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「弁証論治」って何ですか?

2010.02.28

今日は、中医学の基本としてよく語られる「弁証論治」とは何か、について書きたいと思います。




僕もコレ、二十歳の頃、最初に本で読んだ時は、何やら難しそうな熟語だな~・・ワケ分かんなそうだな~・・と思いました。

 



そいで、辞書で「弁証」と調べてみたら・・・


「弁証法とは、哲学用語であり、世界の事物の変化や発展の過程を本質的に理解するための方法、法則であり・・・」


な~んて出てきて、ますます難しそ~・・!タスケテ~!もう無理~!!ってなっちゃいました。(苦笑)

 



・・・でも、あとからよくよく冷静に考えたら、実は「弁証論治」という言葉を理解すること自体は、意外と簡単なことでした。

 



まず、上に挙げたような、いわゆる哲学用語の「弁証」という言葉と、中医学の言う「弁証」という言葉は、意味が違います。

 



全く無関係でもない、という話もあるんだけど、まずは別物、と考えた方が圧倒的に理解しやすいと思います。

 



東洋医学では、「治療する、その時点における病理状態(病態)そのものや、病態の本質」のことを「証(しょう)」と言います。

 



まずこの「証」を判断してから、それに基づき、論理的に」治療を進めることを「弁証論治」と言います。

 



まさに、

「証を弁(べん)じて治を論ずる」

訳ですネ。

 


東洋医学、中医学の言う「弁証論治」というのは、そういう意味であります。

 



ちょっと難しく(というか詳しく)言えば、

「様々な東洋医学独特の診察法(四診法)のような、具体的な分析方法に基づき、様々な東洋医学独特の手法(鍼灸、漢方薬など)によって、

性質の異なる病変を、論理的に解決する方法、過程」

のことです。

 



 



大事なことなので、ここでさらに説明を加えます。

 



患者さんは、鍼灸院に訪れた時に、その時その場で突然、「今まさに」症状を発症した訳ではありません。

 



鍼灸院にかかるまでの間には、まず、これこれこういう体質を持って生まれ、これこれこういう条件がそこに加わったことがきっかけとなって、
今回の症状を発症してから、

 

次にこうなって、次にこうなって、そして最後にこうなったから、今の状態に至った、だから診てもらいたいのだ~!という、言わば「病の歴史」というものがあります。

 

 

 

これを「病歴(既往歴・現病歴)」と言います。

 

 


この「病の歴史(病歴)」を、発症以前のそもそもの体質も含めて、まずは細かくお伺いし、それがなぜそうなったのか、「東洋医学的に」分析し、

 

その結果として、今、この瞬間が、「東洋医学的に」どのような状態なのか、それを表わすのが「証」です。

 



例えるなら、治療するその時点での「病気の断面図」のことが「証」です。

 


「証」を明らかにすることを「弁証(べんしょう)」と言います。

 


そして、「論治」ということは、それを「論理的に治療する」訳ですから、先ほど言った「病の歴史」がキッチリと東洋医学の理論でもって、ピシッと分析出来てなければなりません。

 



なのでよく、中医学の成書では

「弁証は論治の根拠であり、論治は弁証の目的である」

なんて言われます。

 



まあ、それがより正確に、的確に、シャープに出来るようになるために、わざわざ日曜日の度に勉強会に行ったり、飽きもせずに何冊も本を読んだりしてるんです。

 


僕らは毎日毎日、こういうことをやっている訳です。

 


決して超能力者なんかじゃないし、鍼が効くということは、何にも不思議現象、超常現象ではないんです。(笑)

 


もちろん、この医学の大前提としての「気」「陰陽」という、東洋の偉大な自然哲学を「あるものと考えて」こそ、の話ですけどネ。(苦笑)



 

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この記事に関するコメント

“「弁証論治」って何ですか?” への2件のフィードバック

  1. しむしむ より:

    素晴らしいイントロ
    勉強になります。
    確かに「症」への過程を「証」するのが弁証みたいなもんですね。
    「病の歴史」と「基本病理」が結び付くためには東洋医学の基礎知識が必要なのかぁ…。
    なるほど。
    深い…。
    ちなみに私自身は中学の時だったか「哲学」ってすんげ~嫌いでした。
    哲学者の名前とその考え方に同意できなかったらしく…(笑)
    ですが、東洋医学のような身体を対象にした唯物論的弁証法というのなら非常に理解できるのです。
    文学と経済学ぐらい違うのかも知れませんなぁ。

  2. いんちょう より:

    しむしむさん
    いつもコメントありがとうございます
    「哲学」や「唯物論」についても今後書くかもしれません(笑)
    お楽しみに!

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