東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について

2010.01.24

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これまで、「寒」「燥」「湿」「熱」「風」「火」の6つについて書いてきました。

 


この6つは、東洋医学では「六淫(ろくいん、りくいん)の邪気」と言って、人間の健康を阻害する「邪気」の中の代表選手、と位置付けられています。

 


では「邪気」はこれ以外にはないのか、というと、当然あります。

 


それらを全て書いて、そのパターン(組み合わせ)についてまで解説すると、東洋医学の教科書みたいな内容になっちゃうので、それは避けます。(笑)

 


・・・でもまあ、ここまで来たんで、簡単ではありますが、患者さんに少しでも東洋医学を理解してもらいたいので、
あまり専門的にならないように、

 

有名な「痰(たん)」と「瘀血(おけつ)」について書いてみたいと思います。

 

 


◆「痰」について

 


まずは「痰」ですが、これは簡単に言うと体内の「余分なお水が停滞したもの」です。

 


ですので、以前書いた「湿」の仲間です。

 


ただ、ネバネバしていて、なかなか動きにくい、「余分なお水」ですので、「湿」よりも凝滞性、粘滞性が強く、動きにくい頑固な邪気、と言えると思います。

 


なぜ、ネバネバと動きにくくなるかと言うと、体に余分なお水を排出する力がなくて、それが長いこと体にとどまったり、余分なお水に「熱」が加わって、

 

カレーのように少し煮詰まったような状況になると、体内の余分なお水はますますネバついてきます。

 


また、「痰」と聞くと、どうしてものどに絡むあの「痰(喀痰)」を想像しがちですが、東洋医学の言う「痰」は全身どこにでも溜まることがある、と考えます。

 

そしてこれは、症状で言うと、なかなか治りにくい「重ダルさ」や「神経痛」の原因となり、治療にも時間がかかることが多いです。

 


原因は主に暴飲暴食(特にお酒や脂っこい物、甘いもの)です。(苦笑)

 


気を付けたいですね。。。

 

 


◆「瘀血」について

 


次に「瘀血(おけつ)」ですが、これはちょっと東洋医学に興味のある人なら聞いたことはあると思います。

 


よく、ある種の生理痛や、体の痛みを起こすもとになります。

 


瘀血の「瘀」の字はもともと「とどこおる」という意味があります。

 


つまり、「瘀血」には「滞った血」という意味があります。

 


ま、いわゆる血行不良ですね。

 


それも、一時的な血行不良ではなく、慢性的で頑固な、体のある部分の凝り固まったような血行不良を指して「瘀血」と呼ぶことが多いです。

 


これは、かなり慢性的で頑固な「痛み」の原因になり易く、これもまた治療に時間がかかることが多いです。

 


原因は様々ありますが、冷えやストレス、繰り返す怪我から来るものなどが多いです。

 


実際の患者さんを診ていますと、これら「痰」や「瘀血」、その他の邪気が複雑に絡み合って症状を出しているものが多く、これらの割合やそれぞれの程度、

 

またその「邪気」が生じた成り行きをキチッと明らかにした上で治療しないと、なかなかうまくいかないのが実際です。

 


まあこのように、「五臓六腑」だとか「邪気」だとか、東洋医学の言う、色々な要素の強弱のコントラストを明らかにして治療し、こちらの予想通りの変化を患者さんが見せた時、

「あ~、この医学はホント芸術的だな~。」

となります。

 

 

これを何度も経験しちゃうと、もうやめられませんネ。(笑)

 

 


それにしても、最初に考えた人も、それを発展させた人も、ほんとスゴイ!

 

 

 

やってて、いつも感心します。

 

 

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「風」「火」について

2010.01.23

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「寒燥」、「湿熱」について書いてきたので、せっかくだから「風(ふう)」、「火(か)」についても書いておこうと思います。

 

 


「風」と「火」については、「寒燥」「湿熱」の時のように陰陽一対になっている訳ではありません。

 

 


風も火も、どちらも性質の上から「陽」に分類され、「陽邪(ようじゃ)」と呼ばれます。

 

 


◆「風」について

 


まず「風邪」ですが、これは自然界に吹く風(かぜ)を想像すれば分かりやすいと思います。

 


気圧の高いところから低いところに向かって大気が移動する、あれのことです。

 


これが冷たいところから吹くと寒く、暖かいところから吹けば暖かい気候を形成します。

 


それが極端だったり、季節はずれだったりすると、人体に悪影響を与えやすく、病因になる場合がある訳ですね。

 


ここ何日か、季節外れの南風が吹いて、妙に暖かくなりましたね。

 


皆さん体調は崩していませんでしょうか?

