東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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血の病㉔

 

 

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こんばんは。齋藤です。

 

 

 

11月も中盤に入りました。 あっという間ですね。 寒暖差が激しいので、体調の管理には十分気をつけてください。

 

 

 

前回の続きです。

 

 

 

前回の話はコチラ

 

 

 

前回は、瘀血(おけつ)について書きました。 今回は、「血熱(けつねつ)」と「血寒(けっかん)」について書いていこうと思います。

 

 

 

まずは、血熱から。

 

 

 

血は、全身の血管(経脈)の中を巡っています。

 

 

 

その流れを支えているのが、温煦作用と、推動作用です。

 

 

 

東洋医学には「血は熱得れば行(めぐる)る」という言葉があり、適度な温かさが血流には不可欠です。

 

 

 

しかし、外から強い熱(熱邪)を受けたり、体内の潤い(陰)が不足して相対的に熱が強くなりすぎたりした場合、その熱が血に入り込み、様々な不調を引き起こします。これが「血熱」です。

 

 

 

では、どのような不調が起こるのでしょうか。

 

 

 

・出血(鼻血、皮下出血など)

熱が血に入り込むと、血が「沸騰」するような状態になり、勢いよく血管の外に溢れ出てしまうことがあります。

 

 

 

・瘀血(おけつ)の生成

熱によって血が煮詰まってドロドロになり、前回お話しした「瘀血」が生まれることもあります。

 

 

 

・精神面の不調(イライラ、不眠など)

東洋医学でいう「心(しん)」は、血を全身に送るだけでなく、「神(しん)」(精神や意識)を宿す場所と考えられています。そして、その「神」は血によって養われています。

 

 

 

そのため、血が熱を持つ(血熱)と、その熱が「神」をかき乱し、イライラや不安感、不眠などを引き起こします。ひどい場合は、意識が朦朧としたり、うわごとを言ったりすることもあります。

 

 

 

・潤い不足(陰虚)の症状

さらに、熱が長く続くと、血の中の潤い(津液)を消耗させてしまいます。

 

 

 

その結果、喉の渇き、肌の乾燥、手足のほてりといった陰虚特有の症状も現れてきます。

 

 

 

血熱が疑われる場合、熱の特性をしっかり把握したうえで、多面的に問診をして確認することが重要になりますね。

 

 

 

続きまして、「血寒」です。

 

 

 

読んで字のごとく、寒邪が血に侵入したり、体内の陽気が不足したりすることで、血が冷えてしまった状態を指します。

 

 

 

血寒によって引き起こされる主な不調は以下の通りです。

 

 

 

・痛み(冷えると悪化する)

寒邪には、物事を「滞らせる」性質があります。

 

 

血が冷やされると、その流れが滞り、気血が巡らなくなります。

 

 

その結果、強い「痛み」を生じさせます。

 

 

特に、冷えると悪化する痛みが特徴です。

 

 

 

・ 血流の悪化

血が完全に凝固(瘀血)しなくても、冷えによって血の流れは非常に遅く、緩慢になります。

 

 

 

血管の中が「シャーベット」のようになっている、と想像していただくと分かりやすいでしょうか。

 

 

 

・全身的な冷えの症状

「血」の重要な役割の一つに、熱(陽気)を全身に運んで温める働きがあります。

 

 

 

その「血」自体が冷えてしまう(血寒)と、当然、全身を温めることができなくなります。

 

 

 

そのため、強い寒がりや手足の冷えを感じ、本能的に温かいものを好むようになります。

 

 

 

また、血が冷え、流れも緩慢になることで身体全体の活動性も低下し、気力が湧かず静かになりがちになります。

 

 

 

 

・瘀血や出血

この状態が悪化すると、気の停滞も強くなり、冷えで血が固まり「瘀血」が形成されやすいです。

 

 

 

では、なぜ「出血」も起こるのでしょうか。 東洋医学では、「血を血管内にしっかりと留めておく力を(固摂作用)もまた、陽気の重要な働きのひとつだと考えます。

 

 

 

そのため、もともと「陽気不足」の体質の人が寒邪を受けると、ただでさえ弱い「陽気」がさらに消耗します。

 

 

 

その結果、固摂作用が効かなくなり、血が血管から漏れ出てしまうのです。

 

 

 

これが「血寒」による出血で、熱による出血とは異なり、色が薄く、ダラダラと続くような出血が特徴です。

 

 

 

このように、「出血」や「瘀血」は、血熱と血寒のどちらでも起こり得ます。

 

 

 

しかし、そのメカニズム(熱によるものか、冷えによるものか)は全く異なり、伴う症状(暑がりか、寒がりかなど)も正反対になります。

 

 

 

もちろん、舌の所見や脈の所見も寒熱で全く違うものになりますので、鍼灸師はそれらを総合的に判断して、治療方針を考えていく必要があります。

 

 

 

いかがでしたでしょうか。 最後はかなり駆け足になってしまいましたが、これで血の病に関する話は終了になります。

 

 

 

ご清聴ありがとうございました。

 

 

 

参考文献

『中医病因病機学』 主編:宋 鷺冰 訳:柴﨑 瑛子 (東洋学術出版社)

