東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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硬膜穿刺後の頭痛に対する症例報告④

 

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こんばんは 謝敷です

 

 

 

 

 

金曜日は、台風が来ましたね。(金曜日に書いているので、今まさに土砂降りです)
カンカン照りの日が続いていたので、植物にとっては恵みの雨。
ゴクゴク飲んで、葉も幹も根っこも、ほてりをとって潤うといいなと思います。

 

 

 

 

 

さて、今日も硬膜穿刺後の頭痛に対する症例報告を見ています。
最終回です!

 

この症例報告では、歩行も困難なほどの硬膜穿刺後頭痛に対し、
鎮痛剤や制吐剤、2回の鍼治療で、症状の緩解を見せました。

この変化の機序として、
西洋医学的には、鍼治療が、神経伝達物質や神経ペプチドの調整を行い、
三叉神経や脊髄後角ニューロンを抑制することで、痛みを軽減したと考えられる、と考察されています。

一方、伝統中医学的な観点からは、特定のツボに刺鍼することで、経絡の流れの阻滞を解消し、
痛みを和らげたと考察しています。

 

最後に、レポートの最後では、患者さんの声として、以下のような感想が記載されています。

 

 

 

全体的に気分が良くなり、頭痛と吐き気が少し和らぎ、良い治療だった。
最近の病院は不思議で、患者に触れない。
病院には、見えない壁がある。
西洋医学が、「処方箋は喜んで出すが、肩を揉むのはやめよう」と決めているのは変だね。
逆に言えば、処方を出すのは簡単で、時間をかけて患者と共感し、安心感を与える方がずっと難しい。

 

 

 

 

素晴らしい症例でしたが、この症例報告を読んで、鍼や東洋医学に興味を持っても、
中医学的には、何を根拠に弁証し(脈やツボの変化の記載はありますが詳細はありません)、選穴し、
結果、その根拠となった所見がどのように変化したのか…の記載がないので、
結局東洋医学は、謎めいたままで終わってしまうのではないかと感じました。

 

 

主観に頼らざるを得ない治療法だからこそ、可能な限り弁証の根拠となる所見を言語化し、
他者と共有できるようにすることは、
東洋医学が医療として広く活用されるベースとなるのではないかとも思います。

 

 

 

 

そういった症例報告か、介入研究の成果を、いつか出してみたいな…
そして、それが、ひいては、色々な症状で苦しい患者さんに対して、
「鍼灸が選択肢として検討される」未来に繋がって、
薬漬けや自身の苦しい日々との闘いの一助になったらいいな…そんな風に夢見てしまいます。

 

 

 

 

参考文献

Acupuncture for the Management of Postdural Puncture Headache: A Case Report.
Chang A, Acquah J, Reddy S, Chao MT.
Glob Adv Health Med. 2016 Jan;5(1):103-6. doi: 10.7453/gahmj.2015.010. Epub 2016 Jan 1. PMID: 26937320; PMCID: PMC4756779.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4756779/

 

 

 

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小さな方剤、麻辣湯

 

 

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こんばんは、三鬼です。

 

 

 

 

皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

 

 

ここしばらく、麻辣湯(マーラータン)のお店があちこちに開き、夕方には湯気の向こうに人の列が伸びている光景をよく目にします

 

 

麻辣湯(マーラータン)は、花椒〈ホアジャオ〉の痺れと唐辛子の辛みをきかせた、具と辛さを選べる春雨スープです。

 

 

 

湿りを含んだ駅の空気、容赦なく冷えるオフィス、途切れない通知—

 

—いつも通りの一日の余韻に、この行列はどこか必然のようにも見えてまいります。

 

 

 

なぜ今、こんなにも麻辣湯なのか。

 

 

東洋医学の地図を手に取ると、その理由が静かに立ち上がってくるのではないでしょうか。

 

 

 

都市のからだは、湿度と空調、長い座位にさらされるほど、内側に寒湿という重さを宿しやすくなります。

 

 

 

そこへ情報の奔流や数値の目に見張られるような日常が重なると、気の切り替えを担う肝の疏泄がつかえ、胸脇の張りやため息といった気滞の相が前景に出やすくなる—

 

そんな日々が続いているのではないでしょうか。

 

 

 