 


古代、この働きをみた東洋医学の医者達は、

「風は百病の長たり」

と言いました。

 

(『黄帝内経素問』玉機真蔵論(19))

 

 

これは要するに「風邪」が他の邪気(寒邪や熱邪など)と合わさって、いろんな病気を連れてくることがある、と考えた訳です。

 


・・・ということは、「風」は自然界(外界)にはあるけど、人間の体内にはないかと言うと、東洋医学では「ある」と考えています。

 


例えば、緊張すると手が震える、ピクピクと筋肉が痙攣する、などの症状を「内風(ないふう)」と考え、人間の体の中に吹く「風」に相当する現象だ、と考えました。

 


手が震えていたり、筋肉が痙攣しているのを見て、風が木々を揺らしている現象と重ね合わせたんでしょうか。

 


おもしろいですね。(^v^)

 


このように、自然現象をそのまま人体に置き換えて考える考え方は、この医学の言う「天人合一思想」に基づいている、という話は以前このブログに書いた通りです。

 


まあ、この見方考え方をして、そのつもりで治療を考えた結果、何の効果も得られなかったら、まったくの机上の空論、ゼロ意味になってしまいますが、

それで効果が得られる、という事実があることは、そこに何らかの真実がある証拠だと思います。

 

 


◆「火」について

 


次に「火」ですが、自然界の「火」は分かりやすいですよね?

 


燃えさかる炎です。

 


山火事、噴火など、太古の昔から「火」が人間に与えるインパクトのすごさは今と変わらなかったでしょうし、人間が生活する上でも、火は欠かせませんよね。

 


・・・この「火」も、東洋医学では人体の中でおこる現象のひとつ、と考えます。

 


詳しい説明は難しくなるので避けますが、これはいわゆる”人体発火現象”みたいなもののことを言っている訳では無く(笑)、人体をめぐる正常な「気」が滞り、

 

鬱滞が長引いたりした時に起こる病理現象の一つとして考えています。

 

 

急激に熱症状が上半身や皮膚に出て、痛みや痒みを引き起こす、非常に激しい邪気、と考えております。

 

 


東洋医学ではこのように、自然現象が時に起こす特徴的な現象を、人体でも同じように置き換えて考え、さらに自然の異常と人体の異常との微妙な関係性にまで注目して、

 

独特の優れた医学体系を構築してきました。

 

 


「じゃあ、近年問題になっているウイルスだとか、新手のばい菌とか、その他のあらゆる病原体については、東洋医学では想定していなかったんだから、対応できないんでしょうか?」

というと、僕はそう思っておらず、

「出来る可能性は大いにあるのではないでしょうか。」

となります。

 


確かに、東洋医学には病原体の構造や種類を細かく分析する、という考え方はありません。

 

(顕微鏡や血液成分の分析など、技術的に出来なかったわけです。)

 

 

しかし、原因はどうあれ、結果的に人体に起こった異常を正常に調える、あるいは近づける方法は、これでもかと言うぐらい考え尽くしています。

 


なので、現代の様々な病気にも、東洋医学の考え方を応用すると、あっけなく治ったりするものが多くあります。

 


病原菌を顕微鏡的に明らかにして、殺してしまうのがいいか、病原菌によって起こった体の異常を調え、結果として病原菌を体から追い出すのがいいか、というアプローチの違いがあります。

 


・・・実際は、どちらがいいかはケースバイケースですので、方法論自体に
優劣はないと思っています。

 


でも、実はこういう分野(東西の医学どちらが適応する病気か)の研究って、全然進んでいないという現実があります。

 


僕らとしては、東洋医学の言う判断基準に従って治療にあたるのみですが、ここら辺(どのタイミングなら東洋医学的手法の方が良いのか)がもっともっと明確になると、

 

患者さんのためにとてもいいことだと思っています。

(今の日本の医療体制じゃ難しいでしょうが・・・。)

 

 


東洋医学と西洋医学が、いつか「患者さんのために」手を組む日が来ることを祈っています・・・。

 

 

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「乾燥」に強い清明院

2009.12.25

いやー、最近「乾燥」がヒドいですね~。

東洋医学ではこうした異常な乾燥のことを「燥邪(そうじゃ)」と呼んで、人々の健康を害する因子の一つとして、問題視しています。

患者さんの健康状態をサポートする立場である、清明院の院内が乾燥してたら、おかしな話ですんで、今日は文明の利器を利用した、当院の乾燥対策を紹介します。

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清明院が誇る、3台の加湿器くんたちです!

