東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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Practice based Evidence:実践(臨床)に基づく医療④

 

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こんばんは 謝敷です。
 
 
 
 
 
 
2月に入りましたね。実は今日は、母の誕生日です。
昔、何かの冊子で、2月を以下のように例えている文章に出会ったことがありました。
(完全には覚えていないのですが…)
 
 
 
 
 
”真っ暗で冬の寒さが厳しい早朝。家の台所だけ明りが灯り、そこではお母さんが朝ごはんの準備を始めています。
2月の大地は、このお母さんのように、
暗く冷たい土の中で、ほんのりと温もりと明りを灯し、春の芽吹きの準備を始めます…”
 
 
 
 
 
12年以上、5時に起きて朝ごはんとお弁当を作ってくれた母の姿。
当時は、爆睡していて覚えていないのですが(笑)、
今になって、その姿が容易に目に浮かび、母の愛情に感謝の気持ちが湧いてきます。
明日は節分、明後日は立春ですね。 
土の中の種や球根は、大地からの愛情にも似た力と、日々変化する日差しの温もりにくすぶられて、
そろそろ寝起きの伸びをするように、顔を出し始めるでしょうか。
そう思うと、ツンとした冬の空気も好きですが、百花繚乱の春も待ち遠しくなりますね。
 
 
 
 
 
 
さて、Practice based Evidence実践(臨床)に基づく医療についての論文を読み進めています。
前回は、RCTの課題について現実と理想のバランスの難しさを見ていきました。
前回投稿はこちら
 
 
 
 
 
今日は、2つ目の課題を見ていきます。
 
 
 
 
RCTでは、研究参加者の個性(ばらつき)を減らすため、「選択基準」として、参加できる条件を設定します。
例えば、PMSに対するツボ押しの効果を検討しようと思ったら、以下のような条件が設定されるかもしれません。
 年齢は18~45歳まで
 定期的な月経周期を有している方
 低用量ピルやホルモン療法を受けていない方
 器質的な婦人科疾患の診断、治療を受けていない方
 うつ等の精神疾患の診断、治療を受けていない方    等々…
 
 
 
 
 
 
こうした選択基準(や除外基準)を設け、
対象者の特徴をある程度均一にすることで、
研究対象である「PMS」に対する介入(ツボ押し)効果を検討しやすくなる、ということですね。
 
 
 
 
 
 
 
しかし、実際には、
14歳の初潮からPMS症状がある、
周期が安定していないけどPMS症状が苦しい、
ピル等を服用してもPMS症状が改善されない、
子宮筋腫も有している、うつの診断もされた…
という患者さんがいらっしゃいます。
 
 
 
 
 
 
でも、この研究では、これらの患者さんは対象から外しているため、
この研究の結果が、これらの特徴をもつ方々にも同様に当てはまるかどうかは、不明ということになります。
そして、この論文では、こうした基準によって、研究参加できる患者さん像は、
全体の10~15%に過ぎず、適応外が多くを占めることもある、と紹介しています。
 
 
 
 
 
 
 
そのため、RCTでは研究の選択基準(参加基準)に見合う被験者を探すために、沢山の人数を募集し、
介入(治療)効果の有無を検討するに十分な人数に介入を行う必要があるため、
膨大な資源(時間や人手、資金など)が投じられます。
 
 
 
 
 
しかし、この研究結果は、一部の患者さんには有効(または無効)だという可能性が分かっても、
それ以外の大多数の患者さん(選択基準外の人々)にも同様の結果をもたらすとは断言できません
(一般化可能性が低い)。
 
 
 
 
 
つまり、RCTでは「純粋な効果」を検討するために選択基準が厳しく設定されますが、
その結果、現実に多く見られる患者さんの多様性が削ぎ落とされ、
研究結果の一般化が難しくなる、という問題が生じるということです。
 
 
 
 
 
 
 
ここでも、現実と理想のバランスの難しさが課題となっているのですね。
「有効性」という言葉の背景には、こうした「〇〇の人には」という目に見えない条件がある、ということですね。
来週も続きを見ていきます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(参考文献)
Horn SD, Gassaway J. Practice-based evidence study design for comparative effectiveness research. Med Care. 2007 Oct;45(10 Supl 2):S50-7. doi: 10.1097/MLR.0b013e318070c07b. PMID: 17909384.
 
 
 
 
 

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こんばんは☆

 

 

 

吉澤です!

 

 

 

先週に引き続き、「⑨女性・男性に関わる問診:月経(女性カルテ)」に関して、書いていきたいと思います。

 

 

 

本日は更年期障害に関してです。

 

 

 

「更年期障害」という病名は、東洋医学の伝統的な医籍には見られません。

 

 

 

現代中医学においては「経断前後諸症」“閉経の前後に起こるいろいろな症状”という意味とされています。

 

 

 

西洋医学の更年期障害という言葉を参考にしたものかもしれないと言われております。

 

 

 

しかし更年期障害という概念は、一般的になっており、閉経前後に起こるいろいろな症候群というものを東洋医学的に捉えて病因病理を考えていくという見方も大事です。

 

 

 

『素問』の上古天真論にある通り、約49歳で任脈、衝脈の機能が衰えてきて閉経を迎えます。

 

 

 

任脈、衝脈の大本は腎ですが、肝の疏泄作用が関与します。

 

 

肝の臓は、精神情緒の不安定や抑鬱等に大きく影響されるので、更年期が40~60代ぐらいとすれば早く起こる人は腎そのものが弱い場合のみならず、肝の変動が衝任脈に影響を及ぼしている病理も考えられます。

 

 

 

自然に閉経が近くなるということは、天葵が衰えてきていることに間違いはないです。

 

 

 

つまり腎が弱ってきている、ということを意味します。

 

 

 

腎は封蔵固摂を主るので、腎が弱ると陽を抑制することができないので、気が上へ上へと衝き上げやすくなります。

 

 

心肝の気が高ぶり易くなるということでもあります。

 

 

 

これが、ホットフラッシュ、のぼせ感覚、熱感、発汗や悶えあるいは精神状態不安定、不眠や動悸、肩凝り、めまい、記憶力の低下等を引き起こすメカニズムです。

 

 

腎の弱りから脾胃に影響し胃気逆を起こせば嘔吐や噦逆・曖気、脾は虚になると下痢、便秘あるい肥満・痩身などを引き起こします。

 

 

 

さらに元々虚寒型の体質の人の場合は、腎の陽気不足の症状が全面に出てきます。

 

 

 

脾の運化作用にも影響して、脾腎陽虚を呈する場合もあります。

 

 

 

そのため、腎虚が根本にあって心肝が高ぶる(肝陽上充、心腎不交)か、

 

 

 

あるいは脾虚を助長させる(脾腎両虚)か、というパターンに分かれることが多いです。

 

 

 

 

 

次週に続きます。

 

 

 

お楽しみに!

 

 

 

【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

 

 

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