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鍼治療の臨床試験における標準化と柔軟性を両立させるマニュアル⑫

 

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こんばんは 謝敷です。
 
 
 
 
 
 
7月に入りましたね。
今年の6月はとても梅雨らしいだ気候だったように思います。
最近は「梅雨冷え」という言葉が蒸発してしまうのではないかと思うほど、
あっという間に夏の気候になっていたように思います。
私の部屋では、丁度1か月前程に実家の庭に咲いていたのをもらった紫陽花が
今もまだきれいに咲いていて、心を潤してくれています。
 
 
 
 
 
 
 
さて、鍼治療研究の方法論に関するガイドラインを見ています。
終わりが見えてきており、あと2回で概要のご紹介は終わりそうです。
今日は、症例検討や、臨床上実施する上での論点を見ていきます。
 
 
 
 
 
 
 
 
この論文では、
上手く運用できた症例と、上手くいかなかった症例を紹介することで、
抽象的な理論を臨床に落とし込みやすくなり、
ガイドラインの理解や運用を助けるとして、
症例報告をガイドラインに含めることを推奨しています。
 
 
 
 
 
 
 
 
症例では、現代西洋医学的、生物医学的な情報に加え、
東洋医学理論に基づく情報を
量的、質的両面から記載することを勧めています。
 
 
 
 
 
さらに、臨床上の論点として、
刺鍼の手技や、
鍼以外の補助的治療(漢方や灸、電気刺激、呼吸法や生活指導等)の併用、
術者とのコミュニケーションの度合い
等について記載することも重要であると説明されています。
 
 
 
 
 
 

また、経穴の運用に関する問題であれば、中医学の専門家に、

自殺念慮の問題は、精神科医に、といったように

予期せぬ事態や緊急事態等に備えて、

現代西洋医学の専門家と中国医学の専門家が
チームとなっていることが理想として挙げられています。
 
 
 
 
 
 
そして最後に、
使用した用語集やm
臨床現場で複数の解釈が起こり得そうな技術的概念の定義、
評価指標や治療記録用紙などを付録として添付することも推奨しています。
 
 
 
 
 
北辰会のカルテは、ぜひ添付資料として付けたくなりますね。
世界の鍼灸師が見たら、とても興味を持つのではないかと思います。
 
 
 
 
 
 
(参考文献)
Schnyer RN, Allen JJ. Bridging the gap in complementary and alternative medicine research: manualization as a means of promoting standardization and flexibility of treatment in clinical trials of acupuncture. J Altern Complement Med. 2002 Oct;8(5):623-34. doi: 10.1089/107555302320825147. PMID: 12470444.
 
 
 
 

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鍼治療の臨床試験における標準化と柔軟性を両立させるマニュアル⑧

 

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こんばんは 謝敷です。
 
 
 
 
 
 
6月に入りましたね。
近くに田んぼのない都心では、道端の紫陽花に心の癒しを求めますが、
姉の住む長野では、この時期、水を張った田んぼが綺麗なようで、
雨音を聞きながら、そんな景色を思い浮かべています。
 
 
 
 
 
 
 
さて、鍼治療研究の方法論に関するガイドラインを見ています。
これまで、鍼灸介入と言っても様々な概念や手技があるため、その背景をしっかりと分類して、適切な研究デザインを検討すること、
また、研究プロトコルの検討では、先行研究を参照するものの、英文のエビデンスにはそれ自体に偏りがあるため、
熟練した臨床家との臨床家への調査や
専門家パネルなどを開くことが重要であることが提案されていました。
 
 
 
 
 
 
 
今日は「用語」の取り扱いについて書かれている部分を見ています。
 
 
 
 
 
 
 
中医学の言語は、独特の概念体系を反映しているため、
翻訳が難しく、言葉としての分かりやすさを優先すると、
臨床的な正確さが犠牲になる傾向があると指摘しています。
つまり、理解しやすいように、現代の生物医学に基づく概念へ置き換えてしまうと、
生物医学的概念と、伝統医学的な概念が混在し、
そのズレが、研究という場面において、有効性の評価や内的妥当性の検討という点において課題となると指摘しています。
 
 
 
 
 
 
例えば「気」という概念を、理解しやすい「エネルギー」という言葉に訳してしまうと、
「気」という言葉が本来包含する概念は、「エネルギー」と完全に一致しているわけではないため、
鍼の作用機序を科学的に探究際のバイアスとなるという指摘です。
 
 
 
 
 
 
 
臨床試験においては、有効性を示す上で、評価者で見解が一致することが重要になります。
しかし、こうした用語について、一貫した概念が存在しない場合、
評価者における一致を得ることが難しく、
その結果、概念についての内的妥当性を評価すること自体が困難となる、ということです。
 
 
 
 
 
 
 
 
よって、中国医学や鍼研究では、
単ある単語の翻訳ではなく、中医学そのものの実際の考え方に則して
適切な用語の定義が成されるべきであるとしています。
そして、臨床研究を行う際は、単に方法論的なプロトコルの厳密さを求めるだけでなく、
こうした用語の定義にも留意されなければいけないとしています。
 
 
 
 
 
 
 
現在、中国医学の用語は、翻訳基準が未だに十分整っていないという課題があると指摘しています。
また、こうした中医学用語の構造や相互関係を正確に反映した英語訳を作成したとしても、
初心者には理解しづらく感じられ、敬遠される可能性もあります。
それでも研究を行う際には、このような用語解釈の複雑さを踏まえて、
研究方法を検討する必要があると述べています。
 
 
 
 
 
 
 
このレポートは2002年のものですが、
その後、2007年にWHOが伝統医学のterminology(用語集)を発表し、
翌2008年には、経穴部位の標準化も行いました。
よって、用語の共通理解については、少しずつ土壌が整得られてきているのかもしれません。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(参考文献)
Schnyer RN, Allen JJ. Bridging the gap in complementary and alternative medicine research: manualization as a means of promoting standardization and flexibility of treatment in clinical trials of acupuncture. J Altern Complement Med. 2002 Oct;8(5):623-34. doi: 10.1089/107555302320825147. PMID: 12470444.
 
 
 
 

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