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2010.03.21
この間、いいコメントをいただきましたので、「鍼灸と保険」というテーマで何回かに分けて書こうかな、と思います。
(そういうことにも目を向けていかないとね。現実は大事です。目をそらさずに行きましょう!)
まず初めに、今現在、日本は言うまでもなく「国民皆保険制度」というものを採用しています。
これのお蔭で、前年の収入に応じて1~3割の負担金で国民誰でもが低額で医療を受けることが出来ます。
(皆さん持ってますよね?保険証。)
仮に収入がなくても、生活保護制度、後期高齢者医療制度等によって、その権利は守られますし、病気によっては全額公費負担になる制度もあります。
とても弱者思いの、いい制度ですよね。
しかしこれは、「保険医療機関」での治療がメイン(というかほとんど)です。
つまり、国家資格である「医師免許」や「歯科医師免許」を持った医師が営業している、病院、医院、診療所、クリニック、歯科医院での治療に関して、
保険者(国や保険組合等)から治療費の大部分(7~9割)が支払われるわけです。
あと一部、柔道整復師がやっている接骨院、整骨院でも保険が使える、という認識があります。
しかしこれは正確に言うと、接骨院の場合は原則として、一度窓口で治療費を全額(10割分全額)払って、自分の保険負担割合との差額分を、
患者さん自身が、自分で保険者(例えば国保なら区役所)に請求する、という方法をとるものです。
(あくまで「原則」としてね。)
しかしそれだと、一時的にでも患者さんの負担が大きくなりますので、多くの(というかほとんど全ての)接骨院では、「受領委任」といって、
保険者への差額の請求手続きを接骨院が代行するため、窓口では一部負担金のみをいただく、という形をとっています。
接骨院に治療に行ったことのある方は、申請書にサインを求められた経験があると思います。
これは、上記の手続きを接骨院さんの方に任せますよ、という確認なんです。
これにより、接骨院、整骨院では保険が使える、という認識が国民に浸透しています。
もう一つ言うと、接骨院で保険が使えるのは「骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷の5つの外傷(ケガ)のみ」についてです。
最近、慢性の腰痛や肩こり、単なる疲労感などに対する不正な保険請求が問題になっていますね・・・。
(逮捕者も全国に出ています)
ではいよいよ、鍼灸の場合はどうかというと、一応、保険は使えます。
・・・が、なぜかほとんど全然、使っている鍼灸院ありませんよね?
これはなぜかというと、保険を使って鍼灸を受けるためには、「医師による同意書」というものが必要になることと、保険制度においては、
一回の治療費がかなり低く設定されていること(総額でなんと1500円程度!)が理由になると思います。
しかも、保険適用になる症状として、「腰痛、頸肩腕症候群、リウマチ、五十肩、神経痛、頸椎捻挫後遺症」という、たった6つの疾病に限定(!)されており、
なおかつ、ひと月の治療回数、治療開始から終了の期間に至るまで、全て同意書を書いた医師が決定します。
さらには、上記6つの疾病を、病院と鍼灸院で併療(同時に治療)することは認められていません。
これまでに、患者さんがそのことを知らずに、同じ疾病で医院と鍼灸院に同時にかかってしまって、鍼灸院に「だけ」保険者から治療費が支払われなかった、
なんていう恐ろしい事例もあったようです。
しかも、今では撤廃されましたが、つい最近までは、鍼灸の治療回数には、なぜか法的に制限(ひと月10回までだったかな?)があり、
とてもまともに商売できるような仕組みではございませんでした。
そのため、保険専門の鍼灸院というものはほとんどなく、積極的に保険を使っている鍼灸院は、単純にすぐ隣にある医院と業務提携していたり、
単純にそこの鍼灸院の院長の親や親戚が医師であったり、という特殊な場合以外は、なかなか導入しにくいのが現状です。
「・・・あのさー、これ、なんか不公平じゃない?」
と思います。
さも日本という国に、保険制度に、鍼灸なんて効かない、嫌いじゃ、滅びよ!と言われているような気ィすらします。(苦笑)
しかも前回のブログにも書いたように、患者さんからは怪しい、痛そう、熱そう、恐いなんて言われます。(苦笑)
なんで、こんなことになるんでしょう。僕ら一生懸命やってるつもりなんだけどなー・・・。
毎日毎日、睡眠時間、遊ぶ時間を削って、鍼の本を読み、休日は勉強会にいき、知識、技術を少しでも高め、患者さんの健康に少しでも寄与しようと頑張っているのは、
鍼灸の学術を最大化するためであって、こんな扱いを受けるためじゃない!