一番下のは初診室用。シックでしょ?(笑)

当院は2台のガスファンヒーターで暖房をしているため、加湿器がなかったら、

「ここは砂漠か!?」

と、驚くほどカラッカラになります。(笑)

また初診室は、大事な初診患者さんに、1時間以上もお体の状態をお話しいただく重要な場所ですので、強力かつスタイリッシュなものを選びました。

ですので3台とも15畳用です。

これを「最強」にして、常にかけております。

風邪なんてひく気がしません。

むしろ、風邪をひいた患者さんが「入っただけで」楽だと感じるような治療院内の環境を心がけております。

しかしそれにしても今年の乾燥はヒドい・・・。

皆さん風邪には気をつけましょう<m(__)m>

東洋医学の言う、「燥邪」についても、今度気が向いたらお話しましょう。

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どうしてムクむの?

2009.12.13

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先日、患者さんからこのタイトルのようなご質問をいただきました。

 


僕はこの質問にはいつも、


「ムクミっていうのは体にある余分なお水です。原因は

1.水分の飲み過ぎか、

2.余分な水分を排出する機能の低下か、

3.あるいはその両方か、

です。で、あなたの場合はですね、・・・」


という感じで、説明させて頂いております。

 

 

多くの患者さんを観察していますと、圧倒的に1.「水分取り過ぎパターン」が多いように思います。

 


現代は、「飲み物」があまりにも簡単に手に入ります。

 


家の冷蔵庫の中には飲み物があるし、もしなくても水道水が飲めるし、最悪でも、家から歩いて3分以内の位置には自動販売機があるし、

 

職場や学校にも、自動販売機が置いてあるところが珍しくありません。

 


その上、テレビの健康番組なんかで、

「毎日2リットルは飲んで脳梗塞を予防しまショー!」

なんてやってるもんだから、みんなこぞって飲みます。

 

 

一生懸命飲みます。

 

 

良かれと思って。

 


・・・結果、ダブダブの、立派にムクんだ姿になっていることが多いです。(笑)

 

 


このムクミ(停滞した水分)というものは、東洋医学的にはなかなかタチが悪くて、体を冷やし、体を重ダルくし、疲れやすくします。

 

 


ついでに集中力も奪われ、眠くてしょうがないとか、仕事に行く気が起きないとか、現代人によくある様々な症状を引き起こします。

 

 

これらは、東洋医学的に考えたらすべて当たり前のことです。

 

 


腰痛にしても肩こりにしても、マッサージに行っても全然楽にならないとか、症状を慢性化させている原因の多くがこの「余分なお水」だったりすることが多く見受けられます。

 

 


確かに、

 

「人体の60%は水分で出来ている!」

 

というのはその通りでしょうし、そう言われてしまうと、いかにも飲まないとヤバいように聞こえます。

 

 


しかし、それはあくまでも「使える」水分の話で、「使いもんにならん」水分がいくらあったって邪魔なだけです。(笑)

 

東洋医学ではこういう、体の中にある邪魔な水のことを、

 


「水湿の邪(すいしつのじゃ)」

 

あるいは

 

「湿邪(しつじゃ)」「水邪(すいじゃ)」「水毒(すいどく)」

 


などと呼んで、治療する場合には、これをいかに体から追い出すかを考えます。

 


「邪魔なお水」の出口(逃げ道)はどこかと言えば、大きく分けて3つあります。

 

すなわち汗、小便、大便です。

 

(他に呼気とか、その他の分泌物なんかもあるけどね)

 

 

東洋医学では、よく、この3つの出口からうまいこと邪魔なお水を排出させるように、治療していきます。

 


なので治療していくうちに、


「おしっこの量が増えました!」


とか、


「便が前よりも柔らかくなってスッキリ出るようになってきました!」


とか、


「以前よりも全身にじわっと汗をかくようになりました!」


という言葉が患者さんから出てくると、僕としては


「しめしめ・・・(二ヤリ)」


となる訳です。(笑)

 


ちなみに、上記のやり方は、東洋医学には無数にあり、とてもここで説明しきれるような内容ではないので、省きますが、はるか昔のお医者さん達も、

 

これにはずいぶん苦労した様子が、古典の中にも多数出てきます。

 


「ムクみ」という症状を気にされてる方は、まず自分が一日にどれだけ飲んでいるか、それに見合った量が排出出来ているか、について考えてみるといいと思います。

 


