東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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口角流涎(こうかくりゅうえん)とは③

2026.02.17

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きで「脾胃実熱と脾虚寒の口角流涎」について、お話をしていきたいと思います。
 
 
 
どちらも脾の病気ですが、病因病理は異なります。
 
 
 
まずは脾胃実熱の口角流涎についてです。
 
 
 
もともと脾胃に鬱熱があったり、脂っこいものを偏食したことで脾胃の伏火が上蒸したり、心胃火盛となったりして、廉泉に上迫する為、津液が漏れて口角流涎を生じます。
 
 
 
『素問・口問篇』に、「胃中に熱あり……ゆえに涎下す」と記載がある通りです。
 
 
 
この場合、口内炎、舌質紅、舌辺芒刺、口内にびらんがある、イライラ、不眠、便秘、尿が濃いといった実熱の症候がみられることが特徴です。
 
 
 
その他にも、舌質紅、舌苔黄あるいは黄膩、脈滑数を呈します。
 
 
 
治法は、清解脾胃実熱を用います。
 
 
 
次に脾虚寒の口角流涎についてです。
 
 
 
脾胃気虚の体質の方が、冷たい飲みものや生ものを摂取したり、寄生虫によってさらに脾胃を傷めたことで、脾が津液の輸布を行うことが出来なくなり、肺が大気の精気を取り込み、腎が下方に引き下げて納め入れる摂納不足も手伝って発生します。
 
 
 
この場合、小児によくみられ、終日サラサラとした涎を垂らして衣服を濡らし、顔面白色、元気がない、腹部膨満感、泥状便〜水様便といった脾虚の症候がみられることが特徴です。
 
 
 
その他にも、舌質淡、舌苔薄、脈弱を呈します。
 
 
 
治法は益気健脾、温中摂涎を用います。
 
 
 
重要なポイントは、脾虚寒の口角流涎を痰と間違えて弁証してしまわないように注意することです。
 
 
 
攻逐痰涎の処置を少しでも加えてしまうと、虚している状態をさらに虚させてしまうことになってしまいます。
 
 
 
このことについては、『幼科釋謎』に記載があり、「小児の多涎、また脾気不足により、津液の内布することあたわずして成る。もしその本を、中気の補益にて治せずして、いたずらにその痰涎を去らんとすれば、痰液は病液なれど、また元気の附く所、これを去らんとして己まず、遂に虚脱をなすなり」と戒められています。
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 

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