東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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第3回《肺》境界をまもり、境界をひらく

 

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こんばんは、三鬼です。

 

 

皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 

 

日々の生活に追われ、ふと気づけば息が浅くなっていることはありませんか?
 
また、何かを拒むわけでも、受け入れきれないわけでもないのに、うまく「距離」が取れず疲れてしまう。
 
 
 
それは、身体と空間の「境界」が曖昧になっているサインかもしれません。
 
 
空気の流れは、空間の”呼吸”。
 
 
そしてその流れを読み取り、整える感覚は、私たちの「肺」のはたらきと深く結びついています。
 
 
東洋医学における「肺」の智恵
 
 
東洋医学における「肺」は、単なる呼吸器にとどまりません。
 
皮膚や鼻、気道、そして気(エネルギー)の流れ全体を管轄する、“宣発と粛降”の臓です。
 
その働きは、まるで部屋の空気を入れ替え、巡らせ、調える”空間の肺活量”のようです。
 
 
宣発と粛降 ― 巡りの原理
 
肺の基本的な役割は二つ。
 
ひとつは「清気(せいき)」(大気中の清らかな気)を取り入れ、それを「気」や「津液(しんえき)」として全身に巡らせること。
 
――この働きを「宣発(せんぱつ)」と呼びます。
 
もうひとつは、不要になったものを下へと沈め、汗や尿として体外に排出すること
 
――この働きを「粛降(しゅくこう)」といいます。
 
この宣発と粛降がスムーズであることは、体内だけでなく、空間のなかの気配や流れにも不思議と反映されていきます。
 
 
空間の呼吸不全を読み解く
 
部屋の空気が澱んでいたり、匂いがこもっていたりするのは、肺のはたらきにたとえれば「宣発の停滞」です。
 
片づけたいのに重い腰が上がらない、気分が晴れない
 
――そんな日も、実は”空間の呼吸不全”が起こっているのかもしれません。
 
 
皮毛を主る ― 境界を司る力
 
肺はまた、「皮毛(ひもう)を主る」とされ、外界と身体のあいだの”境界”をつかさどります。
 
これは、空間における「間(ま)」の感覚にも通じます。
 
家具の配置、動線の取り方、開け放たれた窓やドア。
 
それらがどうつながり、空気がどう巡っているか。
 
風通しの良い家には、たとえ質素であっても、どこか清らかな静けさがあります。
反対に、動線をふさぐ物や、意味のない装飾で満たされた部屋では、無意識のうちに呼吸が浅くなり、心の余裕も失われていく。
 
空気の道を整えること」は、まさに肺の経絡を通すような行為なのです。
 
 
秋の気配と削ぎ落とす美学
 
 
東洋医学の視点では、肺は「白」に属し、「秋」の気配を持ちます。
 
静かに削ぎ落とし、本質だけを残していく季節。
 
そう思えば、空間を整えることも、生き方そのものを澄ませていく、呼吸のような営みといえるでしょう。
 
 
丁寧な暮らしは、丁寧な呼吸
掃除機をかけ、換気をし、いらないものを手放す。
 
ひとつひとつの行為は小さくても、そのすべてが、肺のはたらきを支える養生となります。
大切なのは、部屋をきれいにするのではなく、部屋が「呼吸できるようにする」こと。
その意識が芽生えたとき、私たちの内なる肺も、ふたたび深く息を吸い込みはじめるのです。
 
 
次回は「心」をテーマにお届けします。
 
五臓の中枢であり、感情・意識・思考をつかさどる繊細な存在である心。
 
色や音、光、配置
――部屋に漂う些細な乱れが、心神(しんしん)をざわつかせることがあります。
 
“落ち着かない部屋”が、“落ち着かない私”を生む。そんな現象を、「心」の視点から解き明かしてまいります。
 

 

 

【参考文献】

北京中医薬大学 編著『中医基礎理論〔第3版〕』医歯薬出版、2004年

北京中医薬大学 編著『中医診断学』東洋学術出版社、1999年

鄭洪泰 著『中医学入門』東洋学術出版社、2006年

 

