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今日は、この研究での結果についてみていこうと思います。
この研究で対象となった、乳がんサバイバー16,624人でした。
このうち、鍼治療を受けていた人は495人(3.0%)、
受けていなかった人は16,129人(97.0%)でした。
論文では、こうした対象者の特徴をTable1で示しています。
そもそも、鍼を受けたことのある集団と、受けたことのない集団で、
年齢や性別、居住地域、保険の種類、
がんや治療に関する特徴などに違いがあるのか、ということが分かります。
結果、年齢にはほとんど2つの群での差はありませんでしたが、
鍼治療群は、
・米国西部に居住する人が多く、
・民間保険等の保険に加入している割合が高くなっていました。
さらに、
・転移を有する人
・タキサン系抗がん薬による治療歴のある人
・更年期症状を有する人 も鍼治療群に多く、
鍼治療開始前の医療費も、非鍼治療群より高い傾向が見られました。
今回の研究テーマである鎮痛薬の使用はどのように変化していたのでしょうか。
オピオイド使用者として把握された人の割合は、鍼治療群では、
29.3% → 18.8%
と治療前後で約36%減少していました。
しかし、非鍼治療群でも、
26.0% → 21.0%と減少しています。
そこで、前回ご紹介した「差の差(DID)」を見てみます。
両群の前後変化を比較すると、
調整前の解析では、鍼治療群のオピオイド使用者割合は
非鍼治療群に比べて相対的に約20%大きく減少しており、統計学的にも有意でした。
よって、一見すると、この研究では、
「鍼治療を受けたことで、オピオイド使用がより減った」
と言えるように思います。
しかし、先ほど見たように、鍼治療群と非鍼治療群では、
もともと患者背景に違いがありました。
そこで、これらの要因を調整して比較すると
両郡での差は統計的に有意ではなくなりました。
同じくNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)についても、
鍼治療群では、治療後に使用者の割合は減少していましたが、
背景因子を調整せずとも、この減少量に統計的に有意な差は認められませんでした。
つまりこの研究からは、
「鍼治療を受けた患者さんでは、
その後にオピオイドやNSAIDsの使用者割合が減っていた」
ということは確認できます。
しかし、その減少が「鍼治療によって生じた」とまでは、
今回の主解析から断定することはできませんでした。
次回は、鍼治療群と非鍼治療群にみられた背景の違いと、
それらを調整することがなぜ重要なのか、もう少し見ていきたいと思います。
Ng DQ, Lee S, Lee RT, Wang Y, Chan A.
Real-world impact of acupuncture on analgesics and healthcare resource utilization in breast cancer survivors with pain.
BMC Med. 2024 Sep 16;22(1):394. doi: 10.1186/s12916-024-03626-2. PMID: 39285302; PMCID: PMC11406884.
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