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梅雨と梅

 

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こんばんは、三鬼です。

 

 

皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 

 

 

我が家には、叔母から大きな青梅が届きました。

 

まだ堅く、爽やかな香りをまとったその実を手に取りながら、「ああ、今年も梅雨の季節だな」としみじみ思います。

 

 

 

梅雨と梅——名前を共有するこのふたつに、どのような関係があるのか。

 

 

 

私たちが当たり前のように過ごす季節のうつろいの中に、東洋医学は昔から深い意味を見いだしてきました。

 

 

 

実は二千年以上前、中国最古の医学書『黄帝内経』には、

人与天地相参也、与日月相応也(人は天地と参じ、日月と相応ず)」

という一節が記されています。

 

これは、人間は自然界と深くつながっており、天地の変化とともに生きている——という考え方を示すものです。

 

つまり、自然界で起こることにはすべて意味があり、人にとって必要なものが、必要なときに現れる。

 

 

 

そんな視点から梅雨と梅を見てみると、この季節に青梅が実るのは、偶然ではないことがわかってきます。

 

 

 

実際に、梅雨の季節になると、多くの人がなんとなく不調を感じます。

 

体がだるい、食欲がわかない、頭が重い、よく眠れない、むくみやすい——そうした声を多く聞きます。

 

東洋医学では、こうした症状の原因を「湿邪」と呼びます。空気中の湿気が体に入り込み、体内の巡りを滞らせてしまうのです。

 

 

 

古代の医書『素問』には、「諸湿腫満、皆属于脾」という記述があります。

湿気が原因の不調はすべて「脾」(=消化器系)の働きの低下と関係しているという意味です。

 

現代風にいえば、湿度が高い環境では、消化力が落ち、体の水分代謝がうまくいかなくなるということ。これは私たちが梅雨に感じる倦怠感やむくみとも一致しています。

 

 

 

ところが、まさにこの季節に実るのが「梅」。

 

自然はこの不調に対する答えを、すでに用意してくれているのです。

 

 

 

薬草の古典『本草綱目』には、「梅、酸温、斂肺気、澀腸胃、止嘔逆」と書かれています。

 

酸味と適度な温かさを持つ梅は、乱れた呼吸を整え、胃腸を引き締め、吐き気や不快感を鎮めてくれます。

 

 

 

さらに東洋医学には「酸甘化陰(さんかんかいん)」という美しい概念があります。

 

酸味と甘味を同時に摂ることで、体に必要な潤い=体液が生まれるという理論です。

 

梅はまさにその象徴で、酸味とともに自然な果糖の甘さを持ち、高湿度で乱れやすい体内の水分バランスを、優しく整えてくれます。

 

これは現代でいう「電解質の補給」とも一致する、理にかなった自然の処方です。

 

 

 

東洋医学では、こうした自然のサイクルを「時令相応(じれいそうおう)」という言葉で表します。

 

必要な時に、必要なものが実る。

 

 

 

梅がちょうど梅雨に熟すというのは、偶然ではなく、自然界の見事な計らいなのです。

 

 

 

この考え方をさらに深く理解するために、東洋医学の「五行説」に目を向けると、より納得がいきます。

 

五行では季節を「春(木)・夏(火)・長夏(土)・秋(金)・冬(水)」に分けます。

梅雨は「長夏」にあたり、全体の調和をつかさどる「土」の季節です。

 

 

 

一方、梅は「木」の属性を持ちつつ、その酸味には「金」の性質=引き締めの作用もあります。「木」と「金」のバランスを持つ梅が、「土」の季節に実る。これは、五行の中でも特に繊細な調和の現れといえるでしょう。

 

 

 

こうした自然と体の調和を重んじる東洋医学の理想は、「未病先防(みびょうせんぼう)」という言葉に凝縮されています。

 

病気になる前に、その兆しを察知し、自然の力で防ぐこと。

 

 

 

季節ごとの植物を食し、自然とつながりながら暮らすことは、単なる健康法ではなく、暮らしの哲学そのものです。

 

 

 

現代では、梅雨の不快さをエアコンや薬で乗り切ろうとするのが一般的かもしれません。でも、そうした人工的な手段に頼る前に、まず自然のリズムに身を委ねてみることで、体は自ずとこの季節に適応していきます。

 

それは、静かで力強い「本来の回復力」を目覚めさせる行為なのです。

 

 

 

この根底にあるのが、古代中国の「天人合一(てんじんごういつ)」という思想です。

 

 

 

人と自然は分かれておらず、一体の存在である。

 

この思想を日々の暮らしに生かしていくことで、私たちはより健やかに、豊かに生きることができるのではないでしょうか。

 

 

 

雨音がやわらいだ午後、雫を纏った一粒の梅の実。

その一粒は、もしかしたら二千年前の医師たちが、私たちに遺してくれた自然からの処方箋なのかもしれません。

 

 

時代が変わっても、身体が求めるものは変わらない。

 

自然が授けてくれる恵みも、きっと変わらないのです。

 

 

 

【参考文献・出典】

『黄帝内経・素問』

 李時珍『本草綱目』

 矢数道明 編『漢方医学大辞典』

 東洋医学教育振興財団『東洋医学概論』

 『中医飲食営養学』(中国医薬科技出版社)

 『現代語訳 黄帝内経 素問・霊枢』丹波康頼 訳注

 中医薬研究会『中医臨床のための中薬学』

 

 

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こんばんは。齋藤です。

 
 
 
とうとう6月に突入ですね。
 
 
 
雨の日が徐々に増え、湿度も上がってきて、梅雨が近づいていることを実感しますね。
 
 
 
それでは前回の続きです。
 
 
 
前回の話はコチラ
 
 
 
今回は、③の「気は能く血を行(めぐ)らす」について書いていこうと思います。
 
 
 
「気は能く血を行(めぐ)らす」とは、気の推動作用を指したもので、血液循環の動力です。
 
 
 
血は、陰陽で考えると、陰に属し、陽は動、陰は静というように分類されます。
 
 
 
したがって、血は静であるから、血単独では巡ることができず、気の推動作用に依存しています。
 
 
 
臓腑で考えた場合、肝気の疏泄や条達、肺気の宣発粛降、心気の推動などが挙げられます。
 
 
 
そのため、血の巡りが悪い時に、その原因を考える必要があります。
 
 
 
気の停滞から起きるものなのか、気虚なのか、陽虚なのか、臓腑の問題なのか、色々と考える必要があり、その原因に伴った治療選択をしなければなりません。
 
 
 
 

参考文献

『中医病因病機学』 主編:宋 鷺冰 訳:柴﨑 瑛子 (東洋学術出版社)

『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』 著:小金井信宏(東洋学術出版)

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論編』 監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人 北辰会 学術部 (緑書房)

『基礎中医学』編著:神戸中医学研究会 (燎原)

『鍼灸・漢方の名医になるための気血弁証論治学』 編著;神野英明 (たにぐち書店)

 

 

 

 

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