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こんばんは、三鬼です。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
先日、往診先のお庭で足を止めた私の目に飛び込んできたのは、言葉にならないほど美しく輝く花々の色彩でした。
「発色がとても鮮やかですね」
思わず口にした言葉に、その方は微笑みを浮かべながら答えてくださいました。
「土をごみとして出せなくて…米糠を混ぜて再利用しているのよ」
その瞬間、制約と思われていた状況が、実は豊かな可能性への扉であったことを知りました。
地球に生きる一人として、より良い循環を模索する旅が、静かに始まったのです。
—再生の儀式—
土に米糠を混ぜ、そっと時を待つ。
この静寂の時間こそが、目には見えない微生物たちの祝祭の始まりです。米糠の豊かな栄養を糧に、無数の生命が土の奥深くで営みを繰り広げ、眠っていた大地に再び息吹をもたらしていきます。
その様子を想像するだけで、自然の神秘に心が震えるのです。
—米糠が紡ぐ、土壌の深淵なる物語—
米糠が土に与える恵みは、古くから日本の農家が代々受け継いできた智慧であり、現代の土壌科学もまたその力を証明し続けています。
米糠には、植物の成長に欠かせない三大栄養素が豊富に含まれています。
窒素(N)は葉の緑を深く育み、リン酸(P)は花や実の豊かな成長を助け、カリウム(K)は植物の健やかな免疫力を支えます。しかし米糠の真価は、決してそれだけにとどまりません。
微生物によって分解される過程で生まれる有機物は、土壌の団粒構造を整え、通気性と保水力を飛躍的に高めていきます。土はまるで深い眠りから目覚めるかのように、生き生きとした呼吸を始めるのです。
さらに、米糠に含まれる多様な炭水化物や酵素は微生物の活動を促進し、その豊かな働きが土壌全体の生態系を潤していきます。
pHバランスの調整、有機酸の生成、そして鉄・亜鉛・マンガンなどの微量要素の補給。まさに自然が織りなす、精緻で美しい栄養の対話なのです。
これは、日本古来の「ぼかし肥」の思想にも深く通じています。現代の化学肥料に囲まれた時代にあっても、自然の循環を活かしたこの手法は、静かにその価値を語り続けているのです。
—色彩の覚醒—
あの鮮やかな花々の色彩は、米糠に含まれる微量元素が色素形成に関わる酵素の働きを助けたからでしょう。
健やかな土壌という最良の舞台を得たことで、植物本来の美しさが解き放たれたのです。制限から生まれた工夫が、思いもよらない美の開花をもたらしました。
—五行が語る、土と米の深淵なる対話—
この体験は、私を東洋の叡智である「五行思想」へと導きました。
五行とは、万物を「木・火・土・金・水」の五つの要素で捉える古代中国の哲学体系です。
その中でも「土」は中心に位置し、他のすべての要素を育み支える母なる存在とされています。そして米もまた、五行において「土」の性質を持つ食物に分類されます。
つまり、米糠を土に還すという行為は、五行の観点から見ると「土が土を養う」という、理にかなった完全なる循環の姿なのです。
東洋医学では、この「土」の要素は脾胃の働きと深く関わり、消化吸収と栄養の運化を司るとされています。
人の体内で米が消化され、その恵みが全身に行き渡るように、土壌においても米糠が分解され、その栄養が植物全体に浸透していく。まさに人と自然が共鳴する、生命の根源的なリズムを感じずにはいられません。
自然の理と智慧、そして小さな園芸の気づきが、深く静かに繋がった瞬間でした。
—制限が教えてくれた創造の円環—
「土を捨てられない」という制限がなければ、私はこの美しい循環に出会うことはなかったでしょう。
むしろその制限があったからこそ、視点を変え、思いがけない豊かさに触れることができたのです。
私たちの日常にある「制限」は、単なる不便として片付けるには、あまりにも多くの可能性を秘めています。それは新たな発見や創造性への扉であり、その向こうには、まだ見ぬ美しさが静かに待っているのかもしれません。
東洋医学の視座から見れば、制限もまた自然の調和の一部です。
陰陽の理でいうところの「陰」の力——制約や静寂、内向きのエネルギー——が、「陽」の創造力を引き出し、新たな生命力を生み出していくのです。
自然は相互に補い合い、調和を生み出し、いのちの美しい円環で動き続けています。そして私たちもまた、その大いなる循環の一部として、制限の中に隠された恵みを受け取りながら、日々を歩んでいるのです。
この小さな庭の物語が、皆さまの心にも何かの種を蒔くことができれば幸いです。
【参考文献・出典】
神戸中医学研究会編『中医学の基礎』東洋学術出版社, 2009年
山田光胤『五行思想の研究』創文社, 1988年
「土壌改良で大活躍!『米ぬか』の特徴を解説」エコファーム鳥取 (2024年3月)
https://ecofarm-tottori.com/blogs/blog/20240228
「米ぬかの使い方|どんな成分や効果がある?」GreenSnap (2020年7月)
https://greensnap.jp/article/8515
「米ぬか利用で土壌改善畑が生き返る秘訣」チバニアン兼業農家学校 (2024年10月)
https://chibanian.info/20240419-111/
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こんばんは。齋藤です。
じめじめしてきましたね。
関東地方では、今週末には梅雨入りする見込みです。
雨が増えると、合羽の使用頻度が増えます。
その合羽カッパが経年劣化により水漏れを起こし始めましたので、買い換えました!
合羽って水漏れするんですね!(笑)
それでは前回の続きです。
前回の話はコチラ。
前回は、「③気は能く血を行(めぐ)らす」について書きました。
今回は「④気は能く血を固摂(こせつ)する」について書いていきます。
「固摂」とは、東洋医学の言葉で、気の重要な働きのひとつです。 少し分解してみましょう。
この二つを合わせた「固摂」とは、体内の液体成分がむやみに漏れ出ないようにコントロールする働きを指します。
気には、血を全身に巡らせる働き(推動作用)がありますが、それと同時に、その血が血管の外に漏れ出ないようにしっかり留めておく働きも持っているのです。
そして、この固摂作用は血液だけに限りません。 汗、尿、よだれや唾液、胃腸の潤い、そして精液など、体にとって必要な潤いが過剰に排出されないように調節し、体液のバランスを保つ役割も担っています。
そのため、エネルギーである「気」が不足した状態(気虚:ききょ)になると、この固摂作用が低下してしまいます。 その結果、血液が血管の外に漏れ出し、さまざまな出血症状を引き起こすことがあるのです。
例えば、
ただ、注意したいのは「出血の原因 = 気虚」と単純に結びつくわけではないということです。
出血の原因は多岐にわたるため、治療の際には問診などを通して原因をしっかりと弁別することが非常に重要になります。
参考文献
『中医病因病機学』 主編:宋 鷺冰 訳:柴﨑 瑛子 (東洋学術出版社)
『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』 著:小金井信宏(東洋学術出版)
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論編』 監修:藤本蓮風 編著:一般社団法人 北辰会 学術部 (緑書房)
『基礎中医学』編著:神戸中医学研究会 (燎原)
『鍼灸・漢方の名医になるための気血弁証論治学』 編著;神野英明 (たにぐち書店)
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