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2026.08.07

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2026年7月も、日々の臨床の傍ら、色々やっておりました!笑
〇
7.5(日)は大阪で行われた(一社)北辰会、関西部会。
今回のメインイベントは北海道の千葉顕嗣先生による「手指痛」の症例。
千葉先生は日々の臨床の傍ら、北辰会機関誌『ほくと』の編集長として、バリバリ頑張っておられる先生です。
「手指痛」という訴えは、けっこう多くて、安静を保つことが難しい部位でもあり、なかなか治りにくいのがありますね。
中にはリウマチなどの全身疾患、自己免疫疾患が隠れてる場合もあったりして、意外と侮れない症状です。
今回のはリウマチである可能性もないとは言いきれないような症例でしたが、弁証や手法を色々と試行錯誤しながら、結果的にうまく改善させた症例でした。
北海道にはまだ北辰会方式をなさる先生は少ないので、今後も千葉先生に頑張ってもらって、もっともっと増えて欲しいですね。
〇
7.11(土)は清明院BBQ@京王屋上!!

BBQ、たまにやると良いね!!
この日は清明院ゆかりの医師たちも来てくれました!!
〇
7.13(月)は日本東方医学会の分科会であるDAPA(医鍼薬地域連携研究会)カンファレンス。
今回は熊本の若手開業鍼灸師であり、最近綺麗になった北辰会公式HPの作成をなさった木山祐輝先生による「百会穴の一本鍼で、動眼神経麻痺が早期に改善した一症例」の症例検討会。
動眼神経に限らず、全身のあらゆる神経麻痺も、鍼灸をうまくやると奏効することがあります。
開業したてでヤル気満々の木山先生が、師匠である藤本蓮風先生の教えを忠実に守り、見事に麻痺の症状を治して見せた症例でしたが、出来たら症状を治した後も経過を観察できると、なお良かった症例だと思います。
また今回も脳神経内科専門医の先生からコメント、ご解説をいただくことが出来ましたし、時間が足りないほど、医師からも鍼灸師からも非常に活発な意見交換が出来て、素晴らしかったですね。
「医師と鍼灸師で、鍼灸師の症例を検討する」この活動も、今後まだまだ磨きをかけて、伸びて欲しい活動の一つです。
因みにこの勉強会は、毎月オンラインで開催しております。
どなたでも参加でき、次回は9.14(月)の20時~90分です!!
是非、こちらのページからお申し込み下さい。
(お申し込み下さった方には、アーカイブ配信もあります!!)
〇
7.16(日)は順天堂東医研の定例勉強会!
今回の講師は私で、テーマは新シリーズ、疾患別各論で、第1弾は「頭痛」にしました!
まあ、各論というのは、臨床現場でよく遭遇する症状に対して、東洋医学の基本的な考えを知っておく、という意味で非常に分かり易いと思います。
これまで、順天堂東医研ではシリーズ講義として、2018年12月の発足以来、約8年間の間、以下の6つのテーマでシリーズ講義をしてきました。
1.臓腑経絡学(十二臓腑経絡全て+奇恒之腑、奇経八脈、全9回)
2.基礎中医学(全6回)
3.弁証問診(全7回)
4.体表観察学(全7回)
5.東洋医学的診断法(各種弁証、全6回)
6.経穴学(十二経+奇経、奇穴、全9回)
上記の、全44コマ(1コマ2時間)は、動画、資料ともにすべて残っており、どの講義も永久保存版です。
興味のある医学生の方は、ぜひ順天堂東医研に参加して下さい。
さてこれから、各論シリーズを、これまでの内容も振り返りながら、先ずは10回を目指して、進めてみようと思います。
〇
7.27(月)は日本東方医学会主催「新・中医臨床カンファレンス」です。
こちらも月に一回のオンライン開催で、ここでは、医師による中医学的な臨床の最前線が、ありありと分かると思います。
この勉強会は、第一線の臨床家の先生のリアルな症例報告が聴けて、さらにそれを多くの医師や鍼灸師が、それぞれの立場から意見出しをする、非常に貴重な機会です。
今回は私用により、リアルタイム参加はかなわず、オンデマンドでの参加となりました。