 

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第2回《肝》停滞する部屋、動けない自分

 

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こんばんは、三鬼です。

 

 

皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 

 

ふと気づくと、やらなければと思っていたことが、また一日延びてしまった。

 

片づけようと思っていた部屋の隅に、昨日のままのモノがそのままある。

 

「どうして自分はこんなにも動けないんだろう」――

 

そんな風に、自分を責めてしまう夜もあるかもしれません。

 

でも、どうか覚えておいてください。

 

“動けなさ”は、怠けや意志の弱さではなく、「気の滞り」かもしれない。

 

東洋医学では、こうした“行動の詰まり”を、「肝(かん)」のはたらきに注目して読み解いていきます。

 

 

 

肝は、「気の交通整理係」

 

東洋医学における「肝」は、単なる肝臓ではなく、気や血の流れを調整し、感情と行動のスムーズな流れを保つ臓腑とされています。

 

中でも肝の中心的なはたらきが、「疏泄(そせつ)」という流れを整える力です。

 

肝は、心と身体に滞りが生じないよう、まるで交通整理をするように調和をもたらします。

 

この機能が鈍ると、次のような“気のつかえ”が起こります:

 

・イライラが抜けない

・焦っているのに、行動できない

・「動かなきゃ」と思うのに、体がついてこない

 

これは、肝の気がうまく巡らず、停滞してしまっているサインかもしれません。

 

 

 

空間にあらわれる「肝の滞り」

 

気の流れは、空間にも反映されます。

 

肝の気が滞ると、部屋の中にはこんな景色が生まれやすくなります:

 

・使ったものが出しっぱなしになっている

・片づけようとするが、途中で気が散ってしまう

・開けたままの引き出し、半端に終わった作業、散らかった一角

 

 

それらはすべて、「動き出したいのに、流れが止まってしまった痕跡」。

 

肝の滞りは、空間の中の“行動の断片”として現れてくるのです。

 

 

肝の気をめぐらせる、片づけの第一歩

 

「気」は、動くことで巡ります。

 

だからこそ、完璧を目指さなくても、小さな一歩が“気の通り道”になるのです。

 

たとえば:

・「今日はここだけ」と決めて、10分間だけ整える

・好きな音楽をかけて、身体にリズムを与える

・窓を開けて、空気と一緒に自分の中の気を入れ替える

 

たったそれだけでも、肝の気は少しずつ動き始めます。

 

すると不思議と、呼吸が深くなり、頭の中もクリアに――。

 

空間もまた、ゆっくりと命を吹き返していくのです。

 

 

 

空間に風を、心に流れを

 

肝の不調は、流れを見失うこと。

 

でも、その流れは、あなたのほんの小さな動きから再び始まります。

 

部屋が散らかっている日も、気持ちが動かない日も、あなたが悪いわけではありません。

 

“気”がちょっとつまっているだけ。

 

だからこそ、自分を責める代わりに、風を通すことから始めてみましょう。

 

空間に風を入れ、心に流れを戻していく――

 

それが、「肝」を癒し、命のリズムを取り戻す第一歩になるはずです。

 

 

 

次回のテーマは「肺」

窓を閉めきった部屋、溜まったホコリ、なんとなく重い空気。

実はそれ、「肺」が求めている“清らかさ”を、空間が失っているサインかもしれません。

次回は、「肺」の視点から、空間の“清浄”と呼吸の深いつながりを紐解いていきます。

 

 

 

【参考文献】

中医基礎理論(第3版)中医薬大学 編著/医歯薬出版, 2004年 

中医診断学 中医薬大学 編著/東洋学術出版社, 1999年 

村田正人 編『東洋医学概論』医道の日本社、2007年

上海中医学院 編『中医基礎理論』東洋学術出版社、1996年

矢山利彦『住まいの東洋医学』ビジネス社、2006年

安田隆『気の人間学』たま出版、1993年

大浦慈観『暮らしの養生訓』PHP研究所、2015年

『黄帝内経 素問・霊枢』(現代語訳:東洋医学古典シリーズ)東洋学術出版社

 

 

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