東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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鍼灸に関するRWD研究(乳がんサバイバーの疼痛)

2026.09.21

 

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こんばんは 謝敷です。
 
 
 
 
 
雨がずーっと続きますね。
先週あった束の間の晴れ間に、秋の空気を感じて、今年も残すところあと3ヵ月と少しなのだということを感じました。
秋になると、乾いた空気にのってくる金木犀の香りに、何か寂しさのようなものを感じます。
シルバーウィークも丁度半ばでしょうか。皆様素敵な休日をお過ごしください。
 
 
 
 
 
 
さて、先週までは米国におけるHospitalist(病院総合医)という職業についての論文を読んできました。
AIの浸透や発展にも思うことですが、
Hospitalist(病院総合医)について調べながら感じたのは、
社会のニーズに合致した仕組みは、想像以上の速さで、
地域的にも、その役割の内容としても広がっていくのだということでした。
 
 
 
 
 
 
その過程では、当初は想定していなかった変化や影響も生まれてくるのではないかと思います。
 
 
 
 
のんびり屋の私としては、そうした急速に広がるものに、少し不安を感じます。
 
 
 
 
 
 
速く育つ木の密度が少し粗いように、大切な哲学や文化、思考のようなものが形骸化し、
物質的な部分(制度や人数)のみが先にどんどんと育ってしまう可能性があると思うためです。
 
 
 
 
 
そうした若干の不安を抱きつつ、
社会の大きな潮流として今後さらに広がっていくであろうものの一つに、
RWD(リアルワールドデータ)を用いた研究があります。
 
 
 
ただ不安だから避けるのではなく、その波と勢いの中に入りながら、
「これらの検討から本当に何が分かるのか」
を考え続ける必要があるのではないかとも感じています。
 
 
 
 
 
 
これまで医学研究、とりわけ治療の有効性を検証する臨床研究では、
研究目的に合わせて対象者や評価項目、データを取得する時期や方法を
あらかじめ定め、必要なデータを収集する方法が中心的な役割を担ってきました。
 
 
 
 
 
一方で、人々の生活や医療のさまざまな場面がデジタル化される中、
研究のために新たに集めるデータだけでなく、
日常の診療や生活の中ですでに生まれているデータを研究に活用することが可能になってきました。
 
 
 
 
 
例えば、商業の世界では、人々の行動から生まれるさまざまなデータを分析し、
購買傾向の把握やサービス、製品の開発などに活用しています。
 
 
 
 
 
 

同じように医療の世界でも、
診療や保険請求の過程で日々生み出されるデータの電子化・蓄積が進み、
それらを研究や医療政策に活用する動きが広がっています。

 

 

 

 

病院を受診した際に生じるレセプトデータ、
電子カルテのデータ、
病院での診断や診療行為、在院日数などを含むDPC(診断群分類包括評価)データ、
さらに近年では、ウェアラブル機器によって日常生活の中で取得される生体情報なども、
研究に活用されるようになってきました。

 
 
 
 
こうしたデータは、日常の医療の中で実際に生じた情報を捉えられる一方で、
決して患者さんの「リアル」そのものではありません。
 
 
 
 
例えば、データ上では薬が「処方された」ことは分かっても、
本当にその薬が服用されたかまでは分からないことがあります。
また、ある傷病名が記録されていたとしても、
それだけでその疾患が確定診断されたと判断できるとは限りません。
 
 
 
何をもって病気や治療、アウトカムを捉えるのか。
データとして記録されている情報が、私たちの知りたいものを本当に表しているのか…
RWD(リアルワールドデータ)を扱う上では、こうした点を慎重に考える必要があります。
 
 
 
 
 
 
 
また、何万人、何百万人という患者さんを含む匿名化されたデータベースを扱う場合、
その一人ひとりがどのような生活を送り、
どのような思いで医療機関を受診したのかまで辿ることはできません。
 
 
 
 
 
 
しかし、RWDを活用するからこそ見えてくる情報、検討できる問いがあるのだと思います。
 
 
 
 
 
 
最近私は、医療の中でこうしたRWD(リアルワールドデータ)が
何を、どのように捉え、どのように活用されているのかに興味を持つようになりました。
 
 
 
 
 

そして同時に、日々の臨床で出会う、
「多くの病院を巡り、“ストレスのせい” “年齢のせい” “原因不明”と言われ、
それでも苦しみ続けた末に来院される患者さん」の実態や経緯を、
こうしたデータから捉えることはできるのだろうか。
その中で東洋医学や鍼灸の役割や有用性を検討したり、示すことはできるのだろうか…

 
 
 
 
 

そんなことを考えるようになりました。

 

 

 

そこで次回から、乳がんを経験し、疼痛を有する患者さんを対象に、
鍼灸治療が鎮痛薬の使用や医療資源の利用にどのような影響を与えていたのかを検討した、
米国のRWD(リアルワールドデータ)研究を読んでいきたいと思います。

 
 
 
 

 

Ng DQ, Lee S, Lee RT, Wang Y, Chan A.
Real-world impact of acupuncture on analgesics and healthcare resource utilization in breast cancer survivors with pain.
BMC Med. 2024 Sep 16;22(1):394. doi: 10.1186/s12916-024-03626-2. PMID: 39285302; PMCID: PMC11406884.

 
 
 

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