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鍼治療の臨床試験における標準化と柔軟性を両立させるマニュアル⑥

 

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こんばんは 謝敷です。
 
 
 
 
 
真夏日のような日があったと思ったら、突然梅雨寒の日々。
風邪をひいている方も多く見られます。
しかし、道端では、紫陽花が出番とばかりに、大きな葉に見合った花のつぼみを膨らませていますね。
最近はやや激しめですが、やはり日本は、季節の移ろいが楽しいですね。
 
 
 
 
 
 
 
鍼治療研究の方法論に関するガイドラインを見ています。
これまで、同じ鍼介入の研究でも、その鍼がどのようなものなのか、
しっかりとその違いや背景、特徴を認識する必要があることを述べていました。
今日は、研究が参照している文献についての記載を見ていきます。
 
 
 
 
 
 
前回のブログでは「どの経穴(ツボ)が有効か」を検討する際、
まず「文献レビュー」を行うことが推奨されていました。
 
 
 
 
 
 
近年、英語で執筆された東アジアに関する文献や、
伝統医学文献に基き、熟練した臨床家の経験も反映した書籍も増えてきました。
 
 
 
 
 
 
 
しかし、依然として、この分野の大部分の文献と、蓄積された臨床経験の大部分は、
未だ翻訳されていないために、西洋の鍼灸師や研究者にとってアクセスできていない、という限界があると述べられています。
 
 
 
 
 
 
 
さらに、現在すでに東アジア医学の理論として広く流通している理解の中にも、
それ自身が不完全または不正確な翻訳によって、
本来の理論に基づく理解とは少し異なる考え方となっている点がある、とも批判しています。
 
 
 
 
 
 
 
 
よって、臨床研究では、参照する文献が、
「真に本来のな東アジア医学資料に由来した知識であるのか」
「中医学理論に対する個人的な解釈に基づくものなのか」という区別が重要であり、
その主張が研究者自身の訓練や臨床経験が、どのように影響しているか等についても
見極める必要がある、と述べています。
 
 
 
 
 
 
 
 
そして、これまでの鍼に関する研究の大多数では、研究プロトコルについての明確な記述がされていたとしても、
そもそも、
適切な方法論を欠いている、
理論的な枠組みの記述が不十分、
プロトコルの実施が不十分・・・
といった問題を抱えており、
その結果、研究結果を広く臨床に一般化することは難しいとしています。
 
 
 
 
 
 
 
また、中国や日本には、これまで行われてきた多数の症例研究や臨床試験があるが、
それらの内容は未だ西洋の人々にとってアクセスが困難であり、
結果、現在の鍼介入研究では、
質の低い先行研究から導かれた結論に基づいていたり、
未だ触れられていない東アジアの多くの文献を参照できていない、
という土台の上に設計されてしまっている、と批判を重ねています。
 
 
 
 
 
 
 
東アジアでの研究では、厳密な標準的臨床研究の基準には達していないかもしれないけれど、
これらが示している鍼が依拠している膨大な知識体系や、
長年の臨床上の現象等を取り込むことは重要であると述べています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
よって、現代社会における疾患管理や治療に、鍼を統合する価値を検討するためには、
鍼が最初に生まれた文化圏での課題や試行錯誤から学ぶ姿勢や、
中国語または日本語の医学文献に精通した専門翻訳者との協働が必要だと述べています。
 
 
 
 
 
 
 
 
熱い…
いつも論文を読むとき、著者の背景も確認しようと思っているのですが、忘れていました。
が、こんな熱いことを書いてくれる人は、どんな方なのだろうと興味が湧いてきますね。
 
 
 
 
 
 
 
医師ではなく、鍼灸や東洋医学系の博士号を取得された方で、
アリゾナ大学時代にこの論文を執筆し、現在はテキサス大学の所属のようですね。
アリゾナ大学と言えば、Andrew Weil教授の統合医療に関する教育・研究・臨床の拠点ですね。
彼女がどんな知識に触れてこの考えに至り、現在までにどのような活動をされているのかも気になるところです。
 
 
 
 
 
 
(参考文献)
Schnyer RN, Allen JJ. Bridging the gap in complementary and alternative medicine research: manualization as a means of promoting standardization and flexibility of treatment in clinical trials of acupuncture. J Altern Complement Med. 2002 Oct;8(5):623-34. doi: 10.1089/107555302320825147. PMID: 12470444.
 
 
 
 

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こんばんは 謝敷です。
 
 
 
 
 
 
 
GWも明けて、だんだんと空気から冷たさが消え、初夏の香りがするようになってきましたね。
朝晩の寒暖差が大きく、風邪をひかれている方も多いように思います。
日頃の養生で、外界の大きな変化にも柔軟に対応できる心身を養いたいですね。
 
 
 
 
 
 
 
鍼治療研究の方法論に関するガイドラインを見ています。
前回は、同じ「鍼治療」といっても流派が異なれば、
治療根拠も異なるため、どのような鍼治療なのかを明確にする意義が示されていました。
 
 
 
 
 
 
今回は、具体的に鍼治療をどのようなカテゴリに分けることができるのか、が説明されている部分を見ていきます。
 
 
 
 
 
 
(A) 伝統に基づく鍼灸体系
中国の長い歴史の中で形成されてきた多様な中国伝統医学全体(Chinese tradtional meicine)や、
それが日本等、他の東アジア社会では発展した伝統医学(Traditional East Asian Medicines)、
現代の中国で制度的に整理・教育されてた中医学等(Traditional Chinese Medicine)を含む鍼灸。
 
 
 
 
 
(B) 現代鍼灸
鍼灸が西洋に伝わる過程で発展した流派で、
臨床応用を重視し、生物医学や心理学的な考え方や技術を
中国伝統医学の原理と統合した折衷的な鍼灸。
 
 
 
 
 
(C) 電気鍼
刺入した鍼に電流を流し、追加の刺激を与える鍼灸。
特に疼痛治療に有効と考えられている。
 
 
 
 
 
(D)その他の様々な鍼刺激法
イオンポンプ、微弱電流、二金属接触療法、

低出力レーザー、薬物注入などの電気鍼以外の様々な追加刺激を用いる方法。
 
 
 
 
 
 
(E) 鍼物理療法
トリガーポイント等の解剖学的構造を対象として行う鍼灸。
 
 
 
 
 
(F)ホムンクルス鍼灸・マイクロシステム
体の一部に全身との対応関係をみる方法で、
耳や手、鼻を体全体の縮図として捉えて治療する方法を含む鍼灸。
 
 
 
 
 
(G)鍼による鎮痛
疼痛管理を目的とした、あらゆる強い刺激法を含む鍼灸。
 
 
 
 
 
日本でも様々な流派がありますが、
研究方法を考える際には、このようなカテゴリに分類されるのですね。
 
 
 
 
 
 
(参考文献)
Schnyer RN, Allen JJ. Bridging the gap in complementary and alternative medicine research: manualization as a means of promoting standardization and flexibility of treatment in clinical trials of acupuncture. J Altern Complement Med. 2002 Oct;8(5):623-34. doi: 10.1089/107555302320825147. PMID: 12470444.
 
 
 
 

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