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鍼治療の臨床試験における標準化と柔軟性を両立させるマニュアル⑩

 

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こんばんは 謝敷です。
 
 
 
 
 
梅雨も本番。
シトシトした雨というより、ゲリラ豪雨を思わせるような雨もありましたね。
そんな中、地球のほぼ裏側では侍ブルーも頑張っています!
なかなかオンタイムで応援できていませんが、
スポーツを通して、じめじめを吹き飛ばして、夏に備えていきたいですね
 
 
 
 
 
 
鍼治療研究の方法論に関するガイドラインを見ています。
12ページの論文なので、意外と長いです。
今日は、生物学的視点と、理論的な枠組みについて書いている部分を見ていきます。
 
 
 
 
 
 
まず生物学的視点について
疾患分類や類似疾患との鑑別、
疫学、病因、一般的な治療を整理することが書かれています。
 
 
 
 
 
これらを整理して記載する理由は、
中医学における捉え方と、現代生物医学的疾患の概念を対応させることで、
どこが一致していて、どこが異なっていることを明確にするためです。
これにより、例えば、中医学のどの証(病態)がこの疾患に類似・対応しているかを
検討することができます。
 
 
 
 
 
 
 
 
また、治療法についても、現在の標準治療が有効性を基準として、
中医学をはじめとする代替医療の効果を評価することもできます。
 
 
 
 
 
 
しかし、ここで注意が必要として、
中医学的な病態がそのまま現代西洋医学の疾病に対応するものではなく、
”現象的に似ている部分がある”という程度の
単純化しない認識が必要としています。
 
 
 
 
 
 
続いて、理論的な枠組みの構築の仕方について説明しています。
具体的には、関連する理論、影響を受ける構造や系統、
その機能、相互関係、相互作用を丁寧に記述することを勧めています。
 
 
 
 
 
 
 
論文では「うつ病」での研究を振り返り、
西洋医学で定義される「大うつ病」と、
中医学でみられるパターンの対応関係を整理することを試みたとき、
中国医学の精神科疾患に関する決定的な教科書がなかったこと、
精神・情動面の症状に対する鍼治療について、英語で十分な文献の蓄積もなかったことを
報告しています。
 
 
 
 
 
 
そのため、特定の証を仮説として定めて検討するのではなく、
・臨床観察に基づき、うつ病でみられるパターンの形成に関与しそうな諸特徴を同定すること、
・あらかじめ予想されていなかった病機や相互作用を観察すること、
・臨床的にうつ病と診断された患者集団に存在しうる
 複雑なパターンに対応できる治療プロトコルを設計すること
を目標として研究を行ったことを報告しています。
 
 
 
 
結果、
DSM-IV で定義された大うつ病患者を正確に評価・治療することを可能とし、
現代、中国でのうつ病治療に関する中国医学文献や、
鍼臨床家の臨床経験とも整合する結果を得ることができたようです。
 
 
 
 
 
新しい疾患や、複雑な疾患、未研究の特定集団においては、
この方法論が特に、有用であったと報告しています。
 
 
 
 
 
 
 
西洋医学で定義された疾患に対応しうる中国医学上の病名・病類を特定すること
病因・病機と、そこから生じうる病類・証を特定すること
治療原則を立てること
それらの証と、その組み合わせに対応できる治療プロトコルを設計すること
 
 
 
 
 
介入研究を行う際は、これらの事項をしっかりと検討する必要がある、ということですね。
 
 
 
 
 
 
 
(参考文献)
Schnyer RN, Allen JJ. Bridging the gap in complementary and alternative medicine research: manualization as a means of promoting standardization and flexibility of treatment in clinical trials of acupuncture. J Altern Complement Med. 2002 Oct;8(5):623-34. doi: 10.1089/107555302320825147. PMID: 12470444.
 
 
 
 

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鍼治療の臨床試験における標準化と柔軟性を両立させるマニュアル⑦

 

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こんばんは 謝敷です。
 
 
 
 
 
 
 
湿度を感じる日々となりました。
去年より少し、湿度で疲れる気がするな…と思ったら、
去年りより少し甘味が増えていた自分に気づきました@Д@
つい疲れてブラックコーヒーに甘味…となりがちだった日々を見直して、
夏に耐えられる体つくりをしようと思います。
 
 
 
 
 
 
 
さて、鍼治療研究の方法論に関するガイドラインを見ています。
楽しくて、つい長くなりがちです、この論文ブログ。
前回は、鍼灸の介入研究をする際に参照すべき、
と言われている「文献」そのものの課題を紹介しました。
 
 
 
 
 
 
 
今回は、文献に加えて、地域の臨床家へのヒアリングを行う必要性が述べられています。
そもそも現代の鍼灸臨床の多様性は、現代社会のニーズや期待を反映しており、ベースとなっている中医学理論は、固定的・教条的な扱いではなく、
むしろ、臨床応用における参考とすべきだと述べています。
 
 
 
 
 
 
よって、臨床試験のための鍼治療のプロトコルを作成する際には、
文献から得られる臨床情報に加え、
刺鍼の手技やツボの選択、用量反応等について、
各地域における熟練した臨床家の経験に基づく情報で補い、
総合的に検討すべきであると述べています。
 
 
 
 
 
さらに、鍼治療は本来、生物医学的に定義された疾患そのものを診断したり治療したりすることを目的とせず、
「気」の不調和を評価し、その調整とバランスを回復させようとするものであることから、
特定の患者集団において、複雑な生物医学的疾患の治療を対象とした臨床試験を設計する際、
最適な鍼治療アプローチを決めることは必ずしも容易ではないとしています。
 
 
 
 
 
 
よって、
十分な臨床経験を持ち、その領域の文献に精通し、
研究実施上の課題にも詳しい専門家による専門家パネルを組織し、
その知見を、研究の理論的枠組みやプロトコル設計に活かすことが重要である、と述べています。
 
 
 
 
 
 
確かに、私がこれまで読んだPragmatic researchの論文でも
専門家パネルを行ったことが記載されていました。
具体的にどんなディスカッションがなされていたのか、
このガイドラインを読むと、その研究の裏側にも興味が湧いてきますね。
 
 
 
 
 
 
(参考文献)
Schnyer RN, Allen JJ. Bridging the gap in complementary and alternative medicine research: manualization as a means of promoting standardization and flexibility of treatment in clinical trials of acupuncture. J Altern Complement Med. 2002 Oct;8(5):623-34. doi: 10.1089/107555302320825147. PMID: 12470444.
 
 
 
 

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