・・・とかって、卑屈になったこともあります。でも冷静に考えれば、こうなるには、それなりの理由、いきさつがあったはずです。
(次回に続く)
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2010.03.09
前回に続き、花粉症に対する、東洋医学の考え方を簡単に紹介してみたいと思います。
東洋医学には、「花粉症」という概念がありません。
もっと言うと、「アレルギー」という概念すらありません。
(最近の中医学の教科書にはあるかもしれませんが、伝統的には、という意味です。)
・・・でも、治療法はいくらでもあるのです。
どうしてでしょうか。
まず、花粉も、ホコリ(ハウスダスト)も、自然界にはあって当たり前です。
花粉やホコリ自体に毒があるなら、杉林の中に住んでる人とか、掃除業者さんとか、どうするんでしょうか。
即死しますよね。
(苦笑・・・まあ掃除業者の方は、掃除する場所によってはそういうこともあるでしょうが。)
要は、それ自体は毒を持っている訳では無い物質(異物)に対して、体の側が過剰に反応してしまい、鼻だの喉だのに異常を起こす、その体の側に、
すでに何らかの問題があるはずだ、と考えるわけです。
そしてこの場合、体の「何がどう」おかしくなっているか、ということを明確に理解しなくてはいけません。
ここまでは、東洋医学も西洋医学もある意味同じです。
しかし、人体に対するそもそもの認識の仕方、分析方法が異なるため、ここから先は大きく違ってきます。
東洋医学では、「春先」という時期には、五臓の中の「肝」という臓の機能が盛んになる、と考えます。
(ただこれは、あくまでも「生理的に」盛んになる、という話で、正常な人であれば別に体が病気を起こすことはありません。)
「肝」という臓の働きが盛んになると、正常であれば全身に「気血」が充実、充満して、ある意味、パワー全開、元気溌剌状態になります。
皆さんの周りにも、この時期、妙にハイテンションで活発な人、いませんか?
自然界においても、「春先」という時期は、冬眠していた動物たちは動き出し、草木は芽吹き、いわゆる静から動へ、全てのものが大きく変化する時期でもあります。
じゃあ、パワー全開なのに、なんであんなことになるのかというと、花粉症のくしゃみにしても鼻水にしても、涙や目の痒みにしても、
要は「花粉」という異物を洗い流そうとする体の反応ですよね?
当然、目や鼻やのどの粘膜に花粉などの異物がくっついたら、体の中のお水がそこに集まって、一生懸命洗い流そうとします。
しかしそれを「過剰にやり過ぎてしまう」から、不快な症状が出る訳です。
東洋医学では、五臓の中の「肝」という臓が、体に入ってきた異物を処理する際の要となる、と考えます。
ですので、主にこの「肝」の臓の働きが「過度に」盛んになり過ぎたり、あるいは「肝」以外の臓でも、その働きが何らかの原因(飲食の不摂生、睡眠不足など)によって弱っていたり、
亢進したりしてすると、自然界にもともとある、本来なんでもないはずの「花粉」というものに対して、過剰に反応し過ぎてしまうことがあります。
この状態を現代医学では「花粉症」と呼んでいるわけです。
・・・で、実際の鍼治療では、「肝の臓」以外にも、体の「どこがどう」おかしくなってるか(アンバランスを起こしているか)を東洋医学的に考え、
それを整える(平均化する)ように治療します。
そうすると、辛い症状が非常に軽くなる、あるいはまったく出なくなる、というケースが、実際によくあります。
要は、東洋医学では「花粉症」に対して、体の外ではなく「中」のアンバランス、とりわけ「肝」という臓に注目しつつ、それらを整えることを目的として治療をする訳です。
これの具体的なやり方については、無数にあるし、専門的過ぎるので割愛しますが、ポイントは「肝」を落ち着かせることと、体の「上下」のアンバランスを整えることが重要になります。
つまり、花粉やホコリの存在自体はどうしようもないんだから、それに対して「普通に」反応できる体の状態を作ろうぜ、ということです。
・・・僕としては、これまでの経験上、「花粉症」の治療に対する、東洋医学の力は絶大だと思います。
知らなきゃホントに損します。(笑)
毎年毎年辛い症状に悩んでいる方、是非一度ご相談下さい。
