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こんばんは 謝敷です
イチョウの新芽が一丁前の形をして芽吹くこの時期が好きだなぁと思っていたら、
あっという間に青年のような大きさになっていて驚きました笑
さて、イスラエル ガザ地区での被災者に対する鍼灸治療のレポートも今日で最終回です。
父親を亡くした女性の息切れ
物腰柔らかな87歳の女性の頭痛と不眠症
脚に銃弾を受けたデビッドさんの腰下肢痛み…
臨床において様々な患者さんのお話を伺いますが、やはり戦禍の症状は、想像を絶します。
このレポートは最後に、以下のような考察が書かれています。
・PTSD(Post Traumatic Stress Disorder)心的外傷を負った患者さんは、
症状や、年齢、体質、病歴を問わず、自律神経の調整が急性治療の切り口となること
・特に自閉症スペクトラム障害の症例における感情的な動揺遺体する治療では、
脈拍の調整、呼吸の改善、睡眠障害の治療など、身体的なストレス反応に対処することで緩和すること
・急性ストレスによる身体的な症状が和らぐと、安心感を取り戻し、感情や精神的な経験を処理しやすくなること
・中医学の独自のアプローチは、心身の両方に同時に作用し、急性期ならびに複雑な症状に有用であったこと
そして、
トラウマ体験が、身体の特定の部位に“焼き付く”(burned)ことについて、
現在十分な研究は行われていませんが、こうした関連性やメカニズムが明らかになれば、
痛みに関する理解は、現在の生理解剖学的な概念を越えて、
個人の個性に合わせた解釈とアプロ―チを可能とし、新たなレベルに達する可能性がある…
と書かれています。
最後に、このレポートを書いた中医臨床家自身も、
避難民の治療に際して、強い共感や、助けたいという気持ち、無力感に苛まれ、
二次的なトラウマに直面していると書かれています。
このレポートを書いている間にも戦争が続いており、患者は増え続けていること、
この状況を人々が理解し、乗り越えていくためには多くの日数がかかること、
それでも中医学を実践しながら、一日も早い終息への祈りをもってこのレポートを書いていることが
痛いほどの言葉でつづられています。
対岸の火事ではないと思いながらも、
平和な日本で過ごす私にとっては、想像してもしきれませんが、
戦争のみならず、自然災害の多い日本では、被災者への治療においても、
このレポートの内容が活かせるのではないかと思います。
心の痛みの内容やレベルは異なれど、日本でも苦しんでいる方は沢山いらっしゃいます。
中医学の心身一如の考え方は、分かるようでなかなか理解され難い概念ですが、
こうした臨床における様々な報告をもって、周知のものとなり、
中医学や鍼灸が、医療の選択肢として提示される土壌を、少しずつでも形成したい、と思うばかりです。
(参考文献)
Messinger A, Gamus D, Bondi M, Polliack ML, Ben-Arye E. Calming the Wind: A Traditional Chinese Medicine Practitioner’s Approach to Wartime Acute Stress Disorder Symptoms. Curr Psychiatry Rep. 2024 Nov;26(11):678-682. doi: 10.1007/s11920-024-01542-z. Epub 2024 Oct 2. PMID: 39356401.
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こんばんは 謝敷です
新緑が綺麗と思ったのも束の間、
4月なのに大学院の近くではあやめが、清明院の下にもアジサイが花を付けていて、
自然は美しいけれど、環境が乱れてきているなぁと感じます。
さて、今日はイスラエル戦禍での避難民に対する中医学的な観察と鍼治療についての記事での最後の症例をご紹介します。
今日の患者さんは、「デビッド」という男性です。
彼は、ハマスとの銃撃戦で負傷した兵士で、
これまでにも数々の軍事作戦や銃撃戦に参加した経験を有するベテランでした。
数十名のハマスと対峙し、その中の一人が近距離から銃を発射し、
そのうちの2発が下半身に命中。
骨盤に重度の損傷を負い、坐骨神経を損傷し、
手術で、背部や骨盤からの大量の出血と、仙骨の骨折片を除去し、仙骨の形成術を受けました。
最初にボランティアの鍼灸師が彼にあった時、
彼の腰の可動域は著しく制限され、激しい骨盤痛と、
脛(前脛骨筋と腓骨筋)に広がるチクチクとした痛みに悩まされていました。
最もひどい痛みは足の裏で、この痛みのために全く眠れないこともありました。
神経性疼痛の治療薬を複数服用していましたが、痛みはは全く緩和しませんでした。
腰や下肢の症状以外にも、脈拍上昇、筋緊張の亢進、睡眠障害、息切れといった
交感神経の亢進による症状も見られたことから、
鍼灸師は、交感神経が落ち着くよう治療を行い、
治療を受けると、彼は眠ってしまうこともあったようです。
治療が進むにつれて、足の痛みが部分的に軽減され、
その効果は、数時間から2日間持続し、睡眠も改善するようになりました。
体調の改善に伴い、運動やウォーキングなどもできるようになりました。
治療の過程では、トリガーポイントを探した結果、
腓腹筋の内側にある「築賓」というツボを治療し、交感神経の亢進を治療したことがあったようです。
この時、築賓は硬いコブのような感触があり、
押圧すると、足先まで広がる感覚と、痛みが70%ほど軽減しました。
数週間の治療で、様々なトリガーポイントや遠隔の治療点を治療したようですが、
この「築賓」への治療では、局所のみならず遠隔の痛みが軽減舌だけでなく、
全身的な症状の改善にも効果があったと報告しています。
その上で、このレポートでは、
「築賓」は、坐骨神経の支配領域ではないため、
ツボの周囲組織とトラウマ体験との間に何らかの関連があるとした場合、
それをどのように利用して痛みを軽減するか、
またトラウマが、患部に“刻印”( ‘imprinted’ )されている場合、最適な治療方法は何なのか、
トラウマには、直接的に対処すべきか、それとも間接的に対処すべきか、
解剖学的な“結び目”(‘knot’)は単なるトリガーポイントとして扱うのか、
それとも、心身のつながりの経路とみなすべきか…と考察しています。
単なる外傷の後遺症のように思えた症例にも、心の傷跡が影響していたのですね。
この症例での「築賓」は、どう解釈できるでしょうか…
(参考文献)
Messinger A, Gamus D, Bondi M, Polliack ML, Ben-Arye E. Calming the Wind: A Traditional Chinese Medicine Practitioner’s Approach to Wartime Acute Stress Disorder Symptoms. Curr Psychiatry Rep. 2024 Nov;26(11):678-682. doi: 10.1007/s11920-024-01542-z. Epub 2024 Oct 2. PMID: 39356401.
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