今回はいつもお世話になっている、高嶺の森の診療所の関隆志先生の「芍薬甘草湯エキス製剤などが無効の足の痙攣の75歳女性」という、東洋医学の現場ではよく見かける症状の症例で、第一線の医師の先生方の対応や御見解が、非常に勉強になるカンファレンスでした。
今や患者さんでも、「足がつったら芍薬甘草湯」とか、「足がつったらツムラの68番」とか言っちゃって、かなり有名な漢方薬の一つなんですが、実は臨床はそう簡単なもんじゃないです。
足のつりというのは、東洋医学的に診ても血虚はもちろんのこと、寒邪や湿邪や陰虚や血瘀などなど、色々な原因から起こるものであり、そこはきちんとした診断に基づいて処置しないと、結局はなかなか治らなかったり、
ただ単につった時の症状緩和をするだけで、漫然と飲んでいるうちに甘草の副作用である「偽アルドステロン症」が問題になったり、ということもあります。
ですので、いつも患者さんには、本格的に治療目的で漢方を飲むなら、自己判断や、東洋医学に詳しくない先生の処方は止めて、きちんと1から10まで東洋医学的な診たての出来る、漢方専門の先生にかかって下さいね、とお伝えしています。
(もちろん、ただ単に”漢方専門医”の資格を持っている医師、という意味ではなく、です。)
(また、場合によってはこちらから紹介します。)
今回の症例はそういう示唆を含んだ、良い検討会でした。
次回は9.28(月)20時〜 (60分程度)となります。
お申込みはこちらから!!
〇
・・・という感じで、7月もなんやかんやとやっていました。
7月は診療日が多かったし、色々な先生方と飲む機会も多かったので、素晴らしかったです☆
やっぱ臨床やりたいだけやって、酒飲んで、寝たいだけ寝る、これが究極かな。。。
まあ世の中を見れば、戦争は長期化しそうだし、地震など、ネガティブなニュースや不安なニュースも多く、この先、世界は、日本はどうなっていくのか、一庶民には分かりませんが、まあどうあれ、僕は毎日、新宿の路地裏で鍼灸治療を、やれるとこまでやるだけです。笑
なんかあったら、いつでも清明院に来ましょう☆
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2021.07.01

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6月最終日の昨日、(一社)北辰会会員限定企画である古典ライブ講義に参加してきました!!
第二回のテーマは
「古典に学ぶ病因病機 ~万病回春病因指南を題材として~」
です!
今回の講義の題材である『万病回春病因指南』というのは、江戸時代の著名な医家であり、北辰会(というよりも近現代日本の東洋医学業界全体)が尊崇してきた岡本一抱(1655-1716)が著した、
中国明代、龔廷賢(きょうていけん 1522-1619)の『万病回春』の解説書です。
(参考論文『『万病回春病因指南』の成立過程と構成』渡部栄輝)
(万病回春については名古屋大学医学部史料室内サイト参照)
奥村学術部長の圧倒的知識量と、新風代表のサクッとしたまとめ、というコンビネーションで語られるこの講義ですが、今回は後半の奥村先生の考証学的な解説が恐ろしかったです。( ;∀;)
奥村先生のことは20年前から存じ上げていますが、先生はそのもっともっと前、1980年代から中医学研究、古典研究を日々続けてこられ、今回の講義や最近の発言をうかがっていると、
それらの積み重ねがいよいよ縦横斜めに繋がってきており、集大成されてきている雰囲気を感じました。
今回、寒邪に侵襲される「中寒」を中心に解説して下さいましたが、印象的だったのは、外邪に侵襲されて脈が堅いものは順、外邪に侵襲されているのに脈が緩んでいるものは逆、
それ以外にも、病態と脈が反するものは危ない、というお話。
また、順逆にも幅があり、逆だからイコール死病、ということではなく、難治なものと死病の弁別も重要ですね。
臨床をやってて思うことの一つとして、この、病態と脈が一致しないものというのは、しばしばドキッとするんです・・・。
改めて、よくよく肝に銘じるべきだと思いました。
〇
2020.01.11