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2010.02.19
明日から暖かくなるようですね。
ようやく、というところでしょうか。(苦笑)
・・・しかし、ここのところの寒さは異常ですね~。
そんなわけでかぜひきさんをよく診るんですが、よく患者さんから、
「「かぜ」って鍼で治療できますか?」
と聞かれることがあります。この質問に対して、僕はいつも
「もちろんできます。ただ、摂生が一番ですがネ。。」
と答えています。
東洋医学では古くから、現代医学で言うウイルスや細菌による急性の病気のことを指して、
「外感病(がいかんびょう)」
と呼んで、様々な治療法を考案し、成果をあげています。
(漢方薬はもちろん、鍼灸でも、です。)
この理論に従って治療をすれば、直後にその場でのどの痛みがとれたり、発汗して熱が下がったり、寒気や関節痛がとれたりすることはよく経験します。
(ちなみに今日もありました(笑))
・・・しかし、どんなに無理していようとも、鍼していればオールオーケーかと言うと、残念ながらそうではありません。
やはり基本は十分な睡眠、胃腸への負担の軽い食事、安静(無理に動かない)です。
それをやった上で、鍼で「病気と闘う力」、「治る力」を高めてやれば、より効果的で、早く治るよ、ということです。
「鍼」があまりにも高い効果を示して、それに慣れると、一にも二にも「養生」が大事だ、ということを忘れがちになります。
しかしこれは逆に言うと、まずはしっかり養生して、鍼灸で体のバランスを整えていれば、あらゆる病を予防できるよ、ということでもあります。
・・・あと少しで暖かくなります。
鍼と養生で、なんとか乗り切りましょう!
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2010.01.25
昨日は年が明けて初の完全オフでした。
例によって、これでもかというぐらい寝ました!(-_-)zzz・・・完全に充電モードに入っていましたネ(笑)
僕は自慢じゃないけど、40時間連続で寝たこともあります(苦笑)
・・・かと思えば、三日間完全徹夜したこともあります。
いつも患者さんには、睡眠はリズムが大事です!とか言ってるくせに・・・不健康ですよね~(+_+)
是正していかねば!
2009.12.26

これはですねー、僕が鍼を持った当時からずーっと、新しい患者さんに聞かれ続けている疑問であります。
この間も、何気ない会話の中で聞かれました。
これについては以前、「ある腰痛の患者さん」というタイトルでも少し述べましたので、そちらも参照してください。
これは患者さんからしてみれば、ある意味当然の疑問でもあります。
僕はこの質問が来たときはたいてい、
「もちろん打つ場合もあります。でもね、それで治るものはごく軽症のものなんです。また、患部に鍼を打つということは、弱っている(血行の悪い)ところに鍼を打つわけだから、
それだけリスク(かえって悪化させる危険性)も高いんです。」
とか、場合によってはもっとシンプルに、
「この場合は打たない方が効くと思うからです。」
という風に説明します。
しかし、これには実はもっと深イイ意味があります。
今日は僕の経験を例に挙げて説明しようと思います。
このブログ上でも、HP上でも何度も言うように、清明院では「東洋医学」に立脚した治療を行います。
治療をするにあたっては、その患者さんのどの臓腑(五臓六腑)が悪いのか、どの経絡が悪いのか、ということを考えながら診察し、最も効果が高いと思われる経穴(ツボ)を選んでいきます。
つまり、「東洋医学的な」病気の原因究明をさせていただく訳です。
その過程を経て、この臓腑が悪くて、この経絡が悪くなっている、という診断結果を得た上で、初めて治療に入りますので、「痛いところ(患部)」に鍼をするよりも、
その痛みを起こさしめている「原因」となっている臓腑や、それと関連する経絡に、経穴を使って直接アプローチした方が結果がいいことが多いし、
もし結果が良くなかったとしても、なぜ良くなかったのかを考察するのが非常にやりやすいんです。
もちろんこれは僕の経験上の話です。
しかし、もし皆さんが鍼師だとして、それまでの経験や知識から見当のつかないこと、あるいは効かないと分かっていることを、患者さんに出来ますか?