お酒もお茶もみそ汁もラーメンのスープもぜーんぶ含めて、です。

 


現代は飲食物があまりにも簡単に手に入るし、仕事など、他の事で頭がいっぱいのため、どれだけ飲んでるか、食べてるかなんて、意識にすらのぼらないことが多いんです。

 


多くの人はそれ(飲食の総量)を7、8割に減らすだけで、10日もすればムクみの改善を実感できると思います。

 

(体重も減るでしょうね)

 


あと当然、飲んでる「量」以外に飲んでるモノの「質」の問題がありますが、これについてはまた今度・・・。

 

 


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患者さんの声(50代男性:慢性腰痛、坐骨神経痛、疲労性網膜剥離手術後の眼精疲労など)

2009.12.06

引き続き、新しく届いた患者さんの声をアップします。

50代 男性 

 

 
症状:腰痛、坐骨神経痛、眼精疲労(疲労性網膜剥離手術後)

 

学生時代にやっていた柔道で腰を痛めてから、坐骨神経痛持ちになりました。


スポーツで痛めたものは鍼治療が効くと聞き、過去にも受けていましたが、仕事の忙しさも相まって治療が途切れていました。

 
 
そんな時、家族がお世話になっていた竹下先生に十数年ぶりに鍼治療していただき、今日に至っています。

長時間のデスクワークや車の運転などで痛みが出ることが多く、先生から体の歪みによる不良姿勢も影響していると言われ、

姿勢や歩き方なども気を付けるようになりました。

 
 
仕事の都合もあって、
2週に1
度程度の診察しか受けられませんが、治療の都度、日常生活で出来る運動などアドバイスしていただき、

それを実行することで随分楽になったと実感します。

治療間隔が空いても継続して受けることは大きいですね。

 
 
治療後は体が少し重だるい感じで、とても眠くてひと眠りしますが、夜には再びぐっすりと熟睡できます。

翌朝の爽快感と身体の軽さは鍼治療ならではの感覚だと思います。

 

 
毎日の晩酌を週末だけにしたり、それまでの自転車通勤をやめて歩くようにしたりと、それなりに努力しているつもりですが、

筋肉量に対して骨が細めだから膝にも注意して、と言われ、自分では全く想像もしない盲点がまだまだあるのだと思いました。

 
 
43
歳の時に過労から網膜剥離になり手術を受けて以来、目の疲れには特に気をつけているつもりでしたが、治療の時に

「少し熱を持ってるから気をつけて下さい。」

と指摘されてハッとすることもよくあります。

 
これからも竹下先生の治療とアドバイスに従い、身体をこき使わないように注意して、仕事にプライベートに充実した日々を送りたいと思います。

 

<清明院からのコメント>

 


この方は仕事がら肉体労働とPC作業の両方をなさる方で、目も体も酷使するため、
10年前に疲労から網膜剥離を起こしてしまいました。

それに学生時代から持病として抱えている坐骨神経痛もあり、治療の相談を受けました。

「肝鬱気滞、湿熱(かんうつきたい、しつねつ)」と証を立て、2週間に1回、継続的に治療しています。


 
患者さん自身がおっしゃっているように、ご自分で会社を経営されている方などに多いのですが、仕事が忙しいとつい仕事に気が集中してしまい、

自分の体に蓄積している疲労には無頓着になってしまっていることがよくあります。

 
そういう方がある日突然パタッと倒れてしまったり、知らず知らずに大病が進行していて、気づいた時にはもう手遅れ、なんてことは実際にあります。


 
不況と言われる現代で、社会で生き残っていくのは大変なことだと思いますが、自分が倒れてしまったらそれこそ大変です。

鍼灸治療は完全ではないにせよ、それを未然に防ぐことに資するでしょう。

 
忙しくて自分の体と向き合うことがなかなかない方は、是非ご相談していただきたいと思います。

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患者さんの声(40代女性:偏頭痛、四十肩、首肩こり、腰痛など)

2009.12.02

今日は、新たに届いた「患者さんの声」をアップしたいと思います。

新しい「患者さんの声」については届き次第随時更新していきますので、HPの方と合わせて、是非ご覧になって下さい。

(↓↓清明院HP内「患者さんの声」)

http://seimei-in.com/voice/index.html


◆40代 女性 

症状: 偏頭痛、四十肩、首肩こり、腰痛

 

 

肺気腫で寝たきりだった母が、左膝に拘縮を起こした時に週3日往診に来ていただいたのがきっかけで、竹下先生には家族ぐるみでお世話になっています。

 