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ドライヤーやファンヒーターから出てくる熱風や、クーラーから出てくる冷風は、外邪たりうるか。
答えは「たりうる」。
(と思っています。)
しかしそれはあくまでも、外邪として感受すれば、の話だ。
こういった空調機器、冷暖房すべてが人体に害になる訳では無い。
むしろ益になることが多いから、これだけ普及している訳で。
今の時期、風呂上りに脱衣所が寒いところで、濡れ髪のままにしていたら、その方が外邪としての寒邪、寒湿邪を受ける。
ドライヤーでしっかりと乾かすこと、湯冷めしないように気を付けることで、外邪としての侵襲をかなり回避できる。
この場合は、ドライヤーの熱風は「生理的陽気」を扶助する役割を果たす。
また、ドライヤーを当てたら悪化した、イコール風熱邪を感受した、と即断するのも違う。
体表面(経絡経筋、皮毛レベル)の急激な温度変化から、気(主に衛気)の停滞を起こした、というケースもある。
もともと上熱下寒傾向のある人であれば、ドライヤーを使うと逆上せると仰る人もいる。
何でも
「どういう体質素因の人に」
「どういう刺激(条件)が加わり」
「結果的に何が起こったのか」
をしっかりと聴取し、考えうる可能性を絞り込み、なおかつ現時点での体表情報と合わせて、動かぬ証拠をつかまえた上で、臨機応変に考えるのが、弁証論治の世界。
杓子定規的にやったら、必ず間違う。
2019.07.07

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これまでのお話し
「芎帰調血飲」というお薬 参照
◆では鍼灸ではどうか。
さて、芎帰調血飲的に、肝気を動かして、結果的に血を動かす、みたいなやり方は、北辰会では非常に得意です。
なんといっても、『黄帝内経霊枢』九鍼十二原(1)の冒頭部分、
「・・・余欲勿使被毒藥.無用砭石.欲以微鍼.通其經脉.調其血氣.營其逆順出入之會.令可傳於後世.必明爲之法.令終而不滅.久而不絶.易用難忘.・・・」
と、江戸期の医家、後藤艮山(1659-1733)の「一気留滞説」を大いに参考にしながら、あらゆる病における「気滞病理学説」を唱え、
”鍼でいかに気の停滞をとるか”
に腐心してきた北辰会。
肝の臓を調整する鍼灸の配穴や手法のバリエーションやその詳細については、日本(世界でも、かな?)で一番提示している流派、と言ってもいいんじゃないでしょうか。
しかし、温経湯に入っている「呉茱萸」という生薬の「暖肝」という方法は、あまりやりません。
(・・・というか、それを意識して治療し、よく効いたという症例の話を寡聞にして聴いたことがありません。。)
「寒滞肝脈」という、寒邪が足厥陰肝経の経脈を阻滞、凝滞させている時に使うわけなので、処方としては大衝や中封にお灸でもするんでしょうか。
(選択肢として、ないなあー)
ですので、実際にやっている、やったことがある、温経湯に一番近い鍼、となれば、打鍼による火曳きの鍼+上腹部への散ずる鍼なんかが相当するかね。
あるいは、ちょっと変則的だけど、照海にお灸をしてから百会を瀉すとかも、これに相当するものかもしれない。
北辰会の場合、四診の結果、虚実錯雑、寒熱錯雑でも、そこから標本主従をさらに細かく分析して、どっちに偏ってるかまで考えて詰めて、
よりウエイトの大きい方を攻めるのが定石なので、温経湯とビッタンコ、て感じの鍼灸治療はあまりやらないのかもしれませんね。
「暖肝」、「温肝」、ここはもう少し、実践を通じて研究した方がいいかもしれません。
漢方の方では、補肝に黄耆、温肝に鹿茸などを使うという考え方もあるようですね。
生理痛で、鎮痛薬が手放せない人で、疏肝理気する治療でなかなかうまくいかない場合に、温経湯的な考え方が突破口になるかもしれません。
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2019.07.06

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ここまでのお話し
「芎帰調血飲」というお薬 参照
◆では、使い分けはどうする??