・・・その昔、とある腰痛の、なかなか治療がうまくいかない患者さんがおられまして、僕は当時、なぜだろうなぜだろう、と考えながら、
睡眠時間を削ってその患者さんの病気について調べ、細かく再問診をしながら治療していると、
「そんなことどうでもいいから、さっさと腰に鍼をしてくれよ!!」
と言われたことがあります。
このとき、本当は自分の技術不足を素直に反省するべきだなー、と今は思うのですが、当時僕は自分の必死の努力(のつもり)を
「そんなことどうでもいい」
と言われた怒りと悲しみから、
「僕はあなたの召使いではありません!そんなに自分の体のことが分かるんなら、鍼ならあげるからご自分で腰に鍼を刺したらどうですか!?」
と言ってしまったことがあります。
いわゆる「逆ギレ」ですネ。(苦笑)
・・・当然、二度とその患者さんは見えませんでした。
今にして思えば、完全に冷静さを欠いた若造の、安いプライドから来る、だっさい物言いですね。
(まあもし今、こんな後輩がいたら、その「やる気」は高く評価しますがね。)
こういうとき、本来なら(プロなら)冷静に患者さんの納得が得られるような説明がキチッと出来なければいけません。
それでも納得が得られないし、治っていかないようなら、
「自分なりに最善は尽くしましたが、残念ながら今の僕には治せません。」
と素直に謝り、自分よりも腕達者だと思う先生とか、信頼できる西洋医にでも紹介するべきなんです。
「臨床」というのはまさに真剣勝負です。
こういう時に、患者さんに言われるがままに、ハイハイと言って患部に鍼してても、それで治らなけりゃ、結局「下手くそ」の烙印を押されます。
(ちなみに、その経験もあります。)
そこで頑固に、「いや、私はこう思うのだ!」といって、東洋医学的に一生懸命考えた鍼をしても、やっぱり治らなかったら「下手くそ!」と言われます。
こちらのプロ意識(まあプライドみたいなもんか)と、患者さんの要求との最大公約数が表現できてて、しかも治った、効いた場合にのみ成立するのが我々の「臨床」です。
これはあまり言いたかないんだけど、大変、厳しい世界だと思います。
でもその中で、苦しんだ末に僕が得た、一臨床家としての結論が、
「東洋医学的な最高の鍼の世界を追求すること」
ですし、それで生活がまわり出してしまえば、メチャメチャ楽しいんです!
・・・まあちょっとカタい話になったけど、それを踏まえて、冒頭のテーマに関して平たーくいうと、
「東洋医学では、症状の原因にアプローチできる経穴は、必ずしも患部周辺にある訳ではないのです。だから結果的に患部に打たないことが多いんです。
僕の経験上、その方が効きます。」
ということです。
コレじゃあ平たすぎるかな・・・?
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2009.12.16

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今日は、「四診」シリーズの一つとして、「腹診」について書こうと思います。
詳しく述べたらキリがなさすぎる診察法なので、簡単に紹介しますね。

・・・たまーに、初めて当院に来られた患者さんのおなかを診ていると、
「おなかの状態と私の症状と、何か関係あるんですか?」
という質問をいただくことがあります。
(苦笑・・滅多にいませんけどね。)
・・・まあでも、肩が悪けりゃ肩だけ、腰が悪けりゃ腰しか診ない医療に慣れている患者さんからすれば、当然の疑問でもありますよね。
東洋医学では、どこの病気であろうと、「全身の状態を調える」ことに主眼を置きます。
ですので、すべての内臓をしまっている「胸腹部、特に腹部」という部位は、重要な情報源であり、「腹診」は我々にとって欠かすことのできない診察法です。
まず、「脈診」で述べたのと同じように、東洋医学の腹診と西洋医学の腹診はこれまた診ている「モノ」が違います。
東洋医学の腹診では・・・
1.内臓の状況
(どの内臓(東洋医学的な“五臓六腑”)が弱っているか)
2.全身の前後、左右、上下のアンバランス
(体全体の大きな傾き、捻じれ、血行の偏り)
3.病気の程度、勢い
(病気そのものの進行状況、これからどうなっていくかetc..)
