東洋医学 伝統鍼灸 清明院

お電話

03-6300-0763

10:00~21:00(完全予約制)

休診日:日曜(土曜、祝日の診療は18時迄)
〒151-0053東京都渋谷区代々木2-15-12クランツ南新宿601
初診・再診の御予約、予約の変更、
その他お問い合わせはこちら

Search Results for: 脾胃

問診に関して㉞(発汗の問診⑦)

 

 

清明院では現在、求人募集しております。

募集内容の詳細はこちら

 

 

**********************************************************************************************
      にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

  ↑↑↑        ↑↑↑
こちらを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

こんばんは☆

 

 

 

吉澤です!

 

 

 

 

先週に引き続き、『汗』について書いていきます。

 

 

 

H.汗の性質・種類

 

 

冷たい汗(陽虚、衛気不足)・熱い汗(外感風熱、内熱)・しょっぱい汗・無味

 

 

汗が冷たく水のようにサラサラして無味無臭なものほど陽虚であることを示し、逆に汗が熱く

 

 

粘稠で臭いが強く、塩味が強いものほど実熱傾向であることを示します。(黄色くなることもある) 。

 

 

1)冷汗 cold sweating:大量発汗により四肢が冷える。

 

 

2)わきがについて

 

 

虚証・実証ともにみられますが、病因としては湿熱蘊結か遺伝的なものが多いとされています。

 

 

肝胆湿熱の液汗として弁証論治するか手術治療を行います。

 

 

3)油汗 oily sweat :油のようなねばねばの汗。

 

 

4)大汗淋漓 great dripping sweat :異常な大量の汗が流れ続けること。

 

 

5)黄汗

 

 

黄色い汗が出て着衣が黄染すること。汗のついた衣服が黄色く染色されてしまいます。

 

 

黄疸でもみられますが、ここでは黄疸の出ていない場合をとりあげます。営衛壅閉、湿熱蘊積。

 

 

 

I.発汗部位

 

 

1 )上半身

 

 

→気の上逆を示すことが多いです。気の上逆+内湿

 

 

2)全身

 

 

→腎の弱り

 

 

3)下半身

 

 

→内湿、とくに粘った熱い汗は湿熱を示します。手掌・足底の少量の汗は一般的な生理現象です。

 

 

4)頭汗 sweating from the head

 

 

頭、顔または首の過度の発汗のこと。実証では上焦の邪熱、中焦の湿熱によるものが多いです。

 

 

虚証では陽気不足によるものが多く、その他では、関格、水結胸、少陽病。

 

 

重病の末期で突然たくさん汗がでるのは虚陽浮越。

 

 

5)額・鼻の頭

 

 

脾胃の弱り

 

 

6 )脇汗 sweating from the armpits

 

 

脇の下からの過度の特定の発汗。 心肺の弱り、 肝陰虚、肝胆湿熱

 

 

7)胸

 

 

心脾気虚、心腎陰虚、虚証

 

 

8)心汗 sweating from the heart region

 

 

前胸部の過度の発汗のこと。心脾両虚、心腎陰虚。

 

 

9)陰汗 genital sweating

 

 

陰部の局所化された発汗のこと

 

 

10)手足汗 sweating from the hands and feet

 

 

手と足からの過度の特定の発汗のこと。脾胃湿熱、脾胃気虚、脾胃陰虚。

 

 

J .発汗後の疲労の程度について

 

 

発汗後肉体的に疲労感が強くなる場合は正気の弱りがあることを示唆します。

 

 

“ 疲れなし”というのは実はグレーゾーンであり、“ 発汗した方がすっきりして楽になる”のであれば正気の弱りがほぼなく、湿邪や熱邪が発汗によって軽減したと解析できます。

 

 

K.八綱と汗

 

 

表における虚実の弁別として、自汗があれば「表寒虚(桂枝湯証)」、無汗であれば「表寒実(麻黄湯証)」という鑑別要因のーつとなり得ます。

 

 

既述の通り、汗の性質で、寒熱虚実がある程度判別できますが、他の所見と総合して判断することが重要となります。

 

 

 

次週からは「大便(二便)」に関して書いていきます。

 
 
 

 

 

 

【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房

 

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

 

   にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

 

「エキテン」清明院サイト

 

 

清明院オフィシャルホームページ(PC)

 

清明院院長のブログ 「最高の鍼灸の追求」

 

 

 

制限が紡ぐ美しさの円環

 

清明院では現在、求人募集しております。

募集内容の詳細はこちら

 

 

**********************************************************************************************
      にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

  ↑↑↑        ↑↑↑
こちらを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

 

こんばんは、三鬼です。

 

 

皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 

 

 

先日、往診先のお庭で足を止めた私の目に飛び込んできたのは、言葉にならないほど美しく輝く花々の色彩でした。

 

「発色がとても鮮やかですね」

 

思わず口にした言葉に、その方は微笑みを浮かべながら答えてくださいました。

 

「土をごみとして出せなくて…米糠を混ぜて再利用しているのよ」

 

その瞬間、制約と思われていた状況が、実は豊かな可能性への扉であったことを知りました。

 

地球に生きる一人として、より良い循環を模索する旅が、静かに始まったのです。

 