あくまでも、私は湯液に関しては専門家ではないので、実際に使ってみての印象は語れませんが、何人かの専門家にも質問させていただいたので、ここに簡単にまとめてみます。
『中医臨床のための方剤学』では、温経湯と芎帰調血飲は、「理血剤」のグループです。
「理血」とは、”血の病変を治す薬”という意味であり、「活血袪瘀剤」と「止血剤」に分けられます。
「活血袪瘀剤」の代表選手は、有名な桃核承気湯、血府逐瘀湯、桂枝茯苓丸あたりでしょう。
「止血剤」にはマニアックな処方が多いのですが、『金匱要略』にも出てくる芎帰膠艾湯は有名ですね。
(ここにも”芎帰”が!(゜o゜))
このうちの、「活血祛瘀剤」の中に出てくるのが、温経湯と芎帰調血飲であります。
温経湯は下焦(足厥陰肝経、場合によっては肝の臓まで)を温め、血流を改善し、瘀血を去って新血を作ります。
芎帰調血飲は、気血の巡りをよくすることに主眼が置かれていますが、出典である『万病回春』にあるように、患者さんの状態に合わせて、約30パターンにもわたって、臨機応変に加減して使う薬です。
(そういう汎用性のある処方だからこそ、龔廷賢は”産後一切の諸病”とまで言いきっているのでしょう。)
温経湯では冷え(下焦の寒邪の邪実による気血の停滞)が中心になりますから、例えば月経痛なんかの下腹部痛はさすったくらいでは引かない、きついものです。
しかも口唇が乾燥したり、手が火照ったりと、上焦には熱も持ちます。
このような上熱下寒のバランスを調えつつ、血の流れをよくして瘀血を去り、新血を作るのが温経湯。
それに対して、肝気を巡らせて、結果的に血を巡らせるのが芎帰調血飲。
・・・さてこれ、鍼灸ではどうやるか。
長くなったので続く。。。
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2019.07.04

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「温経湯(うんけいとう)」という漢方薬がある。
アトピーなんかで、意外と、処方されている人が多かったりする。
・・・さてこれ、どんな薬か。
出典はあの『金匱要略』の、婦人雑病脈証并治です。
『金匱要略』では、閉経後に下痢が続いて止まらず、下腹部が引きつって腹が張り、夜間に発熱し、手掌が火照り、口唇が乾燥するものに使う、とあります。
『中医臨床のための方剤学』によれば、効能は「温経散寒・養血袪瘀」とあります。
要は経絡経筋を温めて寒邪を散らし、血を養い、瘀血をどかす、と。
(この、血に対するアプローチとしての補血、養血、理血、活血などの違いについても、そのうち触れないといけませんね。)
主治は「衝任虚寒・瘀血阻滞」とあります。
奇経八脈の衝脈と任脈が冷えてしまって、瘀血を生じたものに良し、と。
これは衝任脈の虚寒+血虚+瘀血の邪実、ということで、虚実挟雑証の処方であります。
配合生薬はたくさんあるのですが、主薬は暖肝、散寒の呉茱萸(ごしゅゆ)と、温通の桂枝(けいし)であります。
(主に下腹部を)温め、血の巡りをよくすることがこの方剤の眼目であり、現代では月経不順、月経痛、不正性器出血、不妊症などによく応用されるようです。
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2019.04.08

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最近のお話し
参照
ここまで書いてくると、「葛根湯」を語っておかないとなんか気分が悪い。。。
・・・ということで、以前