4.その患者さんの生活習慣の中で何が一番問題か
(飲食の不摂生なのか、精神的なストレスなのか、睡眠不足等の疲労なのか、あるいは冷えか、など)
・・・他にも挙げればキリがないんですが、「腹診」というのは、大体これぐらいの情報を、おなかを触ることによって一遍にキャッチします。
鋭い人は気付くと思いますが、上記1.~4.は、「脈診」で挙げた内容とほぼ同じですよね?
・・・そうなんです。
東洋医学の診察では、色々な診察法を、「合目的的に」重ね合わせて用いることによって、
「現段階で最も正すべき、東洋医学的なアンバランスの起こっている部分」
をより絞り込んでいくのです。
それらによってはじき出された、「今、一番戻さなきゃいけない全身的なアンバランスの根幹部分」つまり“現時点における病気の東洋医学的な本質、病態”を指して、「証(しょう)」と呼ぶわけです。
ちなみに、東洋医学における「腹診」は、歴史的には中国よりも、むしろ日本において、江戸時代を中心に、盛んに研究されてきました。
(一社)北辰会代表理事 藤本蓮風先生曰く、
「まさに、日本人は相手のハラを探ろうとしたわけや。」
腹部を触ることによって患者さんの深層心理を探ろうとした日本人・・・。
この藤本先生の考え方、大変面白いですね。
〇
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2009.12.11

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これまでも書いてきたように、東洋医学は、人間の体に対して、西洋医学とは違う独特の捉え方をしています。
ですので、当然病人を診る時の診断方法も、西洋医学の方法とは異なります。
それらを「四診(ししん)」というのですが、これからこのブログで、何回かに分けて、それらを紹介していきたいと思います。
まずは「脈診(みゃくしん)」からです。
↓↓脈診というのは、手首の内側(親指側)にある、血管の拍動を調べる診断法です。

「それは西洋医学でも診ますけど・・・?」
と思った方もいるかもしれませんが、東洋医学の「脈診」は西洋医学のそれとは診ている「モノ」が違います。
西洋医学の脈診では、主に「脈の速さ」や「律動性」を確認するために診ます。
ここで問題にするのは1分間に何回打つか、途中で途切れたりしないか、です。
これにより主に心臓などの循環器系の異常を窺うわけですね。
それに対して東洋医学の方では、脈の速さはもちろん、脈を打つ時の手首の血管の硬さ、拍動を打っている位置、皮膚表面からの深さ、左右差、
勢いや力の有無なんかも含めて、細かく細かく、それらを同時に診ています。
それをすることによって何が分かるのかと言うと・・・
1.その患者さんの全身状態
(今現在どの程度体力が弱っているか、場合によっては患者本人に自覚がなくても、緊急の処置が必要な脈もあります。)
2.どの臓腑に一番負担がかかっているか
(これは脈だけでは言いきれないけれども、おおよその見当は付きます。)
3.日常生活における一番の問題点は何か
(飲食の不摂生なのか、睡眠不足なのか、精神的なストレスなのかなど、これも脈以外の診断法と併せて考えなければいけないけど、おおよその見当は付きます。)
4.体の上下、左右、前後におけるアンバランスが起こっている位置
(え?何で脈で??と思う人もいるかも知れませんが、東洋医学では、体のあらゆる部分を全身の縮図と考えます。ですので、脈も全身の縮図と考えています。
だから、足の裏だけで全身が治療出来るとか、耳だけで全身が治療できるとか、そういう発想があるわけです。
脈もしかりです。ただこれも、脈だけで判断するのではなく、それ以外のあらゆる診断法と組み合わせて判断していきます。)
5.病気の勢い
(その患者さんの病気が、おとなしく経過する病気か、どんどん悪化していく病気か、古い病気か、もう治りかけているかなど、他の診断法と併せて、総合的におおよその見当をつけます。)
上記以外にも、専門的なことを言えばいくらでもあるんですが、いい専門書がいくらでもあるし、難しくなるのでここでは省きます。
(難しいことは省いてばっかり(笑))
・・・まあ要するに、東洋医学の脈診は、西洋医学の脈診と違って、患者さんのその場その時の「全身の状態」に意識の中心を置いている、ということが言えると思います。
これがある程度分かるようになると、大変便利です。
やっぱり、その場その時の患者さんの状態が確認できない状況で鍼をする、というのは、大変恐いことです。
そのため、「脈診」は僕にとっては、毎回の治療において欠かすことの出来ない大事な診察法です。
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2009.12.05

清明院では現在、求人募集しております。
本物の鍼灸医学の世界を、我々と追求してみませんか?