 

 

 

—再生の儀式—

 

土に米糠を混ぜ、そっと時を待つ。

 

この静寂の時間こそが、目には見えない微生物たちの祝祭の始まりです。米糠の豊かな栄養を糧に、無数の生命が土の奥深くで営みを繰り広げ、眠っていた大地に再び息吹をもたらしていきます。

 

その様子を想像するだけで、自然の神秘に心が震えるのです。

 

 

 

—米糠が紡ぐ、土壌の深淵なる物語—

 

米糠が土に与える恵みは、古くから日本の農家が代々受け継いできた智慧であり、現代の土壌科学もまたその力を証明し続けています。

 

米糠には、植物の成長に欠かせない三大栄養素が豊富に含まれています。

 

窒素(N)は葉の緑を深く育み、リン酸(P)は花や実の豊かな成長を助け、カリウム(K)は植物の健やかな免疫力を支えます。しかし米糠の真価は、決してそれだけにとどまりません。

 

微生物によって分解される過程で生まれる有機物は、土壌の団粒構造を整え、通気性と保水力を飛躍的に高めていきます。土はまるで深い眠りから目覚めるかのように、生き生きとした呼吸を始めるのです。

 

さらに、米糠に含まれる多様な炭水化物や酵素は微生物の活動を促進し、その豊かな働きが土壌全体の生態系を潤していきます。

 

pHバランスの調整、有機酸の生成、そして鉄・亜鉛・マンガンなどの微量要素の補給。まさに自然が織りなす、精緻で美しい栄養の対話なのです。

 

これは、日本古来の「ぼかし肥」の思想にも深く通じています。現代の化学肥料に囲まれた時代にあっても、自然の循環を活かしたこの手法は、静かにその価値を語り続けているのです。

 

 

 

—色彩の覚醒—

 

あの鮮やかな花々の色彩は、米糠に含まれる微量元素が色素形成に関わる酵素の働きを助けたからでしょう。

 

健やかな土壌という最良の舞台を得たことで、植物本来の美しさが解き放たれたのです。制限から生まれた工夫が、思いもよらない美の開花をもたらしました。

 

 

 

—五行が語る、土と米の深淵なる対話—

 

この体験は、私を東洋の叡智である「五行思想」へと導きました。

 

五行とは、万物を「木・火・土・金・水」の五つの要素で捉える古代中国の哲学体系です。

 

その中でも「土」は中心に位置し、他のすべての要素を育み支える母なる存在とされています。そして米もまた、五行において「土」の性質を持つ食物に分類されます。

 

つまり、米糠を土に還すという行為は、五行の観点から見ると「土が土を養う」という、理にかなった完全なる循環の姿なのです。

 

東洋医学では、この「土」の要素は脾胃の働きと深く関わり、消化吸収と栄養の運化を司るとされています。

 

人の体内で米が消化され、その恵みが全身に行き渡るように、土壌においても米糠が分解され、その栄養が植物全体に浸透していく。まさに人と自然が共鳴する、生命の根源的なリズムを感じずにはいられません。

 

自然の理と智慧、そして小さな園芸の気づきが、深く静かに繋がった瞬間でした。

 

 

 

—制限が教えてくれた創造の円環—

 

「土を捨てられない」という制限がなければ、私はこの美しい循環に出会うことはなかったでしょう。

 

むしろその制限があったからこそ、視点を変え、思いがけない豊かさに触れることができたのです。

 

私たちの日常にある「制限」は、単なる不便として片付けるには、あまりにも多くの可能性を秘めています。それは新たな発見や創造性への扉であり、その向こうには、まだ見ぬ美しさが静かに待っているのかもしれません。

 

東洋医学の視座から見れば、制限もまた自然の調和の一部です。

 

陰陽の理でいうところの「陰」の力——制約や静寂、内向きのエネルギー——が、「陽」の創造力を引き出し、新たな生命力を生み出していくのです。

 

自然は相互に補い合い、調和を生み出し、いのちの美しい円環で動き続けています。そして私たちもまた、その大いなる循環の一部として、制限の中に隠された恵みを受け取りながら、日々を歩んでいるのです。

 

この小さな庭の物語が、皆さまの心にも何かの種を蒔くことができれば幸いです。

 

 

 

【参考文献・出典】

神戸中医学研究会編『中医学の基礎』東洋学術出版社, 2009年

山田光胤『五行思想の研究』創文社, 1988年

「土壌改良で大活躍!『米ぬか』の特徴を解説」エコファーム鳥取 (2024年3月)

https://ecofarm-tottori.com/blogs/blog/20240228

「米ぬかの使い方|どんな成分や効果がある?」GreenSnap (2020年7月)

https://greensnap.jp/article/8515

「米ぬか利用で土壌改善畑が生き返る秘訣」チバニアン兼業農家学校 (2024年10月)

https://chibanian.info/20240419-111/

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

 

 

 

   にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

 

「エキテン」清明院サイト

 

 

清明院オフィシャルホームページ(PC)

 

 

清明院院長のブログ 「最高の鍼灸の追求」

RSSリーダーで購読する

ブログ内検索
おすすめ記事一覧
カテゴリー
最近の投稿
アーカイブ