という記事で触れた、葛根湯について書いておきます。
まあこれも、もはや誰でも知ってる、漢方界のスーパースターですね。
しかしあまりにも、考えなしに服用されているケースが多すぎる。。。(苦笑)
患者さんでも、
「カゼっぽかったんで自己判断で葛根湯飲みました。」
と仰る方は、非常に多い。
この葛根湯も、出典はあの『傷寒論』であり、前回語った小青竜湯と同じく、「麻黄湯」の加減方とみることも出来ますし、超有名な「桂枝湯」のバリエーションと考えることも出来ます。
(東洋学術出版社『中国傷寒論解説 続篇 基礎と方剤』では、麻黄湯類に分類されています。)
桂枝湯の状態に加えて、「うなじのこわばり」があるものに対して、桂枝加葛根湯という薬を用い、それに麻黄を加えたものが「葛根湯」であります。
桂枝加葛根湯と葛根湯の違いは「汗の有無」です。
やはり麻黄剤というのは「皮膚表面を温めて、汗をかかせて治す」のがポイントです。
『傷寒論』の中には
太陽病.項背強几几.無汗惡風.葛根湯主之.
太陽與陽明合病者.必自下利.葛根湯主之.
太陽與陽明合病.必自下利.不嘔者.屬葛根湯證.
とあり、これを見ると、風寒邪が少し深く入って、下痢するものにも使える、となっています。
また『金匱要略』の中には、
太陽病.無汗而小便反少.氣上衝胸.口噤不得語.欲作剛痓.葛根湯主之.
と出てきます。
これは皮膚表面に冷えがあって汗が出ず、なのに小便も出ず、という状況になると、気が突き上げて喋りにくくなったり頚がこわばったりするものに葛根湯が使えるという話です。
葛根湯を使う、という時、
「汗が出ているか」
「皮膚表面に冷えがあるかどうか」
「大小便はどうか」
最低でもここに注目する必要があります。
カゼには無数の種類があり、どういうカゼなのかを考えて治療しないと、必ずこじれます。
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2019.04.06

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ここんとこ、
というお話を書きましたので、ついでなんで、最近花粉症でよく使われている「小青龍湯」についても触れておきましょう。
まあ湯液の話を、私のような実践で使っていない、ズブの素人がするのも実に僭越なんですが、あまりにもこれを処方されていて、しかも効果を感じていないと仰る患者さんを診ることが多いので、
僕自身の備忘録的な意味と、彷徨う患者さんのために、この薬に関する基礎的な内容を書いておこうと思います。
この薬の出典は後漢の時代、あの張仲景が書いた『傷寒論』であります。
小青龍湯は、有名な麻黄湯という漢方薬の加減方と言われます。
(麻黄湯も傷寒論に出てくる薬です。)
麻黄湯も最近、
「インフルエンザに効く!」
とか、
「キムタクが常備してる!」
とかいわれて、非常に有名です。
これについても、後で簡単にまとめておきましょう。
この麻黄湯は、よくカゼのひき始めに使われます。
小青龍湯は、もともとはカゼのひき始めの状態が改善せずに、なおかつ「水邪」が存在する時に使う薬、と、『傷寒論』に定義されています。
『傷寒論』内の条文では
傷寒表不解.心下有水氣.乾嘔發熱而欬.或渇.或利.或噎.或小便不利.少腹滿.或喘者.小青龍湯主之.
傷寒心下有水氣.欬而微喘.發熱不渇.服湯已.渇者.此寒去欲解也.小青龍湯主之.
傷寒表不解.心下有水氣.乾嘔發熱而欬.或渇.或利.或噎.或小便不利.少腹滿.或喘者.宜小青龍湯.
とあり、また『金匱要略』には
病溢飮者.當發其汗.大青龍湯主之.小青龍湯亦主之.