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「患者さんの声」を頂きましたのでアップします!
20代 女性
症状:胃の痛み、背中のシミ、便秘
私は、昔から胃のあたりがすぐ痛くなってしまい、内科に行っても、
「ストレスです。」
とだけ言われ、胃のお薬を飲んでも治らない状態で困っていました。
心配してくれた友達が清明院を紹介して下さり、治療に通うようになりました。
鍼の治療を受けてみたいと言う気持ちは前からあったのですが、私は過敏なためか、すぐ体におかしな影響が出てしまうので、怖くてなかなか行く気になれなかったのです。
でも竹下先生の治療を受けさせていただいて、初めて鍼が気持ちいいと思えました。
あと、背中に黒く大きなシミみたいなものがあり、昔から気にしていて、エステに行ってピーリングなどをしても変わらなかったのに、先生の治療を受けたらあっという間にすごくきれいに変化して、
体も楽になるし、それによってちゃんと睡眠もできるし、本当に驚きと嬉しさでいっぱいです。
これからも、先生にお世話になりたいと思います。
<清明院からのコメント>
この方は学生さんであり、勉強が大変な中、なかなか食生活や睡眠のバランスをとるのが上手くいかず、もともとあった胃痛の症状が悪化し、酷くなると全く動けないぐらい痛くなってしまい、学校も休んでしまうほどでした。
「肝胃不和、気滞血瘀(かんいふわ、きたいけつお)」と証を立て、治療を開始すると、3回ほどで胃の痛みは無くなり、便通も正常に来るようになりました。
また、以前から背中に大きくあったシミが薄くなり、治療を継続していくとほとんど分からないほどきれいになり、
「今まで悩んでいたのがバカみたいです!(笑)」
と、大変喜んでいらしたのが印象的です。
しばらく調子がよかったので治療に来てないと思ったら、つい最近また
「不節制のためか胃痛が出ました(T_T)」
と言って来院されました(苦笑)
・・・学生さんというのは、社会においては特殊な立場で、勉強さえきちんとこなしていれば周りにあまり文句を言われることはありません。
友人もたくさん出来ます。
ですのでつい不節制してしまいがちになります(苦笑)
・・・気を付けなければなりませんね。
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2009.11.17

本日、「腰痛」を訴えてみえた患者さんに、あるご質問をいただきました。
足の臨泣というツボに一本鍼をした後、
患「先生、このツボって何に効くんですか?」
竹「腰痛に効きます。」
患「あ、そうですよね(笑)」
・・・というやり取りでしたが、これ、もっと正確に言うと、
「腰痛以外の諸症状にも効く中で、もっとも腰痛に対して効果を発揮するであろうツボを選びました。」
と答えるのが正確なんでしょうネ。
しかし、あまり正確に答えると、経験上
「?」
とか
「・・・はい。」
と怪訝な表情になってしまうことが多いので(苦笑)、いつも患者さんからの質問にはなるべくサクッと簡潔に答えるようにしています。
教育の現場でもそうなんですが、正確性よりも分かり易さを優先した方が良い場合というのは、厳然とある。
患者さんからしてみれば、腰が悪いなら腰に、肩がこるなら肩に鍼を打つのが、なんとなく当たり前ではないか、と思うのは当然だと思います。
しかしこの考え方を延長していくと、脳が悪いなら脳に、心臓が悪いなら心臓に鍼をする、という風になってしまいます。
(・・・まあ、極端に言うと、ですがね。)
東洋医学的な鍼灸治療、というのは、あくまでも全身のバランスを診て、調える、という考え方をはずしません。
ですので患者さんが何を訴えてきても、必ず我々は全身を診ます。
その中で、もっとも患者さんの訴えを速やかに除去できる可能性が高い、精選された経穴を、”ごく少数”選ぶのです。
最適な鍼の深さ、太さ、長さでね。
なぜなら、それが治るまでの最短距離だと考えているからです。
もちろんその考え方でもって体を診察した結果、腰痛の患者さんの腰に鍼を打つ場合もありますが、経験上、それは意外と少ないケースだと思います。
例えば腰痛一つとっても、
・運動不足や睡眠不足からくるもの、
・飲食の不摂生からくるもの、
・精神的なストレスからくるもの、
・骨の変形や体の歪み
等々、様々な「東洋医学的に考えられる原因」があります。
