東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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松木

科学について(その6)

2010.11.12

こんばんは、松木です。 前回の続きを書いていきます。 科学について(その1) 科学について(その2) 科学について(その3) 科学について(その4) 科学について(その5) ・反証主義の問題点 前回説明した反証主義ですが、これにも色々と問題があります。 反証をしようとした場合、すでにある理論と同じ条件下(前提条件)で観察がされなければいけません。 例えば、 「水は100℃で沸騰する」という論を反証するために、水を沸騰させる実験をするとします。 その場合、「温度を測る装置は正確か?」「混じりっけなしの水であるか?」などが前提条件として大切になります。 まあこれが「大丈夫である」ということになったとします。 そうすると今度は「大丈夫であるとした根拠は正確か?」ということになります。 それも「正確である」ということになっても、 「正確であるとした根拠は正しいか?」と言えま ....

科学について(その5)

2010.11.11

こんばんは、松木です。 前回の続きを書いていきます。 科学について(その1) 科学について(その2) 科学について(その3) 科学について(その4) ・反証主義について 帰納主義では、どこまで調べていっても「絶対に〇〇である」とは言えないということが分かりました。 (大きく割愛しましたが、論理実証主義の登場が大きな要因です。気になる方は調べてみて下さい。) その点では、「科学的」なもの「非科学的」なものの境界はあいまいであります。 そんな中、カール・ポパーという人が 「反証可能性を持つものが、科学である」 という考えを打ち出し、科学と非科学(擬似科学)の違いを明確にしようとしました。 説明しますと、 観察による科学の正当性の証明は、原理的に不可能である事が分かりました。(前回の内容ですね。) では、観察によって何が分かるかというと、ある理論が誤りであることを証明 ....

科学について(その4)

2010.11.10

こんばんは、松木です。 前回の続きを書いていきます。 科学について(その1) 科学について(その2) 科学について(その3) ・帰納主義の問題点 帰納主義というのはつまり、「多くのデータを取って、そこから正確な法則を発見しましょう」というものだと言えます。 これは今日の、「実験を通じて真実を探求していく」 という科学の方法論そのものと言っていいかもしれません。 しかしこれには問題があります。 前回あげた例で言いますと、「カラスは黒い」という事を調べるに当たって、全てのカラスを調べることは原理的に不可能です。 なぜなら、現存するカラス以外にも、過去生きていたカラスや、これから生まれてくるであろうカラスもいるわけです。 もしかしたら、その中に黒ではないカラスがいるかもしれません。 となると、どこまで調べていっても「絶対に正しい」とは言えないわけです。 カラスの例だけだと ....

技術の向上

2010.11.09

こんばんは、松木です。先日、上手に写真を撮る方法について解説してある本を見ておりましたら、冒頭でプロカメラマンの先生がこう仰っていました。「目的意識を持たずにいくらたくさん写真を撮っても上達しません!常に構図、露出、シャッタースピードなど、いつも目的意識を持って写真を撮りましょう。」これは、写真に限らず、全ての技術の上達を目指す際に当てはまるのではないでしょうか。もちろん鍼灸の上達もそうです。そのためには、「目的意識」が重要になってきます。清明院院長のブログ「最高の鍼灸の追求」でも、以前目的意識について触れてあります。「目的意識」の重要性技術の上達の早い人、いつまでも上達を止めない人は、常に何らかの「目的意識」を持って日々の生活に当たっておられると思います。野球のイチロー選手も、自らのバッティング技術の向上に関して「終わりがない」と言っておられました。これもその都度新たな「目的意識」を持っ ....

科学について(その3)

2010.11.08

こんばんは、松木です。 科学について(その1) 科学について(その2) 本日は「帰納主義」について書いていこうと思います。 「帰納主義」とは1600年代にフランシス・ベーコンが提唱した考え方です。本によっては「新しい帰納法」とも書いてあります。 どのような内容かと言いますと、 「個々の経験的事実の集まりから、そこに共通する性質や関係を取り出し、一般的な法則を導き出す」 というものです。 例えば、「カラスは何色か?」 という問いに対して、たくさんのカラスを調べてみます。 そうすると、たくさんの「カラスは黒い」という情報が集まりました。 その結果、「カラス=黒い鳥」 という結果が導き出されるわけです。 この結果は「カラスは黒い」という情報が多ければ多いほど信頼度が増すことになります。 まあ、当たり前といえば当たり前のように聞こえますね。 ベーコンのこの主張が当 ....

