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こんばんは 謝敷です^^
先週はEBMの産声(前編)として、EBMの初出論説にある
今回はいよいよ、「これからの方法」として“EBM的アプローチ”をご紹介します。
疲労を訴えるこの男性に、医師はどのようにアプローチするのでしょうか…
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「これからの方法」
この医師は、まずマイクロコンピューターで(なんと古い響き!)
「鉄欠乏性貧血」「感度」「特異度」を調べ、
参照となる論文の概要を図書館にFAXし、本文を受け取る。(今ならその場で見れる記事が沢山!!)
論文を読んで、実施しようとした検査の特徴や
自分が参照していた研究所の検査基準が不明瞭であることを知り、
必要な項目の検査をオーダーし、論文を活用して、感度と特異度を決定した上で、
鉄欠乏性貧血の可能性を検討し、今後の方針を決める。
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ほー。
自身の経験則に従って検査を決めたり、
先輩医師の助言によって診断や治療の判断を行うのではなく、
論文を調べて、自身で今後の対応を検討しているのですね。
この論説では、最後にDiscussionとして以下のように締めくくっています。
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これまでは教科書や専門家、先輩の意見を聞いて、診断・治療を行ってきた。
しかし、最良の判断を行うため、今後は、これらに加え、EBMの適用が必要であり、
そのためには、「文献検索」、「それらの批判的評価」、「情報統合スキル」が重要となる。
さらに、それらの情報が目の前の患者に適用可能か判断すること、
エビデンスがない場合、意思決定のための体系的なアプローチも必要となる。
**********
これがEBMの産声です。
19世紀から20世紀の医学も、科学的な探求を基盤としていましたが、
それらは生理学や基礎研究に焦点があてられており、
診断検査や予後の検討、治療効果といった臨床実践における課題では、
医療者の経験や直感、有識者や専門家の意見や書籍が参照されていました。
EBMの萌芽は、1980年代以降の臨床疫学として始まっていましたが、
臨床上の様々な選択において、
科学的検証の重要性と具体的な手段を示したのがEBMであり、
医学界に新しい風が吹くこととなったのですね。
ということで、次回は、もう少し具体的にEBMの意味するところや、
四半世紀のEBMの歩み(変遷)についてご紹介したいと思います。
お付き合いくださり、ありがとうございました!
<参考文献>
・Guyatt GH. Evidence-based medicine. ACP J Club. 1991;114:A–16.
・Djulbegovic B, Guyatt GH. Progress in evidence-based medicine: a quarter century on. Lancet. 2017 Jul 22;390(10092):415-423. doi: 10.1016/S0140-6736(16)31592-6.
・「対談 EBMの意義と役割 EBMの実践に向けて 日野原重明氏・福井次矢氏」医学会新聞 第2363号(https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/old/old_article/n1999dir/n2362dir/n2362_12.htm)
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