また実際は、これらががんじがらめにあいまって、最終的に「結果」として、腰痛が出てきているものが多いのです。
そのがんじがらめに絡まった、「病気の東洋医学的なメカニズム」を考えた場合、「悪いところに打つ方式」は「結果」しか相手に出来ないケースが多く、
効果がマイルドすぎてしまうことがあります。
(よくある、そんときゃ少しいいけど、すぐ戻っちゃって、全然治っていかない、ってやつです。)
もちろん、軽く患部をマッサージすれば、症状がすべて解決してしまうような、軽症(局所の筋緊張や血行不良のみの問題)のものであれば、
それで良くなってめでたしめでたし、というものもあります。
しかし、慢性の病気や、重症の病気となると、そうはいきません。
なぜ慢性化しているか、なぜ重症化しているのかを「東洋医学的に」考え、必要最小限の適確な刺激を与えてやることが、当院の言う、
「治る力を最大限活かしきる」
ことに繋がるのです。
清明院ではこのように考え、お陰様で、これまでいい結果を得てきております。
以前、とある先輩が何気なく発した言葉に僕はハッとしたことがあります。
「最小は最大だよね。」
・・・これを書いていてふと、思い出しました。
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2012.07.08
2016.05.09
2016.04.12
2016.04.28
2015.06.04
2012.12.23
2014.02.17
2014.04.26
2025.12.12
患者さんの声(睡眠障害、その他不定愁訴)2025.12.05
2025年11月の活動記録2025.12.01
2025年 12月の診療日時2025.11.22
患者さんの声(15年以上メンテナンスで継続通院)2025.11.20
11.22(土)、25(火)、通常通り診療やります!!2025.11.19
2025年10月の活動記録2025.10.29
2025年 11月の診療日時2025.10.15
2025年9月の活動記録2025.10.10
清明院16周年!!!2025.10.01
2025年 10月の診療日時2025.09.20
2025年8月の活動記録2025.09.01
2025年 9月の診療日時2025.08.15
2025年7月の活動記録2025.08.01
2025年 8月の診療日時2025.07.04
2025年6月の活動記録2025.07.01
2025年 7月の診療日時2025.06.26
2025年5月の活動記録2025.06.01
2025年 6月の診療日時2025.05.10
2025年4月の活動記録2025.05.01
2025年 5月の診療日時2025.04.04
2025年3月の活動記録2025.04.01
2025年 4月の診療日時2025.03.13
2025年2月の活動記録2025.03.01
2025年 3月の診療日時2025.02.06
2025年1月の活動記録2025.02.01
2025年 2月の診療日時2025.01.21
順天堂東医研、第6回公開シンポジウム「総合診療と東洋医学」2025.01.10
2024年12月の活動記録2025.01.02
2025年 1月の診療日時2025.01.01
謹賀鍼年!!2024.12.28
年内診療終了!!2024.12.14
2024年11月の活動記録2024.12.01
2024年 12月の診療日時2024.11.07
2024年10月の活動記録2024.11.01
2024年 11月の診療日時2024.10.10
清明院15周年!!!2024.10.09
2024年9月の活動記録2024.10.01
2024年 10月の診療日時2024.09.19
2024年8月の活動記録2024.09.01
2024年 9月の診療日時2024.08.03
2024年7月の活動記録2024.08.01
2024年 8月の診療日時2024.07.10
患者さんの声(70代女性 目の痛み、不安感)2024.07.05
2024年6月の活動記録2024.07.01
2024年 7月の診療日時2024.06.05
2024年5月の活動記録2024.06.01
2024年 6月の診療日時2024.05.10
2024年4月の活動記録2024.05.01
2024年 5月の診療日時2024.04.13
(一社)北辰会、組織再編。