東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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鍼灸に関するRWD研究(乳がんサバイバーの疼痛)④

2026.10.12

 

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こんばんは 謝敷です。
 
 
 
 
 
 
やっと秋晴れが続くようになりましたね。
雨の中で満開だった金木犀を心配していましたが、
金木犀は2度開花期かあるようで
乾いた空気に載ってくる秋の香りを胸いっぱいにすってみました。
 
 
 
 
 
今日はスポーツの日。
私は、身体が動かすのが好きですが、
俊敏な動きを要するスポーツは、もう約20年行っていない気がしてぎょっとしています。
これからますます動かなくなる一方なので、そろそろ生活の見直しをしてみたいです。
 
 
 
 
 
さて、乳がん経験者の痛みに対する鍼治療の影響を、
リアルワールドデータ(RWD)で検討した論文を見ています。
 

 

 

前回は「研究対象」としてのデータベースや
対象者の抽出方法について確認しました。

 

 

 

 

米国の商業用保険請求データーベースを用いて、
18~63歳の乳がんサバイバーの情報を抽出し、
疼痛関連で医療機関を受診した記録がある人を対象としています。
そして、1回以上の鍼治療の請求記録がある人とない人を比較しています。







 

今日は、これらのデータをどのように析するのか、というところを見ていきます。
解析では、DID(Difference-in-Differences:差の差法)を用いたとしています。





差の差…ということですが、
単に鍼を受ける前後での鎮痛薬等の使用量を比較した場合、
鍼治療後に鎮痛薬の使用が減っていたとしても、
それが鍼治療によるものなのか、
時間の経過とともに自然に痛みが軽減したためなのか、
あるいは、がん治療など他の要因が変化したためなのかは分かりません。





そこでまず、鍼治療群では、鍼治療を治療開始した日を基準日として、
その前後で鎮痛薬の使用や医療費等がどのくらい変化したかを調べます。






さらに、非鍼治療群においても、同様に、「前」と「後」という期間を設定します




非鍼治療群には当然「鍼治療開始日」がないため、
この研究では、鍼治療群が疼痛で受診してから平均236日後に鍼治療を開始していたことをもとに、
仮想的な基準日を設定しています。





そして、
鍼治療群の「前→後」の変化と、
非鍼治療群の「前→後」の変化を比較します。
つまり、各群の「前後の差」をさらに比較するため、
「差の差」の検討となるというわけです。

 

 

 

鍼治療群で鎮痛薬の使用が30%減っていても、
非鍼治療群でも同じ期間に20%減っていたとしたら、
単純に鍼治療によって30%減ったと考えることはできません。

 

 

 

 


このように鍼治療を受けなかった人にも生じている時間的な変化を考慮しながら、
鍼治療群での変化を検討するのがDIDという方法になります。

 

 

 


しかし、今回の研究はランダム化比較試験ではないため、
もともと鍼治療群と、非鍼治療群では、患者さんの背景に違いがある可能性があります。





そこで、この研究では、患者背景から、
「その人が鍼治療を受ける確率」をす雌「傾向スコア」を算出し、
その値を用いた逆確率重みづけ(IPTW)という方法で、
鍼治療群と非鍼治療群の患者背景をできるだけ近づけることを試みています。
そして、実際に両群の背景がどの程度そろったかを、
標準化平均差(standardized mean difference:SMD)によって確認しています。

 

 

 

 

さらに、感度分析(別の方法で検討しても結果が大きく変わらないかを確認する)として、
傾向スコアの近い鍼治療患者と非鍼治療患者を1対1で組み合わせる
傾向スコアマッチング(propensity score matching:PSM)でも
結果を確認しています。

 

 

 

研究のためにあらかじめ条件をそろえて収集したデータではないからこそ、
もともとの患者背景の違いや
時間とともに生じる変化をできるだけ考慮するために、
いくつもの統計的な工夫が重ねられていることが分かりますね。

 

 

 

 

Ng DQ, Lee S, Lee RT, Wang Y, Chan A.
Real-world impact of acupuncture on analgesics and healthcare resource utilization in breast cancer survivors with pain.
BMC Med. 2024 Sep 16;22(1):394. doi: 10.1186/s12916-024-03626-2. PMID: 39285302; PMCID: PMC11406884.

 
 
 

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