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こんばんは。齋藤です。
前回の続きです。
前回の話はコチラ。
前回に引き続き、霊枢「五味論篇」に記載されております、甘味に関して書いていこうと思います。
以下、原文です。
「黄帝曰、甘走肉、多食之、令人悗心、何也。少兪曰、甘入于胃、其気弱小、不能上至于上焦、而与穀留于胃中者、令人柔潤者也。胃柔則緩、緩則虫動、虫動則令人悗心。其気外通於肉。故甘走肉。」
以下、訳文です。
「黄帝曰く、甘味は肌肉にいき、食べ過ぎると人の心中を煩悶させるが、これはどうしてだろうか。
少兪が言う。甘味の気は柔和ですので、上って上焦へ到達することが出来ず、飲食物とともに胃中にとどまります。
胃の気も柔潤なので、胃が柔弱ですと、胃の機能が減弱し、胃の機能が減弱すると腸中の寄生虫が機に乗じて活動し、虫が活動しだすと悶えさせ心を乱します。
甘味は脾に入り、脾は肌肉を主るので、甘味は身体外部の肌肉へゆくのです。」
甘味は、滋養強壮作用があるので、身体気血の虚に有効とされています。
甘味は五味の中で一番弱く、上焦に上ることができず、胃腸に留まります。
甘味には緩める作用もあるので、胃腸が緩むことにより、蛔虫が力を得て動き出します。
蛔虫とは寄生虫で、その蛔虫が動き出すことにより、心臓部に煩悶感を起こすと考えられています。
長い事色々と書いてきましたが、今回で五味論篇は終了になります。
続く。
参考文献
『現代語訳 黄帝内経霊枢 下巻』 南京中医学院編 石田秀実監訳 (東洋学術出版)
『意釈黄帝内經霊枢』 小曽戸丈夫+浜田善利共著 (築地出版)
『霊枢ハンドブック』 池田政一著 (医道の日本社)
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こんばんは!樫部です。
本日は、続きのお話として、肩こりの弁証分類についてお話ししていきたいと思います。
前回のお話はこちら!
まずは、病因が外感の場合です。
主に風寒により、肩こりが引き起こされることがありますが、
太陽病の特徴である、頭項強痛と悪寒といった症状を随伴していないかの確認と、発症した際の環境や状況の確認が重要となります。
そして、病因が内傷の場合、分類としては9つあります。
患部の冷え、重い感じ、雨で寒いと悪化しやすい肩こりといいますと、
1.寒湿です。
ひどいと疼痛も伴うこともあります。
そして、患部が脹る感覚があり、患部表面には他覚的な冷えがみられることがあるものは、
2.気滞による肩こりです。
軽度であれば、マッサージやシャワー刺激で寛解する為、これらの情報を確認することで、気滞のレベルを確認することができます。
また、比較的新しい気滞であれば、督脈上に圧痛が多く出ます。
この気滞が長期化して起こるのが、
3.肝鬱気滞による肩こりです。
イライラや焦ることで増悪しますが、緊張している間は自覚しづらく、緊張から解放されると自覚しやすい傾向にあります。
上に突き上げるような症状が随伴していると、
4.肝気逆、肝火上炎による肩こりが疑われます。
のぼせやすくなったり、のぼせると肩こりが悪化します。
さらに、目の充血、頭痛、眩暈を伴うことがあります。
また、胃気の上逆も起こっていると、吐き気も伴うことがあります。
そして、肩上部のこりが筋ばり、肌肉にしなやかさがない肩こりは、
5.肝血虚による可能性があります。
そして、同じ時期から、他の部位の転筋が起こりやすくなっていたり、目がかすんだり、乾燥したりといった症状が出てきている可能性がある為、確認が必要となります。
患部の冷えと鈍重感、痺れる感覚、頭重や全身の重だるさを伴う肩こりといえば、
6.湿痰阻絡の可能性が高くなります。
湿度の高い天候や季節、飲食、飲酒の影響を受ける為、増悪因子として確認が必要となります。
また、痰が絡んだり、出ることもあり、患部はもっちりとして弾力のある場合が多いという特徴を持っています。
患部の固定性の刺痛、夜間に悪化、発症起点として打撲、捻挫といった外傷がある。
これらが揃うとやはり、
7.気滞血瘀が疑われます。
患部に紫暗色の細絡がみられることもあり、拒按で、硬結がきついことが特徴です。
肉体疲労によって悪化したり、常にこりがあって、少しの安静では回復しない。
虚の側面がみられると、
8.腎虚による肩こりが疑われます。
腎陽虚か腎陰虚なのか、あるいはどちらも含むものなのか、追加問診をして確認していくことが必要となります。
そして、湿熱や化火による内熱があると、津液が暗耗し、陰血の濡養不足が起きますが、
その場合の肩こりは、
9.邪熱傷津に分類されます。
初期は邪熱が傷津よりも勝っているので、熱実証の所見が目立ちます。
しかし、症状が長期化すると傷津が激しくなり、津液の虚損が勝ってきて、陰虚や血虚など虚証の所見が目立つようになってきます。
以上が、肩こりの弁証分類となります。
患部の感触、痛み方、随伴症状、増悪寛解因子から、証をある程度絞っていくことが出来ることがわかりますね。
前回もお話しましたが、「こり」は、その人が生きてきた過去の累積であるため、
上記の内容に加えて、七情、生活環境、社会環境などに伴う情緒変動の問題も忘れずに問診していくことが重要となります。
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【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
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