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こんばんは 浅田です
前回の話
参照
今日は肝血虚による善恐について
『素問 調経論』には、肝の臓の障害により起こる、血の有余と不足についての記載があります。
「血有余則怒.不足則恐.
(血が過剰にあり内にこもると、ムッとした怒りが生じ、不足する時はココロに空洞が空いた様な“恐れ”が生じる)」
と書いてあり、
善恐と善怒は相反するものであり、血の過不足によって起こることがわかります。
肝血の消耗、不足により肝血虚の状態になると、筋肉のひきつれ、こむら返り、目のかすみ、月経量の減少または無月経などの症状を呈し、善恐が生じやすくなります。
心神と肝魂は密接な関係であり、表裏一体です。
肝の臓が血を適度に(多過ぎず、少な過ぎず)蔵することができなくなると、肝魂は不安定となり、心神も不安定になります。
心神が不安定になると、情志の異常が起こり、善恐、及び、その他の七情の異常も生じやすくなります。
また、肝血と腎精は転化し合いながら、互いにバランスを取り合っており、肝血が不足すると、血が精に転化することができなくなる為、腎精不足となり善恐が生じます。
これらのことから“善恐”は、腎の臓、心神の状態だけでなく、肝が蔵する血の問題も大きく関与してくると考えられます。
続く...
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おばんでございます。樫山です。
患者さんが訴える、一番辛い症状、治したい症状を、主訴といいます。
当たり前の話ですが、治療をする時にこの主訴を聞く事が一番重要です。
「東洋医学は患者の身体全体のバランスを調整するものだ!」と言って、体質的傾向を一生懸命探る事ばかりに目を向けていると、見当違いな治療になる事に繋がります。
さらに、主訴に伴ってみられる症状の事を随伴症状と言います。
例えば、胃痛が主訴の時にそれに伴って肩こりや頭痛がするという時、肩こりや頭痛が胃痛の随伴症状となります。
治療する側は、主訴を取り除く為に主訴がどういう原因で起きているのかを考えていくのですが、この随伴症状を聞く事によって主訴を起こしている原因は何かを考えるヒントにします。
ただし、患者さんが自覚している主訴に伴う症状が、治療者側が考え捉える主訴の原因とはかけ離れている事もあります。
逆に患者さんが、主訴とは全く関係なく随伴しないけど、他にこんな症状がありますという事もあります。
これは主訴と同じ様な時期に発生したり、主訴が出現してから出てきた症状だったり、主訴と同じ様な悪化・緩解要因を呈している場合など、随伴症状と言えなくもなく、診断の大きなヒントになり得ます。
患者さんは今一番辛い事に目を向けがちですが、それは当然の事です。
ただし、治療する側は冷静になって、患者さんの言う事を鵜呑みにせず、主訴を取り除く為に有益な情報を見つける作業を怠ってはいけません。
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