東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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胎漏(たいろう)とは④

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きで「血熱と虚熱の胎漏」について、お話ししていきたいと思います。
 
 
 
いずれも熱が衝任に伏在して、血海を擾動し、血熱妄行することで起きる胎漏ですが、虚実が異なります。
 
 
 
まずは血熱の胎漏についてです。
 
 
 
陽盛体質の方が妊娠すると、胎を養うために陰血が不足することで、陽気を抑制することができなくなり、陽亢を引き起こしたり、母体が温熱病に罹患して熱邪が胎元を擾動することで発生するものです。
 
 
 
虚実としては実に分類されます。
 
 
 
『景岳全書・婦人規』に記載の「胎気熱ありて安んぜざるは、その証必ず煩熱し、あるいは渇し、あるいは燥き、あるいは上下清からず、あるいは漏血し溺赤く、あるいは六脈滑数などの症多し」が本証に該当します。
 
 
 
この場合、妊娠前半に鮮紅色の性器出血を生じ、顔面紅潮、口唇が赤い、焦燥感、不眠、硬便、尿が濃く少量、舌質紅、舌苔黄色で乾燥、脈が数で滑を呈することが特徴です。
 
 
 
治法は、清熱養血、止漏安胎を用います。
 
 
 
肝鬱化火による血熱では、口苦、咽の乾燥、イライラ、易怒、脈弦数で滑を呈することが特徴です。
 
 
 
治法は、舒肝解鬱、止漏安胎を用います。
 
 
 
次に虚熱の胎漏についてです。
 
 
 
腎陰虚による虚熱で内熱が生じたことで胎漏を発生します。
 
 
 
この場合、妊娠中に間欠的に性器出血がみられる、頭のふらつき、めまい、動悸、浅眠、口咽の乾燥感、水分はあまり欲さない、頬部紅潮、午後の潮熱、五心煩熱、舌質紅、無苔、脈細数で滑、両尺脈が特に細を呈することが特徴です。
 
 
 
治法は、滋陰清熱、止漏安胎を用います。
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

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口角流涎(こうかくりゅうえん)とは③

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きで「脾胃実熱と脾虚寒の口角流涎」について、お話をしていきたいと思います。
 
 
 
どちらも脾の病気ですが、病因病理は異なります。
 
 
 
まずは脾胃実熱の口角流涎についてです。
 
 
 
もともと脾胃に鬱熱があったり、脂っこいものを偏食したことで脾胃の伏火が上蒸したり、心胃火盛となったりして、廉泉に上迫する為、津液が漏れて口角流涎を生じます。
 
 
 
『素問・口問篇』に、「胃中に熱あり……ゆえに涎下す」と記載がある通りです。
 
 
 
この場合、口内炎、舌質紅、舌辺芒刺、口内にびらんがある、イライラ、不眠、便秘、尿が濃いといった実熱の症候がみられることが特徴です。
 
 
 
その他にも、舌質紅、舌苔黄あるいは黄膩、脈滑数を呈します。
 
 
 
治法は、清解脾胃実熱を用います。
 
 
 
次に脾虚寒の口角流涎についてです。
 
 
 
脾胃気虚の体質の方が、冷たい飲みものや生ものを摂取したり、寄生虫によってさらに脾胃を傷めたことで、脾が津液の輸布を行うことが出来なくなり、肺が大気の精気を取り込み、腎が下方に引き下げて納め入れる摂納不足も手伝って発生します。
 
 
 
この場合、小児によくみられ、終日サラサラとした涎を垂らして衣服を濡らし、顔面白色、元気がない、腹部膨満感、泥状便〜水様便といった脾虚の症候がみられることが特徴です。
 
 
 
その他にも、舌質淡、舌苔薄、脈弱を呈します。
 
 
 
治法は益気健脾、温中摂涎を用います。
 
 
 
重要なポイントは、脾虚寒の口角流涎を痰と間違えて弁証してしまわないように注意することです。
 
 
 
攻逐痰涎の処置を少しでも加えてしまうと、虚している状態をさらに虚させてしまうことになってしまいます。
 
 
 
このことについては、『幼科釋謎』に記載があり、「小児の多涎、また脾気不足により、津液の内布することあたわずして成る。もしその本を、中気の補益にて治せずして、いたずらにその痰涎を去らんとすれば、痰液は病液なれど、また元気の附く所、これを去らんとして己まず、遂に虚脱をなすなり」と戒められています。
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 

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