お電話
03-6300-0763
10:00~21:00(完全予約制)
2010.01.20

前回は、「寒燥」についてのお話をしました。
今回はその逆の「湿熱(しつねつ)」について書いてみようと思います。
最近の気候は、前回述べたように、まさに「寒燥」という感じであります。
それとまったく逆なので、時期外れのように感じますが、日々、患者さんを診ていますと、今の「寒燥」の時期であっても、この「湿熱」という邪気が問題になることがあります。
・・・コレ、なぜでしょうか?
これは、現代の食生活と、発達した空調機器に、問題の中心があるのではないかと愚考しています。
◆「湿」について
「湿邪(しつじゃ)」というのは、外界では湿度の高さ、人体内では水分の停滞が過剰に存在することで、人体に病的な異常を起こす「邪気」の一つであり、
性質の上から「陰邪」に分類されます。
つまり、「湿邪」というのは、平た~く言うと、
「余分なお水」
を意味しますので、単純に水分(お酒も含む)の摂り過ぎ、あるいは食べすぎで胃腸が弱った場合にも、水分がうまく捌けなくなって、結果として体内に「湿邪」が生じます。
体外の「余分なお水」は、というと梅雨時期や夏場のムシムシ、ジメジメした時期に湿度が高くなる、まさにあれのことです。
(もちろんそれが人体に悪影響を及ぼした時に、”湿邪”という邪気として認識する訳ですね)
◆「熱」について
それに対して「熱邪(ねつじゃ)」というのは性質的には「陽邪」に分類され、からだの内外に存在する”余分な熱”のことを言います。
ここで勘違いしてほしくないのは、現代人は「熱」と聞けばすぐ体温の「発熱」を想像しますが、東洋医学の言う「熱」というのはそれだけではなく、
ある種の咽喉の渇きや便秘、過食傾向、またカゼや感染症の原因などになるもの(邪気)として「熱邪」というものを位置づけています。
こういう、東洋医学と西洋医学の概念の混同が、東洋医学が正確に理解されにくい原因の一つだったりします。
前もこんなようなこと言ったかもしんないけど、カゼひいて熱がある人をみた時に、「すごい熱だね~」ではなく、
「体温がHOTだね~。」
とか、
「HEATだね~。」
とか言ってくれれば、混同されにくいのにな~・・と思います。(笑)
体外の「熱邪」は、というと、夏場の暑い時期や、冬場でも過剰な暖房などで不快なほど熱すぎる状況の時に、人体に悪影響を及ぼした時に「熱邪」と考えます。
(分かりやすく言うとね。)
この2つ、「湿邪」と「熱邪」が合体したものを、東洋医学では「湿熱の邪気」と呼び、「寒燥」と同じように、陰邪と陽邪ががうまいことバランスをとっている、邪気の中でも「手強い奴」な訳です。
現代は、外が寒くて乾燥していれば、家の中は暖房と加湿器を使って快適を得ようとします。
しかしやりすぎれば、秋冬なのに「ムシ熱い室内」になってしまいかねません。
そうなれば「寒燥」ではなく、季節外れの「湿熱」の病になりやすくなります。
また冬場は、寒いからと、あまり外に出歩くことも少ない人が多く、運動不足になりやすく、忘年会や新年会などで、暴飲暴食、過食傾向になりやすいです。
こうなると胃腸は弱り、水分が捌き切れず、体内に余分なお水である「湿邪」が増えます。
さらに、汗もかきにくい時期ですので、体内の余分な「熱邪」を汗によってうまく排出(発散)することも出来ず、結果、体内に「湿熱の邪気」が生じてしまう場合があります。
こうして現代では、冬場なのに「湿熱」の病が問題になることがある訳です。
「湿熱」については、大変面白い部分でもありますので、もっと細かく書こうかなとも思うのですが、時期的に梅雨時期とかの方が実感しやすいかな、
と思うので、その頃になったら、また詳しく述べてみようかなー、と思っています。
読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!!
