東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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問診に関して57(⑨女性・男性に関わる問診:月経(女性カルテ)⑤)

 

 

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こんばんは☆

 

 

 

吉澤です!

 

 

 

先週に引き続き、「⑨女性・男性に関わる問診:月経(女性カルテ)」に関して、書いていきたいと思います。

 

 

F・月経痛の問診事項

 

 

 

痛みの起こる期間の症状 疑われる病理

 

 

①月経前~月経初日・2日目に痛みがあり、月経後は楽。

 

→邪実型・肝気実型

 

 

②月経中期~後期にかけての痛み、月経が終わっても鈍痛が続く

 

→正気の弱り

 

 

③月経の後半に向けて体が弱り、血色が悪く(青白く)なる 

 

→血虚あるいは気血両虚

 

 

④ ③+さらに冷や汗をかいて疲労倦怠、四肢厥冷

 

→血虚十陽虚

 

 

痛みの性質、種類と疑われる病理

 

 

遊走性・間欠性・脹痛・痛みに下堕感を伴う 

 

→気滞

 

 

固定性・持続性・塊がある・塊が出ると痛み軽減する。 

 

→血瘀、瘀血

 

 

激痛・ひきつるように痛む・圧痛がある 

 

→実証・熱証

 

 

鈍痛・押さえると楽になる 

 

→虚証

 

 

絞約痛

 

→寒証

 

 

刺すような痛み

 

→熱証・血瘀

 

 

痛みの緩解因子と疑われる病理

 

 

暖める・さする・入浴

 

→寒証あるいは気滞

 

 

冷やす

 

→熱証

 

 

運動

 

→気滞

 

 

排便

 

→実証

 

 

好きなことをしている間

 

→心神の問題

 

 

痛みの増悪因子と疑われる病理

 

 

暖める・さする・(入浴や運動)

 

→熱証

 

 

冷やす 

 

→寒証

 

 

運動・ (長時間の)入浴・肉体疲労・排便

 

→虚証

 

 

精神疲労

 

→心肝の問題

 

 

 

天候(雨・曇り)

 

→湿邪・心神の問題あるいは気血の停滞

 

 

 

次週に続きます。

 

 

 

お楽しみに!

 

 

 

【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

 

 

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問診に関して52(⑧自然界の動き:自然陰陽との関連調査④)

 

 

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こんばんは☆

 

 

 

吉澤です!

 

 

 

先週に引き続き、「⑧自然界の動き:自然陰陽との関連調査)」に関して、書いていきたいと思います。

 

 

 

3.昼夜との関わり

 

 

“故陽氣者.一日而主外.平旦人氣生.日中而陽氣隆.日西而陽氣巳虚.氣門乃閉.

 

是故暮而收拒.無擾筋骨.無見霧露.反此三時.形乃困薄.”

 

『素問』生気通天論

 

 

人体は、 1日24時間の陰陽とも同調しています。

 

 

 

最も陽気の高まる昼間~夕刻に人間も最も陽気が盛んとなり、最も陰気が盛んとなる真夜中~明け方に人間も最も陰気が盛んとなります。

 

 

4.風向き

 

 

“風従其所居之郷來.爲實風.主生長養萬物.従其衝後來.爲虚風.傷人者也.

 

主殺主害者.謹候虚風而避之.”

 

『霊枢』九宮八風

 

“黄帝曰.願聞歳之所以皆同病者.何因而然.少師曰.此八正之候也.”

 

『霊枢』歳露論

 

 

 

その季節特有の風向きがあります(夏は南~南東の風、冬は北~北西の風など)が、その季節には吹くはずの無い風向きで風が吹くと人体に悪影響を及ぼすことがすでに 『霊枢』で説かれていいます。

 

 

 

5.月齢

 

 

“月始生.則血氣始精.衛氣始行.月郭滿.則血氣實.肌肉堅.月郭空.則肌肉減.

 

経絡虚.衛氣去.形獨居.是以因天時而調血氣也.”

 

『素問』八正神明論

 

 

気血が大いに弱っている重病患者においては月齢の影響を大きく受けるので、治療する側は大いに意識しておく必要があります。

 

 

特に新月あたりでは気血がさらに弱る傾向にあるので要注意です。

 

 

 

6.天地陰陽・四時陰陽に従った刺鍼術

 

 

a.月齢と正気の弱り具合

 

 

大きく正気の弱っている患者に対して新月あたりは強く潟法は施さないのが鉄則です。

 

 

b.季節、風向

 

 

春であれば上へ上へ気が昇るから、気を下げるような治療を考えます。

 

 

春の花粉症や喘息など、上へ上へ突き上げるものは、必ず気を引き下げなければいけません。

 

 

上に取穴するか下に取穴するか、多面的観察がこのとき活きてきます。

 

 

風向きは東西南北から吹き、春には東から、夏には南から、秋には酋から、冬には北からが中心に吹きます。

 

 

また、その季節に吹くはずのない風向きであれば、逆風(邪風)となります。

 

そういう場合には、慎重に穴を使わなくてはいけません。

 

 

例えば、台風が近づくと、外界の湿熱が一気に過度となる。

 

湿熱の影響を大きく受ける患者には、台風が去った後で治療するのが賢い選択肢ですが、そうできない場合には、清熱祛湿を強化する目的で、合谷や陰陵泉や陰谷を使って、健脾利水し、下へ気を降ろすような方法を考えます。

 

 

このように、治療の原則論に合わせ、自然の状況も鑑みて自然の中で治すべきです。

 

 

次週に続きます。

 

 

 

お楽しみに!

 

 

 

【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

 

 

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