欬逆倚息不得臥.小青龍湯主之.
婦人吐涎沫.醫反下之.心下即痞.當先治其吐涎沫.小青龍湯主之.
とも書いてあります。
漢方薬の専門家でもない僕が、あまり難しい解説をしてもしょうがないし、そもそも出来ないので、要はこれらを簡単に言うと、表面に寒邪があって、
なおかつ心下(みぞおち)に水邪がつっかえてる場合に使う方剤であって、これとは違ったメカニズムで症状の出ている花粉症には効かない、
あるいは害になりかねない、ということになりますね。
また、たまたま合っていたとしても、この薬を服用して、表邪の存在、心下の水気の存在が除去、改善された後になっても、この薬を継続して服用していたら、
今度はまた違った病変に結び付く可能性もあります。
漢方薬はサプリメントなどではなく薬なのであり、素人考えでドラッグストアで買ってきてメチャクチャな使い方をしたりするのは、厳に気を付けたいですね。
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2019.03.05

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ここまでのお話し
小建中湯について 参照
前回、小建中湯の話がエラク中途半端に終わったので、続きを書きます。(^^;)
小建中湯は、実は以前このブログにもチョコッとだけ登場しています。
小建中湯は、桂枝湯のアレンジ版であることは前回お話ししました。
しかし、ここら辺を細かく話していくと、『傷寒論』の太陽病の講義みたいになってしまうので、ここではしません。(^^;)
(興味ある人は、無数に出ている『傷寒論〇〇』という本を5冊くらい買って勉強しましょう。)
小建中湯は、今日では東洋学術出版の『中医臨床のための方剤学』で「脾虚肝乗」という言い方をするように、脾の臓が弱ってしまって、肝の臓とのバランスが崩れたものによく使われます。
もちろん、この薬のもともとの出典は『傷寒論』ですから、寒邪に傷られた傷寒病の、ある段階においても使いますし、これをやって治らなかった場合に小柴胡湯を使う、という流れもあります。
「小柴胡湯」を含む記事 参照
また、『傷寒論』の中の小建中湯適応の脈診所見に「陽脈濇、陰脈弦」という、解釈次第では色々拡大出来るような脈状の表現も出てきます。(*‘∀‘)
あるいは『金匱要略』の中にも、この薬は”虚労病”、”黄疸病”、”婦人病”のところに出てきます。
さらに『金匱要略』では、目的に応じて、小建中湯に黄耆(おうぎ)を加えて「黄蓍建中湯」という薬を提示していたり、少し時代が下って中国唐代、
孫思邈(そんしばく 581?-682)の『千金翼方』では小建中湯に当帰(とうき)を加えた「当帰建中湯」があったり、日本の江戸期、あの華岡青洲(1760-1835)の
『瘍科方筌(ようかほうせん)』では、この「黄蓍建中湯」と「当帰建中湯」を組み合わせて、さらに膠飴を使わずに「帰耆建中湯(きぎけんちゅうとう)」という方剤を創方し、
癌が潰れて膿が止まらず、日々憔悴していくほどの重篤な病人に使用していたようです。
華岡青洲という人物 参照
・・・まあしかしこの、
「肝と脾のバランスが崩れている」
ことが、カゼから花粉症からアトピー、リウマチ、癌まで、あらゆる現代病の根本原因になっていることは、臨床上、実に多いと思います。
ここんとこをシンプルに調整してくれる薬だからこそ、約2000年の風雪に耐えて来れたんでしょうね。
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2019.03.02

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ここんとこ、
という記事を書きました。
ついでなんで、中焦(脾胃)モノを、もうちょっと書いときましょう。
単純に脾胃の病と言っても、寒熱虚実、他臓腑との関わり、色々あるんです。
それをきちんと分析して、きちんとした処置をしていかなかったら、治るもんも治りません。
今日は「安中散」です。
こないだ、これを処方されている胃痛、パニック障害の患者さんが見えました。
マズマズ効いていたようです。
これも出典は中国宋代、『和剤局方』であります。
『中医臨床のための方剤学』によると、