2009.12.06
引き続き、新しく届いた患者さんの声をアップします。
50代 男性
症状:腰痛、坐骨神経痛、眼精疲労(疲労性網膜剥離手術後)
学生時代にやっていた柔道で腰を痛めてから、坐骨神経痛持ちになりました。
スポーツで痛めたものは鍼治療が効くと聞き、過去にも受けていましたが、仕事の忙しさも相まって治療が途切れていました。
そんな時、家族がお世話になっていた竹下先生に十数年ぶりに鍼治療していただき、今日に至っています。
長時間のデスクワークや車の運転などで痛みが出ることが多く、先生から体の歪みによる不良姿勢も影響していると言われ、
姿勢や歩き方なども気を付けるようになりました。
仕事の都合もあって、2週に1度程度の診察しか受けられませんが、治療の都度、日常生活で出来る運動などアドバイスしていただき、
それを実行することで随分楽になったと実感します。
治療間隔が空いても継続して受けることは大きいですね。
治療後は体が少し重だるい感じで、とても眠くてひと眠りしますが、夜には再びぐっすりと熟睡できます。
翌朝の爽快感と身体の軽さは鍼治療ならではの感覚だと思います。
毎日の晩酌を週末だけにしたり、それまでの自転車通勤をやめて歩くようにしたりと、それなりに努力しているつもりですが、
筋肉量に対して骨が細めだから膝にも注意して、と言われ、自分では全く想像もしない盲点がまだまだあるのだと思いました。
43歳の時に過労から網膜剥離になり手術を受けて以来、目の疲れには特に気をつけているつもりでしたが、治療の時に
「少し熱を持ってるから気をつけて下さい。」
と指摘されてハッとすることもよくあります。
これからも竹下先生の治療とアドバイスに従い、身体をこき使わないように注意して、仕事にプライベートに充実した日々を送りたいと思います。
<清明院からのコメント>
この方は仕事がら肉体労働とPC作業の両方をなさる方で、目も体も酷使するため、10年前に疲労から網膜剥離を起こしてしまいました。
それに学生時代から持病として抱えている坐骨神経痛もあり、治療の相談を受けました。
「肝鬱気滞、湿熱(かんうつきたい、しつねつ)」と証を立て、2週間に1回、継続的に治療しています。
患者さん自身がおっしゃっているように、ご自分で会社を経営されている方などに多いのですが、仕事が忙しいとつい仕事に気が集中してしまい、
自分の体に蓄積している疲労には無頓着になってしまっていることがよくあります。
そういう方がある日突然パタッと倒れてしまったり、知らず知らずに大病が進行していて、気づいた時にはもう手遅れ、なんてことは実際にあります。
不況と言われる現代で、社会で生き残っていくのは大変なことだと思いますが、自分が倒れてしまったらそれこそ大変です。
鍼灸治療は完全ではないにせよ、それを未然に防ぐことに資するでしょう。
忙しくて自分の体と向き合うことがなかなかない方は、是非ご相談していただきたいと思います。
読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!!
2009.11.17

本日、「腰痛」を訴えてみえた患者さんに、あるご質問をいただきました。
足の臨泣というツボに一本鍼をした後、
患「先生、このツボって何に効くんですか?」
竹「腰痛に効きます。」
患「あ、そうですよね(笑)」
・・・というやり取りでしたが、これ、もっと正確に言うと、
「腰痛以外の諸症状にも効く中で、もっとも腰痛に対して効果を発揮するであろうツボを選びました。」
と答えるのが正確なんでしょうネ。
しかし、あまり正確に答えると、経験上
「?」
とか
「・・・はい。」
と怪訝な表情になってしまうことが多いので(苦笑)、いつも患者さんからの質問にはなるべくサクッと簡潔に答えるようにしています。
教育の現場でもそうなんですが、正確性よりも分かり易さを優先した方が良い場合というのは、厳然とある。
患者さんからしてみれば、腰が悪いなら腰に、肩がこるなら肩に鍼を打つのが、なんとなく当たり前ではないか、と思うのは当然だと思います。
しかしこの考え方を延長していくと、脳が悪いなら脳に、心臓が悪いなら心臓に鍼をする、という風になってしまいます。
(・・・まあ、極端に言うと、ですがね。)
東洋医学的な鍼灸治療、というのは、あくまでも全身のバランスを診て、調える、という考え方をはずしません。
ですので患者さんが何を訴えてきても、必ず我々は全身を診ます。
その中で、もっとも患者さんの訴えを速やかに除去できる可能性が高い、精選された経穴を、”ごく少数”選ぶのです。
最適な鍼の深さ、太さ、長さでね。
なぜなら、それが治るまでの最短距離だと考えているからです。
