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こんばんは、三鬼です。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
初夏の光に照らされ、我が家の庭の一本のさくらんぼの木が、豊かな実をつけました。
艶やかな赤い果実が枝に鈴なりに実る様子は、まるで季節そのものが差し出してくれた贈り物のようです。
古くから「桃栗三年柿八年」と言われるように、果樹の実りには時間が必要です。さくらんぼもまた、実をつけるまでに5〜10年を要し、しかも気候や環境に左右されやすく、毎年安定して実るとは限りません。とりわけ、今年のように甘く香り高い実りに恵まれたのは、およそ20年ぶりのことでした。
自然の巡りに身を委ねるからこそ、その一粒一粒が格別の歓びとなるのです。
収穫の日、私は梯子をかけ、ひとつひとつ丁寧に果実を摘み取りました。
その頭上では、鳥たちが賑やかにさえずっています。その声がどこか抗議めいて聞こえたのは、きっと私の心に罪悪感があったからかもしれません——「それは本来、私たちのものなのに」とでも言うように。
実際、さくらんぼの赤い色は、鳥たちに見つけてもらうために進化したもの。彼らに果実を食べてもらい、種を遠くへ運んでもらうことで、新しい命を育む。自然界において果実とは、甘くおいしいだけでなく、次世代へと命を繋ぐ巧妙な戦略でもあるのです。
こうして私が手にした果実の背後にも、目に見えないつながりが息づいています。そして、その果実が私たちの身体に与えてくれる力もまた、東洋の知恵によって見いだされてきました。
東洋医学では、さくらんぼ(桜桃)は「温性」に分類され、身体を内側からやさしく温め、血の巡りを促すとされます。とくに冷えに悩む方にとっては、「補血」「活血」の作用により、末端の血行を改善する自然の妙薬となるでしょう。また、その甘酸っぱさは、胃腸の調子を整え、食欲を自然に引き出すといわれています。
さらに、「肝」と「脾」という臓腑の働きを助ける特性も持ち、気血のバランスを整えることで、疲労回復や肌の艶やかさにも一役買うと伝えられています。見た目の美しさの奥に、こうした深い叡智が潜んでいることに、改めて自然の奥深さを感じずにはいられません。
こうした自然の恵みを口にするとき、私はいつも「身土不二(しんどふじ)」という言葉を思い出します。身(からだ)と土(環境)は二にあらず——すなわち、人の健康や命は、その人が暮らす土地、気候、風土と切り離せないという東洋の基本的な健康観です。この土地で、この季節に、この木が育てた果実。それを口にすることは、単なる栄養補給ではなく、今の自分の身体が本当に必要としているものを受け取るということ。だからこそ、その味わいも、効能も、より深く、優しく身体に染み入るのかもしれません。
自然の連携を思えば、果実を独占することへの申し訳なさが胸をよぎります。けれど、私がこの果実をいただくこともまた、自然の循環のひとつであり、命の流れの中にあるのだと感じます。「種」の役割を思いながら、このさくらんぼの実は、私の身へと、新たな生命力へと姿を変えていくのです。
果実を味わったあと、その種は捨てずに大切に取っておきました。この小さな種には、まだ語られていないもう一つの物語が宿っているような気がしています。
次回は、さくらんぼと鳥たちとの関係をもう少し深く掘り下げながら、「命をつなぐデザイン」について綴ってみたいと思います。
【参考文献】
『中薬大辞典』(人民衛生出版社)
邱紅梅著『家庭でできる薬膳・漢方食材大事典』(ナツメ社, 2012年)
『薬膳・漢方 食材&食べ合わせ手帖』(西東社, 2010年)
農研機構(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)「果樹研究データベース」
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こんばんは、三鬼です。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
ゴールデンウィークも過ぎ、再び忙しい日常に戻られた頃かもしれません。
季節は、春から夏へと移り変わろうとしています。
現代の生活では、四季の移ろいを肌で感じる機会が徐々に少なくなってきました。
前回、前々回と二週にわたり、野に咲く小さな矢車菊に焦点を当ててまいりました。
広い野原に咲く一輪の矢車菊は、現代の慌ただしい日常においては風景の一部として見過ごされがちです。
しかし、ふと足を止め、その小さな花に目線を合わせることで、私たちは悠久の時の流れを感じ取ることができます。
空調によって一定に保たれた室温の中で暮らし、季節に関係なく同じ食材を口にする現代の生活は、便利である一方で、私たちの身体が本来持っている自然との共鳴を見えにくくしています。
それでも、気づかぬうちに私たちの体内では、季節の移ろいに呼応するような微細な変化が静かに進んでいます。
東洋医学における五行思想では、春の「木」の気は肝臓の働きと、夏の「火」の気は心臓の機能と深く結びついているとされます。
矢車菊がもっとも美しく咲く今の時期は、まさに「肝」から「心」へとエネルギーが移り変わる、繊細な“調整の時”ともいえるのです。
五行の知恵は季節の変化にとどまらず、「一日の時間」「感情の起伏」「体質の傾向」とも密接に結びついています。
春のうちに肝の働きを整えることで、夏に入ったときの心の状態が安定しやすくなる。
これは「相生(そうせい)」という五行の各要素が互いに支え合う関係を指す原理に基づいています。
自然界のリズムは、私たちの内なる世界にも静かに息づいているのです。
矢車菊の咲き誇る野に立つとき、私たちは自然の深い調和と無言の対話を交わしています。
一輪一輪の花が、まるで小さな青い星のように宇宙の法則を映し出し、季節の巡りと人の身体のリズムが、同じ源から生まれていることを教えてくれるのです。
東洋医学の長い歴史の中で紡がれてきた自然観は、人と植物を分け隔てることなく、同じ大いなる生命の流れの中にあるものとして捉えてきました。
矢車菊の色彩と形に表れる五行の響きは、私たちの身体もまた宇宙のリズムの中で静かに脈動していることを思い出させてくれます。
天体が緻密な軌道を描いて宇宙を巡るように、矢車菊もまた、大地に根を張りながら季節の円環を体現しています。
その姿には、人智を超えた自然の深い叡智が宿り、私たちもまたその大きな循環の一部であることを感じさせてくれます。
風に揺れる矢車菊に心が和むのは、それが私たちの内なる自然と静かに共鳴しているからかもしれません。
東洋の叡智を通して見ると、野に咲く小さな青い花々は、自然とともに呼吸し、季節とともに変化していく本来の生き方を思い出させてくれる、静かな導き手となってくれるのです。
矢車菊の花弁が描く五行の風景に身を委ねるとき、私たちは思い出します。
この身体は自然の一部であり、季節の巡りとともに脈打つ生命の律動を内に秘めているということを。
慌ただしい日常の中でこそ、一輪の矢車菊に込められた自然の叡智と五行の教えに触れながら、私たちの心と身体が季節とともに歩んでいる姿を見つめ直してみてはいかがでしょうか。
喧騒を離れ、青い星のように静かに瞬くその花に目を向けたとき、私たちの内にもまた、同じ光が宿っていることに気づかされます。
心がせわしなくなる日こそ、自然へ目を向け、ひと呼吸を。
自然は、いつでも私たちが忘れがちな大切なことを、そっと気づかせてくれます。
【参考文献】
『中医病因病機学』 主編:宋 鷺冰 訳:柴﨑 瑛子 (東洋学術出版社)
『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』 著:小金井信宏(東洋学術出版)
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論編』 監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人 北辰会 学術部 (緑書房)
『基礎中医学』編著:神戸中医学研究会 (燎原)
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