『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』 著:小金井信宏(東洋学術出版)

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論編』 監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人 北辰会 学術部 (緑書房)

『基礎中医学』編著:神戸中医学研究会 (燎原)

『鍼灸・漢方の名医になるための気血弁証論治学』 編著;神野英明 (たにぐち書店)

 

 

 

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こんばんは 謝敷です。
 
 
 
 
 
もう11月も中旬。
街は、だんだんとクリスマス&年末モードですね。
焦るような、なんだかワクワクするような…
来週からは、関東の冬らしい晴れのお天気が続くようです。
冷たい空気を吸いながら、澄んだ朝日を浴びたいです。
 
 
 
 
 
さて、もう10回目!!!
本当に長丁場となっていますが、
プラセボとは何か!!!という点について、
アメリカで”統合医療の父”と称されている
Andrew Weilが共著のレポートを見ています。
 
(過去投稿)
 
 
 
 
今日は、「同一化の法則」の特徴として”変動性”について見ていきます。
 
 
 
 
 
プラセボ(ノセボ)効果は、
その対象となる症状や疾患によって様々な変化を生みます。
その一つ一つの変化を包含して説明すると、
「精神・神経・免疫・内分泌的な事象の連鎖を通じて、
患者の神経系に複数のレベルで影響を与え、
神経伝達物質を放出させ、脳を活性化させる」と記載されていますが、
これらは全て記述的なものであるうえに、考え得る機序は無数であり、
詳しく証明できているわけではありません。
 
 
 
 
 
 
そこで、このレポートの筆者たちは、
「同一化の法則」の構成要素である3つの要因、つまり、
 ・患者(被験者)の無力感: helplessness
 ・患者(被験者)の依存感: dependency

 ・医師や研究者の能力や信頼性に関する不確実性: uncertainty
について、その度合いを評価することができれば、プラセボについての機序が説明しやすくなるとし、
なんと!測定ツール(質問紙)を提案しています。
 
 
 
 
 
ちょっと興味深かったので、ざっくり和訳したものを紹介します。
回答選択肢は、「1:同意しない」~「5:同意する」の5択です。
 
 
●無力感の指標 
 
 ・私は健康目標を達成するために助けが必要だ。
 ・私は、一人で健康目標を達成する方法がまったくわからない。
 ・実際のところ、一人では健康目標を達成できないと思う。 
 ・健康目標を達成するために、私一人でできることはほとんど、あるいは全くない。 
 ・私は自分の健康問題を、天気をコントロールするよりも制御できない。 
 
●依存感の指標 
 
 ・現在の状況では、助けを得るために専門家に頼る必要がある。
 ・現在の状況に関して、私は一人では目標を達成できない。
 ・現在の健康目標を達成するために必要なことを、私は医療提供者/研究者に頼っている。
 ・現在の状況では、専門家に依存することを気にしない。 
 ・実際、私は現在の状況で助けてもらうために専門家に依存している、あるいは依存するつもりである。 

●依存感の指標 

 ・私は、自分の医療提供者が私を助ける能力について疑いを持っている。

 ・私の医療提供者に対する信頼がもっと強ければよいのに、と思う。
 ・私は、自分の医療提供者が現在の問題を改善してくれるかどうか確信が持てない。
 ・医療提供者への自信がもっとあれば、健康問題にもっと成功できると思う。
 ・現在の問題に対して、別の医療提供者のほうがより効果的に助けてくれるのではないかと疑っている。 
 
 
 
 
 
さらにこのレポートでは、この3つの要素の測定に加えて、
プラセボに関する実験(RCT)では、
”被験者が、X(介入/治療)を受けている”と信じている: belief
という前提も必要であるとも述べており、
この点についても評価すべきとして、併せて評価ツール(質問紙)を作っています。
 
 
 
 
 
●介入(治療)を受けていることを信じているか
 ・私は、この試験で有効成分を服用していると信じている。
 ・私は、プラセボを服用していないことを確信できる。 
 ・私が服用しているものが有効成分であり、プラセボではないと確信させる手がかりがある。
 ・私が服用しているものがプラセボであるはずがない。
 ・もし私がプラセボを服用しているのなら、今出ている反応は起こらないはずだ。
 ・私が経験している効果を引き起こせるのは、この試験の有効成分だけである。
 
 
 
 
 
 
 
なんだか質問紙にすると、やや違和感があるというか、
特に介入を受けていることを信じているかの設問は、
これに回答することで信じられなくなりそうな気もしますが…笑
 
 
 
 
 
 
ただ、確かにこれらの構成要素とその意味が理解されれば、
プラセボ(ノセボ)効果が、なぜ起こるのか、
その機序はより理解しやすく、また予測しやすいものになりますね。
 
 
 
 
 
 
 
<参考文献>
Bierman SF, Weil A, Dahmer S. Placebo and the law of identification. Front Psychiatry. 2024 Dec 6;15:1474558. doi: 10.3389/fpsyt.2024.1474558. PMID: 39713767; PMCID: PMC11659211.
 
 
 
 
 
 
 
 

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