お電話
03-6300-0763
10:00~21:00(完全予約制)
2019.09.10
清明院では現在、院内診療、訪問診療ともに多忙のため、
募集内容の詳細はこちら!!
**********************************************************************************************
↑↑↑ ↑↑↑
こちらを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!
クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************
こんばんは 浅田です
普段臨床でよく使う“後谿”という経穴。
非常に効きが良く、頻繁に使用するからこそ“後谿”に対しての理解を深めなければなりません。
今回、“後谿”という経穴名から、経穴の特徴を考察してみました。
◆“後谿”という経穴名について
『針灸経穴名の解説』には、
「“前谷”と“後谿”の両穴はともに少沢の沢をうけ、あたかも雨露が満ちあふれ、溝渠はみなぎり、経気が強く流れ、渓谷を流れていくようなので“前谷”、“後谿”と称した。」
と書かれています。
小指の中手指節関節の前のくぼみに取るのが“前谷”で、後ろのくぼみに取るのが“後谿”であり、小指にある前後の渓谷を形容して“後谿”と名付けられています。
◆“後谿”の「後」という字について
“後谿”の「後」という字を『漢字海』で調べてみると
・うしろ、あと、のち
・最後
・将来
・動作や現象が終了した直後
・子孫、継承者、後継ぎ
・時間的に遅れているさま
・他のものよりも後になる
・能力地位が劣る
・あとまわしにする
・重視しない
・遅い
などの意味があります。
遅い、遅れる、後回しという意味があることから、“前谷”よりも遅れて“後谿”に反応が出てくるのか?
と妄想することができます。
“前谷”の反応はあまり診ないので、今後“前谷”にも注目して診てみようと思います。
『中国針灸穴位通鑑』には、“後谿”ではなく、“后溪”と書かれています。
この「后」という字を調べてみると、
・天子、帝王、君主
・天子や帝王の正妻
・あと、のち、後ろ
という意味があります。
帝王や后妃などは常に後ろに控えている為、「后」には後ろという意味があるそうです。
「后」に、帝王、君主という意味があることから、“後谿(后溪)”は君主之官である心の臓に関与する
と考えることができます。
心-小腸は表裏関係だから、小腸経である“後谿”は心の臓に関与する
という考えだけではなく、
“後谿(后溪)”という経穴名そのものが君主という意味を持っているから、より心の臓に深く関与する
と考えることもできます。
◆“後谿”の「谿」という字について
“後谿”の「谿」という字は、「渓」や「溪」と書くことができますが、白川静先生の『字統』によると「谿」が正字となっています。
この「谿」という字には、
・山間の川、外界と通じない山中の川
・谷間、深い谷間
・空虚であるさま
・他の川に注ぎ込むことのない山中の水流
という意味があります。
小田規矩之助先生の『経穴名辞攷』にも、
「谷や谿は、筋間、骨間の陥凹を表す」
と記載があり、前述したように、“後谿”は本節(中手指節関節)の骨間に位置する為、「谿」という文字が当てられています。
「谿」の「奚」は「大」から構成され、大きいという意味を含みます。
従って、大きな谷という意味である「谿」の字を使っている“後谿”は、大きく反応が出る経穴であり、気を大きく動かす経穴であると考えることができます。
経穴名を細かく分解して考察してみると、その経穴に対しての理解がグッと深まりますし、様々な妄想が膨らみます。
調べていて非常に勉強になりました。
参考文献
・『中国針灸穴位通鑑』 青島出版社
・『針灸経穴名の解説』 燎原 高式国
・『経穴名辞攷』 小田規矩之助
・『字統』 平凡社 白川静
・『漢字海』 三省堂
読者の皆様、1日1回、こちらをそれぞれ1クリックお願いします!
2013.09.12
2013.11.14
2016.07.20
2016.06.08
2012.02.10
2012.08.24
2016.07.02
2016.04.30
2016.09.13
2016.09.05
2025.08.10
論文を見ること、出すこと(後編)2025.08.09
気象発病学説⑨2025.08.08
再試験2025.08.07
第5回《腎》根のない空間、沈む日々2025.08.06
問診に関して㊶(二便の問診⑦)2025.08.05
神昏(しんこん)とは①2025.08.04
血の病⑰2025.08.03
論文を見ること、出すこと(前編)2025.08.02
気象発病学説⑧2025.08.01
体力づくり2025.07.31
第4回《心》落ち着かない部屋、乱れるリズム2025.07.30
問診に関して㊵(二便の問診⑥)2025.07.29
畏悪風寒(いおふうかん)とは⑤2025.07.28
血の病⑯2025.07.27
線維筋痛症に対する伝統鍼灸の症例報告④2025.07.26
気象発病学説⑦2025.07.25
試験返却2025.07.24
第3回《肺》境界をまもり、境界をひらく2025.07.23
問診に関して㊴(二便の問診⑤)2025.07.22
畏悪風寒(いおふうかん)とは④2025.07.21
2025年夏 参議院選挙2025.07.20
線維筋痛症に対する伝統鍼灸の症例報告③2025.07.19
気象発病学説⑥2025.07.18
ほどよい疲労感2025.07.17
第2回《肝》停滞する部屋、動けない自分2025.07.16
問診に関して㊳(二便の問診④)2025.07.15
畏悪寒風(いおふうかん)とは③2025.07.14
血の病⑮2025.07.13
線維筋痛症に対する伝統鍼灸の症例報告②2025.07.12
梅雨明け2025.07.11
茅の輪2025.07.10
第1回《脾》 整わない部屋、調えられない心2025.07.09
問診に関して㊲(二便の問診③)2025.07.08
畏悪風寒(いおふうかん)とは②2025.07.07
令和7年7月7日2025.07.06
症例報告:線維筋痛症に対する伝統鍼灸①2025.07.05
梅雨明け間近2025.07.04
言葉の奥深さ2025.07.03
整えることは、調えること2025.07.02
問診に関して㊱(二便の問診②)2025.07.01
畏悪風寒(いおふうかん)とは①2025.06.30
日本の夏はこれ2025.06.29
CONSORT声明2025⑨2025.06.28
気象発病学説⑤2025.06.27
ワクワク感2025.06.25
問診に関して㉟(二便の問診①)2025.06.24
癇(かん)とは④2025.06.23
インターホンと病因病理2025.06.22
CONSORT声明2025⑧2025.06.21
夏至