月の活動記録2024.05.01
2024年 5月の診療日時2024.04.13
(一社)北辰会、組織再編。