組成は肉桂(桂枝)4g、延胡索3g、牡蛎3g、小茴香1g、甘草1g、縮砂(砂仁)2g、高良姜1g、
効能は温中降気、止痛、
主治は裏寒の疼痛、
と、あります。
これは「温裏剤」のグループであり、『金匱要略』に出てくる、有名な「大建中湯」の附方(方意が類似している薬)として紹介されています。
要するに中焦を温めて寒邪を散らし、冷え痛みをとるのが方意な訳ですが、方意が似ているのに、組成はまったく違います。(苦笑)
ここが漢方の面白いところなんでしょうね。
・・・まあ、鍼灸もそうですね。
同じ効果を狙って、全然違う経穴に、全然違う鍼灸をすることは、日常的にあります。
「大建中湯」の場合は、脾胃+主に肺腎を意識しながら、急いで冷えと上逆を取りにいく方剤であるのに対して、「安中散」は脾胃+主に肝を意識して、
長期的な冷えに対して、”理気”というアプローチをかけていますね。
鍼灸でも、大建中湯的な効果を狙うのと、安中散的な効果を狙うのとでは、配穴から手技から違います。
・・・ところで「大建中湯」は、消化器外科でエラク使われるようです。
これにも触れときましょうか。
(キリがねえなー(;’∀’))
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2012.07.08
2016.05.09
2016.04.12
2016.04.28
2015.06.04
2012.12.23
2014.02.17
2014.04.26
2026.09.30
2026年 10月の診療日時2026.09.26
2026年8月の活動記録2026.09.01
2026年 9月の診療日時2026.08.07
2026年7月の活動記録2026.08.01
2026年 8月の診療日時2026.07.16
これまでに竹下が世に出した症例2026.07.08
2026年6月の活動記録2026.07.04
2026年5月の活動記録2026.07.01
2026年 7月の診療日時2026.06.03
2026年 6月の診療日時2026.05.07
2026年4月の活動記録2026.05.02
2026年3月の活動記録2026.05.01
2026年 5月の診療日時2026.03.28
4.12(日)、講演やります!!2026.03.27
2026年 4月の診療日時2026.03.24
2026年2月の活動記録2026.02.27
2026年 3月の診療日時2026.02.18
2026年1月の活動記録2026.02.01
2026年 2月の診療日時2026.01.29
2025年12月の活動記録2026.01.06
2026年 1月の診療日時2026.01.01
2026「丙午」謹賀鍼年!!!2025.12.30
年内診療終了!!2025.12.12
患者さんの声(睡眠障害、その他不定愁訴)2025.12.05
2025年11月の活動記録2025.12.01
2025年 12月の診療日時2025.11.22
患者さんの声(15年以上メンテナンスで継続通院)2025.11.20
11.22(土)、25(火)、通常通り診療やります!!2025.11.19
2025年10月の活動記録2025.10.29
2025年 11月の診療日時2025.10.15
2025年9月の活動記録2025.10.10
清明院16周年!!!2025.10.01
2025年 10月の診療日時2025.09.20
2025年8月の活動記録2025.09.01
2025年 9月の診療日時2025.08.15
2025年7月の活動記録2025.08.01
2025年 8月の診療日時2025.07.04
2025年6月の活動記録2025.07.01
2025年 7月の診療日時2025.06.26
2025年5月の活動記録2025.06.01
2025年 6月の診療日時2025.05.10
2025年4月の活動記録2025.05.01
2025年 5月の診療日時2025.04.04
2025年3月の活動記録2025.04.01
2025年 4月の診療日時2025.03.13
2025年2月の活動記録2025.03.01
2025年 3月の診療日時2025.02.06
2025年1月の活動記録2025.02.01
2025年 2月の診療日時2025.01.21
順天堂東医研、第6回公開シンポジウム「総合診療と東洋医学」