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こんばんは 謝敷です
今回は、急性の麦粒腫(ものもらい)に対する鍼灸のエビデンスとして、
Cochranの“Acupuncture for acute hordeolum”をご紹介致します。
麦粒腫は「ものもらい」や「めばちこ」「めいぼ」と呼ばれ、
細菌感染によって、まぶたの一部が赤くはれたり、軽い痛みや痒みを伴うものをいいます。
通常、1週間ほどで自然治癒しますが、
抗生物質の点眼や内服、化膿が進んだ場合は、切開して膿を出すこともあります。
今回ご紹介するCochranレビューでは、
中国で行われた6件の研究(計531名)から、鍼灸治療の麦粒腫への効果を検討しています。
急性の麦粒腫に対する鍼治療のメカニズムは明らかになっていませんが、
鍼による炎症抑制作用が、麦粒腫を改善するのではないか、と報告しています。
参照された研究において、鍼治療は、耳の先端にあるツボの瀉血を行う治療が最も多く、
その他、手陽明大腸経の臂臑というツボなどを使用しています。
鍼治療と、局所の抗生物質の使用を比較した研究では、
鍼治療では、20名中18名(90%)が早期治癒したのに対し、
抗生物質治療では、12名中3名(25%)だったと報告、
鍼治療と、局所抗生物質・温湿布を比較した研究では、
鍼治療では67名全員、抗生物質と温湿布でも、42名全員が早期に完治したと報告しています。
鍼治療と経口抗生物質・温湿布を比較した研究では、
鍼治療で60名中55名(92%)が早期治癒、
経口抗生物質と温湿布では、60名中38名(63%)の早期治癒だったと報告、
その他の研究では、鍼治療では従来治療よりも症状が緩和したといった結果が報告されています。
いずれの研究も対象者の人数が不十分であったり、
盲検化の不足、脱落者等の対応等によりエビデンスレベルは低く、
全て中国で行われいていることから、他の集団にも適用されるか不明であるものの、
急性麦粒腫において、鍼治療が局所用抗生物質よりも
同等または有効である可能性があると報告しています。
(参考文献)
Cochran Acupuncture for acute hordeolum
https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD011075.pub2/full
日本眼科学会 麦粒腫
https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=5
6つの試験(531名)
データベース等にて、論文要約をスクリーニングし、
2016年6月までに発表された1,418件の論文から条件を満たした研究を採用(全て中国)。
【対象者】急性麦粒腫と診断された者(外麦粒腫・内麦粒腫含む)
【介入方法】鍼治療(灸との併用は含む)
(レーザー鍼と非侵襲性の電気刺激、鍼から生薬やビタミン等を注射する方法等は除外)
【比較対象】抗菌薬・温湿布等の従来治療
【評価項目】主要評価 診断後7日以内に急性麦粒腫が消散
(赤み・腫れ・痛みが完全に消え、膿が排出完治)した人の割合
副次評価 診断から8~30日または14日以内の消失、半年~1年以内再発者の割合、
診断から7日後に外科的切開・排膿を必要とした者の割合
治療後または診断から7日後の霰粒腫(細菌感染を伴わない)発症者の割合
有害事象 等
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こんばんは 謝敷です。
蝉も鳴き始め、夏らしくなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか
前回はUpToDateで紹介されている、
「悪性腫瘍の治療における補完・代替・統合医療の実践と潜在的なリスク」に記載されている
鍼灸についての記事をご紹介しました。
今回は、同じくUpToDateの「がん患者の疼痛に対するリハビリテーションと統合療法」
という記事の中の鍼灸の記載について、ご紹介致します。
この記事では冒頭に、ガンやガン治療において、「痛み」は重大な恐怖・課題であり、
患者さんの心理的、認知的、身体的、社会的、精神的側面等、多様な影響を及ぼし、
機能障害や活動の低下、アイデンティティや社会的役割の変化として現れてくる、と記載されています。
また患者が痛みに苦しむ姿を通して、患者さんの家族や介護者にも、
無力感や苦痛、負担感を与えることも記載されています。
ガンに伴う痛みには、基本的にオピオイドによる薬物療法が主を成しますが、
非薬物療法を併用することにより、痛みの緩和に繋がったり、
薬物投与量の減少や、副作用を軽減に効果がある可能性が紹介され、
現に、がんと診断された患者さんでは約半数以上が統合医療を使用していたことを紹介しています。
統合医療には、中医学やアーユルヴェーダ、ホメオパシー、カイロプロティックの他、
認知行動療養や食事療法、エネルギー療法(ヒーリングタッチやレイキ等)が挙げられています。
その中で、鍼灸については、
2008年に米国国立衛生研究所(NIH)と米国食品医薬品局(FDA)が、
鍼治療は、実験的な治療法ではなく、
吐き気や痛みといった特定の臨床症状に対する
従来の一般的な治療と同等の有効性を有する医療技術であるとする合意声明を発表しているが、
実際、ガン性疼痛に対する鍼治療の有効性の立証は
プラセボの払拭等の側面において課題があり、厳密な試験はほぼ成されていないと記載しています。
しかし、乳がん治療薬や化学療法誘発性の
末梢神経障害に関する痛みへの鍼治療や指圧の有効性を紹介し、
同時に副作用などの害・リスクは低く、以下のような研究結果があることを紹介しています。
・ガン性疼痛患者285名を対象とした5つの鍼と偽鍼に関するRCT(2015年のCochranレビュー)
→鍼の有効性はエビデンスが不十分
・ガン関連神経障害を含む慢性末梢神経障害性疼痛に対する鍼のレビュー
→鍼の有効性はエビデンス不足
・17つの鍼と偽鍼に関するRCTを対象としたメタアナリシス
→痛みの強さは軽減し、指圧との併用では鎮痛剤の減量にも有効
・360名のがん治療者を対象とした電気鍼・耳鍼治療と通常治療とを比較したRCT
→痛みの強さが減少
さらに手術や骨髄生検等による痛みも、鍼やお灸が提案される可能性があることも記載しています。
”EBM”という土俵の上での鍼灸の効果検討は、まさに発展途上・現在模索中、という感じですね
UpToDate
Rehabilitative and integrative therapies for pain in patients with cancer
https://www.uptodate.com/contents/rehabilitative-and-integrative-therapies-for-pain-in-patients-with-cancer?search=cancer%20acupuncture&source=search_result&selectedTitle=3%7E150&usage_type=default&display_rank=3
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