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毎日患者さんを診ていると、思わず天を仰ぐような事態に遭遇することがある。


とある患者さん。


西洋医学から、手術を勧められる。


年齢、体力、随伴症状から考えて、どう考えてもリスキーな手術。


その手術をやったら、随伴症状が劇的に悪化するのは、誰の目にも明らか。


しかし、患者さんは、

「不安はあるけど、もうやることに決めた。」

という。


患者さんに、ハナからこう言われてしまうと、なかなか介入は難しい。


むしろ、ここで変に止めに入れば、いたずらに不安を煽ることになるし、向こうのドクターとも構えることになる。


極力平静を装って、

「そうですか。成功するといいですね。終わったらまた診せに来てください。」

と言うしかない。


・・・正直、忸怩たる思いがある。


でも仕方ない。


こういう時、ハッキリと

”ダメだ。俺が治す。”

と言い切れるウデが欲しい。


死ぬほど欲しい。


・・・で、帰ってきたら、案の定、随伴症状のひどい悪化ぶり。


ここまで悪化するとは、患者さんも聞いていなかった。


それを、執刀した医師に訴えたところ、

「ではまた、そこを手術しますか？」

と言われた、とのこと。


・・・モンスターだ。


”モンスター〇〇”という言葉を、最近よく聞くが、一定の権力を持つと、人は時にモンスター化するんだろうか。



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