科学について(その2)

2010.11.07

こんばんは、松木です。科学について(その1)一週間開きましたが、先週の続きを書いていこうと思います。よく「科学的だ」「非科学的だ」という言葉を耳にしますが、一体何をもって「科学的」「非科学的」と定義しているのか、それが大変重要になります。これには実は様々な定義があります。「科学哲学」という学問がありますが、「科学とは何か?」ということに対する回答は一つではないわけです。それについてなるべく簡単に(大雑把に)書いていきたいと思います。また、今回は主に「近代科学」について書くつもりです。「科学史」の本を読むと、たいてい古代の科学について最初書いてあり、その後アリストテレスなど有名人が登場して参りますが、今回はそのことについては割愛します。まず、次回は「帰納主義」について書いていこうと思います。つづく愛すべき読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!! 清明院に皆様の ....

科学について(その1)

2010.10.30

こんばんは、松木です。本日から何回かに分けて、「科学」について書いていこうと思います。と言いますのは、私は鍼灸専門学校にて「東洋医学概論」の授業を担当しているのですが、その中で、「科学的でなさそう」とか「科学的でないので信じ難い」という意見を耳にします。それには私自身も理解できる点はたくさんあります。しかし、そういった発言をされる学生さんの中に、どうも「科学」というものの定義が曖昧な方が、ちらほら見受けられます。中には「漢字で書いてあると、何となく古くさく科学的でなさそう」であり、「英語で書いてあると、何となく科学的な気がする」という程度の認識の方さえいらっしゃいます。私は批判的意見というのは、何かを改善したり、より発展させるためには必要不可欠だと思います。それは東洋医学においても例外ではありません。しかし、的外れな批判はあまり建設的であるとは言えません。それを回避するために、「科学」につ ....

冬に備える

2010.10.29

こんばんは、松木です。最近急に寒くなりました。私たち往診事業部は、日々オートバイで移動しておりますので、寒さにめっぽう敏感です。また、鍼灸臨床というのは、素手で直接患者さんの身体に触れて治療をいたしますので、「術者が冷えている」というのは大変な問題です。冷たい手でお腹や背中などを触られたら、決して心地良くありません。場合によっては、それで体調が悪くなることもあります。そういった意味で、「防寒」というのは、我々の大切な仕事であります。この「防寒」のために、色々なアイテムを用意しているわけですが、そのとき最新のテクノロジーの恩恵を大いに受けております。「伝統」は大切です。しかし尚古主義になり過ぎるのは問題があると思います。バランスが大切、陰陽論でございます。陰陽といえば、猛暑の年は冬の寒さが厳しくなると昔から言われます。これも陰陽の法則です。(平衡の法則です。)ということは、今年の冬は寒くなり ....

コラボレーションのために

2010.10.28

こんばんは、松木です。一昨夜、母校の東京衛生学園専門学校に、論文を探しに行って参りました。東京衛生学園は、理学療法科や看護科が併設されているため、それらの職業に関する資料が豊富です。また、こちらの図書館は非常に資料の管理が行き届いております。昨日も、論文を数点探しに伺ったのですが、普段見慣れない看護系雑誌や、理学療法士の学会誌なども、大変調べやすくなっておりました。在宅医療を行うようになってから、患者さんのお宅で看護師の方とお会いしたり、理学療法士の方とお会いする機会が増えたことから、他の医療関係者の方々に鍼灸についてお話する場面も増えました。そのような場合、相手の職業が在宅でどのようなお仕事をなさっているか、どのような点を鍼灸に期待しているかを理解しておくことが大切ではないかと思います。そうなると、直接お話するだけでなく、その方々の専門書、専門誌に目を通すことで、上記の理解をより深めるこ ....

患者さんとの会話(その2)

2010.10.27

こんばんは、松木です。 前回も書きましたが、私が担当しております往診は、高齢の方と接する機会が非常に多いです。 そんな方々のお言葉は、人生の大先輩の教えとして、常に心に留めております。 先日、とある90代の認知症の患者さんからこんな話を伺いました。 「話をするときは、よく考えてから話さなきゃいけませんよ。後から、間違えました、失言でしたと言っても本当の意味では訂正できません。私のおじいさんはしょっちゅうこれを私たち孫に話してくれました。」 この方はこのようなおじいさんから教わった話をいつも聞かせて下さいます。 この方にとっておじいさんの教えというのが、いかに身体に染み付いているかがよく分かります。 そしてまた内容が普遍的なものばかりでございます。 時を経てなお鮮明に残っている教えを聞かせて頂ける仕事をさせて頂いていることに日々感謝しながら、往診業務に邁進しております。 ....

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