母はほんの少しの刺激で、呼吸苦の発作を引き起こす時もあり、出来るだけ負担のかからないように全身状態に気を配って治療して下さる姿勢に、

 

母も私も安心と信頼を覚えました。

 

 
母はもともと薬剤師で、漢方薬を中心に扱っていたことから、東洋医学には少なからず馴染みがありましたし、鍼灸治療には効果があることも知ってはいました。

 

・・・とは言え、健康診断の血液検査さえも逃げ出したくなるほど、針嫌いな私です。

 
 
介護者定番病の一つと言われる腱鞘炎を患った際、整形外科で処方された湿布を貼って凌いでいたところ、セーターで隠した包帯をすかさず見つけた先生は苦笑しながら、

「早く言って下さい。」

と気軽に診て下さり、この期に及んでなおも腰が引けていた私も、観念して治療を受けました。

ところが、痛みは全く感じず、蚊に刺されたような刺激があるだけで、まさに拍子抜けです。

 


決して西洋医学を否定せず、専門医やかかりつけ医の意見を尊重しながら、鍼灸治療を行う姿勢もまた、先生への信頼を深めてくれました。

3回の母の治療後に必ず診ていただき、整形外科では長引くと言われていた痛みが1週間ほどで和らぎ始め、気づけば楽になっていたのを今も忘れられません。

 

 
以降、ぎっくり腰の再発、四十肩、ストレスによる不眠や倦怠感、肩こり、頭痛、アレルギー性鼻炎など

あらゆる症状に早め早めに対応していただき、お灸もそれまで抱いていたイメージとは全く異なるものであると、身をもって体験しました。

 
 
介護する側もされる側も青息吐息になりがちの在宅介護生活を、無事に乗り切れたのは鍼灸治療があったからこそと、心から感謝しています。

 


特にこれといった症状のない現在、けれど五十路を間近に控えた身体は若いころとは違った症状を訴え始め、そんな身体のメンテナンスとして
2週に1度のペースで治療を受けています。

問診後のお腹の触診で、

「○○な事がありませんか?」

と、ずばり言い当てられ、体は隠し事が出来ませんね、と苦笑することも度々ですが、これからも鍼灸治療は続けるということは、隠さずに申し上げます。

 

 

<清明院からのコメント>

 

 


この方のお母様は、重度の肺気腫を患っておられ、安らかに亡くなられる、ほんの数日前まで往診にて治療させていただいておりました。

その頃から、主介護者であった娘さんを治療させていただくようになり、現在に至ります。


 
寝たきりの人ひとりを、在宅で介護する、ということは、並大抵のことではありません。

主介護者(この場合娘さん)やその周りにいるご家族にかかる精神的、肉体的負担は想像を絶するものがあります。


 
特にこの患者さんのお母様の場合は、一度呼吸苦の発作が起こってしまうと、見る見るうちにパニック状態になってしまい、

御家族は夜中も目を離すことが出来ず、相当大変だったろうと思います。

 
こうした場合に、当院では被介護者はもちろん、介護者であるご家族にも鍼灸治療を受けることをお勧めしています。

 
この方の場合は「心肝気鬱(しんかんきうつ)」と証を立て、鍼灸治療を続け、肉体的な負担が減ると、精神的にも前向きになり、

つい暗く弱気で落ち込み気味になってしまいがちな介護生活を、なんとか乗り切ることが出来ました。

本当に最後まで、在宅介護でよく頑張ったと思います。

 
 
また、本患者さんのように、お母様が亡くなられた後も、当院を信頼して治療の相談をしてきて下さることは、我々にとっても大変嬉しいことであります。

 
娘さんから頂いたこの文章を読んでいてふと思い出しましたが、お母様が亡くなられた後、娘さんご夫婦が、主治医の先生、ヘルパーさんと私を、

 

 

「お別れ会」といってお食事会にご招待いただき、決してしんみりせずに、楽しいひと時を過ごさせていただいたことがありました。

 


 
当時まだまだ経験が浅く、知識も少なく、呼吸苦発作が起こらないようにと祈るように、慎重に、緊張しながら治療する私を、もともと薬剤師であり、

 

医療人としては大先輩であるのに、

「先生、先生」

と呼んで下さり、丁寧な態度で、最大限立ててくれたお母様の、優しいお人柄がよく表れているように感じた食事会だったことを、懐かしく思い出します。 

 

 
今後も、このご一家の健康な日々を見守っていきたいと考えております。

 

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