もちろんその考え方でもって体を診察した結果、腰痛の患者さんの腰に鍼を打つ場合もありますが、経験上、それは意外と少ないケースだと思います。
例えば腰痛一つとっても、
・運動不足や睡眠不足からくるもの、
・飲食の不摂生からくるもの、
・精神的なストレスからくるもの、
・骨の変形や体の歪み
等々、様々な「東洋医学的に考えられる原因」があります。
また実際は、これらががんじがらめにあいまって、最終的に「結果」として、腰痛が出てきているものが多いのです。
そのがんじがらめに絡まった、「病気の東洋医学的なメカニズム」を考えた場合、「悪いところに打つ方式」は「結果」しか相手に出来ないケースが多く、
効果がマイルドすぎてしまうことがあります。
(よくある、そんときゃ少しいいけど、すぐ戻っちゃって、全然治っていかない、ってやつです。)
もちろん、軽く患部をマッサージすれば、症状がすべて解決してしまうような、軽症(局所の筋緊張や血行不良のみの問題)のものであれば、
それで良くなってめでたしめでたし、というものもあります。
しかし、慢性の病気や、重症の病気となると、そうはいきません。
なぜ慢性化しているか、なぜ重症化しているのかを「東洋医学的に」考え、必要最小限の適確な刺激を与えてやることが、当院の言う、
「治る力を最大限活かしきる」
ことに繋がるのです。
清明院ではこのように考え、お陰様で、これまでいい結果を得てきております。
以前、とある先輩が何気なく発した言葉に僕はハッとしたことがあります。
「最小は最大だよね。」
・・・これを書いていてふと、思い出しました。
読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!!
2012.07.08
2016.05.09
2016.04.12
2016.04.28
2015.06.04
2012.12.23
2014.02.17
2014.04.26
2025.12.12
患者さんの声(睡眠障害、その他不定愁訴)2025.12.05
2025年11月の活動記録2025.12.01
2025年 12月の診療日時2025.11.22
患者さんの声(15年以上メンテナンスで継続通院)2025.11.20
11.22(土)、25(火)、通常通り診療やります!!2025.11.19
2025年10月の活動記録2025.10.29
2025年 11月の診療日時2025.10.15
2025年9月の活動記録2025.10.10
清明院16周年!!!2025.10.01
2025年 10月の診療日時2025.09.20
2025年8月の活動記録2025.09.01
2025年 9月の診療日時2025.08.15
2025年7月の活動記録2025.08.01
2025年 8月の診療日時2025.07.04
2025年6月の活動記録2025.07.01
2025年 7月の診療日時2025.06.26
2025年5月の活動記録2025.06.01
2025年 6月の診療日時2025.05.10
2025年4月の活動記録2025.05.01
2025年 5月の診療日時2025.04.04
2025年3月の活動記録2025.04.01
2025年 4月の診療日時2025.03.13
2025年2月の活動記録2025.03.01
2025年 3月の診療日時2025.02.06
2025年1月の活動記録2025.02.01
2025年 2月の診療日時2025.01.21
順天堂東医研、第6回公開シンポジウム「総合診療と東洋医学」2025.01.10
2024年12月の活動記録2025.01.02
2025年 1月の診療日時2025.01.01
謹賀鍼年!!2024.12.28
年内診療終了!!2024.12.14
2024年11月の活動記録2024.12.01
2024年 12月の診療日時2024.11.07
2024年10月の活動記録2024.11.01
2024年 11月の診療日時2024.10.10
清明院15周年!!!2024.10.09
2024年9月の活動記録2024.10.01
2024年 10月の診療日時2024.09.19
2024年8月の活動記録2024.09.01
2024年 9月の診療日時2024.08.03
2024年7月の活動記録2024.08.01
2024年 8月の診療日時2024.07.10
患者さんの声(70代女性 目の痛み、不安感)2024.07.05
2024年6月の活動記録2024.07.01
2024年 7月の診療日時2024.06.05
2024年5月の活動記録2024.06.01
2024年 6月の診療日時2024.05.10
2024年4月の活動記録2024.05.01
2024年 5月の診療日時2024.04.13
(一社)北辰会、組織再編。