神昏(しんこん)とは⑧

2025.09.30

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こんばんは！樫部です。

本日は前回の続きで「亡陰陽気脱と内閉外脱の神昏」について、お話していきたいと思います。

それぞれ虚証と虚実挟雑証の違いがあります。

まずは亡陰陽気脱の神昏についてです。

出血過多により、気が脱出したり、頻繁な下痢で脾気が衰弱して生じます。

この場合、手足が温かい、汗が熱く多汗で、汗が塩辛い、口渇して喜冷飲、呼吸は粗い、舌質紅で乾燥、脈は数で無力という亡陰の症候がみられます。

これに続いて、顔面蒼白、強い発汗、汗は冷たく粘稠性、四肢の冷え、呼吸は微弱で浅い、大小便の失禁、舌質淡、舌苔白、脈が微といった亡陽の症候がみられます。

逆に亡陽から亡陰へ移行することは少ないとされています。

治法は回陽固脱、益気斂陰を用います。

次に内閉外脱の神昏についてです。

邪気が清竅を蒙蔽すると同時に、正気を消耗して発症します。

この場合、脱と閉の症状が同時にみられることが特徴です。

また、発熱、身体の強い熱感、呼吸が荒い、いびき、咳痰、大便が黒いなどの熱邪、湿痰、瘀血の症候がみられると同時に、眼を閉じて口を開ける、手をだらんと広げる、遺尿、発汗、顔面白色、四肢が冷たいといった亡陰亡陽の症候がみられることが特徴です。

舌質は紅あるいは淡紅、脈は沈伏あるいは虚数で無力を呈します。

治法は、脱閉兼施を用います。

閉証が主の場合の治法は、開閉通関を用いますが、まず開閉し、扶正します。

脱証が主の場合の治法は、回陽固脱を用いますが、急いで固脱をした後、祛邪する必要があります。

【参考文献】

『鍼灸臨床能力北辰会方式理論篇』

藤本蓮風監修、(一社）北辰会学術編著、緑書房

『鍼灸臨床能力北辰会方式実践篇』

藤本蓮風監修、(一社）北辰会学術編著、緑書房

『症状による中医診断と治療上』

神戸中医学研究会、燎原書店

『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

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