東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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発黄(はつおう)とは⑤

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きで「血瘀の発黄」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
寒湿と同じく「陰黄」に分類され、発病が緩慢で色調が暗く艶がない黄疸がみられる特徴をもちますが、寒湿とは病因病理は異なります。
 
 
 
肝気鬱結が長期間続いて血瘀を形成したり、湿熱が遷延して湿邪が気滞血瘀を引き起こし、血瘀が肝胆を阻害し胆汁の疏泄が障害されて出現します。
 
 
 
この場合、暗紅の黄疸、顔色がどす黒い、クモ状血管、皮下出血、疼痛を伴う脇下の硬結、舌質紫暗、瘀斑がみられる、脈弦渋あるいは細渋などの血瘀の症候がみられることが特徴です。
 
 
 
治法は、活血化瘀、軟堅散結を用います。
 
 
 
寒湿の発黄は、寒がる、四肢の冷え、疲労感、食欲不振、腹脹、泥状便、舌苔が白膩、脈遅などの寒湿を伴うため、区別は容易です。
 
 
 
血瘀の発黄は、寒湿よりも頑固で持続的であり、治癒までに時間を要することが少なくないです。
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「脾腎陽虚と中気下陥の大便失禁」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
いずれも虚証に分類され、緩慢に発症して、慢性的に経過する特徴をもちますが、病因病理は異なります。
 
 
 
まずは脾腎陽虚の大便失禁についてです。
 
 
 
慢性で頻回の下痢や五更泄瀉(早朝の下痢)により、脾腎が損傷されて生じます。
 
 
 
脾陽虚で虚寒となって運化機能が低下し、腎陽虚で蒸騰気化が不足することで、水穀を腐熟して精微を化すことができなくなって水様便が持続します。
 
 
 
この場合、水様便や未消化便を失禁し、その他にも四肢の冷え、寒がる、少食、腹満、腰膝酸軟、耳鳴、尿量多く薄い、などの症候がみられます。
 
 
 
また、脈無力で沈細、舌質淡で胖、舌苔白あるいは滑を呈します。
 
 
 
治法は、温補脾腎、収渋固脱を用います。
 
 
 
次に中気下陥の大便失禁についてです。
 
 
 
虚弱な高齢者、慢性疾患でみられ、脾気が次第に衰えて中気が下陥し、固摂不能となって発生します。
 
 
 
この場合、失禁を自覚せず、重篤になると脱肛がみられます。
 
 
 
その他にも、るい痩、懶言、声に力がない、元気がない、食欲不振、顔が白い、息切れ、脈無力で沈細、舌質淡で胖かつ歯根ありなどの気虚の症候がみられます。
 
 
 
治法は、補中益気、昇降固脱を用います。
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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