そうであればこそ、夕暮れに私たちの手が、痺れる「麻」と鋭い「辣」、そして湯気の「温」へ自然に伸びるのだと思います。

 

 

 

辛は“散”として鬱をほどき、麻(花椒)は“通”として流れを押し進め、温は“行”として脾胃に火を入れ、立ちのぼる芳香は“化湿”として内に沈んだ重さを軽くしてくれます。

 

 

 

一杯の器にこの四つの矢印がそろうと、閉じがちな表面がそっと開き、内側の湿が微かに揮発し、滞りが解錠される—

 

—麻辣湯は、まさに都市の解錠のための小さな方剤なのではないでしょうか。

 

 

 

魅力は味の働きだけにとどまりません。

 

 

 

器の前に座ってから箸を置くまでの十五分ほどのあいだに、発汗と痺れ、温度差と香りが一斉に立ち上がり、“効いた感じ”がすっと胸に灯ります。

 

 

 

しかも辛さや痺れ、具材を自分で選ぶという小さな所作が、遠のいていた主導権をやさしく手元に戻し、滞った疏泄にささやかな拍を入れてくれるのではないでしょうか。

 

 

 

短い時間で決まり、短い時間で調う—

 

—この時間適合性こそ、分刻みの都市に寄り添う麻辣湯の実力だと感じます。

 

 

 

香りの説得力も見過ごせません。

 

 

 

陳皮や香菜、黒酢の酸香が鼻腔を抜けると、肺の宣発がふっとひらき、胸の上にわずかな空間が戻ってまいります。

 

 

 

視覚に偏りがちな一日から、嗅覚へと感覚を引き戻すこの瞬間に、からだは“今ここ”へ帰還するのではないでしょうか。

 

 

 

高湿の外気と低温の空調がつくる寒暖差の中で固く閉じた表面を、温辛と芳香がそっと開く。

 

 

 

ガラス越しに立ちのぼる湯気が、都市の夕景に不思議と似合うのは、そのためかもしれません。

 

 

 

また、都市は往々にして陰陽の交替が弱い場所でもあります。

 

 

 

夜の光が強く、仕事と余暇の境界が曖昧になるほど、心は冴えすぎ、内側は乾きがちになります。

 

 

 

ゆえに、強すぎない陽でひらき、のちに収める導線が必要になるのではないでしょうか。

 

 

 

麻辣湯で軽く開き温めたら、仕上げに黒酢や陳皮の酸香で小さく収め、夜は白きくらげなどの潤いでそっと着地する—

 

—「発散→調え」という二段の流れが、乱れがちな都市の陰陽を日々の食卓で微調律してくれるように思います。

 

 

 

行列の風景は、単なるブーム以上のものを映しているのかもしれません。

 

 

 

流行は嗜好の気まぐれに見えながら、体調の言語化ではないでしょうか。

 

 

 

湯気の向こうでからだが差し出す合図に耳を澄ませ、強い刺激でスイッチを入れたら、酸と香でそっと収める。

 

 

 

そうして十五分ののち、少しだけ調った景色の中を歩いて帰る—

 

その小さな儀式が、都市を生きる私たちの明日を静かに支えてくれるように思われます

 

 

 

【参考文献】

神戸中医学研究会(編)『中医臨床のための方剤学〔新装版〕』東洋学術出版社,2012年。

神戸中医学研究会(編)『中医学入門〔新装版〕』東洋学術出版社,2012年

滝沢健司『図解・表解 方剤学』東洋学術出版社,2018年。

 日本東洋医学会「漢方の診察 1-4 基本概念:気および気の異常」日本東洋医学会ウェブサイト(最終閲覧:2025年9月4日).https://www.jsom.or.jp/universally/examination/ki.html 

厚生労働省『統合医療情報発信サイト(eJIM)』(最終閲覧:2025年9月4日).https://www.ejim.mhlw.go.jp/ 

富山大学 和漢医薬学総合研究所『伝統医薬データベース(藿香)』(最終閲覧:2025年9月4日).https://dentomed.toyama-wakan.net/ja/%E7%94%9F%E8%96%AC%E5%AD%A6%E8%A1%93%E6%83%85%E5%A0%B1/%E8%97%BF%E9%A6%99/SCC000155?w=1  

 
 

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